RPG系バンド、魔法少女になり隊がレベルアップ ~メロディア王国にさよならバイバイ ワタシはみんなと旅に出る~
魔法少女になり隊 | 2017.02.14
魔法少女になり隊のなにがすごいって、RPG系バンドという設定を元に活動していることだ。えっ、なにを言ってるかわからない? ライブレポに入る前に、まずは下記『魔法少女になり隊 序章』映像(4分17秒)を観て欲しい。
彼女たちは、ヴォーカルが魔女にかけられた呪い(喋れなくなった)をとくために、歌という魔法を使って冒険しているという、ラウドでポップでファンタジーなRPG系バンドなのだ。
バンドメンバーは、火寺バジル(魔法少女見習い/ヴォーカル)、gari(妖精/VJ&ヴォーカル)、ウイ・ビトン(スナイパー/ギター)、明治(女剣士/ギター)がドラマティックに出会って結成。いわゆる、ライブのオープニングではそんな出会いのストーリーがオープニング画面として投影される。これがまた、みんなで一緒に観るとテンション上がるのだからおもしろい。
バンドの目的達成のミッションとは、ハピネスを集めることにある。ハピネスとは魔法少女になり隊に関わる人々の嬉しいとか楽しい気持ちのことで、そんなハピネスが集まる空間つくることを物語上でもリアルでもゴールとしている。いわゆる目的が明確に提示されることによって、アーティストとオーディエンスの間に秘密を共有したかのような共犯意識が生まれていることに注目したい。
ちなみに、ヴォーカルは魔女の魔法によって喋れない設定なので普段は×マークがついたマスクをしている。このマスクは、物販で同様のものが“初期装備”として1,000円で販売されてるという(苦笑)。えっと「高いw」と思いつつも、ライブを体感すると真っ先に購入している自分がいた(笑)。設定がしっかりしているからこそ、物販展開にも魅力が波及していくのだ。
そんな魔法少女になり隊のライブは、メロコア的なハードコア要素も持ち合わせているので、1曲目「KI-RA-RI」からクライマックスを迎えるかのようにクラウド・サーフィング(いわゆるダイブ。自分の身体を他の観客に委ねる)で人が飛びまくる(筆者は後ろの安全ゾーンから腕を組みながらw)。
MCも独特。ラスボスである魔女の魔法によって喋れないヴォーカルの火寺バジルは、スケッチブックとマジック片手に「皆さんありがとう! せっかくのワンマンだから普段言えないことを言いたいんだけど、言えないのでありがとうの気持ちを込めて歌うね!みんなケガしないでね!」と書き上げ、それをライブ中はあまりVJしてなさそうな、VJ&デスヴォイスがチャーミングなヴォーカル担当の妖精であるgariが読みあげるというユニークさ。某国民的RPGゲームを彷彿とさせる楽曲タイトルを持ちながら、ロックでありポップでありメタルでありアイドルでありダンスミュージックでもあるごった煮サウンドによって、細分化された、音楽ジャンルを紡ぎ合わせることによってオリジナリティーを生み出すという新世代ミクスチャーな試みに好感度。オーディエンスの魂を揺さぶる快楽ポイントを大事に、美味しいところのみを抽出したパワフルなライブパフォーマンスが続いていく。
途中、「Believe」(アニメ『ONE PIECE』主題歌)、「ハレ晴レユカイ」(アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』EDテーマ)、「アニメおジャ魔女カーニバル!!」(『おジャ魔女どれみ』主題歌)というアニメファンにおなじみの、過剰アレンジが嬉しい大人気アニソンのカバーも入りつつ、真骨頂として、魔法少女になり隊アンセム曲である「RE-BI-TE-TO」が投入された。
いわゆるパラパラ風振り付けなユーロビート×ロックが融合した、まるでイギリスで起きた音楽ムーヴメント、ニューレイヴ日本版を感じさせる享楽的なサウンドをドロップ。しかし、本人たちはクラクソンズなんて知らないそうで、完全にオリジナルなニューレイヴ新世代誕生の瞬間に立ち会えてしまった感がユニーク。しかも、振り返ってみれば表舞台に突出したきっかけが、2014年の結成直後に出演した『RO69JACK2014』。当コンテストで優勝し、日本最大級の夏フェス『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』に出場して名を挙げたというのだから恐れ入る。
ライブが楽しすぎる魔法少女になり隊、怒涛の後半戦は1月にシングルリリースした王道ロックな「革命のマスク」、そして江戸ポップな新曲「ヒメサマスピリッツ」を扇子を振りながら届けつつ、オーディエンス熱狂の「テッペン伝説」、「MEGA DASH」、「BA・BA・BA ばけ~しょん」によって、今回も見事にたくさんのハピネスが集まったライブとなりましたとさ。
ソールドアウトした本公演、さらなる今後の活躍に期待大な魔法少女になり隊。正統派のバンドももちろん楽しいですが、音楽を自由に楽しんでいる姿満載の彼女たち。ライブにおける熱狂=ハピネスを開拓し続ける新しい才能に要注目だ。
【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】
リリース情報
革命のマスク
2017年01月18日
Sony Music Records
1.革命のマスク
2.テッペン伝説
3.Believe
2.テッペン伝説
3.Believe
セットリスト
魔法少女になり隊
「ワンマンツアー2017〜メロディア王国にさよならバイバイ ワタシはみんなと旅に出る〜」
2017.1.29@渋谷O-WEST
- 1.KI-RA-RI
- 2.火遁の術
- 3.☆☆☆☆クエスト
- 4.狂騒曲ザラキ
- 5.Believe
- 6.ハレ晴レユカイ
- 7.おジャ魔女カーニバル!!
- 8.RE-BI-TE-TO
- 9.革命のマスク
- 10.first star (新曲:未音源化)
- 11.ヒメサマスピリッツ (新曲:未音源化)
- 12.テッペン伝説
- 13.MEGA DASH
- 14.BA・BA・BA ばけ〜しょん
- EN-1.冒険の書1
お知らせ
■ライブ情報
打首獄門同好会「やんごとなきツアー」
2017/02/18(土) 広島4.14
打首獄門同好会「やんごとなきツアー」×四星球ツアー「楽屋泥棒四星球」
2017/02/19(日) 福岡 BEAT STATION
TENJIN ONTAQ 2017
2017/03/11(土) LIVEHOUSE CB / Early Believers / graf / LIVE HOUSE HEART BEAT/ Kieth Flack
OTOEMON FESTA 2017
2017/03/18(土) LIVE SQUARE 2nd LINE
SANUKI ROCK COLOSSEUM
2017/03/19(日) 高松市内ライブハウス(出演会場未定)
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
打首獄門同好会「やんごとなきツアー」
2017/02/18(土) 広島4.14
打首獄門同好会「やんごとなきツアー」×四星球ツアー「楽屋泥棒四星球」
2017/02/19(日) 福岡 BEAT STATION
TENJIN ONTAQ 2017
2017/03/11(土) LIVEHOUSE CB / Early Believers / graf / LIVE HOUSE HEART BEAT/ Kieth Flack
OTOEMON FESTA 2017
2017/03/18(土) LIVE SQUARE 2nd LINE
SANUKI ROCK COLOSSEUM
2017/03/19(日) 高松市内ライブハウス(出演会場未定)
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。