春の気配が少しずつ強まってきた2月19日、実に22回目の「音×AiR JOL原宿でLove Me Do♪」。今回は立ち位置が変わっていて、楓センターとMASAYA下手は同じだが、竜之介が前に出て上手に。サポートの將が後ろに下がった（僕が行けなかった2月14日の『ハートフルレボリューション』リリースイベントからだそうだ）。オープニング時、すでに立ち見エリアには12人。「いつでもウェルカムやから遊びに来てください」（楓）、「知ってる顔は前来てな。おい、知ってる顔」（竜之介）とさらに熱心に誘っていた。

　1stステージ1曲目は「愛を唄おう」。気持ちのいいテンポに、ベールをまとったイスラム圏からの女性観光客もノリノリだ。ブレイクで楓がさらにフロアに働きかけ、その甲斐あってか、ポツポツと立ち見エリアに入る人が増えていく。「叱ってサディスティック」前後のMCでは積極的にお客さんをいじりながらも集中力が切れず、適度なタイミングで本編に戻る楓にステージさばきの向上を見た。「抱きしめたいハグトゥナイ」では「よーし、大きな声出してみよか」とコール＆レスポンスを促すがこれは不発。竜之介が♪ンだきしめつぁーい、とふざけてレスポンスするのが大ウケ。1stステージが終わったときには約20人が立ち見エリア内に入ってきていた。

　お笑いゲストのニッチロー’が、イチローの伝記映画があったら主演できそうなくらいの形態模写を披露した後、2ndステージがスタート。JOL原宿のイメージソングにしてアルバム『ハートフルレボリューション』のリードトラックである「Catch Your Dream」だ。続く「ダントツYOU」では楓の声が嗄れ気味。やはり張り詰めているのだ。MCで「初めて見た人、拍手してください」と呼びかけるとけっこう拍手が上がり、ストリートライブの成果かな？　と思った。ラストはもちろん「Love Me Do」。♪Hey baby, hey baby, love me doのコール＆レスポンスで再び竜之介がふざけるが、少し引っ張りすぎの感も（苦笑）。終演時には30人近い人が立ち見エリアに集まって大盛況だった。

　ニッチロー’は「パワーを感じました。このしゃべりのうまさは芸人殺しですよ。ちゃんとお客さんを見てる。歌もいけるし、ポテンシャルがすごいと思いました」と絶賛してくれた。たしかに今回は竜之介と楓の掛け合いがこなれた感があった。將も「バンドっぽい荒々しさを出せたのはよかったかなと。響さんとコラボしたときに竜ちゃんと楓の掛け合いについてけっこう学んだ部分があって、その経験が生きてる気がします」と冷静な意見。3月12日の東京4度目のワンマンライブに向けて、笑いも演奏もさらに磨いていこう！

MASAYA「リリースイベントと同じくらいパーテーションの中にお客さんが入ってきてくれて、やりやすかったですね。ストリートで出会った子も来てくれて、ちょっとずつ実ってきてるのかなって。〈Love Me Do〉は久しぶりにやったんで“あれ？　どうやってやるんやったっけ”ってなって、お客さんとアイコンタクトしながら思い出しました（笑）」

竜之介「あるライブを見たのがきっかけで、僕ももっとしゃべっていこうと思って、今日はそれを試してみたんですけど、なかなかいい感じやったと思います。演奏はあんまりよろしくなかった気がしますけど（笑）、そこは練習します！」

楓「初めての人との距離感がだいぶつかめてきたかなと。ストリートっぽくやろかってことで、竜之介がボケて僕が突っ込むみたいなことを取り入れたら、けっこう笑ってもらえたし、立ち見エリアに入ってくれる人も多かったと思います。ワンマンは具体的なところはまだ考え中なんですけど、楽しませて笑かすっていうテーマで頑張ります。SHOWROOMでカウントダウン生放送も始めたんで、見てください！」

【取材・文：高岡洋詞】
【撮影：Sinpu Tokyo.】