20歳になったDAOKOの“青色時代”ツアーが終演!ファイナル公演をレポート!!
DAOKO | 2017.03.21
DAOKOが2月から3月にかけて行ってきた全国ツアー<DAOKO 2017 “青色時代”TOUR>の最終公演を3月8日に東京・LIQUIDROOMにて開催した。このツアーではO.N.O a.k.a MachineLive(THA BLUE HERB/STRUCT)、Wienners、大森靖子、女王蜂といったバラエティに富んだゲストを迎えたが、ファイナルにラインナップされたのは、酸欠少女さユり。強烈な個性を放つ20歳の女性アーティストふたりが邂逅した、貴重な一夜をレポートする。
さユりのアクトは、ほかの現場での彼女のライブと同じように、ステージと観客の間を遮る透過スクリーンにリリックやアニメーション映像を映し出しながら進んだ。「DAOKOさんに呼んでいただいて感謝の気持ちでいっぱい」というさユりは、MCでツアータイトルにちなんで“青色”にまつわるエピソードを展開。「私も青色好きなんですけど、水色って水は透明なのになんで水色って言うか知ってます? 水の中から太陽を見たときの空の色が、私たちの知っている水色なんですよ。それを聞いてなんかうれしくなりました」と話し、小さな体からは想像し得ないエネルギッシュかつエモーショナルなパフォーマンスで観客を圧倒した。
転換を経て「さあ、最初で最後、一度きりの夜。細胞の喜ぶことを」というナレーションとオープニング映像でDAOKOのライブがスタート。青いライトに照らされたDAOKOの姿が幕の向こうに浮かび上がると、場内全体の集中力がぐんとアップするのを感じた。
序盤は、「高い壁には幾千のドア」「かけてあげる」「ぼく」「BOY」といったインディーズ時代からメジャー1stアルバム『DAOKO』までの楽曲が披露され、紗幕に歌詞やアニメーションを投写する演出はさユりに引き続き効果的に使用された。時にマンガ調、時に線画イラスト、時に実写ビデオと、様々な映像でステージ全体が覆われる。その上にDAOKOの吐き出すポエトリーな言葉が次々と乗り、観る者を彼女独自の世界に引き込んでいった。
ポップなラップとウィスパーボイスの歌を軽々と行き来するDAOKO。冒頭から4曲続けて、紗幕での幻想的映像演出で魅せたあと、圧倒されているオーディエンスに向けて「ついにこの日がやってきました!青色時代ツアーファイナル!」と口を開いた。その後は代表曲のひとつ「水星」で女性ダンサー2名も入って観客の手が上がるアッパーな展開に。激しいビートチューン「ダイスキ with TeddyLoid」ではカラフルなレーザーが飛び交ったり、「ShibuyaK」ではスタンドマイクを使いDAOKO自身も踊ったりと、見せ方も多彩に進化していく。本編終盤には、昨年の初ツアーでも披露された椎名林檎「歌舞伎町の女王」のカバーが再びライブを盛り上げた。
アンコールでは、4月15日に配信リリースされる新曲「拝啓グッバイさようなら」をお披露目。アニメ「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」のエンディングテーマに決定しているこの曲は、なんとなく生きてきた昨日までの日々に“さようなら”する、春に似合う前向きな1曲に仕上がっていた。サビ頭の曲名のフレーズが強い印象を残す。初めて耳にしたオーディエンスの心もつかんだようで、歌唱後は大きな拍手が沸き起こった。
DAOKOは「(本編途中で)幕が開けたときにみんなの顔が見えてハッてなりました。ちゃんと一体感感じてますよ?私は」と呼びかけ、ファンも声を返す。2015年8月に初ワンマンライブを行った彼女だが、応援している側とのコミュニケーションの密度はライブを重ねるたびに深まっているようだ。それを象徴するように、フロアには青色のアイテムを身に着けた幅広い年齢層の男女の姿が。会場ロビーにも、青の風船で装飾されたファン有志からの花が飾られていた。
最後のMCで、3月4日に20歳の誕生日を迎えたことを報告すると温かい拍手で祝福された。DAOKOはこれまでを振り返り「15歳のときにインディーズデビューしてから早5年。とてもとても音楽に費やしてきたなと思います。今、頭のてっぺんからつま先まで音楽人間」と柔らかく笑う。そして、これからについて「音楽に恩返ししていきたいです。皆さんにもっと私を知ってもらいたいし、聴いてもらいたい。こんな私だけど、ちゃんと生きれてます」と語った。DAOKOの音楽に込められたメッセージは“孤独”から生まれるものも多いが、今の彼女は少し違う。自分と自分をめぐる周囲を肯定しながら生まれてくる楽曲は、きっとより多くの人に届き、豊かな感情を呼び起こすだろう。ラストは、大切なファンと絆を確かめるように「ゆめみてたのあたし」で場内一体になって盛り上がり、DAOKOのライブ力をパワーアップさせた“青色時代”ツアーは大団円となった。
【カメラマン:谷浦 龍一】
【取材・文:鳴田麻未】
リリース情報
もしも僕らがGAME の主役で / ダイスキ with TeddyLoid / BANG!
2016年09月14日
TOY’S FACTORY
02. ダイスキ with TeddyLoid
03. BANG
04. FASHION
05. もしも僕らがGAME の主役で_Instrumental
06. ダイスキ with TeddyLoid_Instrumental
07. BANG!_Instrumental
08. FASHION_Instrumental
セットリスト
DAOKO 2017“青色時代”TOUR
2017.3.8@恵比寿LIQUIDROOM
- 01.高い壁には幾千のドア
- 02.かけてあげる
- 03.ぼく
- 04.BOY
- 05.FASHION
- 06.水星
- 07.さみしいかみさま
- 08.ダイスキ with TeddyLoid
- 09.ME!ME!ME!
- 10.ShibuyaK
- 11.歌舞伎町の女王
- 12.BANG!
- 13.背景グッバイさようなら
- 14.ゆめみてたのあたし