BRADIOの全国ツアー“FREEDOM tour 2017”ファイナル、中野サンプラザ公演をレポート!
BRADIO | 2017.05.10
セカンド・フル・アルバム『FREEDOM』が好調の、ファンキーで、ダンサブルで、エネルギッシュなグループBRADIO。彼らの12本にわたる全国ツアー“FREEDOM tour 2017”のファイナルが、東京・中野サンプラザで行なわれた。ここではさらにパワーアップし、そしてより幅広くなった彼らの音楽性が発揮された、まさに圧巻のパフォーマンスが展開された。
BRADIOの、セカンド・フル・アルバム『FREEDOM』を引っさげての全国ツアーのファイナルが、4月30日に中野サンプラザで行なわれた。
彼らのワンマンとしては、これまでの最大規模の会場となるが、チケットはめでたくソールドアウト。ボーカルの真行寺貴秋が本番前の会場アナウンスも務めるなど、開演前から熱気に満ちあふれている。
そんな中、真行寺貴秋、大山聡一(g)、酒井亮輔(b)、田邊有希(ds)の4人のメンバーに加えて、彼らのライブの常連でもある“大ちゃん”ことキーボードの奥野大樹(ルルルルズ)、さらに2人の女性コーラスと3人のホーン・セクションという豪華な布陣がステージに登場し、『FREEDOM』に収録されていた「彼女ハリケーン」からコンサートは元気いっぱいにスタートした。さらに「Flyers」「HOTEL エイリアン」「Super Wonderful」と、アゲアゲの曲を4曲畳みかけて、“ファンキーしてるかい? ハッピーしてるかい? 夢の中野サンプラザだ!”と、真行寺貴秋が客席を煽り、会場のボルテージも一気に上がっていく。この一気呵成の高揚感は、BRADIOのライブならではだ。この4曲で、他のグループの10曲分ぐらいのエネルギーとカロリーを使っているのではないかと思えるほどのパワーと熱気だ。
そしてここで、大山聡一の音頭で“一本締め”が行なわれ、コンサートのスペシャル感はさらに強まっていく。続いてアルバムのタイトル曲「-Freedom-」が披露されたが、ファンキー/ダンサブル一辺倒ではない、BRADIOの新たなる可能性を提示していたアルバムと同様、より深くて幅広い音楽性が垣間見られるサウンドが印象的だった。そしてファルセット・ボイスが印象的だった「Step In Time」、コーラス隊とのアカペラから始まる「Overnight Superstar」と、インディーズ時代やデビュー当時のナンバーが続けて歌われたが、こうやってあらためて聴くと、BRADIOはインディーズから最新作まで、とても幅広い音楽性と自由な発想で曲作りをしていたということがよく分かる。さらに4人のメンバーとキーボードだけで演奏された、最新アルバム収録曲「蝙蝠」も、そんな彼らの幅広い音楽性と真摯なメッセージが込められていて、ミディアム・スローのテンポに乗せてじっくりと歌われるボーカルが感動的だった。
そしてここから、“ルームBRADIO”と名付けられたセッション・コーナーへと続いていく。これは、彼らの部屋に遊びに来たようなリラックスした雰囲気の中で、普段あまりやらないような曲を演奏するという、ライブ感覚溢れるコーナーだ。4人のメンバーと大ちゃんもイスに座り、ステージ上方からはシャンデリアが降りてきて、ちょっぴりムーディーな雰囲気の中、バラードの「You Make Me Feel Brand New」、ジャズっぽいテイストに乗せて、彼らの真情を吐露しているような「思い通りにならない世界」、ミディアム・テンポの前向きな「Ride On Time」が、アコースティック感覚溢れるサウンドで演奏されていく。こういった、ファンキーだけではない、メロディアスでちょっと感傷的な一面も、BRADIOの魅力だ。
そして再び「KAMISAMA」から、イケイケのステージとなり、「Get Money」では客席と大合唱になって、“オレは、BRADIOが、世界でいちばんカッコいいと思う”と真行寺貴秋が叫ぶ。そして彼らにとって新機軸となり、とても大切な曲となった、家族の絆をテーマにしたバラード「ギフト」が感動的に歌われ、コンサートはさらに密度の濃いものになっていく。さらにここから再びコーラスとホーン・セクションが加わり、ポップなナンバー「Playback」、サーフ・ロック・テイストのノリノリ・チューン「Golden Liar」と続き、「Revolution」では、曲の途中で黒い衣装の女性が3人ステージに登場し、彼女たちに導かれるように真行寺貴秋がステージ隅の箱の上に立ち、そこから一瞬で姿を消して、客席に登場するというイリュージョン。さすが、一筋縄ではいかないBRADIOのライブだ。お客さんをとことん楽しませようという、彼らの意欲が伝わってくる。さらにアゲアゲのファンキー・チューン「スパイシーマドンナ」、メンバーがファンに振り付け指導して、会場全体が同じステップを踏むという、まるで1970年代のディスコのような光景が展開された「Back To The Funk」と続き、パワフルでエネルギッシュで熱いパフォーマンスが展開されて、コンサートは終了した。
そしてアンコールでは、モータウン・ビートに乗せて、メンバーたちのソロがフィーチャーされた「All I Need Is You」でさらに盛り上がり、“『FREEDOM』は、ただ乗りがいいだけじゃなくて、自分たちの素顔もさらけ出した作品で、自信もあったけど、不安もありました。これがBRADIOの音楽です。これからも最高のミュージックをやるから、みんなついてこいよ!”と真行寺貴秋が叫び、会場全体で「Colors」を大合唱して、コンサートは感動的に幕を閉じた。最後に、ただファンキーに踊って終わるのではなく、みんながひとつになって歌って終わるという楽曲を選んだのも、BRADIOの成長だといえそうだ。
そしてアンコールが終わり、コンサートも終了かと思いきや、ここでちょっとした“小芝居”があり、この日のコンサートの模様がライブDVDとしてリリースされること、そしてなんと、ワーナーミュージック・ジャパンよりメジャー・デビューが決定したという発表が行なわれた。まさにビッグ・サプライズだ。BRADIOは、まだまだ大きくなっていく。ここからさらに進化と成長に向かおうとしているのである。
全体的に、アルバム・タイトルどおり、自由な感覚に満ちており、BRADIOライブ・バンドとしての充実ぶりと、グループとしての“ステージ”が、2段も3段も上がったなと実感させてくれる、とても楽しく、内容の濃いコンサートだった。彼らの未来が、もっともっと楽しみになってきた。
【取材・文:熊谷美広】
【photo by 木場ヨシヒト】
リリース情報
FREEDOM[通常盤]
2017年01月18日
HERO MUSIC ENTERTAINMENT
2.-Freedom-
3. 彼女ハリケーン
4. 蝙蝠
5. ギフト
6.Revolution
7.KAMISAMA
8.HOTEL エイリアン
9. 思い通りにならない世界
10.Get Money
11.All I Need Is You
12.Colors
セットリスト
BRADIO
FREEDOM tour 2017
2017.4.30@中野サンプラザ
- M1.彼女ハリケーン
- M2. Flyers
- M3.HOTEL エイリアン
- M4. Super Wonderful
- M5. -Freedom-
- M6. Step In Time
- M7. Overnight Superstar
- Bass Solo
- M8. 蝙蝠
- Room BRADIO
- M9. You Make Me Feel Brand New
- M10. 思い通りにならない世界
- M11. Ride On Time
- Gt Solo
- M12. KAMISAMA
- M13. Get Money
- M14. ギフト
- M15. Playback
- Dr Solo
- M16. Golden Liar
- M17. Revolution
- M18. スパイシーマドンナ
- M19. Back To The Funk
- EN1. All I Need Is You
- EN2. Colors
お知らせ
GREENROOM FES’17
05/20(土) 横浜赤レンガ地区野外特設会場
ビッケブランカ「Take me Take out TOUR 2017」
05/25(木) 渋谷TSUTAYA O-WEST
四星球結成15周年企画 2マンツアー「四星球方向性会議」
05/28(日) 仙台club JUNK BOX
SAKAE SP-RING 2017
06/04(日) 愛知DIAMOND HALL他
151A Presents「センス・オブ・ワンダーランド2〜かりゆし58 × BRADIO〜」
06/10(土) 桜坂セントラル
エイリアンサーカス 2017
06/17(土) 静岡SOUND SHOWER ark
07/15(土) 兵庫Harbor Studio
07/19(水) CLUB CITTA’
OKAMOTO’S tourw/ 2017
07/09(日) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
NUMBER SHOT 2017
07/22(土) 国営 海の中道海浜公園 野外劇場
MURO FESTIVAL 2017
07/23(日) お台場野外特設会場
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。