ビッケブランカ、ツアーファイナルにBRADIOを迎え、愛とエールを交換し合った熱い夜!
ビッケブランカ | 2017.06.07
ビッケブランカが、5月25日、東京・渋谷TSUTAYA O-WESTで「Take me Take out TOUR 2017」の最終公演を行った。ツアー初日の名古屋ではCzecho No Republic、大阪ではI Don‘t Like Mondays.と競演し、この日はBRADIOが登場。両者の音楽に対する愛も、パフォーマンスの熱量も、ステージからはみ出しっぱなしのファイナルとなった。
先攻BRADIOのファンキーなインストが鳴り響く中、ステージに現れたかと思ったらいきなりフロアへと飛び降りたVo.真行寺貴秋。慣れた様子でオーディエンス…いや、Funky Party People(BRADIOファンの総称)とハイタッチを決め、「It’s Show Time!We are BRADIO!」と鮮やかにショーの幕開けを告げる。「Flyers」「Revolution」とご機嫌なナンバーで飛ばしていき、「Overnight Superstar」ではミラーボールも回り始めた。一体感、そして多幸感。ライブ開始10数分とは思えないほど、会場の空気は完璧だ。
MCでは、ビッケブランカのファンを「ブランカー」と命名した真行寺。「想像以上にハマってないね(笑)」とGt.大山聡一が突っ込むも、「シノラー世代なんで(笑)」と笑いを誘いながら「ビッケくんとはつい最近出会ったぐらいの感じなんですけど(笑)、人間と音楽性に惹かれてここに立たせてもらうことができました。ここの集まってくれたブランカーのみんなと(笑)、Funky Party Peopleのみんなと、ビッケブランカに愛と感謝でいっぱいです!」と挨拶。「ビッケブランカも最高だけど、もっと最高なのはBRADIOです(笑)!いい音お届けするんで存分に味わってってくれ!」と盛り上げた。
「次の曲は久しぶりにやる曲なんだけど、ただやるんじゃ面白くないので、新しいイントロを付けてみました。ブランカーには馴染みのある、そしてFPPには新しい感じのイントロじゃないかなと思います」と前置きして始まったのは、ビッケブランカの「Slave of Love」の一節。ギター1本に乗せてムードたっぷりに歌い上げ、そのファルセットのまま「Sunday」へと続くという鳥肌もののアレンジだ。サービス精神、というよりも愛。決してお膳立てされた対バンではないことをサラリと伝える粋な演出だった。その後は各パートのスキルを存分に味わいながらの「-Freedom-」、メロウな気分を誘う「Chocolate Flavor」、ビッケブランカがBRADIOの曲の中でいちばん好きだという「オトナHIT PAREDE」へと続き、最後は「Back To The Funk」。ステージには4人しかいないけど、ファンキーなホーンセクションやソウルフルなコーラス隊の存在すら感じてしまうほど、豊かな音が鳴り響くBRADIOのステージだった。
ビッケブランカ、そしてバンドメンバーは「Take me Take out」のMVを思わせるコック&ウエイトレス姿で登場。1曲目はダンサブルなモータウンビートが華やかに弾ける新曲「Moon Ride」だ。「ココラムウ」はドラマチックなライブアレンジが施されていて、前回のツアーより何倍もパワーアップしたバンドサウンドが強靭なグルーヴ感を叩き出している。「追うBOY」では、お客さんのコール&レスポンスまで加わって耳に伝わる音の温度がさらに上昇。一体感というよりも、ひとりひとりの興奮が大きな波になって押し寄せているような感じだ。たくさんの人がビッケブランカの声を知るきっかけになった「Natural Woman」では、今回もイントロから歓声が上がっていた。
途中のMCではBRADIOとの出会いを振り返りつつ、一緒にやれる喜びなどをトーク。「同世代には好きなバンドがたくさんいるけど、BRADIOには敬意みたいなものがある。尊敬しています!」と語り、Vo.真行寺のモノマネをしながら「フリースタイルで楽しむぞー!」と会場を沸かしていた。
中盤は、それまでよりもグッとテンポを落としたナンバー、「SPEECH」と「ソロー*ソロー」を披露。ハイテンションなファルセットとは真逆に位置する、ひとりぼっちのつぶやきのような歌声だ。圧倒的な孤独感が美しい。
メンバー紹介を挟んで次の曲へ、というところではこんな展開が。「FPP(Funky Party People)のみんなには聴き馴染みのある、そして…言いたくないけどブランカーのみんなにはすごく新鮮に聴こえるかもしれない(笑)」と、先ほどBRADIOが「Slave of Love」の一節を引用した時と同じMCが繰り返されたのだ(笑)。聴こえてきたのはBRADIOの「スパイシーマドンナ」。彼の美しいファルセットが色気たっぷりに「君のBomb!Cute!Bomb!で遊ばせて~」と歌い出すと、フロアからは大歓声が沸き起こった。選曲のセンスも含め、やはり愛だと思う。(というのもこのやり取り、先攻のBRADIOはビッケブランカに内緒でやったらしく、後攻のビッケブランカは、そのサプライズを見て急遽この演出を取り入れたのだそうだ。これは終演後、「負けてらんないんで」とめちゃくちゃ嬉しそうな笑みを浮かべたビッケブランカが教えてくれたエピソード)
というわけで、そこから曲は「Take me Take out」へと続き、「アシカダンス」、「Slave of Love」、「ファビュラス」という無敵のダンスタイムへ突入。ライブが始まった時よりもさらに高まったバンドのグルーヴ感が、今日のライブと、このツアーの充実ぶりを伝えているようだった。
アンコールで登場したビッケブランカは、7月5日に1stフルアルバム『FEARLESS』を発売し、10月14日には赤坂BLITZで次のツアーのファイナルを行うことを伝えた。そしてバンドメンバーが呼び込まれ、BRADIOから真行寺のみが登場。お互いの音楽に対するアツ過ぎるほどの愛とエールを交換すると、ビッケブランカがこんなことを語り始めた。
「これまではどうやったらいいものが作れるかな、どうしたらみんなが面白いねって言ってくれるかなってことだけを考えてやっていきたいと思っていた。それ以外の発言はするつもりもなかったし、しようとも思ってなかったけど、今日はひとつだけ生意気言わせてほしい。これからの音楽業界は、ビッケブランカとBRADIOで作っていきたいとさえ思っております!それぐらい僕はBRADIOを愛してる!そしてビッケブランカも愛してる!」
抑えきれない感情を炸裂させながら力強く宣言し、ラストはBRADIOのメンバー全員と一緒に再び「Take me Take out」を披露。とはいえ、いわゆるお茶を濁すようなセッションとはわけが違う。ボーカルはもちろん、ギターもベースもドラムも前半と後半で入れ替わるという徹底ぶりだ。この2組だからこそ成立したライブバージョンと、今日しか生まれないグルーヴ感を身体中で満喫したエンディング。ビッケブランカのツアーファイナルではあったけど、BRADIOだけ先にハケることもなく、「やりきった!」感満載の9人全員でステージを降りていく姿が感動的だった。
【取材・文:山田邦子】
【撮影:星野健太】
リリース情報
FEARLESS
2017年07月05日
avex trax
02. Moon Ride
03. Take me Take out
04. Want you Back
05. Stray Cat
06. さよならに来ました
07. Postman
08. Broken
09. 幸せのアーチ
10. Like a Movie
11. Slave of Love
12. THUNDERBOLT
お知らせ
FEARLESS TOUR 2017
09/15(金) 仙台MACANA
09/17(日) 札幌KRAPS HALL
09/29(金) 梅田バナナホール
09/30(土) 福岡INSA
10/14(土) 赤坂BLITZ
篠島フェス2017 supported by ZIP-FM
07/16(日) - 07/17(月祝)
芝生広場/サンサンビーチ
NUMBER SHOT 2017
07/23(日) 海の中道海浜公演 野外劇場
WEST GIGANTIC CITYLAND’17
08/05(土) - 08/06(日)
大阪 舞洲スポーツアイランド
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO
08/11(金) 石狩湾新港樽川ふ頭横野外特設ステージ
MORNING RIVER SUMMIT 2017
08/19(土) 大阪城野外音楽堂
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。