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ヤバイTシャツ屋さん、バンド史上最大キャパも見事完売!強烈な個性が炸裂した追加公演をレポート!

ヤバイTシャツ屋さん | 2017.07.05

 ギリシャならば天空神・ゼウス、インドならば最高神・シヴァなど、世界にはあらゆる神々が存在する。そして、ここにまた新たな神が誕生した。

 ヤバイTシャツ屋さんのワンマンツアー「"どうぶつえんツアー" ツアー2017~ワンマン~」追加公演は新木場スタジオコーストで開催されることが決定。会場的にはバンド史上最大キャパにも関わらず、見事に完売! 平日にもかかわらず、立錐の余地なく観客で埋め尽くされた会場を見て、ヤバTの人気の高さを思い知らされた。それに比例して、バンド自体がグングンと成長を遂げていることを痛感させられた一夜となった。

 映画のブザー音が場内に響き渡ると、ツアータイトル名に引っ掛けて、ウサギ、ライオン、クマがステージ上に登場。どうやら、こやまたくや(Vo・Gt)、しばたありぼぼ(Vo・Ba)、もりもりもと(Dr・Cho)のメンバー3人が動物に姿を変えられたようで、人間に戻る唯一の方法は、今日ここに集まった2800人の力を借りなければいけないという。悪の力に勝つためにはタンクトップ・パワーが必要ということで、「タンクトップ」の大合唱が起きると、ステージ背面に「タンクトップ神」が降臨! 無事に人間の姿に戻ったメンバー3人が所定の位置に着くと、「Tank-top of the world」で幕を開ける流れで、観客の心をガシッと掴む。 続いて「寝んでもいける」はこやま、しばたの男女ボーカル&ハーモニーがより一層映え、「メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲」においては観客を座らせてジャンプ!させたりと、パンク/ラウド系バンドがよくやるアプローチをヤバTなりにリスペクトを込めて踏襲。そう、10-FEETやdustboxを音楽ルーツに持つだけに、当然といえば当然のコミュニケーションだ。ただし、「事務所の先輩の10-FEETとかがやってるやつ!」と、わざわざ説明するところがヤバTらしい。

 この日は初めて観に来た人も多かったようで、下は4歳から上は55歳まで、しかも最前には52歳の人がいたことにメンバー自身が一番驚いていた。それから「DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ」では観客も大声で歌詞を歌い上げていた。ヤバTのメロディはなにより取っ付きやすくて、覚えやすい。自然と歌いたくなる親密な歌メロも、幅広い層に支持されている理由と言えるだろう。また、しばたのベースがブンブンうねりを上げる「ZIKKA」もノリやすい曲調ゆえに、ライブではより一層輝いていた。  そして、ヤバTには地元・大阪をネタにした曲名が多い。そこで以前からやっていた地元解説を織り込んだ後、しばたのバイト時代のエピソードを綴った「ばたばたしばたさん」なる新曲をここで披露。これがまた超絶キャッチーな楽曲で、しばたのハイトーン・ボイスもインパクト絶大。セリフっぽいパートもあり、新味を盛り込んだアプローチも効果的だった。それを皮切りに「ウェイウェイ大学生」、「天王寺に住んでる女の子」、「週10ですき家」、「喜志駅周辺なんもない」と畳み掛け、会場は興奮のるつぼと化す。  その熱気をさらに煽ったのは、ロッテの「キシリトールガム」20周年のために書いた「とりあえず噛む」。バンドにとって初のタイアップ曲で、パンキッシュな疾走感溢れるナンバー。ド直球の歌詞を用いながら、未来に向けたメッセージ・ソングへと昇華させ、観客の反応も抜群だった。

 後半戦はインディーズ時代のシングル収録曲から「反吐出る」、NHK「おかあさんといっしょ」エンディング曲「スプラッピ スプラッパ」のカバーも挟み、ワンマンならではの幅広い選曲でコアなファンの期待にもしっかり応えていく。本編は「無線LANばり便利」、「ネコ飼いたい」と鉄板ソングで突っ走り、ラストは「ヤバみ」を解き放つ。最新シングル表題曲だが、既に堂々たるアンセム・ソングとして機能しており、ライブを重ねてきたバンドのタフな息吹を感じさせてくれた。

 アンコールに入ると、9月20日に5thシングル、加えて今日のライブを収録したDVDも同時にリリースされることを発表。その後にこやまがアコギを持つと、最新シングルのカップリング曲「肩have a good day」をプレイ。個人的にも大好きな曲で、密かにライブで聴くのを楽しみにしていたが、これも予想以上の盛り上がりを記録。メロディの良さを前面に押し出す一方、歌詞はヤバTらしさが爆発している。なので、感動しつつ、笑いをこらえるという不思議な心情に陥ってしまった。曲の最後はこやまによるアカペラで観客を巻き込んで大合唱する光景を作り上げ、楽曲のポテンシャルの高さに改めて驚いた。最後の最後は新木場スタジオコーストの巨大なミラーボールが回る中、「あつまれ!パーティーピーポー」が炸裂。ステージ背面にそびえ立っていた「タンクトップ神」が踊り出す仕掛けもあり、場内は大フィーバーのうちに幕を閉じた。

 メジャーデビューから約半年で、新木場スタジオコーストに登り詰めたヤバT。決して勢いだけでここまで辿り着いたわけではなく、バンドのキャラクター、楽曲のクオリティ、エンタメ性のあるステージングが三位一体となり、観る者をワクワクさせる「魅せ方」も心得てきたようだ。今年もその強烈な個性でどんな楽曲を届け、どんなライブを繰り広げてくれるのか、期待せずにはいられない。一度ハマれば抜け出せなくなるヤバTの音楽性は、さらに幅広い層に伝播していくことだろう。

【取材・文:荒金 良介】
【撮影:keiju kawase】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル 女性ボーカル ヤバイTシャツ屋さん

リリース情報

どうぶつえんツアー

どうぶつえんツアー

2017年04月05日

ユニバーサルシグマ

1.ヤバみ
2.寝んでもいける
3.肩 have a good day
4.ヤバみ(岡崎体育 remix)

お知らせ

■ライブ情報

京都大作戦2017~心の10電!10執念!10横無尽にはしゃぎな祭!~
07/7(金) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

JOIN ALIVE 2017
07/16(日) いわみざわ公園

NUMBER SHOT 2017
07/22(土) 海の中道海浜公園野外劇場

♀フェス〜日本一おもろいバンド決定戦〜
08/1(火) 新宿ReNY

モルタルレコードpresents
『ドリーミーサマー#2〜ヤバイブリーフ屋さん』

08/3(木) 埼玉・熊谷HEAVEN’S ROCK

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017
08/12(土) 国営ひたち海浜公園

MONSTER baSH 2017
08/19(土) 国営讃岐まんのう公園

Sky Jamboree 2017 〜one pray in nagasaki〜
08/20(日) 稲佐山公園野外ステージ

SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2017
08/26(土) 山中湖交流プラザ きらら

BAYCAMP 2017
09/09(土) 東扇島東公園 特設会場

風とロック芋煮会2017 KAZETOROCK IMONY COSMO
09/09(土)、10(日) ※出演日未定
しらさかの森スポーツ公園

山人音楽祭2017
09/23(土) ヤマダグリーンドーム前橋

中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2017
09/24(日) 中津川公園内特設ステージ

長田大行進曲2017
09/30(土) 神戸空港島内 多目的広場 野外特設ステージ

マグロック2017
10/01(日) 清水マリンパーク内イベント広場

NO MATTER LIVE Special
11/04(土) 札幌・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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