KEYTALK「日本を背負うバンドになりたい」新たな決意を胸にいよいよツアー終盤戦へ!
KEYTALK | 2017.07.24
ステージを覆っている幕に投影されていた『KEYTALK 爆裂疾風ツアー 2017 ~みんなの街でパラリラパパパラダイス~』というツアータイトル。「爆裂疾風」という大きな4文字が、勢いに満ちた毛筆調なのが目を引く……そんなステージを見つめながらワクワクしていると、突然、ライブ中の諸注意を告げる影アナが流れたのだが、声の主は寺中友将(Vo・Gt)、首藤義勝(Vo・B)、小野武正(Gt・MC・Cho)、八木優樹(Dr・Cho)だった。早速ワイワイガヤガヤじゃれ合っている彼らのやり取りを聞いて観客は大喜び。そして、ついに迎えた開演時間。SEが鳴り響いてメンバーたちが手を振りながら登場した。「Zepp Tokyo楽しんでこうぜ!」、巨匠(寺中)の声を合図に演奏がスタート。序盤から強力なサウンドが連発され、フロアは瞬く間にダンス天国と化した。
今回のツアーは、7月30日のZepp Osaka Bayside公演まで続くので、披露された曲の紹介は最小限にしておく。曲順が分かってしまいそうな表現も避けるが……現時点でのKEYTALKの豪華フルコースとでも言うべきものになっていて、「これも聴けるなんて嬉しい!」という曲も飛び出すので、これから観に行く人は楽しみにしていてほしい。ダンサブルさと美メロが絶妙に融合している「Love me」、踊る喜びを目一杯に体感させてくれる「MATSURI BAYASHI」や「MONSTER DANCE」などの存在感は、やはり半端ではなかったが、KEYTALKはその他にも名曲揃いであることを実感できた。
そして、最近、作詞作曲に積極的に取り組んでいる武正と八木の曲が、随所で存在感を放っていたのも、注目させられるポイントであった。武正ならではの作風であるスリリングな展開、イメージの断片を猛烈な勢いで連射する歌詞が満載の「ダウンロードディスコ」や「森羅万象」は、このバンドの演奏スキルの高さを堂々と示していた。また、最新アルバム『PARADISE』の収録曲の内でも異彩を放っていた「Summer Venus」は、ライブの現場でもとんでもなかった。ラテンテイストを盛り込んだサマーチューンであると同時に、途中でダンスボーカルユニット風のEDMサウンドに転じるあの問題作……例のEDMっぽいサウンドに差しかかると、あり得ないくらいの量のスモークがモクモクと立ち込め、サングラスを着用して真夏のバカンス仕様となった4人。《♪アミーゴ!》《♪ブラボー!》という観客の陽気な歌声も響き渡り、一足早い夏フェスのような開放的な空間が生まれた。
このように、“横綱相撲”とでも言うべき貫録に満ちた完璧な構成で駆け抜けたライブ。しかし、合間のMCになると、相変わらず愉快な4人組だったのも、改めて実感した愛すべきKEYTALKの魅力であった。「下北沢で卵型のシェイカーをシャカシャカと嬉しそうに振りながら歩いているのを巨匠に目撃された武正」「八木がご飯を食べていると、突然現れた巨匠が“アス!”と叫び、店内に奇妙な雰囲気が漂ったシュールな事件」「偶然同じパンツを穿いていることがよくあるのだという巨匠と義勝の隠せない仲良しぶり」――ユニークなエピソードが次々飛び出した中盤のMCタイムは、観客を大爆笑させていた。
コミカル路線から真面目なものまで、MCもとても幅広かったのだが、特にグッと来たのは巨匠の言葉だった。今回のツアーの各地で彼は「日本を背負って立つバンドになる!」と宣言していたが、川崎クラブチッタ公演の出来事をきっかけとして、考え方が少し変化したのだという。「あの時、声が出なくなってしまって。来てくれたみんなが代わりに歌ってくれたんだよね。“4人で頑張っていく!”というのを目標に掲げてたけど、これからもみんなの力を借りるんだと思います。みんなと一緒に大きいバンドになっていくべきだなと思いました。もっとみんなに頼りにされる、愛されるバンドになるために、これからも力を貸してほしいと思います」。このMCの後に披露された「Oh!En!Ka!」は、観客に力強いエネルギーを届けると同時に、自らの心を鼓舞する曲として、4人が演奏しているのを感じた。
6月にリリースした新曲「黄昏シンフォニー」が、力強い大合唱を誘っていたのも印象深い。そして、東武鉄道とKEYTALKのコラボレーション企画『夏フェスティバル♪KEYTOBU』の一環で、駅のプラットホームで流れるのだという発車メロディをいち早く聴かせてくれたり(7月20日~9月10日に5駅で流れる。詳細は公式サイトをチェックしてください)、9月10日に行う『10th anniversary KEYTALK 横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目~shall we dance?~』への意気込みを4人が語り合ったり、今後の活動に関する告知も盛りだくさんだった。
用意していた全曲を演奏し終えた後は、八木の「3・2・1・アス!」という合図で記念撮影。メンバーたちは笑顔を浮かべながらステージから去ったが、缶ビールを手にして戻ってきた巨匠。実に美味しそうに一気飲みをした彼は、缶を平べったく潰すと、尻ポケットにしまい込んだ。そして迎えた終演――KEYTALKのライブが楽しいことは、前からよく知っているが、今回のツアーで一際パワーアップしているのを感じた。最高の状態でツアーのファイナル公演を迎えるだろうし、各地で予定されている夏フェスでも存在感を発揮するのは間違いない。9月10日の横浜アリーナ公演も楽しみだ。
【取材・文:田中 大】
【撮影:後藤壮太郎】
リリース情報
セツナユメミシ
2017年08月30日
ビクターエンタテインメント
02.タイポロジー
03.誓い
04.さよならを。夏、
お知らせ
10th anniversary KEYTALK 横浜アリーナ ワンマンライブ 俺ら出会って10年目~shall we dance?~
09/10(日) 横浜アリーナ
KEYTALK爆裂疾風ツアー2017
~みんなの街でパラリラパパパラダイス~
07/28(金) Zepp Nagoya
07/30(日) Zepp Osaka Bayside
WEST GIGANTIC CITYLAND ‘17
08/05(土) 大阪 舞洲スポーツアイランド
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017 ※てんぷらDJアゲまさ出演
08/11(金) 国営ひたち海浜公園
ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017
08/12(土) 国営ひたち海浜公園
お台場みんなの夢大陸2017 めざましライブ
08/15(火) 夢大陸・スマイルランド内HOT SUMMERスタジアム
WILD BUNCH FEST.2017
08/19(土) 山口きらら博記念公園
MONSTER baSH 2017
08/20(日) 国営讃岐まんのう公園
イナズマロック フェス 2017
09/16(土) 滋賀県草津市烏丸半島芝生広場
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。