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Lastrum設立20周年『ニューカマー発見伝』予選第三回 ライブオーディション

Lastrum | 2017.08.10

◆予選第三回 ライブオーディション・東京◆

 今年、設立20周年を迎える「Lastrum」が、新しい才能を見つけ出すために企画したオーディション『ニューカマー発見伝』。東京・下北沢 LIVEHOLICで行われた予選第三回は、「あのね」「Funtass」「レルエ」「cook look happening!」が出場。このライブの模様をレポートする。

【あのね】
メンバー全員が作詞作曲、ボーカルも務める3人組ガールズバンド・あのね。彼女たちの独特な魅力は、1曲目「明日になったら」で、早速豊かに開花した。せいちゃん(Dr・Vo)の歌が先陣を切り、一気に広がった温かいハーモニー。瑞々しい存在感が、とても印象的だった「昨年12月に結成して、今日でライブは6回目。3人とも歌って曲を作れるので、もしかしたら曲に一貫性がないのかもしれませんが、それもまた一興ということで(笑)」、さとうなつみ(B・Vo)のMCを挟んで、演奏は続いた。観客と元気いっぱいにコール&レスポンスを交わし合った「カルシウム」。3人のアカペラから始まり、柔らかなメロディを響かせた「なみだでいっぱい」。そして、「みんなとどこまでも行きたいという歌です」、はっしー先輩(G・Vo)の言葉を添えてラストを飾ったのは「深夜列車」。爽やかに高鳴るサウンドが、彼女たちのバンド活動に対する力強い意志を示していた。

【Funtass】
3人組ギターロックバンドFuntass。メガネを不敵に光らせるギターボーカルを中心に、何やら一癖二癖ありそうな外見のベース、ドラムが情熱的なサウンドを響かせる様が、とてもかっこよかった。前半「タイムマシン」と「UFO」2曲をエネルギッシュに演奏して、ギターロックバンドとしての正統派の魅力を観客に印象づけた彼らだったが、MCタイムになると、ユニークなキャラクターを発揮。プライベートでの少々ディープな趣味について語って、観客をざわつかせるなど、自由奔放にトークを繰り広げていたのが、なかなかスリリングだった。そんな場面を経て、轟音と疾走感にあふれた「1964」を披露。そして、「毎月、ここのライブハウスでやらせてもらっているけど、ファンが増えません(笑)。ファン募集中です。気に入ったら声をかけてください!」というMCを挟み、ラストに届けられたのは「カレイドスコープ」。ギターソロをダイナミックに奏でる場面も交え、最後まで全力で盛り上げてくれた。

【レルエ】
メンバーは櫻井健太郎(Vo・G)、エンドウリョウ(B)、Saya(Vl・Syn・Cho)。サポートのメンバーも交えてステージに立った彼らのライブは「シルエット」からスタート。シンセサイザーやバイオリンを採り入れた、ドリーミーでダンサブルなサウンドが、観客の心をみるみる内にとらえているのを感じた。続いて、透明感に満ちた牧歌的なサウンドが心地よい「流星群」も披露した後、櫻井が観客に語りかけた。「オーディションライブですけどピリピリしていなくて、フレンドリーで安心しました(笑)」。MCを挟んで再開された演奏も、切れ味が抜群だった。歯切れの良いビートを躍動させた「クロスゲーム」。そしてラストは、緩急を利かせたドラマチックな展開でワクワクさせてくれた「シンデレラガール」。エンドウが観客を煽ると、力強い手拍子が湧き起った。最初から最後まで独自の音楽性を際立たせていたレルエ。彼らの名前は、あの場にいた全ての人の胸にしっかりと刻まれたに違いない。

【cook look happening!】
メンバーの柏眞史(Vo・G)、柴本雄太(B・Cho)、太田和洋人 (Dr)、内村勇希 (Key・Cho)を出迎えた明るい歓声。「下北のみなさん、こんにちは。埼玉県から来ました、cook look happening!です」、元気いっぱいに挨拶をして、1曲目に演奏したのは「Second Wave」。観客の手拍子がすぐに加わり、爽やかな一体感が生まれた。続いて「Walking Into Woods」。シンセサイザーで彩った力強いサウンドが響き渡り、会場内は熱気で包まれていった。そして迎えたインターバルでは、本番前に起きたハプニングについてメンバーたちが語り合い、観客は大爆笑。なんと太田が、スネアドラムを電車の網棚に置き忘れたらしい……明るいMCで和ませ、「ラストラムさん、20周年おめでとうございます!」と観客と一緒に祝福した場面も経て、彼らのライブは「Ain’t Over Yet」で締めくくられた。洋楽への敬愛を感じる音楽性と親しみやすいキャラクターを兼ね備えた彼らは、今後も刺激的な活動を繰り広げてくれるだろう。

終演を迎えると、観客は気に入った2バンドを選んで投票用紙に記入した。この投票結果とLastrum社内の審査も踏まえて、後日発表された「優秀バンド(決勝ライブ出演バンド)」はレルエ。彼らは9月3日(日)東京・新代田FEVERで行われる決勝ライブに出場する。予選が東京と大阪で着々と行われている『ニューカマー発見伝』。いよいよ面白くなってきた。

【取材・文:田中 大】
【写真提供:Lastrum】




◆予選第三回 ライブオーディション・大阪◆

 新しい才能を見つけ出すためにLastrumが企画し、1月からスタートさせたオーディション『ニューカマー発見伝』も、いよいよいよ佳境。大阪・心斎橋 Pangeaで行われた予選第三回に出場したのは、「the venzee」「The Dragers」「いつまでもそのテンポで」「浪漫革命」。関西エリアの層の厚さを示していたライブの模様をレポートする。

【the venzee】
「the venzeeです。よろしく」、Kameyama Arata(Vo・G)が挨拶をして、演奏がすぐにスタート。パワフルなギターのストロークが先陣を切り、Watanabe Yudai(B)とMiyazaki Wakana(Dr)が合流すると、一気に骨太なアンサンブルが構築された。 1曲目は「love love love」。喉を絞り上げるように届けられる歌声が刺激的。3人がアイコンタクト交わし合って繰り出すキメを経て熱量を増すサウンドが、観客の心を着々と掴んでいた。そして、インターバルをほとんど挟むことなく、ひたすら届けられた曲たち。熱いビートと美メロが絶妙に融合していた「pool side up」「アネモネ」「bad dream tonight」「no all」……どれもが最小限の編成で最大限のドラマを生む3ピースロックのロマンにあふれていた。「俺たち、大阪でのライブは初めてなんですけど、すごくいい街なのでまた来たいと思いました」というMCの後、ラストを飾ったのは「where is my girl」。硬派な音楽性を、とことん貫いていたライブであった。

【The Dragers】
滋賀県発の4ピースロックンロールバンドThe Dragers。オープニングで披露されたのは、艶めかしいギターリフを軸にした「ミッドナイトブルース」。乾いたフィーリングの歌声、エモーショナルなバンド演奏が、力強く駆け抜けた。刺激的なサウンドを浴びながら、自ずと身体を揺らし始めた観客たちが、とても気持ちよさそう。続いて届けられた「MAD CITY LIGHTS」は、4人の放つ爆音がますます痛快。そして、「The Dragersです。よろしく。俺らが一番かっこいいってことを、証明するために来ました。今日、ここ、心斎橋 Pangeaに革命を起こす!」と力強く宣言してから突入し、哀愁に満ちたメロディをじっくりと奏でた「ミリオネア」。ダンサブルなビートが冴え渡っていた「サラバ」。一体感にあふれたサウンドを炸裂させた「レコード」……ストレートなロックンロールで勝負する姿勢を示していた全5曲が、とても清々しかった。

【いつまでもそのテンポで】
ステージに現れると、まずは互いの拳を交わし合ったカンサイ(Vo・G)、つがし(G)、ノブ(B)、ぺいぺい(Dr)。「全力でやります。よろしく!」、挨拶の言葉を経て始まった1曲目は「TBB」。ステージからフロアに向けて放たれたサウンドが、文句なしに楽しい。まるで踊るかのようにステップを踏んでいたメンバーたちの姿が、とても活き活きとしていた。続いて2曲目「キリンサンバ」は、「みんなの手相を見せてくれませんか?」と呼びかけてからスタート。手を掲げた観客を陽気に踊らせていた。そして、「今日はいいバンドがたくさんいます。最後まで聴いて帰ってください!」(ぺいぺい)。「このオーディションに落ちようが通ろうが、みんなの顔を見たら、どちらでも良くなりました(笑)」(カンサイ)。明るいキャラクターが窺われるMCを挟んで、後半で披露された「故意してるよ」と「SUPER HERO」も大盛り上がり。演奏終了後に4人に送られた拍手が、とても温かった。

【浪漫革命】
ファンキーなリズム、涼やかに広がるハーモニー、胸に深く染みる美メロを鮮やかに炸裂させた1曲目「サマタイム」によって、早速、観客をうっとりとさせていた浪漫革命。絶妙なコーラスやラップも交えた多彩なサウンドが、オープニング直後から抜群に光っていた。そして、妖艶なムードと爽やかなメロディを交互に開花させる構成が印象的だった2曲目「NAMINORI」も披露された後に迎えたインターバル。「いいバンドばかりで、僕も楽しく踊っていました。今日をとっても楽しい日にしていきましょう」、ボーカルによるMCを挟んでから後半へ。アンニュイな質感のメロディを洗練されたバンドサウンドで彩っていた「午後の珈琲」。郷愁を誘うメロディを温かく響かせた「今夜だけ」……幅広いポップスのエッセンスを下地にしていることが窺われるハイクオリティな曲たちが、最後まで届けられた。隅々までセンスの良さを行き渡らせているこのバンドは、まだまだたくさんの魅力を秘めていそうだ。

4バンドの演奏が終了した後、観客は投票用紙に記入。この投票結果とLastrum社内の審査によって選ばれ、後日発表された「優秀バンド(決勝ライブ出演バンド)」は浪漫革命だった。彼らは9月3日(日)東京・新代田FEVERで行われる決勝ライブに出場する。激戦を勝ち抜いた6バンドが決勝ライブに集まるわけだが、熱い演奏が繰り広げられるだろう。果たして「最優秀アーティスト」の栄冠に輝くのは、どのバンドなのだろうか? 当日が楽しみだ。

【取材・文:田中 大】
【撮影-大阪:松本いづみ】



<告知>
SEKAI NO OWARI、黒木渚、Charisma.com、LILI LIMITなどを輩出した音楽レーベル・事務所Lastrumが主催するオーディション企画「ニューカマー発見伝」の決勝ライブが9月3日、新代田FEVERで開催される。

決勝ライブは、東京会場と大阪会場の各3回にわたる予選を勝ち抜いたブルームス/ザ・モアイズユー/Rollo and Leaps/Mankind Rhythms/レルエ/浪漫革命、計6組で行われるアーティストの決勝戦で、最優秀アーティストには賞金100万円が送られるほか、LastrumがCDリリースに向け全力サポートを行うことが発表されている。

応募総数3000通を越える中から選ばれた計6組の決勝戦。気になる方は是非足を運んでみよう。

ニューカマー発見伝決勝ライブ
日程:2017年9月3日(日)
会場:東京 新代田FEVER
OPEN/START:15:00/15:30
チケット代:500円
出演アーティスト:ブルームス/ザ・モアイズユー/Rollo and Leaps/Mankind Rhythms/レルエ/浪漫革命
司会:藤田琢己


<予選第2回、東京・大阪レポート>
http://music.emtg.jp/liveReport/20170610086641212

ニューカマー発見伝特設サイト
http://new.lastrum.co.jp/feature/newcomer

tag一覧 ライブ Lastrum

セットリスト

◆予選第三回ライブオーディション・東京
出演バンド・セットリスト

【あのね】
  1. 1.明日になったら
  2. 2.カルシウム
  3. 3.なみだでいっぱい
  4. 4.深夜列車
【Funtass】
  1. 1.タイムマシン
  2. 2.UFO
  3. 3.1964
  4. 4.カレイドスコープ
【レルエ】
  1. 1.シルエット
  2. 2.流星群
  3. 3.クロスゲーム
  4. 4.シンデレラガール
【cook look happening!】
  1. 1. Second Wave
  2. 2. Walking Into Woods
  3. 3. Ain’t Over Yet

◆予選第三回ライブオーディション・大阪
出演バンド・セットリスト

【the venzee】
  1. 1. love love love
  2. 2. pool side up
  3. 3. アネモネ
  4. 4. bad dream tonight
  5. 5. no all
  6. 6. where is my girl
【The Dragers】
  1. 1.ミッドナイトブルース
  2. 2.MAD CITY LIGHTS
  3. 3.ミリオネア
  4. 4.サラバ
  5. 5.レコード
【いつまでもそのテンポで】
  1. 1.TBB
  2. 2.キリンサンバ
  3. 3.故意してるよ
  4. 4.SUPER HERO
【浪漫革命】
  1. 1.サマタイム
  2. 2.NAMINORI
  3. 3.午後の珈琲
  4. 4.今夜だけ

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