ONIGAWARA「夏フェスなんて大嫌い!!なんちゃって~鬼ヶ島リゾート2MAN2DAYS~」
ONIGAWARA | 2017.08.10
夏だ!野外だ!フェスだ!と、ウェイ!!な音楽好きばかりが、この世にいるわけではない!!俺たちだったらライブハウスでも、こんな音楽の楽しませ方や想い出の共有の仕方が出来るよ…。まさに、そんなONIGAWARAからの「鬼ヶ島リゾートへのすゝめ」のようなイベントであった。
ONIGAWARAが8月2、3日に東京・新代田FEVERで自主企画イベント「夏フェスなんて大嫌い!!なんちゃって~鬼ヶ島リゾート2MAN2DAYS~」を開催した。昨年の東名阪の2マンツアーに対し今年は東京2DAYS。2日は夜の本気ダンス(以下 : 夜ダン)、3日はAwesome City Clubを迎え敢行され、2日に足を運んだ。
片やストイックに会場を終始踊らせる夜ダンと、片や古今東西の様々なJ-POPのオマージュをエンタテインメント性たっぷり且つ新鮮に楽しませてくれるONIGAWARA。音楽性の違いはあれど、両者とも会場を一つにしていく力量は確かなものだ。
まずはゲストの夜ダンが登場。2年前、夜ダンがライヴ出演に誘ってから親交が深まった両者。この2マンは実に2年ぶり。今回はONIGAWARA側からの誘いだ。
ダンスビートを基調にしながらも人力による手合いあり、ソリッドなロックンロールの風味も擁した音楽性も特徴的な夜ダン。この日ものっけから会場を躍らせにかかる。
「京都から夏を持ってきました」とはボーカル&ギターの米田貴紀。ドライヴ感とキャッチーさが炸裂し、サビの上昇感もたまらないインディ時代からの人気曲「WHERE?」が飛び出すと、いきなり会場に一体感が生まれていく。サビでの解放感とギターソロも印象的だった「SHINY」、マイケルによるベースの躍動感も特筆的な、ドラムの鈴鹿秋斗が打ち出すミッドな四つ打ちが会場を躍らせた「By My Side」、また、8/9発売のニューシングル「Love Connection」が飛び出した際には、抜き差しとニューウェーブ性もある同曲が会場中のジャンプを生んでいった。
後半に入り、更にテンションは上昇。ギターの西田一紀、マイケルも共に前に出て引き倒した「Without you」等、ラストの「Crazy Dancer」まで会場中をクレイジーに踊らせた。
続いてはONIGAWARA。FMラジオ調のイントロデュースに乗り登場した2人の恰好はアロハにショーパン。完全にリゾートスタイルだ。「夜の本気ダンス、かっこ良かったけど負けないから!」とは斉藤伸也(Vo./Cho./Rap)の第一声。この日の選曲は比較的夏仕様であった。
一発目から会場を一つにする一体感溢れる楽曲を予想するも、1曲目は今回のイベントタイトルでもあったミディアムラップチューン「夏フェスなんて大嫌い!!なんちゃって」。ミッド90’sの渋谷系ヒップホップへのオマージュを思わせる同曲が、まずは会場をブギーバックさせる。斉藤のフリースタイルから竹内サティフォ(Vo./Cho./Rap)と共に歌われる、淡かったり残念な想い出がクスッとした笑いも交え場内に広がっていく。
「俺たちのメリーゴーランドに乗っていけるか!」と斉藤がひと煽り。続けてカリプソ風味も交えたアレンジが一層リゾート感を引き上げてくれた「恋のメリーゴーランド」に入るとライブが走り出す。打って変わり、ここからは会場を一つにする楽曲が気焔をあげて連射されていく。オーディエンスもペンライトを手に参戦。彼ら独特の一体感とライヴ参加体感、そして一緒にライヴを作り出すべく気概が場内に満ちていく。
間髪を置かず「恋はすいみん不足」へ。レーザー光線も飛び交い、♪会いたい会いたい会いたいベイビー♪のサビのキャッチ―なフレーズが会場に呼応を呼び込んでいく。
時には季節を少々引き戻してくれる曲も現れた。バレンタインナンバー「チョコレイトをちょうだい」の際には、揃いの振り付けに合わせスイートな気持ちも広がっていく。会場中が自身のバレンタインのチョコをもらうシチュエーションを思い浮かべていく。
「今度は俺たちが目立つ番です」と斉藤。「目立ってます」では、♪目立ってます♪のレスポンスが会場を一つにしていく。
「むちゃくちゃ暑い。これが鬼ヶ島リゾート」とわざとゼーゼーした声でMCをする竹内。中盤では竹内が夏になると思い出す女性(「本田の翼」と紹介笑)について歌ったという「TSU・BA・SA」が、こんなに思い返しても自分のものにならない、ちょっと切ない気持ちと共に伝えられる。
この日は前日に配信限定でリリースされた最新曲「ホップステップLOVE」も披露された。実はこのイベントの限定チケットの方には、この曲+1曲のダウンロードコード付きの「1stチケット・シングル」も発売されていた。サマーポップでありながらもスタジアムアンセム的に響く同曲。彼らの中では最もダイナミズム溢れる楽曲だろう。
「最高を更新するにはみんなの協力が必要」と斉藤。続いてはONIGAWARA恒例の撮影タイムも交えた、自撮りマジックやそれのSNSでのアップを歌った「シャッターチャンス’93」。もちろん曲間の撮影大会では様々なポーズを披露してくれ、会場中が彼らのキメポーズをショット。SNSを通じ、各箇所に拡散されていった。
上記のダウンロード曲のもう1曲「西三乃風-WEST SIDE STORY(updated)」(彼らが結成当初無料配信した楽曲のリテイク)が飛び出すと、ソカのリズムに乗り会場にタオル大旋回の壮観が生まれる。斉藤の放つ、しゃがれたラガマフィンも会場を煽っていく。
本編最後は開放的な80,s Jロックmeets EDMな、初期よりの人気曲「Eじゃん」で締め。4つ打ちが会場をジャンプさせ、場内一丸となったコール&レスポンスを生み出していく。も、曲の途中で突如、ONIGAWARAリゾート恒例のスイカ割りが挟まれた。夜ダンのメンバーも交えて行われた、この行事。割るのは夜ダンのボーカルの米田が担当した。結果は見事に的中。ライヴ後、それがみんなにもふるまわれた。それらを挟むも引き続きボルテージを再短で最大へと引き上げていった彼ら。曲の後半でも引き続き一体感と盛り上がりは続いていく。
アンコールに登場した際には、この12月から来年1月まで全国ワンマンツアー『ONEMAN GIG TOUR 「オニカジ~ ONIGAWARA CASUAL EXHIBITION2017-2018~』を行う発表もあり、会場中が驚喜した。
アンコールもやはり夏曲。サンバを交えたディスコナンバー「タンクトップは似合わない」で締められた。みんなペンライトを振り、至福感が会場いっぱいに広がっていった。
野外フェスでの想い出の共有が夏の音楽好きの過ごし方のスタンダード化している現在、このように工夫一つで、あの場が苦手な方も違った夏ならではの音楽の楽しみ方が出来ることを体現してくれた、このイベント。2アーティストをじっくり楽しめ、一体感や共有も味わえ、且つ夏ならではの雰囲気を味わえた、そのアイデアの数々は、やはりONIGAWARAならではだと終演後、痛感。彼らのアイデアの泉はまだまだ乾きを知らず、音楽の引き出しの多彩さを改めて確信した一夜であった。
【取材・文:池田スカオ和宏】
【撮影:山川哲矢】
リリース情報
[配信シングル]ホップステップLOVE
2017年08月01日
ラストラム・ミュージックエンタテインメント
2.西三乃風-WEST SIDE STORY(updated)
このアルバムを購入
セットリスト
夏フェスなんて大嫌い!!なんちゃって
~鬼ヶ島リゾート2MAN2DAYS~
2017.8.2@新代田FEAVER
夜の本気ダンス
- 1. WHERE?
- 2. SHINY
- 3. By My Side
- 4. fuckin’ so tired
- 5. B!tch
- 6. Love Connection
- 7. Without you
- 8. TAKE MY HAND
- 9. Crazy Dancer
- 1.夏フェスなんて大嫌い!!なんちゃって
- 2.恋のメリーゴーランド
- 3.恋はすいみん不足
- 4.チョコレイトをちょうだい
- 5.目立ってます
- 6.TSU・BA・SA
- 7.ホップステップLOVE
- 8.シャッターチャンス’93
- 9.西三乃風-WEST SIDE STORY(updated)
- 10.Eじゃん
- En-1.タンクトップは似合わない
お知らせ
お台場みんなの夢大陸
08/20(日)みんなの夢大陸マイナビステージ
渋谷単独ライブシリーズ ラブレターズ対バンライブ 「ONIアツ!ONIシブ!ONIレター!」×ONIGAWARA
08/25(金)TSUTAYA O-nest
東京歌謡曲ナイト2017
09/01(金) 川崎club CITTA
夏の魔物2017 in KAWASAKI
09/10(日)川崎市東扇島東公園・特設会場
NAGOYA ReNY presents “YO-A-SO-BEAT~Very Very MIX!!!~”
10/09(月) 名古屋ReNY
ONEMAN GIG TOUR 「オニカジ~ ONIGAWARA CASUAL EXHIBITION2017-2018~」
12/08(金) 仙台enn3rd
ONEMAN GIG TOUR 「オニカジ~ ONIGAWARA CASUAL EXHIBITION2017-2018~」
12/10(日) 札幌COLONY
12/15(金) 梅田 CLUB QUATTRO
12/17(日) 福岡Queblick
12/21(木) 名古屋 CLUB QUATTRO
12/22(金) 広島CAVE-BE
2018/01/20(土) 渋谷CLUB QUATTRO
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。