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a crowd of rebellion ソールドアウトとなったマイナビBLITZ赤坂公演

a crowd of rebellion | 2017.11.24

 今回のマイナビBLITZ赤坂公演は、彼らの成長における一つのマイルストーンとなった。バンドを観続けてきて、心の底から胸が躍るときはすべての歯車が噛み合い、いままでだったら到底難しかった急斜面を一気に駆け上がっていく瞬間だ。その現場に立ち会えたときに、この仕事をやってて良かったと、つくづく思う。

 新潟発の5人組、a crowd of rebellionの今年の活躍ぶりには目を見張るものがあった。結成10周年という大きな節目を迎え、夏フェスでは「ラウド・シーンを命がけて守りたい!」と胸に秘めた思いを爆発させたりと、バンド一丸となった気迫に全身が震えた。そして8月に発表されたメジャー2ndアルバム『Gingerol』を聴いて、1曲1曲の完成度の高さに舌を巻いた。間違いなく過去最高のクオリティだった。そのレコ発ツアー「Gingerol Tour 2017~拝啓くだらねぇ日々へ~」は全国18カ所で行われ、そのセミ・ファイナルにあたる17カ所目のマイナビBLITZ赤坂公演は、今年の集大成と言える内容になった。

 開演時刻18時ジャストにSEが流れ、宮田大作(Vo)、小林亮輔(Vo/G)、丸山漠(G)、近藤岳(B)、高井佑典(Dr)とメンバー5人がステージに姿を見せると、緊迫感を帯びた場内に穏やかな小林の歌声が響き渡る。そこに宮田の気迫のこもったスクリームが追い討ちをかけ、最新作収録の「HOPE」でいざ開始。すると、満杯の会場は瞬時に火が付く盛り上がりで、ステージと観客の熱量が真正面からぶつかり合っている。次の「This World Is Unreasonable」に入ると、フロアには3つのサークル・モッシュが出来上がり、早くもとんでもない活気が渦巻いていた。それからオリエンタルなフレーズが耳を引く「Devil Scars」へ。断末魔のごとき宮田のスクリームは狂気を帯びたド迫力で、ファニーなコーラスも抜群に映えている。

「熱いダンスを見せてくれますか?」と宮田が言うと、「Black Philosophy Bomb」に突入。観客は踊りまくり、凄まじい一体感を生み出す有様だ。それから、天井に吊るされた巨大なミラーボールが煌々と回る中で披露されたのは「NIACIN FLASH」。高井の軽快なスラップ・ベースが轟き、リベリオン流のクラブ・ミュージック的なアプローチはショウにいいフックをもたらす。オシャレなサウンを含め、彼らの中でも異色のポップ感を放っているものの、違和感はまるでナシ。また、宮田のポエトリー風の語りから丸山の煌びやかなギター・ソロに移行する流れにもゾクゾクした。

「凄い景色で信じられない。今日はソールド・アウトみたいで・・・」と宮田が言うと、新作の中でも個人的にお気に入りの「Gorilla Gorilla Gorilla」をプレイ。頭からウォール・オブ・デスが勃発し、極悪なヘヴィネスと至福のサウンドは見事に融合。"地獄のテーマパーク"と表現したくなるアンビバレンツな音色に興奮した。

「Ⅱ-α→Ω-Ⅱ」を経て、曲名通りのお祭りソング「MATSURI WWWeapon」がここで炸裂。「セイヤ! ソイヤ!」の掛け声を観客とコール&レスポンスし、ダンス・コアの真骨頂を叩き付けてくる。この曲のようにライブで最大の効能を発揮する楽曲が増えたことも、彼らの人気を後押しする要因とも言えるだろう。例え楽曲を知らなくても、騒げて踊れる圧倒的な楽しさを提供してくれる。

 中盤に入ると、どんなキャパでもリベリオンのライブ・スタイルは変わらないこと、痴漢や周囲にケガをさせないことなどを告げ、観客に心から感謝の言葉を述べていた。

「みんな俺に死ね!と言ってくれる? 背中を押されるから」と小林が自虐的に言うと、「if…」を披露。宮田がアコギを持ち、清涼感溢れる小林の歌メロは会場いっぱいに広がる。「死ねばいいのになあ」の歌詞を観客が合唱するシュールな場面もあり、心の中で思わずニヤニヤしてしまった。その後の「karma_葬」も素晴しく、スケール感のある曲調は今日の会場にマッチしており、観客は自然と手を上げて曲の世界観に浸り切っていた。

「The Crow」をやり終えると、「今日は特に早いねえ」と宮田が零していたが、観客も同じ気持ちに違いない。後半戦は「REBELLIOUS BEHAVIOR」、「M1917」と畳み掛け、フロアはぐちゃぐちゃのカオスな熱に包まれていく。それを「She’ll Never Forgive To Be Insulted」がさらに増幅させていた。

 そして、ここで宮田が長めのMCを入れる。「東京の初ライブは赤坂CLUB TENJIKUというライブハウスで、観客は5、10人ぐらいしかいなかった。今日この場所に立っているのは当たり前じゃない。親、地元の仲間にまだそんなことやってるの?と言われることもあった。それでも好きなことをやり続けて良かった。自分を信じて良かった。今、夢を追いかけている奴、あと1ミリ、5ミリ進んだら、違う景色が見えるかもしれない」と熱く語りかけ、「まだまだやるぜ!」と付け加えると、「リビルド」、「Nex:us」と繋げ、会場の最後尾の人まで狂喜乱舞させていた。

 本編を締め括ると、アンコールにも応え、「O.B.M.A」をプレイした後、ここで重大発表が待っていた。2018年3月8日に結成10周年を総括したバンド最大キャパのワンマン・ライブをZepp Diver City Tokyoで開催することを告知。セットリストはファン投票で決めることも伝えられ、会場は激しくどよめいた。「この日がソールド・アウトしなければやれなかった」と宮田が感慨深げに言うと、ラスト曲「Satellitear」においてはクラウド・サーファー続出の最大級の盛り上がりを見せつけ、約2時間に及ぶショウは幕を閉じた。

 彼らの楽曲はとにかく情報力が多くて、曲展開も異常なほど目まぐるしい。大きなキャパになればなるほど、再現性は困難を極めそうなものだが、それは全くの杞憂に終わった。今回のツアーでバンドは想像以上に力を蓄え、鮮やかな「全員攻撃」ぶりを見せつけてくれた。新潟発の突然変異スクリーモ・バンドに、来年もさらに期待したい。お世辞抜きに素晴しいパフォーマンスだった。

【取材・文:荒金良介】
【Photo by サトウハル】




▼ライブ情報
10th Anniversary "Special Setlist ZeppDC One-man Show"
2018年3月8日(木) Zepp Diver City TOKYO
18:30 開場 / 19:30 開演
チケット:1F スタンディング ¥4,320-(税込/ドリンク代別) ※整理番号順入場
*当日ご来場の方に10周年記念品プレゼントあり
主催/お問い合わせ:H.I.P. (03-3475-9999)

acor menbers先行【抽選受付】
11月24(金)10:00~12月3日(日)23:00
http://www.acrowdofrebellion.com(申込はスマートフォンから)

QR
2018年3月8日(木) Zepp Diver City TOKYO公演のセットリストをファン投票で決定!
#acorセトリ選手権
実施中
応募期間:11月19日(日)21:00~12月19日(火)20:59
結果発表:12/24(日) 18:00
http://arena.emtg.jp/r/acrowdofrebellion/setlist_10th/

tag一覧 ライブ 男性ボーカル a crowd of rebellion

リリース情報

Gingerol

Gingerol

2017年08月16日

ワーナーミュージック・ジャパン

1. C17H26O4 -introduction-
2. HOPE
3. Nex:us
4. NIACIN FLUSH
5. Devil Scars
6. polyrhythm
7. if...
8. 294.38g/mol -interlude-
9. MATSURI WWWeapon
10. Gorilla Gorilla Gorilla
11. リビルド
12. karma_葬

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お知らせ

■ライブ情報

10th Anniversary "Special Setlist ZeppDC One-man Show"
2018/03/08(木) Zepp Diver City TOKYO


coldrain FATELESSJAPANTOUR2017
2017/12/04(月) 京都 MUSE

Falilv 5th Album Release Tour 2017-2018
2017/12/09(土) 徳島 club GRINDHOUSE

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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