Official髭男dism、来夏の中野サンプラザへ繋ぐワンマンツアー「Official髭男dism one-man tour 2017 -winter-」が閉幕
Official髭男dism | 2017.12.18
SEが鳴り響き、明るい歓声に迎えられて登場した藤原聡(Vo・Piano)、小笹大輔(G)、楢崎誠(B・SAX)、松浦匡希(Dr)。襟の部分に白い縁取りが施されたお揃いのジャケットを着ているのが目を引く。そして、彼らが「恋の前ならえ」の演奏をスタートさせると、観客は手拍子をしながら大喜び。続いて披露された「始まりの朝」では、フロアの全面でタオルの激しい回転が起こり、マイナビBLITZ赤坂は、早くも熱気に包まれていた。
「愛なんだが・・・」と「ブラザーズ」も届けられた後に迎えた最初のインターバル。「ツアーファイナル、やって参りました。この距離で週末にグッドミュージックを共有できるなんて! こんなに幸せなことはないです。ギターの大輔は緊張して3日間くらいご飯を食べてないんです」(藤原)。「ご飯が喉を通らなくて。でも、本番前にチンジャオロースを頂きましたよ」(小笹)――2人の和やかなやり取りを経て始まったアコースティックコーナー。藤原=ピアノ、小笹=シェイカー、楢崎=アルトサックス、松浦=カホンという編成で、まず届けてくれたのは「夕暮れ沿い」。4人それぞれがソロで歌うパートも交えて、柔らかなハーモニーを響かせていた。演奏を終えた後、「気持ちよかった! 楽しかった! どうだった?」と楢崎が自身のサックスプレイの感想を観客に訊いたところ、湧き起こった大きな拍手。「ナラちゃんのサックスを聴くのが好きなんだよ。大学の時にナラちゃんの卒業試験を観に行ったことがあるんです(※楢崎は大学時代に音楽教師を目指していて、卒業試験でサックスを吹いた)」(藤原)。「こっそり来やがって(笑)。聡がいるからほんまに緊張しちゃって」(楢崎)。「でも、良かったよ。なんで今フォローしてるのかわからないけど(笑)」(藤原)――学生時代のエピソードを聞かせてくれた後に届けられたもう1つのアコースティックの曲は、小沢健二のカバー「僕らが旅に出る理由」。この曲でもサックスを吹いた楢崎は、間奏で華麗なソロプレイをした後、藤原と握手とハグを交わし合っていたが、2人の仲の良さを感じさせる微笑ましい場面であった。
再び、普段通りの編成に戻って披露された「ゼロのままでいられたら」や「LADY」は美しいメロディをじっくり響かせて、深い感動を呼んでいた。そして、ボコーダーも駆使しつつ、艶めかしいファンクサウンドを奏でた「Tell Me Baby」の後に再び迎えたインターバル。「今日は金曜日。僕は東京に出るまでは地元でサラリーマンをやってたから、金曜日の夜っていろんな思い出があるんです。みんなも悩みとか問題とかを抱えながらここに来てたり、明日以降、立ち向かっていかなきゃいけないことがあるんだと思います。どんな人生を歩んでいても頑張り時って来るじゃないですか。そんな中、ライブに足を運んでくれたからには、音楽で“明日から頑張ってやるか!”って思えるようなパワーをしっかり届けたいです。自分も音楽に助けられてきたし、ライブに助けられながらやってきました。後半戦が今から始まりますが、次にみんながライブに来るまで頑張れるパワーを注入したいと思います。受け取ってくれますか?」、藤原が力強く観客に呼びかけてスタートした「日曜日のラブレター」。ステージ上の4人と観客が笑顔を交わし合い、音楽を通じて1つになっているムードが、とても美しかった。その後も「コーヒーシロップ」「Driver」「異端なスター」が心をこめて届けられ、会場内は心地よい昂揚感で満ち溢れていった。
ピアノを弾きながら瑞々しいメロディを藤原が歌い上げた後、小笹、楢崎、松浦の演奏も合流。軽快な手拍子と大合唱を巻き起こした「Clap Clap」。フロアに向かって発射された金色と銀色のテープを握りしめながら踊った観客たちの陽気な姿が眩しかった「SWEET TWEET」によって締め括られた本編。4人は一旦ステージから去ったが、「ヒゲダン! ヒゲダン!」という熱い声に応えて、すぐに戻ってきた。松浦と小笹が中心となってツアーグッズの紹介をした後、ステージ後方のスクリーンに画像が映し出されたのだが、「2018年4月11日にフルアルバムをリリース」「2018年5月~7月、全国13ヶ所を巡る単独ツアーを開催」という情報が次々と発表されて観客は大喝采。ツアーファイナルの会場が中野サンプラザであることが告げられると、歓声は一際高まった。
「また必ず遊びに来てください。では、中野サンプラザへと繋ぐ激アツなアンコールを始めたいと思います。今日はファイナルなので3曲持ってきました。まず1曲目に行く前にみんなの声が必要なんだ!」と藤原が呼びかけ、《Oh Yeah》というフレーズを歌う練習を繰り広げてから「Rolling」へと突入すると、エネルギッシュな観客の大合唱が起こった。続いて「What’s Going On?」が力強いビートと美メロをきらめかせた後、ラストを飾ったのは、「最高にハッピーなこの曲で中野サンプラザでの再会を誓おうぜ!」という藤原の言葉と共にスタートした「犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!」。《ずっとこのままでいようよ》と一緒になって歌う観客の声とステージから届けられるサウンドが温かく融合。Official髭男dismのライブで毎回生まれる幸福感の極みのようなひと時だった。
用意していた全曲を披露し終えると、互いの手を繋ぎ合ってお辞儀をしたメンバーたち。名残り惜しそうに何度も手を振り、使っていたピック、ドラムスティック、タオルをフロアに投げたり、最前列の人々とハイタッチを交わし合ったりしていた彼らは、とても満足そうな表情でステージから去っていった――以前、インタビューをした時、この4人は自分たちの音楽の核にあるテーマに関して「あなたの人生とタイアップ」と言っていた。まさにその言葉通り、会場に集まった1人1人の人生に彼らの音楽が素敵な潤いを与えているのを感じたライブであった。今後のOfficial髭男dismも、たくさんの幸せをファンに届けていくに違いない。
【取材・文:田中大】
【撮影:溝口元海(be stupid)】
リリース情報
Digital EP「LADY」
2017年10月13日
ラストラム・ミュージックエンタテインメント
2. Driver
3. Tell Me Baby
4. ブラザーズ
【iTunesアルバム購入特典】
「Official髭男dism one-man tour 2017」ライブ映像(from 2017.6.16 SHIBUYA CLUB QUATTRO)
1. Opening
2. 犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!
3. 異端なスター
4. 始まりの朝
5. Trailer
セットリスト
Official髭男dism one-man tour 2017 -winter-
2017.12.8@マイナビBLITZ赤坂
- 01.恋の前ならえ
- 02.始まりの朝
- 03.愛なんだが・・・
- 04.ブラザーズ
- 05.夕暮れ沿い
- 06.僕らが旅に出る理由(※カバー)
- 07.ゼロのままでいられたら
- 08.LADY
- 09.Tell Me Baby
- 10.日曜日のラブレター
- 11.コーヒーシロップ
- 12.Driver
- 13.異端なスター
- 14.Clap Clap
- 15.SWEET TWEET 【ENCORE】
- EN-1.Rolling
- EN-2.What’s Going On?
- EN-3.犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!
お知らせ
[2017]
COUNTDOWN JAPAN 17/18
12/31(日)幕張メッセ国際展示場
[2018]
A FLOOD OF CIRCUS 大巡業 2018
01/19(金) 石川vanvan V4
01/20(土) 新潟CLUB RIVERST
HIGEDAN acoustic one-man live 2018
02/03(土) Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASURE
HIROSHIMA MUSIC STADIUM-ハルバン’18-
03/10(土) 広島市内のライブハウス他
03/11(日) 広島市内のライブハウス他
「ひげダッシュ!」第2弾
03/16(金) 阿倍野ROCKTOWN
Official髭男dism one-man tour 2018
05/02(水) 横浜BAYSIS
05/03(木) 仙台darwin
05/12(土) 熊本B.9 V2
05/13(日) 福岡DRUM Be-1
05/25(金) BLUE LIVE HIROSHIMA
05/26(土) 大阪サンケイホールプリーゼ
06/02(土) 水戸ライトハウス
06/09(土) 名古屋ダイヤモンドホール
06/16(土) 岡山IMAGE
06/17(日) 米子laughs
06/24(日) 柏PALOOZA
06/29(金) 金沢vanvan V4
07/05(木) 中野サンプラザ
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。