Shiggy Jr.の結成5周年を祝い、恵比寿リキッドルームがアットホームなパーティー空間に!
Shiggy Jr. | 2017.12.21
SEが鳴り響き、ステージの背景に浮かび上がった「Shiggy Jr.」というバンドロゴ。すると、ステージ上に原田茂幸(Gt・Vo)、森夏彦(Ba)、諸石和馬(Dr)が現れ、待ちわびていた観客たちは、一気に熱く沸き立った。そして、バンドメンバーたちが演奏を始めた後、池田智子(Vo)が手を振りながら登場。「一緒に楽しんでいきましょう!」という元気いっぱいの言葉と共にスタートしたのは「Saturday night to Sunday morning」。歌いながら笑顔を浮かべる池田も、掲げた腕を穏やかに振りながら盛り上がる観客も実に楽しそう。続いて「恋したらベイベー」も届けられ、恵比寿リキッドルームは華やかなパーティー空間と化していった。
「踊れる新曲を持ってきました。一緒に身体を動かしていきましょう!」、池田が観客に呼びかけてからスタートした「誘惑のパーティー」。先日リリースされた最新作『SHUFFLE!! E.P.』の中でも、一際力強い躍動感に満ちていたこの曲は、ライブの現場でも圧倒的なパワーを発揮していた。自ずと真似したくなる振り付けも盛り込まれていて、フロア一杯にますます明るいが高揚感広がっていく。そして、ライブで披露するのは久しぶりなのだという「key of life」が温かい一体感を生んだ後、最初のインターバルを迎えた。「今日は私たちの5周年の記念のライブ。こういうアニバーサリーイベントをやるのは、初めてです。平日の火曜日に、みんな無理して来てくれたんだよね? ありがとう。なんと今日、12月5日が結成記念日、当日でございます! 今日という日をどうしてもみんなと一緒に過ごしたかったんです。5年の歴史の中で大事にしてきた懐かしい曲とか、みんなが一緒に育ててくれた曲たちはもちろん、新しくリリースしたE.P.の曲たちも織り交ぜながら、特別な時間をみんなと作れたらなと思います」。このライブの主旨を池田が説明すると、5周年を迎えたことを祝福する大きな拍手と歓声がステージ上にいるメンバーたちに贈られた。
池田がタンバリンでリズムを刻みながら歌い、観客の軽快な手拍子も加わった「day trip」。池田と原田が瑞々しいハーモニーを響かせた「baby I love you」。原田のラップパートも交えながら、切ない物語を描き上げた「二人のストーリー」……しっとりとしたテイストの曲も披露された後のMCタイムでは、「せっかくのワンマンライブなので、メンバーのみんなの声も聞いてみたいですよね」と池田に促され、原田、森、諸石が陽気なトークを繰り広げた。「俺ら(森と諸石)は4年前にShiggy Jr.に入ったんです。僕は学生で、4年制大学の6年生をやってました。休学してたんです。学校への報告書では“NYに行く”ってことになってたんですけど……吉祥寺でバイトしてました(笑)」(森)。「俺と森は10年来の友だちで、Shiggy Jr.に入って3年10ヶ月。今日は4年弱の記念日(笑)。話は変わるけど……俺、夏が嫌いだったの。でも、『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』で初めて外でライブをして、外でライブも観て、夏が大好きになりました。まさにサマータイムラブです(笑)」(諸石)。「5年間、楽しいこともいっぱいあったけど、大変なこともあったんです。一昨年のカウントダウンライブの時は、大変な熱の中、やり切ったんだけど、曲の締め切りもあって。それでなんとか仕上がったのが、先ほどやった「key of life」です」(原田)――随所にウィットを利かせつつ、興味深いエピソードも交えたMCで、観客を大喜びさせていた。
中盤では、この日ならではの特別な曲も用意されていた。「せっかくのアニバーサリーなので、“何をやったら来てくれたみんなが喜んでくれるんだろう?”ってメンバーと一緒に考えました。久しぶりにカバーをやってみようかなと。茂幸くんが大学生の時に山下達郎さんをよく聴いてたんです。だから山下達郎さんが組んでいたバンドのSUGAR BABEの曲をやろうと思います!」と池田が言い、披露されたのは「DOWN TOWN」。各メンバーが歌う場面もあり、大喝采を誘っていた。続いて、「ワンマンなので、普段やらないことをやろうと思います。歌ってもいいですか?」と原田が言い、披露された新曲「朝、目が覚めたら」は、彼がメインボーカル。以前から定評のある美声が響き渡り、観客はうっとりと耳を傾けながら手拍子をしていた。そして、その次に届けられたのも新曲「looking for you」。池田がキーボード弾きながら美しいメロディを歌い上げたこの曲は、原田によるギターも素晴らしかった。アウトロで展開したエモーショナルなギタープレイが幕切れた瞬間、観客は感極まった様子で大きな拍手。音源化が楽しみな、とてもドラマチックな曲だった。
楽器隊によるセッションプレイへと突入し、各々のソロも雄々しく炸裂。そして、一旦ステージから姿を消していた池田が再登場してスタートした「僕は雨のなか」は、Shiggy Jr.のロックバンドとしての強力さを改めて実感できる熱いアンサンブルが際立っていた。その後も、池田がエレキギターを弾きながら歌い、バンド全体が一丸となってパワフルなサウンドを奏でた「Juuuump!!」、「全員でクラップしようぜ!」という諸石の煽りの言葉に応えて、観客が全力で飛び跳ねながらクラップをした「oyasumi」、会場全体がドリーミーなムードのダンスフロアとなった「GHOST PARTY」、森のリードによって「High 5!」と叫ぶコール&レスポンスが途中で繰り広げられた「LISTEN TO THE MUSIC」……多彩な曲が一気に連発され、観客は歓声を上げ続けていた。
「いつもはライブの前日の夜には喋りたいことがまとまるんですけど、今日は言いたいことがあり過ぎてまとまらなくて……」、5周年を迎えたことに対する気持ちを話し始めた池田は、12月5日がなぜバンドの結成記念日なのかについて詳しく教えてくれた。「2012年の手帳を読み返してみたら、12月5日のところに“茂幸くんとスタバ”って書いてあって(笑)。呼び出されてスタバに行ったら、“自分は音楽を仕事にしたいと思ってるんだけど、池田さんはどうですか?”と。私も音楽をやっていこうと決めたタイミングだったから、“ぜひ一緒にやらせてください”と言ったんです。そして、これ、初めて言うんだけど……その日の日記に“これだけ音楽に誠実に向き合っている人に私は会ったことはない。この人とだったら音楽ができる。これは間違ってないと思う”っていうことが書いてありました。こうして5周年を迎えて、素敵な仲間に恵まれて、みんなが会いに来てくれて。その気持ちは本当に間違ってなかったと思います」――Shiggy Jr.に対して彼女が抱いている深い愛情も伝わってくるMCだった。
「音楽の素敵なところをみんなからたくさん教えてもらってます。音楽はゼロからは生まれなくて。“シギーの曲を聴いて元気になりました”とか言ってくれるけど、それはシギーの音楽が全てではなくて、みんなが心の中に明るい気持ち、前向きな気持ちっていう光の種みたいなものをしっかり持ってるから。シギーの音楽がその光の種と共鳴できるんだなと感じるようになりました。シギーの音楽をみんなが見つけてくれたことを本当に嬉しく思います。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします!」と池田が想いを語り、本編を「サンキュー」で美しく締め括った。終盤でメンバー4人がお互いに視線を交わし合いながら優しい表情を浮かべていた姿が、とても印象的だった。
アンコールを求める観客の声に応えてステージに戻ってきた彼らが、まず届けてくれたのは「約束」。Shiggy Jr.に加入する前の森と諸石がこの曲を聴いたことが、4人の出会いへと繋がったことを踏まえつつ耳を傾けると、牧歌的な風味のサウンドが一際温かく感じられた。その後、来年の春と夏にワンマンツアーを行うことが発表されて観客が大喜びした場面を経て、ラストは「サマータイムラブ」が飾った。観客やメンバーの姿を見ながら歌う池田の表情が、とても幸せそう。そして、「5周年だから5回ジャンプをして締めたいと思います!」と彼女が言い、観客も加わった5回のジャンプが会場を心地よく揺さぶってエンディングを迎えた。
演奏が終了した後、「本当にありがとうございました。6年目も応援してください。またぜひ遊びに来てください!」とメンバーを代表してリーダーの原田が挨拶。すると、池田が「こういうことも言えなかったのにね。月日ってすごいねえ」と感心していたのが、とても微笑ましかった。そして、メンバー全員が仲良く並んで深々とお辞儀。手を振りながらステージを後にした彼らを、観客の特大級の拍手が見送った。こうして終演を迎えた結成5周年ライブ――終始、とてもアットホームなムードが漂っていたのが印象深い。ファンから深く愛されていて、このメンバーで音楽を奏でる喜びにも満ち溢れているShiggy Jr.は、これからも素敵な活動を繰り広げてくれるに違いない。
【取材・文:田中 大】
【撮影:田中 聖太郎】
リリース情報
SHUFFLE!! E.P.
2017年11月22日
ビクターエンタテインメント
2.僕は雨のなか
3.二人のストーリー
4.Juuuump!!
5.約束
セットリスト
Shiggy Jr. presents
『High 5 Anniversary』
2017.12.05@恵比寿LIQUIDROOM
- 01.Saturday night to Sunday morning
- 02.恋したらベイベー
- 03.誘惑のパーティー
- 04.key of life
- 05.day trip
- 06.baby I love you
- 07.二人のストーリー
- 08.DOWN TOWN(SUGAR BABEカバー)
- 09.朝、目が覚めたら
- 10.looking for you
- 11.僕は雨のなか
- 12.Juuuump!!
- 13.oyasumi
- 14.GHOST PARTY
- 15.LISTEN TO THE MUSIC
- 16.サンキュー 【ENCORE】
- EN 01.約束
- EN 02.サマータイムラブ
お知らせ
[2017]
rockin’on presents「COUNTDOWN JAPAN 17/18」
12/29(金)幕張メッセ国際展示場1〜11ホール、イベントホール
LIVE DI:GA JUDGEMENT 2017
12/31(日)渋谷CLUB QUATTRO/TAKE OFF 7(渋谷)
[2018]
Shiggy Jr. LIVE TOUR 2018 - Step by Step - spring ver.
02/24(土) 名古屋 ell.FITS ALL
03/02(金) 梅田Shangri-La
03/04(日) 渋谷WWW X
HIROSHIMA MUSIC STADIUM -ハルバン’18-
03/10(土)、11日(日)
CLUB QUATTRO / SECOND CRUTCH / Cave Be / BACK BEAT /スマトラタイガー / アリスガーデン /タワーレコード広島店
Shiggy Jr. LIVE TOUR 2018 - Step by Step - summer ver.
07/07(土) 仙台JUNK BOX
07/14(土) 広島セカンドクラッチ
07/15(日) 福岡DRUM SON
07/20(金) 梅田クラブクアトロ
07/21(土) 名古屋E.L.L.
07/28(土) マイナビBLITZ赤坂
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。