コレサワ、“コレカラ”の躍進を期待させる初の全国ワンマンツアーファイナル公演をレポート
コレサワ | 2017.12.26
シンガーソングライターのコレサワが、12月15日(金)に渋谷WWWで初の全国ワンマンツアー「君の街にいくカラー ~仲間編~」のファイナルを迎えた。本ツアーは、弾き語りで回った「君の街にいくカラー ~ぼっち編~」に続いて開催されたバンドスタイルでのワンマンツアー。<~ぼっち編~>と<~仲間編~>で全国10箇所11公演が開催され、チケットはソールドアウト。最終日となったこの日は、8月にリリースされたメジャーデビューアルバム『コレカラー』収録曲を中心に、インディーズ時代の代表曲を含む全18曲をパフォーマンス。コレサワの多様なカラーを存分に楽しめる “コレマデ”の集大成であるとともに、“コレカラ”の躍進を期待させる濃密な2時間となった。
コレサワ曰く“最強の女子メンバー”で構成されたバンドスタイルでのライブは、実に奔放でポップで心が弾む。アコギを抱えたまま飛び跳ねながら歌った「あたしを彼女にしたいなら」からバスドラに情熱とクラップをせっつかれる「バックアップ」、そして、バンドの一体感と観客の歌声が1つになった「トーキョー」と続き、会場は音楽を楽しんでいるという充実感と躍動感で満たされていった。
コレサワのライブに集まる観客は、大雑把に分けると女の子8割、男の子2割くらいの男女比になっている。女の子はJKが中心で、男の子はコレサワと同年代くらい。そしておじさんたちもいる。JKたちはコレサワの歌の言葉に「私と似てる。この気持ち、わかる」とシンパシーを感じながら、うんうんと頷き、おじさんたちは「もっと声、出せるやろ!」という煽りに笑顔で応えながら、女心のなんたるかを教えてもらっているようだ。手拍子が起きるほどアップテンポながらも主人公の女の子のやるせなさが伝わってきて切ない気持ちになる「ショートカットに憧れて」、恋心に気づいて深夜にタクシーを止める「最終電車」、交わらない君といつか手をつないでスキップしたいと願う「君のバンド」。恋愛道だけではなく音楽の持つ豊かなグルーヴと高揚感も詰まっていて、「君のバンド」では観客の歌からイントロに入る瞬間に言いようのない興奮を覚え、聞き馴染みのいいキャッチーなメロディラインながらも、コレサワにしか歌えない独自性も強く感じさせた。
彼女の学生時代の思い出とモットーが込められた「死ぬこと以外かすり傷」では歌詞に合わせて、アホ!と絶叫。ノッてる時のコレサワは手がつけられないくらいフリーで伸び伸びとしていて、しなやかで魅力的だ。「エッチな歌を唄います」と語ったファンクロック「シンデレラ」、「ライブではちょくちょくやるんですけど、音源になってない曲をやります」と説明したアーバンでサイケデリックなムードの「悪いユメ」と少し大人の恋の歌を続け、ロックバラード「たばこ」と「失恋ソングを歌ったあとに」という失恋ソングからの明転セットを歌ったところで前半戦は終了した。
衣装替えをして再登壇したステージには、椅子とテーブルに加えて、彼氏役のマネキン、ミラーが登場。コレサワが「君とインドカレー」をミラーとのデートを楽しむように向き合い、机に頬杖をつき、時には膝にのって歌っていると、<キーマカレー/バターチキンが一番甘いですよ>の歌詞に合わせて、インド人役のラジャが登場し、場内からは驚きと笑いの声が上がった。<男子! 女子!>ならぬ、<長女! 長男! 末っ子! 一人っ子!>という姉妹(兄弟)コール&レスポンスが繰り広げられた「お姉ちゃんに部屋があったことまだ恨んでるのかな」ではサイン入りのピックが入ったカプセルを観客に投げ、クリスマスソング3曲を紛れ込ませたオリジナルのクリスマスソング「お願いサンタクロース」、新曲のエッジーなロックナンバー「いたいたい」と、めまぐるしい展開で観客を楽しませ、「アルバム曲だけど、自分の中のお気に入りベスト3に入ってる」という「阪急電車と2DK」を丁寧に歌い上げ、最後の曲を前に彼女はこう語った。
「今からアルバムの一番最後に入ってる曲を歌うんですけど、歌詞だけを見るとカップルの歌なんかなって思った人が多いと思います。それもあります。SNSが蔓延している世の中での言葉のコミュニケーション不足。あたしは、“一緒にいるだけで好きってわかるやろ?”みたいなのが嫌いで。男の人には、好きって言って欲しいんです。一緒にいるだけじゃわからないから。態度じゃなく、言葉で表して欲しい。そういう意味もあるんですけど、<これからもきっと/歌っていくんでしょう/騒がしく 今日も君のとなりで>っていうとことだけは、これからもずっとメンバーやスタッフ、コレサワを聞いてくれる人の前で、わちゃわちゃと騒がしくライブをしていきたいなっていう、メジャーにいっても変わらずにやっていきたいという思いを込めてます。今日は本当にどうもありがとうございました」
メジャーデビューを果たした彼女の決意が込められた楽曲だが、その歌声には聴き手の心にまっすぐに届く力があり、じっと耳を澄ましているだけで次第に心が熱くなるような思いがした。キャッチーなメロディ、女心を代弁したかのような歌詞、音楽の弾力性にあふれた楽しいライブも彼女の魅力には違いないが、何よりもボーカリストとしてのポテンシャルの高さが伝わってきた。
アンコールは、ひぐちけい(Gt)、なかむらしょーこ(Ba)、U(Dr)、藤澤有沙(Key)のツアーバンドメンバーでレコーディングされたアルバムの1曲目「SSW」だった。タオルを回し、手を上げ、最前列のお客さんとハイタッチをしながら、ハンドマイクで熱唱し、フロアを盛り上げた。「ツアーはファイナルだけど、コレサワのファイナルはまだまだこれからだから!」という叫びで締めくくられた。確かに初期の集大成ではあったが、彼女はまだメジャーデビューというスタートラインに立ったばかり。これからも手が付けられないくらい騒がしく、しょうもなくいとおしい“愛”を歌っていって欲しいと願っている。
なお、この日のMCでは2018年4月4日に1stぬいぐるみを発売することが発表された。れ子ちゃんとControl Bear によるコラボぬいぐるみに新曲「君とぬいぐるみ」を収録したおまけCD付きで発売予定。また、合わせて5月に梅田シャングリラと恵比寿リキッドルームにて、コレサワ ワンマンショー「コレシアター04」の開催が決定している。
【取材・文:永堀 アツオ】
【写真:小坂茂雄】
■リリース情報
コレサワ
1st ぬいぐるみ「れ子ちゃん×コントロールベア」
コラボぬいぐるみ(おまけCD「君とぬいぐるみ」付き)
2018.4.4 in stores
FAB-6/7
¥2,980(税込)
おまけCD:新曲「君とぬいぐるみ」収録
ぬいぐるみ予定サイズ:天地15cm、幅10cm、奥行き9cm。
(予定サイズですので、実物とは異なる可能性が有ります。その際はご容赦ください。)
●予約販売商品
予約期間:2017年12月18日(月)12:00?2018年1月31日(水)18:00
ご予約は以下のサイトから
タワーレコードオンライン http://tower.jp/item/4662268
ヴィレッジヴァンガードオンラインストア https://vvstore.jp/i/vv_0000000000149839/
リリース情報
コレカラー
2017年08月09日
日本クラウン
2.死ぬこと以外かすり傷
3.君のバンド
4.あたしを彼女にしたいなら
5.たばこ
6.失恋ソングを歌ったあとに
7.お姉ちゃんにだけ部屋があったことまだ恨んでるのかな
8.君とインドカレー
9.阪急電車と2DK
10.女子諸君
11.24歳
12.これから
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セットリスト
「コレサワ ワンマンツアー 2017
君の街にいくカラー ~仲間編~」
2017.12.15(金)@渋谷WWW
- 1.あたしを彼女にしたいなら
- 2.バックアップ
- 3.トーキョー
- 4.ショートカットに憧れて
- 5.最終電車
- 6.君のバンド
- 7.死ぬこと以外かすり傷
- 8.シンデレラ
- 9.悪いユメ
- 10.たばこ
- 11.失恋ソングを歌った後に
- 12.君とインドカレー
- 13.お姉ちゃんに部屋があったことまだ恨んでるのかな
- 14.お願いサンタクロース
- 15.いたいいたい
- 16.阪急電車と2DK
- 17.これから
- EN、SSW
お知らせ
コレサワ ワンマンショー
「コレシアター04」
05/06(日) 梅田シャングリラ
05/12(土) 恵比寿LIQUIDROOM
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。