Czecho No Republic、全国ワンマンツアー『リリースツアーじゃないツアー』ファイナルでWアンコール
Czecho No Republic | 2017.12.27
Czecho No Republicが12月22日(金)、全国ワンマンツアー『リリースツアーじゃないツアー』のファイナル公演を東京・EX THEATER ROPPONGIで開催した。「これまで発表してきた楽曲たちをないがしろにしていないかと思って。過去の音源をいま一度育てたい」(武井優心/V&Ba)という趣旨で行われた今回のツアーでは、シングル曲、ライブ定番曲だけではなく、メジャー初期のレアな楽曲なども披露。Czecho No Republicの過去・現在・未来が交差する貴重なステージが繰り広げられた。
開演前のBGMはいつも通り、海外のインディーバンドの楽曲。The1975の「M.O.N.E.Y.」が流れているときに客席の照明が消え、メンバー5人が登場。メジャー1stアルバム『NEVERLAND』の収録曲「MUSIC」でライブをスタートさせる。さらにカラフルなポップネスが広がる「Amazing Parade」、心地よい高揚感をたたえたアッパーチューン「Call Her」を披露し、フロアのテンションをしっかりと上げていく。電飾を使ったプロム風の飾りつけもかわいい。
「僕たち5人の音楽と、みんなのハッピ―なエネルギーで、ここをマジで天国に変えようと思ってやってきました!」(武井)、という挨拶のあとは、このバンドが持っている幅広い音楽性を体感できるシーンが続く。ポップに振り切ったサビをリフレインし、圧倒的な多幸感へとつなげる「ネバーランド」、オルタナ・カントリーのエッセンスを交えた「幽霊船」、軽やかな口笛を交えたアンサンブル、タカハシマイ(Syn)のキュートなボーカルが印象的な「ゴッホとジョン」、そして、「もっとクレイジーになろうぜ!」という山崎正太郎(Dr)のシャウト(声が裏返ってました/笑)とともに放たれたロックンロール・ナンバー「Crazy Crazy Love」。裏打ちのギターを軸にしたリズムとアイリッシュ・トラッドのエッセンスを取り入れたアレンジ、いなたい雰囲気のギターソロがひとつになった「一人のワルツ」、そして、八木類(G)がボーカルを取るチェコ流のスカ・ナンバー「絵本の庭」。ザ・ストロークス、ヴァンパイア・ウィークエンド、ザ・ドラムスといった海外のインディーバンドからの影響をオリジナリティ溢れるポップ・ロック・ナンバーへと昇華してきた彼ら。楽しそうにハジけまくるオーディエンスの姿からは、Czecho No Republicの独創的なスタイルが完全に浸透していることがはっきりとわかる。
「今回のツアーは『リリースツアーじゃないツアー』。代表曲はもっとちゃんと育てる、あまりやっていなかった曲は改めてやる機会を設ける、僕達にとって大事な試みのツアーなんです」(武井)というMCの後は、これまであまり演奏されなかったレアな楽曲を披露。タイトル通り、アラビアンナイトを想起させるエキゾチックな音像が響いた「Arabia」、さらに洗練されたメロディと有機的なコーラスワークを軸にした新曲「Hello,My Friend Sophie」も。新旧のナンバーを融合させることで、最新型のCzecho No Republicがリアルに伝わってくる。
SKY-HIとのコラボシングル「タイムトラベリング」(ギタリストの砂川一黄がSKY-HIに直接伝授されたというラップを披露!)からライブは後半へ。「Festival」「Oh Yeah!!!!!!!」「Firework」などのアッパーチューンを次々と放ち、オーディエンスの身体をしっかりと揺らしまくる。ビビッドなポップ感に彩られたメロディ、ダンスミュージックのテイストをたっぷり取り入れたビート、解放感に溢れたバンドサウンド。このバンドが持っている圧倒的な楽しさは、現在のバンドシーンのなかでも完全に際立っている。ポップミュージックの享楽をこんなにもダイレクトに体感させてくれるバンドは、Czecho No Republic以外には考えられない。
ここで武井はステージの後ろのバックドロップ(背景幕)に記された“4→5”という文字について説明した。Czecho No Republicはもともと4人で始まって、いまは5人で活動していること。これまでリリースしてきた4枚のアルバム(『NEVERLAND』『MANTLE』『Santa Fe』『DREAMS』)を5人で鳴らすツアーだったこと。そして、来年の5周年に向かって突っ走っていこうという決意も含まれていること。
「日常のなかでイヤなことがあったり、ダルいなってときに、Czecho No Republicのライブに来て“ハッピーになれた”とか“笑えた”とか思ってくれたら嬉しい。ハッピーをバラまくのが、俺たちの使命かなって」という言葉を挟み、本編ラスト「No Way」へ。気持ち良く飛び跳ねるビート、切なさと力強さがひとつになったメロディとともに伝わってくる《やっと辿り着いた 僕たちと今夜/裸足で 裸で 踊ろうよ》というフレーズは、まさにCzecho No Republicの本質そのものだった。
アンコールではまず、新曲「好奇心」を披露。「なくしちゃいけない感情はいろいろあると思うけど、これがいちばんのキーになってるんじゃないかなって」(武井)という思いから始まったというこの曲は、今後のCzecho No Republicにとっても大きなポイントとなりそうだ。さらに力強いサウンドを高らかに響かせた「ダイナソー」を演奏し、ライブは終了――と思いきや、鳴り止まないコールに導かれ、再びメンバーがステージに登場。「みんなと俺らのつながりは音楽しかない。“どこに住んでるかわからない人と音楽で友達になれた”という曲なので、ふさわしくない?」(武井)と「Melody」を披露し、ツアーはエンディングを迎えた。
Czecho No Republicはこの日、3月にフルアルバム(タイトル未定)をリリースすることを発表。オリジナルアルバムのリリースは前作『DREAMS』(2016年7月)以来、約1年8カ月ぶりとなる。メンバーは「こんなに間があくなんて、外タレかよって感じだよね(笑)」(武井)と楽しそうに話していたが、このインターバルのなかで得た経験は、3月の新作にも反映されているはず。そう、今回のツアーで“これまでのCzecho No Republic”を改めて見つめ直した5人は、ここから新しい未来に向かって進み始めることになるだろう。
【取材・文:森朋之】
【撮影:山川哲矢】
リリース情報
セットリスト
全国ワンマンツアー
『リリースツアーじゃないツアー』
2017.12.22@EX THEATER ROPPONGI
- 01. MUSIC
- 02. Amazing Parade
- 03. Call Her
- 04. ネバーランド
- 05. 幽霊船
- 06. ゴッホとジョン
- 07. Crazy Crazy Love
- 08. 一人のワルツ
- 09. 絵本の庭
- 10. Arabia
- 11. Hello,My Friend Sophie
- 12. Beautiful Days
- 13. For You
- 14. タイムトラベリング
- 15. Festival
- 16. JOB!
- 17. Oh Yeah!!!!!!!
- 18. Firework
- 19. No Way 【ENCORE】
- EN-1. 好奇心
- EN-2. ダイナソー
- EN2-1. Melody
お知らせ
[2017]
COUNTDOWN JAPAN 17/18
12/28(木) 幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール
[2018]
Czecho No Republic 5人になって5周年!幕開けスペシャル
01/05(金) 渋谷eggman
BAYCAMP 201802
02/03(土) 川崎 CLUB CITTA’+A’TTIC
SHE’S Tour 2018 “Wandering"
02/14(水) 滋賀U☆STONE
02/15(木) 神戸VARIT.
SANUKI ROCK COLOSSEUM ~BUSTA CUP 9th round~
03/17(土) /18(土)いずれかの出演
高松市内ライブハウス等
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。