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氣志團、中野サンプラザで結成20周年記念ツアー『リーゼント魂』締めくくる!

氣志團 | 2018.02.26

 OP映像が終わってSE「BE MY BABY」が流れる中、リーゼントにサングラス、学ラン姿のメンバーが一人ずつゆっくりステージに登場。最後に綾小路 翔(DRAGON VOICE,MC&Gt)が登場し、6人が横一列に並んだ瞬間、ステージに緊張がほとばしる。薄暗い照明の下、楽器隊がスタンバイを始めると、気持ちを確認し合うように軽く手と手をタッチする綾小路と早乙女 光(DANCE & SCREAM)。闇を裂く一筋の光のような星グランマニエ(Gt)のアルペジオで1曲目「房総スカイライン・ファントム」が始まると、各パートの楽器の音、そして綾小路と光の掛け声や振り付けが重なり、一筋の光が巨大な光へと増幅していく――。

 筆者は今ツアーも何本か観たが、何度観ても興奮してしまうGIGのオープニング。もっと言えば、氣志團を初めて観た18年前から、変わらず興奮させられ続けているかも知れない。2月10日(土)東京・中野サンプラザにて、氣志團が結成20周年イヤーを締めくくる、結成20周年記念ツアー『リーゼント魂』追加公演を開催。「氣志團がやってきたオラ!オラ!オラ!」、「雷電」と続き、加速度的に会場の熱を上げていったGIG序盤。全16公演を回ったツアーの集大成ということもあって、のっけから気合い十分でキレの良い歌とパフォーマンスを見せる、綾小路が力強く頼もしい。氣志團の代表曲のひとつと言える「喧嘩上等」に振り付けを合わせ、長年応援してきたKISSES(氣志團ファン)から新規のKISSESまでひとつになった会場。「帰って来たぜ、東京! 会いたかったぜ、お前ら!」と笑顔を見せる綾小路に会場中から歓声が上がる。「20年なんてまだガキだろ? 30年でも50年でも100年でも、覚めない夢を贈るぜ!」と力強く告げると、氣志團とKISSESの強い絆を繋いできた「鉄のハート」、<来い!恋!来い!恋!>と、じゃない方の“恋ダンス”を合わせた「恋人」、メジャーデビューVHS収録曲であり、上京を歌った全ての始まりの曲「湾岸夜想曲 ~ルシファーズ・ハンマー’94~」と、20周年記念ツアーで演奏する意味のある曲が続く。タフでエネルギッシュな歌と演奏は、ツアーの充実と20年の重みもしっかり感じさせた。

 「1999年4月――」と始まった朗読劇も20周年ならではの演出。錦織純平(微熱DANJI)、二階堂腱ヂ(微熱DANJI)、俳優の野呂拓哉、お笑い芸人のまちゃまちゃが、氣志團結成からメンバーとの出会いといったバンドの歴史を、多分なユーモアを混じえて語っていく。GIGは朗読劇と楽曲がリンクする形で進行され、<勇気だけが俺達の誇り>と20年変わらぬ意志と信念を歌った「勇気」、熱く激しい演奏で沸かせた「D×D×D」と、現在の氣志團ならではの説得力溢れる歌と演奏、ステージングで魅了。また、この日のライブで改めて感じたのは、叶 亜樹良(Dr)の存在の大きさ。サポートとして加入して5年。ダイナミックなビートや巧みな技術といったプレイ面での凄さはもちろん、メンバーとの息の合った演奏にいまの氣志團のグルーヴをしっかり感じたのだ。男っぽさとセンチさ、力強さと切なさといった様々な感情をドラマチックに表現する「黒い太陽」では、楽曲を支える亜樹良のドラムに加え、重厚な白鳥松竹梅(Ba)のベース、繊細さと野太さが絶妙に絡み合う西園寺 瞳(Gt)とランマのギターアンサンブルが見事に調和することで、楽曲がより色鮮やかに映り、光のコーラスやパフォーマンスも手伝って、綾小路の歌声がいつも以上に表情豊かかつ、エモーショナルに胸に飛び込んできた。

「氣志團が20年で作った曲数149曲。中にはGIGでほとんど演奏されることのない曲もある」とまちゃまちゃが説明し、始まった曲は、白鳥松竹梅作による「うすぴた」。「最もどうでも良い曲、不動の1位」と、不名誉な称号を与えられたこの曲(笑)。松のボーカルを、綾小路と光が絶妙なコーラスワークで支えるアレンジは新鮮! 真っ赤なスーツ姿が華やかな「ジゴロ13」はディスコ調の曲に乗せた振り付けも楽しい、ツアーでも人気の曲。「オールナイトロング」はランマの透明感ある歌声が空気を変え、ゆったりした歌と演奏に会場中が酔いしれた。

 GIGも後半に差し掛かり、出演者でありながら、最も古い氣志團のファンであり、“氣志團に最も近いKISSES”と言われるまちゃまちゃが、「今だからこそやって欲しいこと」と語り始まった“氣志團20周年記念スーパーメドレーショー”は今ツアーの見どころ。「木更津サリー」で始まる全11曲を繋ぐメドレーは、クセの強い楽曲たちを鮮やかに乗りこなすバンドとしての技量の高さや器用さを再確認すると同時に、曲の良さや氣志團というバンドの特殊さも再確認。当然ながらただ曲を繋いだだけのはずがなく、メンバーそれぞれのソロパートに観客が振り付けを合わせたり、懐かしのビリー隊長に扮した綾小路の先導でブートキャンプしたり、派手な殺陣アクションで魅せた光のソロ後、「早乙女屋!」と始まった大向う(掛け声)で思い切り悪ふざけしたりと、曲の合間合間にもたっぷりネタを詰め込んだメドレーは、サービス精神旺盛。メンバーのマイクリレーがグッとくる「ライバルズ」でメドレーを締めると会場中に笑顔が溢れ、なんとも言えない楽しい空気が充満した。

 超絶テクで魅了した亜樹良のドラムソロから、四つ打ちに乗せて「一人残らず行こうぜ、ピリオドの向こうへ!」と「One Night Carnival」が始まると、GIGもクライマックス。十分すぎる説得力を持つ20年目のワンナイに、KISSESがそれぞれの想いを乗せた大合唱で応える。「スウィンギン・ニッポン」で再び会場の熱を上げると、綾小路が氣志團というバンドについて語り始める。「ガレージで何も分からず単車を組んでたら、ある日、突然エンジンがかかっちゃった。それが氣志團」と氣志團をバイクに例えると、「エンジンがかからなくなったり、部品が落ちたり、色んなことがあったけど、タンクの中に常に燃料だけは入ってて。その燃料がKISSES。時代遅れのオンボロマシーンだけど、これからも突っ走っていくんで夜露死苦ね」とKISSESへの感謝の気持ちを伝え、「愛 羅 武 勇」を熱唱。愛や想いがたっぷり詰まった歌と演奏に、KISSESが拳を上げて応える。本編ラストは「お前らを幸せにしかしねーから!」と宣言し、情熱的な歌と演奏で気持ちを届けた「幸せにしかしねーから」。会場中の惜しみない拍手に包まれる中、メンバーはステージを後にした。

 アンコールでは1曲も披露されなかった最新アルバム『万謡集』の新曲から、ルーレットで選ばれた曲を披露する「ピックアップ万謡集」のコーナーを実施。「フォーサイクル」を希望していたKISSESがルーレットを回すと、光による神の手が加わり、演奏曲が「フォーサイクル」に決定! TAKUMA(10-FEET)作詞作曲による、ヘヴィで攻撃的な松のベースが印象的なこの曲。ツアー初披露ながら、勢いと疾走感のある楽曲が会場をヒートアップさせ、サビでは観客の拳が上がる。アンコールラストは「最高のツアーでした、どうもありがとう!」と綾小路がツアーの終わりを惜しむように告げ、ゆかいなオールキャストが登場しての「ゆかいな仲間たち」で大団円。明るく楽しくピースフルな楽曲に、会場中に笑顔とピースサインが溢れる。筆者は今ツアーも何本か観たが、何度観ても笑顔になってしまうGIGのエンディング。もっと言えば、初めて観た18年前から、氣志團のGIGには変わらず笑顔にしてもらってるかも知れない。

 氣志團の最高機密が明かされた衝撃のED映像に続き、「氣志團万博2018」、「結成21周年御礼参りツアー「あいにく I・NEED・YOU! おあいにく I・LOVE・YOU!」」の開催決定が発表されると、KISSESから歓喜の声と大きな拍手が起きる。10年後も30年後も、100年後はちょっと難しいかも知れないけど、氣志團にはまだまだ覚めない夢を贈り続けて欲しい。

【取材・文:フジジュン】
【撮影:青木カズロー】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル 氣志團

リリース情報

万謡集

万謡集

2017年08月09日

影別苦須 虎津苦須

1. R”N”R P@RTY
2. スポットライト
3. 東京湾大飯店
4. 恋するクリスチーネ
5. バームクーヘン
6. 羅武尊寓
7. BANG ON!
8. チャオ~傷だらけのバンドの旅
9. はすっぱ
10. 逃げろ!逃げろ!
11. フォーサイクル
12. 蒼き独裁者に告ぐ
13. きかせて!アンコール
14. リーゼント魂

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セットリスト

結成20周年記念ツアー『リーゼント魂』
2018.2.10@中野サンプラザ

  1. 01.房総スカイライン・ファントム
  2. 02.氣志團がやって来たオラ!オラ!オラ!
  3. 03.雷電
  4. 04.喧嘩上等
  5. 05.鉄のハート
  6. 06.恋人
  7. 07.湾岸夜想曲~ルシファーズ・ハンマー’94
  8. 08.勇気
  9. 09.D×D×D
  10. 10.黒い太陽
  11. 11.うすぴた
  12. 12.ジゴロ13
  13. 13.オールナイトロング
  14. 14.~氣志團結成20周年記念 スーパーメドレーショー~
  15. 15.One Night Canival
  16. 16.スウィンギン・ニッポン
  17. 17.愛 羅 武 勇
  18. 18.幸せにしかしねーから
  19.  【ENCORE】
  20. En1.フォーサイクル
  21. En2.ゆかいな仲間たち

お知らせ

■ライブ情報

氣志團結成21周年御礼参りツアー 「あいにいく I・NEED・YOU! おあいにく I・LOVE・YOU!」
06/02(土)郡山HIP SHOT JAPAN
06/04(月)石巻BLUE RESISTANCE
06/05(火)大船渡KESEN ROCK FREAKS
06/07(木)青森Quarter
06/13(水)神戸THE CHICKEN GEORGE
06/16(土)高知CARAVAN SARY
06/18(月)松山WstudioRED
06/20(水)広島CLUB QUATTRO
06/22(金)周南RISING HALL
06/24(日)長崎DRUM Be-7
06/26(火)大分DRUM Be-0
06/27(水)熊本B.9 V1
06/29(金)鹿児島CAPARVO HALL
07/05(木)東京新宿ReNY
07/09(月)水戸mito LIGHT HOUSE
07/10(火)高崎clubFLEEZ
07/12(木)新潟NIIGATA LOTS
07/15(日)金沢エイトホール
07/17(火)岐阜club-G
07/18(水)滋賀U☆STONE
07/19(木)和歌山SHELTER
07/24(火)函館club COCOA
07/26(木)小樽GOLDSTONE
07/30(月)旭川CASINO DRIVE
08/01(水)帯広MEGA STONE

NCC SUPER LIVE
03/03(土)長崎ブリックホール

NUMBER SHOT 2018
07/21(土)国営 海の中道海浜公園 野外劇場・子供の広場
07/22(日)国営 海の中道海浜公園 野外劇場・子供の広場

氣志團万博2018
09/15(土)後日発表!
09/16(日)後日発表!

THE GREAT SATSUMANIAN HESTIVAL 2018
10/07(日)鹿児島県鹿児島市・
桜島多目的広場&溶岩グラウンド

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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