yonige 約3ヶ月に及ぶツアーの締めくくり、東名阪ワンマン、Shibuya TSUTAYA O-EAST
yonige | 2018.03.01
au“三太郎シリーズ”のCMで流れている爽快なロックナンバー「笑おう」。これを歌っているのが、現在人気急上昇中のyonigeだ。yonigeは牛丸ありさ(Vo・Gt)とごっきん(Ba)の2人組ガールズロックバンド。これまでにも、名だたるフェスやイベントに多数出演し、その腕を磨いてきた。そして、昨年9月にアルバム『girls like girls』でメジャーデビューを果たし、10月からは“girls like girls tour”を敢行。今年1月6日の京都公演をもって約3ヶ月に及ぶツアーを一段落させたばかりだった。しかし、落ち着く間もなく2月から東名阪でのツアーファイナルシリーズに乗り出したのである。いずれもソールドアウトというあたりには注目の高さがうかがえた。ファイナルの3ヶ所目は彼女達の出身地でもある大阪。ただ、今回はセミファイナルの東京公演SHIBUYA TSUTAYA O-EASTの方に足を運んでみた。
開場と同時におびただしい人が場内に吸い込まれ、たちまちフロアはパンパンに――。開演時間になると、手拍子にうながされ、ごっきんと牛丸がステージに登場。いきなり『girls like girls』のリード曲「ワンルーム」をガツンとかましてきた。本編では、『girls like girls』の収録曲はもちろん、これまでに発表してきた代表曲も次々に披露。4曲目には彼女達の人気を決定づけるキッカケとなった「アボカド」が飛び出す。2015年にリリースしたミニアルバム『Coming Spring』に収録されたこの曲は、YouTubeの再生回数520万超えという数字を叩きだしたナンバー。サビでは観客も拳を上げて応戦し、場内の熱気は一気に高まっていく。
息をもつかせぬテンポで演奏を続けてきた彼女達だが、初MCタイムではごっきんが上京した頃の思い出を語る。渋谷という地でライブすることに関しては「2年前、『ZIP!』(日本テレビ)の取材受けたくてウロウロしてたわ(笑)」と振り返り、「“ICOCAカード”(関西で使われるICカード)で東京を制覇しようと思ったらすぐなくしました(笑)」と、大阪・寝屋川に思いをはせつつ、地元愛をのぞかせる。
次のブロックも「おうまさん」「各駅停車」を筆頭にアグレッシヴに攻めたて、「バッドエンド週末」や「スラッカー」では、うねりの利いたごっきんのベースが炸裂。裸足でダイナミックに弾きまくるスタイルで、観客に熱量を伝えていく。一方の牛丸は澄んだ声をキープしながらも歌に集中。ギミックなしのストレートな声で観客を引き込んでいった。ギター、ベース、ドラム(サポート)という少ない音数でも、しっかり楽曲の世界観を浮き彫りにしてくる――その天然の表現力は魅力だ。
中盤では「センチメンタルシスター」や「沙希」など、テンポを落としたナンバーで変化をつける。実は「センチメンタルシスター」の出だしをやり直すというハプニングもあったのだが、なごやかな空気をまじえて対応。臨機応変に場を盛り上げてしまうあたりは関西人らしいウマさだろうか。
ライブは佳境へと向かい、このブロックのシメにはシューゲイザー・サウンド全開の「とけた、夏」をプレイ。一心不乱のパフォーマンスで、クールな側面もしっかりアピールした。
緊張感のある時間のあとは、またも木訥なMCで空気をゆるめてくる。
バレンタインデーにチョコを作ったものの「くっそマズかった(笑)」というエピソードを語ってくれたのはごっきん。
一方の牛丸は「後半戦や……」と、ごっきんに助けを求める。そこで「後半戦やわぁ~」と、つぶやくごっきんに「え~っ!」と、見事なレスポンスを返してきたのが観客。やや反応をねだった感はありつつも、ステージと観客との距離感はグッと縮まった。そこで牛丸は「い……いけるか~」と苦手な煽りに挑戦。はにかみながら煽ったものの、すぐに「後半戦ですね、やってこ!」と控えめな言葉で後半戦へつなげた。
「さよならアイデンティティー」が始まったとたん、再びテンションの高いサウンドが展開。瞬く間に熱狂を呼び起こす。疾走感を継続したまま「悲しみはいつもの中」「最終回」へと進み、曲終わりからの早いカウントで、ライブはタイトに進行。19曲目の「トラック」は牛丸が“私の大好きな曲”と紹介。ミディアム・テンポにのせ、印象的に歌い上げた。
ラストブロックは「さよならプリズナー」「さよならバイバイ」と、エンディングに向けてアッパーな選曲が続く。観客のボルテージも上がり、本編大詰めらしい空間が仕上がっていった。
本編最後は「最愛の恋人たち」。大きなグルーヴで聴かせる曲をラストに持ってきたところが心憎い。最後はギターのハウリングノイズを残しながら深々と一礼して、ふたりはステージを去って行った。
すかさずアンコールの声援があふれる。ほどなく出てきたふたりは、ここで「笑おう」を投入。待ってましたとばかりに、歌い始める観客の姿も目立つ。シメの「恋と退屈」では本編以上に熱く盛り上げて、セミファイナルは賑やかにフィニッシュ。エネルギーに満ちたライブの余韻は心地よいものだった。上昇気流に乗るバンドの勢いは本物だと実感する。この快進撃で大きな自信もつけたであろう彼女達だが、5月26日には寝屋川市民会館でのワンマンライブ「寝屋川総取」が決定! 堂々と故郷に錦を飾ることになった。2018年、ますます加速するであろうyonigeの勢いに期待したい。
【取材・文:海江敦士】
【撮影:Viola Kam (V’z Twinkle)】
リリース情報
笑おう
2018年01月26日
ワーナーミュージック・ジャパン
■yonige『笑おう』配信リンク
https://yonige.lnk.to/HXckS
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リリース情報
girls like girls
2017年09月20日
ワーナーミュージック・ジャパン
2.さよならプリズナー
3.各駅停車
4.バイ・マイ・サイ
5.スラッカー
6.おうまさん
7.沙希
8.とけた、夏
9.また明日
10.トーキョーサンセットクルーズ
セットリスト
yonige presents「girls like girls tour」
2018.02.18@Shibuya TSUTAYA O-EAST
- 01.ワンルーム
- 02.our time city
- 03.あのこのゆくえ
- 04.アボカド
- 05.おうまさん
- 06.最近のこと
- 07.各駅停車
- 08.バイ・マイ・サイ
- 09.バッドエンド週末
- 10.サイドB
- 11.スラッカー
- 12.センチメンタルシスター
- 13.沙希
- 14.しがないふたり
- 15.とけた、夏
- 16.さよならアイデンティティー
- 17.悲しみはいつもの中
- 18.最終回
- 19.トラック
- 20.さよならプリズナー
- 21.さよならバイバイ
- 22.最愛の恋人たち 【ENCORE】
- EN 01.笑おう
- EN 02.恋と退屈
お知らせ
yonige presents 「寝屋川総取」
05/26(土) 大阪・寝屋川市民会館 大ホール
yonige presents girls like girls tour EXTRA
03/04(日) 沖縄桜坂セントラル
PELICAN FANCLUB presents 2 MAN SHOW 2018 “versus”
03/13(火) 心斎橋JANUS
「SANUKI ROCK COLOSSEUM」 ~BUSTA CUP 9th round~
03/17(土) 後日発表
ツタロックフェス2018
03/18(日) 幕張メッセ 国際展示場9・10・11ホール
FOMARE presents "If I stay"Tour 2018 FINAL
03/20(Tue) 高崎clubFLEEZ
THE NINTH APOLLO presents "平日興行行脚"
03/29(木) Zepp Tokyo
リーガルリリー presents 「夜のとばり、あけた窓辺」
03/31(土) 恵比寿LIQUIDROOM
Hump Back presents "hanamuke"リリースツアー
04/03(Tue) 上越EARTH
F.A.D YOKOHAMA presents THE SUN ALSO RISES vol.52
04/06(金) F.A.D YOKOHAMA
YON FES 2018
04/07(土) モリコロパーク(愛・地球博記念公園)
ARABAKI ROCK FEST.18
04/28(土) みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく
04/29(日・祝) みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく
yonigeは4/28(土)、4/29(日・祝)いずれかの日に出演します。
VIVA LA ROCK 2018
05/04(金) さいたまスーパーアリーナ
森、道、市場2018
05/11(金) 愛知県蒲郡市ラグーナビーチ(大塚海浜緑地)&遊園地ラグナシア&???
百万石音楽祭 2018 ~ミリオンロックフェスティバル~
06/02(土) 石川県産業展示館 1 ~ 4 号館
06/03(日) 石川県産業展示館 1 ~ 4 号館
フラワーカンパニーズ presents 「シリーズ・人間の爆発」
06/14(木) KYOTO MUSE
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。