全国で行ってきたファンキー加藤『I LIVE YOU』が、ついに地元八王子に凱旋!
ファンキー加藤 | 2018.03.12
ファンキー加藤のソロ活動がスタートして以来、全国各地で行われてきた『I LIVE YOU』が、ついに彼の地元・八王子にやってきた! 特別な場所での公演ということもあり、集まったファンたちは、いつにも増してウキウキとした表情を浮かべている。会場のエスフォルタアリーナ八王子の中に入った人々を出迎えたのは、ファンキー加藤がセレクトしたのだというBGM。往年の名曲の数々が和やかなムードを早くも生み出していた。
学ランを着た応援団に扮したスタッフが観客をリードして行うのが恒例となっている「ファンキー応援団体操」を経てついに迎えた開演。SEが鳴り響くと、まるで地響きのような歓声が沸き起こった。そして、ライブを支える頼もしいメンバー・田中隼人とバカムスコ翔が登場。彼らがスタンバイした直後、ステージ中央の床にあいた穴から勢いよくファンキー加藤が飛び出してきて、「リスタート」が始まるや否や、全力で手拍子をしながら興奮を露わにした観客の勢いがものすごい。4千人の観客の腕に巻かれている公式応援グッズ「カトライト」が放つ緑色の光がまぶしい。瞬く間に桁外れの熱気が会場一杯に広がった。
着ていたシャツの背中を観客に見せたファンキー加藤。そこに描かれていたのは「八王子」という文字。地元愛を感じさせるささやかな演出が飛び出したところでスタートした2曲目は、八王子市民に愛されている盆踊りの曲にサイバーなサウンドアレンジを施した「太陽おどり~新八王子音頭~」。「『ファンキーモンキーベイビーズ3』のボーナストラックとして収録されていたあの曲が、八王子で鳴り響いている!」という感動を噛み締めながら、まるでバンザイをするかのように両腕を勢いよく振り上げて踊っていた観客。そして、「輝け」「中途半端なスター」「終わらない未来」も披露され、会場はますます力強い一体感で包まれていった。
「新曲を歌わせて頂きます。ニューアルバムの中から1曲。地元の八王子でどうしても歌いたくて」と言ってから届けられたのは、少年時代からの友人に温かいメッセージを贈る「おーい友よ」。続いて「走れ 走れ」も披露された後にインターバルを迎えると、サポートメンバーの2人がVTRを流して自己紹介。このライブに対する想いを川柳にしたバカムスコ翔。「オーディションに来たら落とす」「イケメンではない」など、ファンキー加藤のことを酷評しつつも「けど、心にすごく刺さる歌を歌う」と、音楽プロデューサーとしての視点から語った映像を用意していた田中隼人。ファンキー加藤は「俺も俺がオーディションに来たら落とすよ(笑)」と言いながらも、10年来の付き合いである田中の言葉が、とても嬉しい様子であった。
ファンキー加藤に関するクイズが3問出され、2問以上正解すると写真撮影タイム(観客の拍手の大きさで、どの選択肢を選んだかを判断)――というコーナーも用意されていて、観客は2問正解(「おむつがとれたのは?」など、マニアックなクイズであった。おむつがとれたのは、2歳5ヶ月だったらしい)。そして、写真撮影が行われそうになったのだが……「俺の方からもファンキーさんに答えて頂くクイズを用意しました」と突然言った田中。ステージ上の大型スクリーンに映し出されたのは、ファンキー加藤が幼い頃に作ったのだというお手製のコミック本『たかはしめいじんのぼうけん 1かん』。当時大人気だったファミコンゲームのことを思い浮かべざるを得ないタイトルを掲げ、シュールなストーリーを展開する本の中身が映し出され、観客は大爆笑。そして、「加藤少年はこの本をいくらで販売しようとしていたでしょうか?」という問題が出された。「500円とかかな?」とファンキー加藤は答えて見事に的中。正解であることを示すため、『たかはしめいじんのぼうけん 1かん』の値段が書かれている部分が画面上でアップになったのだが……そこにあったのは「500円」というツッコミを入れずにはいられないエキセントリックな表記。幼年時代の「かとうしゅんすけくん」に会ったような気持ちになる、ほのぼのとしたコーナーであった。
そして、その後も多彩な曲が届けられていった。この日のライブで初披露するために高尾山(八王子市にある山)で撮影されたものも含むユーモラスな映像がスクリーンに流れた「急性ラブコール中毒メドレー」。「八王子だから八王子で生まれた曲も歌いたい。12年前に生まれた曲です」と言ってから届けた「ALWAYS」「恋の片道切符」。「俺の、俺たちの第一歩目。5年ぶりに歌う。あの頃の自分に負けないように歌うぜ!」という言葉を添えた「そのまんま東へ」……彼の原点と原風景を感じさせるFUNKY MONKEY BABYS時代のナンバーが歌い上げられ、観客は夢中になって聴き入っていた。
「どうしても歌いたかった「そのまんま東へ」、あの頃の自分に負けないように、そこそこ力強く歌えてたでしょ?」と観客に問いかけた後、改めて地元でライブをしていることへの想いを語ったMCタイム。高校を卒業して、この会場の近くのディスカウントストアに就職した彼は、自転車売り場で1日中、パンクした自転車を修理していたのだという。「こういった地道な仕事も大切だと思いながらも、当時はまだ若くて、このまま自転車のチューブをいじって人生が終わるのか?」という焦りを募らせた彼は、働き始めてから1年少し経ってから仕事を辞めた。その後、出会ったのが、FUNKY MONKEY BABYSとして共に歩むことになる地元の仲間・モン吉とDJケミカル。「みなさんにも大切な場所はあると思う。もし、この空間がみなさんにとって大切な場所だったら嬉しいです。ここをずっと大切に守っていきたいと思ってます。みんなが来てくれるからこそ成り立ってる空間。全国各地から集まってくれて、心から感謝してます。もっと高いところを目指していきます。俺の夢だけじゃなくて、みなさんの抱いてる目標、希望、夢。綺麗事じゃなく、叶ったらいいなと思ってます。一緒に想いを寄り添わせてずっと歩んで行ければ、もっとハッピーなところに辿り着くんじゃないかな。それは嘘じゃなくて本当のことだと思ってます」――そして届けられた「本当のこと」は、大きな感動を呼んでいた。
4千人の人差し指が掲げられた光景が壮観だった「あとひとつ」。ファンキー加藤が吹き鳴らしたブルースハープが高らかに響き渡り、力強い手拍子を誘っていた「冷めた牛丼をほおばって」。大合唱した観客に向かってファンキー加藤が「幸せになれよ。ずっと願ってるから」というメッセージを贈った「ちっぽけな勇気」。全力で歌い続けた彼が、曲が終了した瞬間に床に座りこんでボンベから酸素を吸入。「頑張れー!」という熱い声援を浴びていた「CHANGE」……終盤戦のナンバーは一際雄々しかった。そして、「届いてるかー? みんなの声も笑顔も届いてるから。もう寂しい想いはさせないよ。ずっと一緒にこうやって歌い続けて、夢見続けて、希望を抱き続けていきましょう!」と観客に呼びかけて、本編を締めくくったのは、彼のソロデビューを飾った曲「My VOICE」。ステージに向かって届けられる歌声を直に感じたかったのだろう。両耳に装着していたイヤモニターを外して、フラフラになりながらも力を振り絞って歌っていた姿が印象的だった。
鳴り止まない拍手と歓声に応えて行われたアンコールは、サプライズから始まった。なんとアリーナ席の下手側の扉が開いて、ファンキー加藤、ショルダーキーボードを手にした田中隼人、スモークマシーンを構えたバカムスコ翔が登場! 歌いながら会場内をパレードしながらアリーナ席後方に辿り着くと、ファンキー加藤は脚立の上に立って「MUSIC MAGIC」を大熱唱した。そして、ステージに戻ってから届けられたのは、八王子で過ごした10代、20代の頃の思い出が詰まっているのだという「失恋の詩」。会場内は、瑞々しいメロディで彩られていった。
「ここの会場で歌ってて、想像してた以上に素敵な空間になったなと感じました。またいつかここで歌いたい。むしろここをホームにしたいくらいです。ここをゼロじゃなくてイチからのスタートにして、また武道館、横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナ、東京ドームという道のりを行きたいです。ファンモンの時よりも道のりは険しいかもしれないけど、みんながいてくれれば叶うんじゃないかなと勘違いしてます。その勘違いを大切にしていきたいです。みんなが応援してくれる分、俺は相変わらずみんなの日々を応援していこうと思うので。みんなと励まし合える関係性を続けるのが一番の夢。これからもよろしくお願いします。じゃあ、歌います! いや、歌いましょう! これからも同じ時代を歌っていこうぜ」――そして歌い始めた「Lovin’ Life」は、穏やかな手拍子を誘い、まるで一足早い春が訪れたかのような温かい空間を作り上げていた。
3月10日・長崎県 アミュプラザ長崎 かもめ広場を皮切りに始まり、全国各地をじっくりと回る予定だという『全日本フリーライブツアー~超原点回帰~』。10月から行う全国3rdホールツアーの予定が発表された後、「今年はずっとみんなに会いに行けます。もっとみんなとの距離を縮めることができる1年にしようと思います」というMCを経て、ラストに届けられたのは「まわせ!」。全力でタオルを回転させながら盛り上がる観客と、その熱気に負けないくらい大はしゃぎしていたファンキー加藤の笑顔がまぶしかった。
「マイクを使わないで話しますね。大好きな街、八王子にお越し頂きありがとうございました。3月からみんなの街に行きます。笑顔で再会しましょう。死なない程度に頑張って、生きてまた再会しましょう!」と生声でメッセージを届けた後、再びマイクに向かって「俺、この会場でまた絶対にやるわ」と言い、「ツアーで会いましょう。ファンキー加藤でした!」と挨拶をした彼を称える大きな拍手が、一斉に沸き起こった。そしてBGMの「太陽」が鳴り響く中、スクリーンに流れたエンディング映像。観客は片時も目を離せない場面の連続だったこの日のライブの余韻を噛み締めながらスクリーンを眺めつつ、いつでも優しく寄り添ってくれるファンキー加藤の音楽への愛着を改めて深めていたのではないだろうか。
【取材・文:田中 大】
【撮影:堂園博之】
リリース情報
今日の詩
2018年03月21日
ドリーミュージック
2.花
3.失恋の詩
4.風物詩
5.You are the Light
6.ダイジョウブルース
7.前へ 〜My way〜
8.おーい友よ
9.We can Dance
10.急性ラブコール中毒 Solo ver.
11.ラストナンバー
セットリスト
I LIVE YOU 2018 in HACHIOJI
2018.2.25@エスフォルタアリーナ八王子
- 01.リスタート
- 02.太陽おどり?新八王子音頭?
- 03.輝け
- 04.中途半端なスター
- 05.終わらない未来
- 06.おーい友よ
- 07.走れ 走れ
- 08.急性ラブコール中毒メドレー
- 09.ALWAYS
- 10.恋の片道切符
- 11.そのまんま東へ
- 12.本当のこと
- 13.あとひとつ
- 14.冷めた牛丼をほおばって
- 15.ちっぽけな勇気
- 16.CHANGE
- 17.My VOICE 【ENCORE】
- EN 01.MUSIC MAGIC
- EN 02.失恋の詩
- EN 03.Lovin’ Life
- EN 04.まわせ!
お知らせ
FM Nagasaki 35th ファンキー加藤 Special Live
<全日本フリーライブツアー~超原点回帰~>
03/10(土)[長崎] アミュプラザ長崎かもめ広場(JR長崎駅)
※その後のスケジュールはオフィシャルHPにて随時発表
全国3rdホールツアー
10/13(土)[埼玉] 戸田市文化会館
10/25(木)[東京] 中野サンプラザホール
11/01(木)[大阪] オリックス劇場
11/10(土)[岡山] 岡山市民会館
11/17(土)[福井] 鯖江市文化センター
11/28(水)[愛知] 名古屋国際会議場 センチュリーホール
12/07(金)[北海道] 札幌市教育文化会館(大ホール)
12/21(金)[福岡] 福岡市民会館(大ホール)
12/23(日)[香川] サンポートホール高松(大ホール)
12/29(土)[宮城] 仙台サンプラザホール
「SANUKI ROCK COLOSSEUM」
~BUSTA CUP 9th round~
03/18(日) [香川]
■有料会場
高松 festhalle、高松オリーブホール、高松DIME 高松MONSTER、高松SUMUS Cafe
■無料会場
瓦町駅地下広場、786FM香川ステージ
鈴木みのる デビュー30周年野外フェスティバル「大海賊祭」
06/23(土)-24(日)[神奈川]
横浜赤レンガ倉庫イベント広場
※ファンキー加藤の出演日に関しては、後日改めてHPにて発表いたします
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。