RAMMELLS 1st album“Authentic”release ONEMAN SHOW@渋谷WWW
RAMMELLS | 2018.03.23
ステージに現れた黒田秋子(Vo・Key)、真田徹(Gt)、村山努(Ba)、彦坂玄(Dr)を出迎えた大きな拍手と歓声。そして演奏の準備を済ませたメンバーたちが一丸となり、最初に届けられたのは「swim」だった。グルーヴィーなサウンドに反応して手拍子をしながら盛り上がる観客が、実に心地よさそうな表情を浮かべている。ステージの最前線、中央に立って鍵盤を弾きながら堂々と歌う黒田を頂点として構築された黄金のアンサンブルが、会場に集まった人々を魅了しているのを感じた。
ミラーボールが回転して光の粒子を放つ中、恍惚を誘う浮遊感のある音像を描き上げた「image」。自ずと身体を揺らしたくなる軽快なビートを躍動させた「Holiday」も披露された後に迎えた最初のインターバル。「改めまして今晩は、RAMMELLSです。遊びに来てくれてどうもありがとうございます。ずっと出たかった渋谷WWW。ここにいる全員のおかげで、ソールドアウトできました!」、メンバーを代表して挨拶をした黒田が笑顔を輝かせた。そして、「今日は最後まで自由に楽しんでいってください。『Authentic』のリリースワンマンということで、アルバムの中からいっぱいやるんですけど、次は未発表曲。“みんながどこに行ってものびのびとやれますように”という曲です」という言葉を添えて届けられた「blahblah」。サウンドに身も心も任せる快感を、じっくりと噛み締めさせてくれた。
「playground」が披露されて、ますます爽やかな昂揚感が漂い始めた会場内。ここから更に観客を熱く沸かせたのが「slow dance」。骨太なドラムのビート、エフェクトのかかったベースで彩られながら、内に沸々とした熱を秘めているかのような濃厚なメロディがじっくりと高鳴っていく。そんな良いムードの中、「ちょっとクールダウンして、冬の曲をやっていいですか?」と黒田が観客に問いかけてスタートした「CHERRY」がとても美しかった。冬の湘南をイメージしたのだというこの曲は、どこか寂しげだが開放感のあるサウンドが印象的。何処かから清々しい風が吹いてくるかのような感覚にもなるひと時となり、RAMMELLSの音楽の多彩さを改めて実感させてくれるサウンドだった。
「新曲やってもいいですか? みんなも仕事とか、部活とか。俺たちだったら音楽だけど、自分が一番頑張っていることで、“この人には勝てないな”っていう人がいたりすると思うんです。僕にもそういう人がたくさんいます。でも、“自分が気づいてないだけで、あなた方のセンスは、他の人から見ればすごいものがあるんじゃないの?”っていう歌です」と真田が語ってから披露された新曲は、起伏に富んだ展開がとても刺激的だった。続いて、届けられた「tower」も、至福のサウンドの連続。メンバーが奏でるサウンド同士が有機的に絡み合い、じっくりと広がっていく様がワクワクさせてくれた。
雄々しく疾走するサウンドが、生演奏で聴くと一際ドラマチックだった「2way traffic」。洗練されたメロディと、時折アグレッシブに牙を剥く真田のギターの融合の仕方が、RAMMELLSの個性的な作風を鮮やかに示していた「authentic」……終盤でも強力なナンバーが連発されたことにより、完全に心を掴まれていた観客。そして、「これからもよろしく。RAMMELLSでした。最後、大事な曲をやって終わります」と黒田が言ってからスタートして、本編を華麗に締めくくった「Blue」。壮大に響き渡るサウンドに耳を傾けながら、観客が穏やかに身体を揺らしている姿が壮観だった。
アンコールを求める人々の歓声に応えて、最初にステージに戻ってきた真田。「ありがとうございます。よかった、アンコールもらえて。ほんとにここの会場でやれて嬉しいです。僕は一応RAMMELLSのリーダーをやってるんですけど、リーダーをやめたいなと思ったことが300回くらいあります(笑)。でも、こうやってみんなが来てくれると嬉しいです」と挨拶をした彼は、メンバーたちをステージに呼び込んだ。そして、4月27日に下北沢ガレージで2マンライブを行うことを発表。「下北沢ガレージは、ここより小さい会場。なんでやるかというと、去年、そこで結構ダメなライブをしたんです(笑)。あそこからの1ヶ月、俺たち、すごく落ち込んだ。だから1回、ガレージでめちゃくちゃいいライブをして、ちゃんとリベンジをして次に行こうと思ってます」と真田が主旨を説明すると、観客の間から熱い拍手が起こった。
村山がオリジナルグッズを紹介している最中、何かを言い忘れている気がしたらしく、「物販のあれは?」と、突然口を開いた彦坂。どうやらこれがRAMMELLSのライブで彼が喋った記念すべき第一声らしく、他のメンバーも観客も沸いていた。そんな貴重な場面を経て、「RAMMELLSって、あんまり恋とか愛の曲がないんですけど、私は世の中がラブソングだらけになればいいのにと思うくらい、ほんとはラブソングが好きなんです。RAMMELLS唯一のラブソングをやっていいですか? 誰かを想って考え過ぎちゃうっていう曲。聴いてください」、黒田が語った後に披露された「overthinking」の温かいメロディは、会場を瑞々しく彩っていた。
「RAMMELLS、ここからまじで、どんどん面白くなっていくから、楽しみにしていてください! 今日がどんな日でも、明日またちゃんと朝が来ますように。夜明けの曲」という黒田の言葉を合図に始まった「daybreak」がラストを飾った。朝日のように爽やかなサウンドを浴びながら身体を揺らす観客の姿がまぶしい。そして、ステージ上のメンバーたちが、とても凛々しく見える。ワンマンライブが成功したことで、RAMMELLSがさらに前進するための確かな自信が生まれたことが伝わってくるエンディングであった。
【取材・文:田中 大】
【撮影:Hayashi Maco】
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リリース情報
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Authentic
2017年12月06日
日本クラウン
02. 2way traffic
03. swim
04. slow dance
05. authentic
06. CHERRY
07. AMY
08. playground
09. HERO
10. daybreak
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セットリスト
1st album“Authentic”release ONEMAN SHOW
2017.03.09@渋谷WWW
- 01.swim
- 02.image
- 03.Holiday
- 04.blahblah
- 05.playground
- 06.slow dance
- 07.CHERRY
- 08.Black dot
- 09.新曲
- 10.tower
- 11.2way traffic
- 12.authentic
- 13.Blue [ENCORE]
- EN 01.overthinking
- EN 02.daybreak
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お知らせ
Shimokitazawa SOUND CRUISING2018
05/26(土) 下北沢ライブハウス
BARBARS Presents 「RUBBERGIRL Special ! 2018」
07/13(金) 新宿LOFT
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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