The peggies 『super boy! super girl!! tour 2018~SUPER MARKET TRIP!~』ファイナル!
the peggies | 2018.03.28
J-POPユーザーにも受け入れられそうなポップネスをしっかり持ったまま、フェス好きのロックキッズにもアピールできるステージングを体現する。このツアーで彼女たちは、自ら設定したハードルを見事にクリアしてみせた。
全国10か所を回ったツアー『super boy! super girl!! tour 2018~SUPER MARKET TRIP!~』の最終日、東京・マイナビBLITZ赤坂。「LOVE in the TOKYO」[ぺぺぺぺ remix]」が響き、ミラーボールの光が会場を彩るなか、メンバー3人(北澤ゆうほ/Vo・Gt、石渡マキコ/Ba、大貫みく/Dr)がステージに登場。キメのポーズを披露した後、メジャー1stシングル「ドリーミージャーニー」でライブをスタートさせる。さらにインディーズ時代のロックチューン「カウンター!」を放ち、満員のオーディエンスの身体を揺らす。この2曲だけで、バンドサウンドの迫力とダイナミズムが大きく向上していることがはっきりと伝わってきた。
「今回はメジャー1stミニアルバム『super boy ! super girl !!』のリリースツア―。新旧織り交ぜてみなさんと楽しんでいけたらなと思います!」(北澤)という挨拶を挟み、ミニアルバムの収録曲が次々と披露される。まずは「GLORY」。疾走感に溢れたビート、カラフルなメロディ、そして、“僕(バンド)と君(リスナー)”の関係のなかで“カッコ悪い自分を受け入れて、一緒に先に進みたい”という思いが刻まれた歌が爆発的なテンションとともに突き刺さり、心と身体を同時に揺さぶられる。「恋の呪い」も印象的だった。高度なテクニックを求められるイントロのギター、ドラマティックに展開するメロディラインをしっかりと際立たせるドラム&ベース。たとえば昨年6月の恵比寿LIQUIDROOM公演と比べても、演奏のクオリティは格段に進化している。メンバー3人のプレイヤビリティがぶつかり合うアンサンブルからも、ロックバンドとしての個性が明確に感じられた。
切ない恋心を綴った歌詞と重厚感に満ちたバンドグルーヴが溶け合うミディアムチューン「ずっと」の後は、石渡&大貫のMCコーナー。石渡は「仙台で買った“はらこ飯”を移動の車のなかで食べたんですけど、おいしすぎて、食べ終わるのが切なかった」というエピソードで会場を和ませ、大貫は「無事に大学を卒業して、the peggiesに永久就職します! 今日はその最初のライブなので、感慨深いです」と新たな決意を語る。メンバーのパーソナリティが感じられるトークによって、ステージとフロアの距離がグンと近くなっていく。
この後は、the peggiesの幅広い音楽性を体感できるシーンが続いた。インディーズの頃からライブアンセムとして支持を得ているアッパーチューン「グライダー」では観客の大合唱が生まれ、一体感がさらにアップ。大貫の鮮烈なドラムソロに導かれた「ネバーランド」では、煌びやかなギターフレーズ、パーカッシブなリズム・アレンジ、ドラマティックなメロディラインによって、音楽性の高さを見せつける。そして、個人的にもっとも心に残ったのは、やはりミニアルバム「super boy!super girl!!」に収められた「遠距離恋愛」だった。北澤自身の体験をベースにしながら、普遍的な恋愛感情を描き出したこの曲を彼女は、生々しいエモーションを込めながら歌い上げる。そこで生まれた大きな感動は、ソングライター/シンガーとしての北澤の才能を強く証明していたと思う。
恋人との微妙な距離を宇宙衛星にたとえた「スプートニク」を挟み、北澤は改めてオーディエンスに向かって話しかけた。自分は特別な人間ではなく、みんなと同じように悩み、劣等感を抱えながら生きていること。自分が書いた曲、the peggiesの曲がみんなの曲になったらいいなと思っていること。「情けない自分だけど、明日はいい日になったらいいな、幸せになりたいなという気持ちを共有したいし、そういう気持ちで曲を作っていきたいです」というと、会場からは大きな拍手が巻き起こった。
「愛の旅に出がけようと思います! みなさん準備はいいですか!」(北澤)というシャウトにリードされた極上のポップチューン「LOVE TRIP」をきっかけにライブはクライマックスへ。「スイカスイカスイカスイカわっしょい!」というオモシロすぎるコール&レスポンスが巻き起こった「ちゅるりらサマフィッシュ」、そして軽やかなビートとラブリーな歌が気持ち良く広がる「I 御中~文房具屋さんにあった試し書きだけで歌をつくってみました。~」で本編は終了。アンコールではド派手なギターソロが炸裂した「ハートビート」、《君だけを見ていたい 終わらないストーリー》というフレーズが響き渡った「BABY!」を披露し、ツアーファイナル公演はエンディングを迎えた。
6月から7月にかけて新たな全国ワンマンツアー「とびだせ ペギちゃんマン!~とべ!とべ!ペギちゃん~」の開催も決定。今回のツアーでライブバンドとして大きく成長した彼女たちがどんなステージを見せてくれるのか、いまから楽しみでしょうがない。そう、the peggiesの快進撃はここから始まるのだ。
【取材・文:森 朋之】
【撮影:Wataru Nishida(WATAROCK)/Amiri Kawabe(WATAROCK)】
リリース情報
super boy ! super girl !!
2018年01月24日
Epic Record Japan
2. ネバーランド
3. 恋の呪い
4. 遠距離恋愛
5. ハートビート
6. I 御中~文房具屋さんにあった試し書きだけで歌をつくってみました。
セットリスト
super boy! super girl!! tour 2018~SUPER MARKET TRIP!~
2018.03.25@マイナビBLITZ赤坂
- 01.ドリーミージャーニー
- 02.カウンター!
- 03.GLORY
- 04.JAM
- 05.ボーイミーツガール
- 06.恋の呪い
- 07.ずっと
- 08.グライダー
- 09.ネバ―ランド
- 10.遠距離恋愛
- 11.スプートニク
- 12.LOVE TRIP
- 13.ちゅるりらサマフィッシュ
- 14.I 御中~文房具屋さんにあった試し書きだけで歌をつくってみました。~ 【ENCORE】
- EN 01.ハートビート
- EN 02.BABY!
お知らせ
とびだせ ペギちゃんマン!大貫ミク女子大卒業記念ライブ~マイミク募集中~
04/23(月) 下北沢 CLUB251
とびだせ ペギちゃんマン!~とべ!とべ!ペギちゃん~
06/17(日) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
06/30(土) 神戸 VARIT.
07/01(日) 京都 KYOTO MUSE
07/05(木) 渋谷 WWW X
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。