前へ

次へ

阿部真央、日本武道館公演も決定! ニューアルバム『YOU』を携え、7年ぶりのライブハウスツアーがスタート!

阿部真央 | 2018.04.19

 阿部真央が2018年4月6日(金)、東京・新木場STUDIO COASTで全国ツアー『阿部真央ライブハウスツアー2018“Closer”』をスタートさせた。阿部真央のライブハウスツアーは2011年の『阿部真央らいぶNo.3~ZEEPとQUATTROだけでごめんねTOUR』以来、約7年ぶり。久々のライブハウス公演で彼女は、今年3月にリリースされた8thアルバム『YOU』の収録曲を中心にアグレッシブなパフォーマンスを展開した。

 18時半頃に会場に入ると、フロアはすでに満杯。BGMのスカ・ミュージックの穏やかな雰囲気が心地いい。阿部真央のライブハウスツアーはじつに7年ぶり。観客からも“阿部真央のステージを至近距離で体感できる!”という期待感がムンムンと伝わってくる。
そして19時を少し過ぎた頃、ついにライブがスタート! オープニングからは新旧のアッパーチューンを次々と放ち、フロアを埋め尽くしたオーディエンスの熱気を一気に上げていく。阿部真央もステージの上を動き回り、笑顔で観客に手を振っている。久しぶりのライブハウス公演。ファンはもちろん、彼女自身もこのツアーを心待ちにしていたことがはっきりと感じられた。

「阿部真央ライブハウスツアー2018“Closer”初日、東京・新木場STUDIO COAST公演に来ていただき、ありがとうございます。ライブハウスはかなり久々なんですけど、今日は存分にライブハウスの良さを感じてもらえたら嬉しいです。みんなに元気になって帰ってもらえるように最後までがんばって歌います! よろしくお願いします」というMCの後は、3月にリリースされたばかりのニューアルバム『YOU』の楽曲が披露される。太陽のような大らかなメロディと“愛していたいよ 考える暇もなく”という歌詞が響き渡った「the SUN」、ダイナミックなバンドサウンドと洋楽的なメロディが共存する「Such a beautiful day」、パーカッシブなリズムを軸にした激しくも切ないアッパーチューン「蔑ろな夜」。この3曲から伝わってきたのは、アルバム『YOU』の充実ぶりだ。恋愛の機微を描いたドラマティックな歌詞、カラフルなサウンドメイク。シンガーソングライター・阿部真央の真骨頂とも言える新たな傑作『YOU』の魅力をダイレクトに体感できることこそが、今回のツアーの最大の醍醐味であることはまちがいない。観客もアルバムの新曲をしっかり聴き込んでいるようで、曲が始まるたびに「おお!」という歓声が起きるのも印象的だった。デビューから9年。阿部真央とファンの音楽を介したコミュニケーションはさらに濃く、強くなっているようだ。

「新旧織り交ぜて、近年のツアーであまりやれてなかった曲なんかもやれたらなと思っています。3月にリリースされたアルバム『YOU』ではたくさんのアーティストの方とご縁があって。岡崎体育さんとアレンジしてもらった『inmmorality』だったり、NMB48の山本彩さんに提供した「喝采」のセルフカバーだったり。新しい表情を感じてもらえたと思います」というコメントを挟んだライブ中盤では、アルバム『YOU』の豊かな音楽性を実感できるシーンが続いた。まずは「immorality」。打ち込みとバンドサウンドを融合させたライブ・アレンジは、音源とは一味違うグルーヴへとつながり、会場をダンスフロアに変貌させる。さらにシックなテイストをまとった「傘」(《触れていた肩に気付きながら 何度も押し付けた》というフレーズは阿部真央自身も気に入っているという)では恋愛の憂いをたっぷりと含んだボーカルを披露。そして、ソウルミュージック/シティポップ的な要素を感じさせる「その心には残れない」では観客が“横ノリ”で身体を揺らす。アルバム『YOU』の制作のなかで広がった阿部真央の音楽的な表現力は、ライブという場所でも存分に発揮されていた。ツイン・ギター、ベース、ドラムの構成によるバンドも、彼女の奔放なステージングをしっかりと支えている。

「花粉症になっちゃって。たぶんヒノキだと思うですけど……。季節になんか負けてられませんね!」みたいなフレンドリーなトークも印象的。彼女も「楽しいですね、この距離感」と言っていたが、ステージとフロアの距離が近く、密接なコミュニケーションが取れることもライブハウスツアーの大きな魅力だ。
攻撃的なバンドサウンドとともに《やいのやいのうるさいのよ 予定調和に飼われた屍どもがよ》という鋭利なリリックが突き刺さる「喝采」(こういうタイプの曲、ホントに良く似合う!)からライブは後半へ。キャリアを代表するヒット曲、代表曲を連発し、オーディエンスを熱狂と感動の渦へと巻き込んでみせた阿部真央。アンコールではアルバムの収録曲を鍵盤の弾き語りで披露する貴重なシーンも実現した。

 この日、2019年1月22日(火)に10周年を記念した自身2度目の日本武道館公演を行うことを発表した阿部真央。
「今日歌ってるときに“どうして私、生まれてこれたんだろう?”くらいのすごい不思議な感じになって。幸せを感じたし、すごく嬉しかったです。デビュー当初のインタビューを読んでくださっていた方はご存じだと思いますが、こんなに続くなんて思ってなかったんですよね。もちろん10周年を迎えられるとも思ってませんでした」「今回のアルバムもかなり作風が変わったと思いますが、昔みたいな曲を歌いたいと思うときも来ると思うし、こうやってステージでも歌っていきます。みんなにパワーをもらって、前に進んでいきます! 確実に10年前よりもいまの自分のほうが好きです。これもみんなのおかげ。ありがとうございます!」

 そんな彼女の真摯な言葉に対し、会場からは温かい拍手が巻き起こった。今年“Road to 10th Annivesary”と称して7つのトピックスを用意している阿部真央。アルバム『YOU』のリリース、4月30日(月・祝) Zepp大阪 ベイサイドまで続くライブハウスツア―、日本武道館公演から始まるアニバーサリーイヤーにぜひ注目してほしいと思う。

【取材・文:森 朋之】
【撮影:笹森健一】

tag一覧 ライブ 女性ボーカル 阿部真央

リリース情報

YOU

YOU

2018年03月07日

ポニーキャニオン

1.K.I.S.S.I.N.G.
2.the SUN
3.Such a beautiful day
4.蔑ろな夜
5.immorality(Arranged by 岡崎体育)
6.傘
7.その心には残れない
8.喝采
9.Angel
10.朝日が昇る頃に
11.27歳の私と出がらし男

お知らせ

■ライブ情報

rockin’on presents JAPAN JAM 2018
05/04(金・祝) 千葉市蘇我スポーツ公園

MOROHA 自主企画「怒濤」第十六回
05/17(木) 恵比寿LIQUIDROOM

京都岡崎音楽祭 OKAZAKI LOOPS_2018
06/23(土) ロームシアター京都

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

トップに戻る