井上苑子の東名阪ツアー初日、EX THEATER ROPPONGIのライブをレポート!
井上苑子 | 2018.05.14
井上苑子の東名阪ツアー「Inoue Sonoko Spring Rock!! Tour 2018~エレキで駆け抜けるで!!~」の初日、東京・EXシアター六本木の公演をレポート! ツアータイトル通り、ほぼ全編に渡ってエレキギギターを弾いた彼女は“井上苑子流のポップ・ロック”をダイレクトに見せつけてくれた。
開演時間を少し過ぎた頃、客席の照明が落とされ、ステージに架かった白い幕にギターを持った井上苑子のシルエットが映し出される。最初に聴こえてきたのは≪忘れないでずっと あの時の空を 神様に願いを≫という歌声。大きな歓声が起こると同時に幕が落とされ、オープニングナンバー「ハレトケ」が放たれる。サビのフレーズでは大合唱が巻き起こり、観客は腕を振り上げながら盛り上がりまくる。ステージには飾られた、いろいろな大きさの白い風船もかわいい。
続いて、切ないメロディラインと疾走感に溢れたバンドサウンドが響き渡った「ボクキミポケット」、ギターを持ったままハンドマイクで客席に近づき、笑顔でコミュニケーションを取ったアッパーチューン「Lovely days,Lousy days」を披露。メジャーデビュー前の初期の楽曲を次々と演奏し、“ロックな井上苑子”をアピールする。
「今回は“ロックツアー”ということで、東京、名古屋、大阪のライブハウスでやらせてもらいます! 最初からけっこう懐かしい曲をやりましたけど、どうでした?」「いままでで一番くらい緊張していて、ごはんも食べられませんでした(笑)。でも、大丈夫。みんなと一緒に元気出してやろうと思ってます!」というMCのあとは、6月6日(水)にリリースされるミニアルバム『Mine.』に収録される新曲「My Dear One」。軽快なギターカッティングと4つ打ちのビートを軸にしたダンサブルなサウンドによって、観客が気持ち良さそうに体を揺らす。「テレパシー」ではハンドマイクで≪君のそばに いつもいたい≫という愛らしいラインを描き出し、シングル曲「なみだ」では10代の恋人たちの切ない別れをじっくりと歌い上げる。ひとつひとつのフレーズを丁寧に紡ぎ、楽曲のなかに込められたストーリーをオーディエンスに体感させるボーカル表現は、ここにきてさらに向上しているようだ。
中盤のMCでは今回のツアーの制作についてコメント。
「このツアーは、いままでで一番考えました。まず、このステージセット。白い風船、井上はこれがやりたかった(笑)」「セットリストも私から提案して。あ、そう、今回は初めてパワーポイントを使って、スタッフのみなさんにプレゼンしたんです! 私なりにツアーの世界観を伝えられるようにがんばりました。今回が一番、井上苑子色が強いライブなのかと思います」という言葉からは“自分らしいライブをみんなに見てほしい”という真っ直ぐな思いが伝わってきた。
この後は彼女のカラフルな音楽性を実感できるステージが続いた。ゆったりとしたグルーヴを感じさせるサウンドと思春期の甘酸っぱい恋愛を描いた歌詞がひとつになった「ふたり」ではオーディエンスがコーラスパートを合唱。エッジの効いたギターとポップに飛び跳ねるボーカルが絡み合う英語詞のナンバー「Fly Away」では、ステージの大きいバルーンが割られ、なかから小さい風船が飛び出す。そしてギターのイントロが鳴った瞬間に「キャー!」という女性の歓声が上がった「Say My Name」では≪聞かせてよ 僕に Say my name≫というフレーズによって、ステージとフロアの距離がさらに近くなった。
続いては、ファンから募った“ロック曲(ロックだと感じる曲)”と彼女自身の好きなロックナンバーによるカバー・メドレー。「今宵の月のように」(エレファントカシマシ)、「Lovers」(sumika)、「ともに」(WANIMA)、「天体観測」(BUMP OF CHICKEN)、「青い春」(SUPER BEAVER)と男性ボーカル・バンドの楽曲を力強く歌い上げる。彼女のロックのルーツとフェイバリットが感じられるメドレーは、今回のツアーの大きなポイントだったと言えるだろう。
「初めて“ロック”を掲げたライブ、後半戦です!」という言葉とともにライブはクライマックスへと進む。洗練されたコード進行とダイナミックなボーカルによって“いつも自分らしくありたい”という思いを込めた歌が突き刺さる「踏み出す一歩が僕になる」(新曲)、“オイ! オイ!”という観客のコールが響き渡った愛らしくも切ないロックナンバー「線香花火」、キャッチ―なギターフレーズと≪何万回も 見つめていたいな そうずっと≫という切実な思いがひとつになった「リメンバー」(新曲)、エンディングが近づくにつれて感情の色合いが深まっていくボーカルが強く心に響く。そして本編ラストは「青とオレンジ」。エモーショナルな旋律と≪君と居たい ただ それだけよ≫という歌詞が会場全体を包み込み、心地よい高揚感を生み出してみせた。
アンコールを受けて、まずは新作『Mine.』の収録曲を紹介するダイジェスト映像を紹介。さらに7月22日(日)に新木場Studio Coastで行われる『いのうえ夏祭り2018』が告知されると、大きな拍手が巻き起こった。再びステージに登場した彼女は、「ミニアルバム『Mine.』、どの曲が良かった? ジャケ写も大人っぽいやろ?」と話しかける。バンドメンバーの紹介、記念写真の撮影の後、「エレキで初めてやります」というMCに導かれたアンコールの1曲目は「せかいでいちばん」。そして祝祭感に溢れた「君がいればOK!~サマサマキュンキュン大作戦~」では観客がタオルを振り回す。井上は客席に降り、フロアを1周。オーディエンスとダイレクトに触れ合いながら、ハッピーな盛り上がりへとつなげた。
カラフルなポップネスをたっぷり含んだサウンド、共感度の高い歌詞、親しみやすいキャラクタ―といった本来の魅力をブラッシュアップしながら、ロックというファクターを取り入れはじめた井上苑子。“エモーショナル”をテーマにしたミニアルバム『Mine.』のリリース、そして、夏の一大イベント「いのうえ夏祭り」にも大いに期待したい。
【取材・文:森 朋之】
■6月6日(水)発売 ミニアルバム「Mine.」収録曲「リメンバー」が5/14(月)より先行配信!
下記の主要音楽配信サイトにて「リメンバー」の先行配信がスタート!
■iTunes:http://po.st/Mine_it
■LINE MUSIC:http://po.st/remember_lm
■レコチョク:http://po.st/remember_re
リリース情報
Mine.
2018年06月06日
ユニバーサルミュージック
02.My Dear One
03.ワンシーン
04.Chocolate
05.TODAY
06.踏み出す一歩が僕になる
セットリスト
Inoue Sonoko Spring Rock!! Tour 2018~エレキで駆け抜けるで!!~
2018.04.21@ EX THEATER ROPPONGI
- 01.ハレトケ
- 02.ボクキミポケット
- 03.Lovely days, Lousy days
- 04.My Dear One
- 05.テレパシー
- 06.なみだ
- 07.ふたり
- 08.Fly Away
- 09.Say My Name
- 10.メドレー
今宵の月のように(エレファントカシマシ)
Lovers(sumika)
ともに(WANIMA)
天体観測(BUMP OF CHICKEN)
青い春(SPER BEAVER) - 11.踏み出す一歩が僕になる
- 12.線香花火
- 13.リメンバー
- 14.青とオレンジ 【ENCORE】
- EN 01.せかいでいちばん
- EN 02.君がいればOK!~サマサマキュンキュン大作戦~
お知らせ
JOYFM presents
「hinata(ひなた)のリズム」
Supported by イオンモール宮崎
05/26(土)[宮崎]イオンモール宮崎 1F「hinata TERRACE」
OTOSATA ROCK FESTIVAL 2018
06/17(日)[長野]茅野市民館
いのうえ夏祭り2018
07/22(日)[東京]新木場Studio Coast
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。