teto、1stシングル『忘れた』を引っ提げ回った『teto<60分2,800円ツアー>』ファイナル完遂!
teto | 2018.06.01
3月21日にリリースした1stシングル『忘れた』を引っ提げ、4月1日の千葉LOOKを皮切りにスタートした、tetoのツーマンツアー『teto <60分2,800円ツアー>』。チケットは入手困難な会場が続出した。5月18日、新代田FEVERにて開催されたファイナル公演には、The Mirrazが出演し、ラストにふさわしい競演を繰り広げた。
「こんばんはー。盛り上がっていこうぜ!」
トップバッターのThe Mirrazのライブは、畠山承平(Vo&Gt)のそんな一言から幕を開けた。1曲目から『check it out! check it out! check it out! check it out!』で観客を巻き込み、『ふぁっきゅー』『Get Money』『スーパーフレア』といった新旧の楽曲を織り交ぜながら加速。畠山の口から、弾丸のように高速で撃ち放たれる言葉に圧倒されながらも、腕を伸ばし食らいついていく前方の観客の姿が、フロア全体の興奮を煽っていく。そうかと思えば、キャッチーなギターリフがクセになる『ラストナンバー』など、多幸感溢れる楽曲も演奏。「楽しんでるか!? そんな感じだとtetoが満足できないから、もっと盛り上がってもいいぞ? イケるか!?」そう喝を入れ直し、『DAWN』で駆け抜けると、後方の観客もその想いに応えるように腕を突き上げた。その後は、メジャーシーンに乗り込む際の気合いや覚悟を思いっきりぶちまけた『僕らは』、the Mirraz流の応援歌『プロタゴニストの一日は』を続け様に披露。時に訴え、時に嘆き、時に愛を叫んだ45分間のラストは、『CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい』で熱く締め括られた。
超満員の熱気溢れるフロアを前に、穏やかな表情で姿を現したtetoの4人。しかし、耳をつんざくような轟音が鳴り響いた途端、小池貞利(Vo&Gt)は『あのトワイライト』の歌詞を引用して、「ツアーに行ってきて、1つ思ったことがありました!一生魅了したくて、されたくて、され続けたくて、し続けたいです!teto、始めます!」と叫んだ。そして、『あのトワイライト』でライブスタート。“気づいたら夕方さ”を“気づいたらツアーが終わる だからその前に”とアレンジしながら、凄まじい熱量で想いをぶつけ、ダイブしていく小池。そんな彼に挑むようにステージ側に押し寄せる観客。山崎陸(Gt&Cho)、佐藤健一郎(Ba&Cho)、福田裕介(Dr)のアグレッシブなプレイも含め、音を介して互いに支え合うその様子は、今回のツアーを経てさらに強度を増した彼らの絆を示していた。続く『Pain Pain Pain』や『暖かい都会から』では、早口言葉のごとく激情を噴出しながらも、大合唱で会場を1つに。もはや清々しさを感じさせるほど、怖い者なしの攻めの姿勢、生き様こそがtetoの最大の武器なのだ。
その鋭さはMCでも健在で、「金曜日にtetoを観にくる人って、相当世の中に対する恨み辛みが溜まってる人しかいないと俺は思ってるんですよ。どうせ金曜日なので、ある程度は見逃してくれると思うんで、好き放題やって、最後まで楽しんで帰ってください。法律を守れば何してもいいんで!」と投げかける。一方、「修学旅行でも、同じグループの人が怪我とかすると楽しめないじゃないですか? だから、みんなで助け合うこと。怪我は禁止!」と観客を気遣う言葉もあり、「俺も含めて、すべての中途半端なみなさんに1曲歌います」と『My I My』を披露。自然体で生きていきたいと願う晴れやかなナンバーに、共感した人々からの温かい拍手が捧げられた。しかし、すぐさま「アダルトビデオに出てきた同級生の歌をやります!」と『トリーバーチの靴』に突入すれば、再びマイクに噛みつくように全力疾走! 強烈な一言で心を鷲掴みにした上で曲に突入するtetoのスタイルは、まるでノンストップでショートムービーを観ているような感覚を与えてくれた。
度々「酸欠と怪我をしていいのは俺らだけ!」と話していたが、実際、本編中盤に差しかかる頃には小池は激しく咳き込んでいた。それは、“今”を見つめ続け、8本すべてのライブに全身全霊で挑んできた証。そんなツアーを通していろんな人の故郷に足を運んで感じたこと、“自分が故郷・群馬で過ごした日々”をふと思い出したことをおもむろに語り始め、『teen age』へ。山崎が奏でるワルツのリズム、幼さを残した甘い歌声が、セットリストに新鮮な風を吹き込んだ。かつて飼っていた柴犬・ミニーの歌だという『マーブルケイブの中へ』では、咽び泣くように熱唱。どちらの曲も、徐々に熱を帯びるサウンドと共に、小池の記憶が自分の頭の中にも色鮮やかに映し出されていく。また、「いつの間にかこんなに熱くて、もうすぐ夏が来ますね」と言い添え届けたのは、キラーチューン『9月になること』。まさに満身創痍といった感じでギリギリで歌う小池と、それをカバーするように力強く歌う観客の助け合い精神はここでも発揮され、その一体感のまま、『9月になること』のアンサーソングになっている『溶けた銃口』、『高層ビルと人工衛星』を歌い終える頃には、すでにライブ開始から1時間が経過していた。
ここで小池は、改めて1stシングル『忘れた』について「シングルを出すならこういう曲がいいなぁと思って、できました。曲ができたら“聴いてみようかな”って思って聴いてくれるわけじゃないですか? “tetoの『忘れた』ってなんだろう? 聴いてみよう”って思ってくれる時間を考えると、“あぁそう思ってくれてるんだ”って思います。ありがたいな、と。バンドやって良かったなって思いますね」と語った。そして、日々の納得いかないことや嫌なことよりも、“自分達を応援してくれる人達との1瞬1瞬を大切にしていきたい”という想いを込めて、ノスタルジックなミディアムナンバー『忘れた』を熱唱。本編ラストは、「拝啓、今日新代田FEVERで出会えたすべての馬鹿野郎へ!」と豪快にシャウトし、『忘れた』のカップリング『拝啓』で暴れ倒した。
なお、アンコールは、他の公演で定番となっていた『光るまち』……ではなく、アコギを持って登場した小池がライブで初披露となる新曲『手』を弾き語り。バンド編成で『utopia』と新曲『新しい風』を披露すると、4人は嵐のようにステージを後にした。でも、「これ、誰にも言ってないんだけど、今から『光るまち』をやります!」と、またしてもアコギを手に現れた小池がフロアに降り立ち、メンバー4人を観客が囲む形で、急遽ダブルアンコールに突入! もう声が出なくなってしまった小池の代わりに、メンバーと観客が歌う『光るまち』――。その温かな光景を見渡しながら、「間違いなくここが“光るまち”でした!」と言い放った小池の表情は達成感に満ちた笑顔だった。
【取材・文:斎藤碧】
【撮影:作永裕範】
リリース情報
忘れた
2018年03月21日
UK.PROJECT
2.拝啓
3.Nothing Goes Right
4.光るまち(アコースティックVer.)
セットリスト
<60分2,800円ツアー>
2018.05.18@新代田FEVER
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【The Mirraz】
- 01.check it out! check it out! check it out! check it out!
- 02.ふぁっきゅー
- 03.Get Money
- 04.スーパーフレア
- 05.ラストナンバー
- 06.ラストダンスとファンデーション
- 07.DAWN
- 08.僕らは
- 09.プロタゴニストの一日は
- 10.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい 【teto】
- 01.あのトワイライト
- 02.Pain Pain Pain
- 03.暖かい都会から
- 04.My I My
- 05.トリーバーチの靴
- 06.36.4
- 07.ルサンチマン
- 08.teen age
- 09.マーブルケイブの中へ
- 10.9月になること
- 11.溶けた銃口
- 12.高層ビルと人工衛星
- 13.忘れた
- 14.拝啓 【ENCORE】
- En-1.手
- En-2. Utopia
- En-3.新しい風 【ENCORE1】
- En-4. 光るまち
お知らせ
JUNE ROCK FESTIVAL 2018
06/16(土)川崎CLUB CITTA’
リーガルリリー3rd mini album『the Telephone』レコ発 遠距離恋愛ツアー
06/23(土)福岡THE Voodoo Lounge
06/24(日)広島4.14
ワンマンツアー「始発」
07/04(水)下北沢Daisy Bar
07/06(金)池下CLUB UPSET
07/08(日)梅田Shangri-La
07/22(日)渋谷WWW X
JOIN ALIVE 2018
07/14(土)いわみざわ公園
JAPAN’S NEXT 渋谷JACK 2018 SUMMER
07/15(日)渋谷ライブハウス7会場
MONSTER baSH2018
08/19(日)香川県 国営讃岐まんのう公園
山人音楽祭 2018
09/22(土)ヤマダグリーンドーム前橋
09/23(日)ヤマダグリーンドーム前橋
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