PUSHIM×MAGNUM RECORDS、ツーマンツアー最終公演にレゲェファンが大集結!
PUSHIM | 2018.06.28
埼玉、名古屋、大阪、千葉、仙台と各地のレゲエ好きを熱狂させたパーティーが、ファイナルの地・東京へ到着した。シンガーPUSHIMとMAGNUM RECORDS(RUDEBWOY FACE/RUEED/AKANE/ KILLANAMI)がタッグを組んだクラブツアー“COMAGAIN”(コマゲン)。外は大雨にも関わらず、代官山UNITのフロアは遊び好きの陽気なLADIES&GENTLEMENで一杯だ。「レゲエ好きな奴! 今日楽しみにしてきた奴! 手ぇ上げろ!」。オープニングを務めるサウンド・BIG BLAZE WILDERSが煽りに煽る。ご機嫌に体と心が温まってきた午後6時、いよいよパーティーの幕が開く。
第一部はMAGNUM RECORDSのショータイム。KILLANAMIの操る音に乗り、お洒落なハットで決めたイケメンRUEED、短いドレッドの伊達男RUDEBWOY FACE、青い髪がキュートな元気印AKANEがそれぞれ挨拶替わりの1曲を披露すると、3人揃って「ブレないDEEJAY(REMIX)」を派手にぶちかます。ここから怒涛のノンストップ、3人が入れ替わり立ち替わり歌い踊るステージは実にカラフルで、一瞬たりとも飽きさせない。最高だったのはレゲエダンサーJAKENを交えた「It’s a Party&BURNING FIRE」で、妖しく華やかでちょっとコミカルなノリに思わず頬が緩み腰が動く。ステージ上がとことん楽しければフロアはもっと楽しい。グッド・ヴァイブレーションがみんなを一つに繋いでいる。
「私の歌、PUSHIMさんの歌を聴いてる女の人は気が強い」と笑うAKANEにフロアにいたLADIESたちが一斉に歓声を飛ばし、「SLOW WINE」ではワイングラスをゆっくり回すような“ワイニー”ダンスで腰を振る。レゲエのダンスはロックとは違い、柔らかく肉感的なムーヴがかっこいい。「夜なんて」「BED ROOM」などゆったりしたラヴァーズ、RUDEBWOY FACEの自伝的チューン「RUDEBWOY DON’T CRY」も胸に沁みた。ベテランの落ち着きと説得力で場を引き締めるRUDEBWOY FACE、甘い声と塩辛い声を巧みに使い分け盛り上げるRUEED、ハスッパに見せて時に女らしい表情でハッとさせるAKANE。トライアングルのバランスは上々だ。
そのまま「20th」「SHOOT TO KILL」とアップチューンを連ね、クライマックスの「Magnum Lyrics(REMIX)」へ。AKANEがステージから落っこちそうなほど身を乗り出してオーディエンスを煽り、フロアが沸騰する。最後の1秒まで全力を出し尽くす、それがMAGNUM RECORDSスタイル。底力を存分に見せつける50分間だった。
バトンは再びBIG BLAZE WILDERSへと渡され、10分間のDJタイムで場内のムードが程よくクールダウンした頃、満を持してのクイーンPUSHIMのお出ましだ。1曲目「People In The Shadow」を歌い始めるやいなや、パワフルかつしなやかなボーカルでフロアを一気にPUSHIM色に染める。「HEY BOY」ではダンサー3人娘と一緒にセクシーでお茶目なダンスを見せる。オーディエンスをさす指、見つめる視線、ちょっとした一挙手一投足から色気とオーラがこぼれる。人間力、という言葉が頭に浮かぶほど、何よりもまずPUSHIMは魅力的な人間だ。
「もうすぐ真夏が始まりますから」。そう言って歌ったサマーチューン「MaNaTu...」と、RUEEDとデュエットした「I Wanna Know You」の甘いメロディにうっとり聴き惚れる。熱く抱き合う二人のラブシーン? に大歓声が飛ぶ。「レゲエを聴く女は気が強い、おまけにガサツ(笑)。でも男を愛するパワーは誰にも負けません」。AKANEのMCを引き継いで笑わせ、女子に向けたエールソング「Rising Sun」へと繋ぐスムーズな流れが実に巧い。
「来年でメジャーデビュー20周年になります。レゲエを始めた18、19の頃の感覚が、もう一度血となり肉となるために、このツアーを組みました」
PUSHIMにとっては原点回帰のツアーにMAGNUM RECORDSが呼ばれたのは必然だ。RUDEBWOY FACEを呼び込んでの和やかトークは実に楽しくハートウォームで、恋多き男の懺悔ソング「Guilty Bwoy」でのデュエットも息はぴったり。酸いも甘いも噛み分けた、大人のレゲエチューンはベテランならではの深い味わい。ミラーボールが回る下、最強にグルーヴィーなディスコ・レゲエ「Feel It」ではAKANEが元気ハツラツのラップで花を添えてくれた。直後のMCで、かつて自身の活動に悩んでいる時に「そのままで行きや」と言ってくれたPUSHIMの言葉が励みになったというAKANEに、「AKANEは貫いてるよ。MAGNUM RECORDS大好き」と笑顔で語りかけるPUSHIM。暖かいやりとりに胸がグッと熱くなる、とてもいいシーン。
先月配信リリースされた新曲「ナナメにキメるSTYLE」は、ダンサーJAKEN&UCHIKOのソロダンスもたっぷり見せてクールに妖しく。「夏はこれから。遊ぶ時は遊ぶ、仕事する時はする、思いっきりやりましょう!」と笑顔でメッセージを届け、ラストチューンは「I pray」のアコースティック・バージョンと「夕陽」を繋げてしっとりと締めくくり。歌の巧さ、グルーヴのしなやかさ、感情の豊かさ、その場のすべてを笑顔にする包容力。やはりPUSHIMはスーパー・ウーマンだ。
アンコール? というか、これはもう第三部。「俺が大好きな音楽の話をもうちょっとしよう」と言いながら再登場したRUEEDが「RAGGAE START FIRE」を、続いてRUDEBWOY FACEが「REGGAE MAGIC」を、AKANEが「MY LIFE」を歌う。一度だけ歌をやめようと思った時に、真っ先に電話をくれたのがPUSHIMだったこと。RUDEBWOY FACEがMAGNUM RECORDSに誘ってくれて新しい道が開けたこと。「信じられる仲間がいれば大丈夫」と、声を詰まらせて話すAKANEに、あらためてレゲシーンの絆の強さを思う。PUSHIMの歌う「a song dedicated」も、いつも以上に心揺さぶるヴァイブスに溢れていた。
と、このまま感動的なシーンでは終われないのがPUSHIMとMAGNUM RECORDSならではのやんちゃ精神と言うべきか。ツアーに同行したシンガーYUFIが先陣を切りAKANEが火を注ぎ、ここではとても書けない下ネタソング、危なすぎるセクシーダンスの連発に全員がひっくり返って笑ってる。はちゃめちゃな開放感の中で「ASOBITAI」「COMAGAIN」の2曲をぶち上げる、幸せいっぱいのラストシーン。これぞレゲエ、これぞダンスホール。お行儀よくしても何も始まらない、さらけ出して飛び込めば何かが変わる、PUSHIMとMAGNUM RECORDSのメッセージは明快だ。
ライブアクトが終わってもまだまだパーティーは終わらない。BIG BLAZE WILDERSがセレクトしたご機嫌な音楽に乗ってお酒とおしゃべりの時間が続き、PUSHIMも再び姿を見せて仲間と笑顔を交わし、ファンと直接語り合う。普段のライブでは見られない、こんなシーンが見られるのもクラブツアー“COMAGAIN”ならではの収穫だ。かくして、来年のメジャーデビュー20周年に向け着々と準備は整いつつある。レゲエファンも初心者も関係ない、PUSHIMの仕掛ける最高のパーティーは誰でもウェルカムだ。
【取材・文:宮本英夫】
セットリスト
PUSHIM LIVE TOUR 2018×MAGNUM RECORDS CLUB TOUR“COMAGAIN”
2018.06.10@代官山UNIT
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MAGNUMRECORDS
- 01.NICE TO MEET YA
- 02.RAGGA RAGGA
- 03.RUDE GYAL
- 04.ブレないDEEJAY(REMIX)
- 05.BOSS RUN DEM
- 06.おまたせ
- 07.Who Do Yu Like
- 08.ZIPANG
- 09.It’s a Party & BURNING FIRE
- 10.ICE PICK
- 11.RUMBO
- 12.LOVE LIFE LIVE
- 13.BIG LOVE
- 14.KINGSTON JAMAICA
- 15.SLOW WINE
- 16.夜なんて
- 17.BED ROOM
- 18.RUDEBWOY DON’T CRY
- 19.20th
- 20.SHOOT TO KILL
- 21.Magnum Lyrics(REMIX)
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PUSHIM
- 01.People In The Shadow
- 02.STALAG
- 03.HEY BOY
- 04.MaNaTu...(short ver)
- 05.I Wanna Know You
- 06.Rising Sun
- 07.Dancehall Dynasty
- 08.Guilty Bwoy
- 09.Feel It
- 10.ナナメにキメるSTYLE
- 11.I pray(acoustic)
- 12.夕陽 【ENCORE】
- 01. RAGGAE START FIRE
- 02. REGGAE MUSIC
- 03. MY LIFE
- 04. a song dedicated
- 05. ASOBITAI
- 06. COMAGAIN
お知らせ
GROOVE VILLAGE 2018
09/09(日)LIQUIDROOM
TOKYO MUSIC CRUISE 2018
08/17(金)ザ・プリンス パークタワー東京
OTODAMA SEA STUDIO 2018 supported by POCARI SWEAT ~SUNSET MELLOW 2018~
07/22(日)OTODAMA SEA STUDIO
ホットフィールド2018 ~美しい夕日と共に素晴らしい音楽を自由なスタイルで楽しむ。~
08/04(土)富山県黒部市宮野運動公園
08/05(日)富山県黒部市宮野運動公園
やすらげん2018(20周年)~できれば月明かり星空の下で~
07/28(土)岡崎くらがり渓谷
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。