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ビッケブランカ、「ULALA TOUR 2018」を踏襲したファイナル公演を見事完遂!

ビッケブランカ | 2018.07.19

 今年4月にリリースされたメジャー1stシングル「ウララ」を引っさげ、全国6都市で行われたツアー「ビッケブランカ ULALA TOUR 2018」。ファイナルとなった東京・TSUTAYA O-EASTはビッケブランカのワンマンとしては過去最大規模の会場だが、チケットは完売。開演前のフロアには、「どんなライブになるんだろう!?」という漠然とした期待感ではなく、「楽しむ気満々で来ましたよ!!」というお客さんの確固たる気迫がみなぎっていた。

 紗幕が覆うステージ。カウントダウンからのジェット音。1曲目「Get Physical」のイントロで紗幕が落ちると、ピンクのつなぎを着たビッケとメンバーが姿を現した。今回のステージセットは、航空ショーのハーフタイムみたいなイメージだろうか。フレディ・マーキュリーばりのマイクスタンドでポーズを決めながら、ステージ狭しと動き回ったり、手を振ったり、ものすごく楽しそう。イントロで歓声が上がった「Natural Woman」ではビッケの力強いハイトーンボイスが響き、「Bad Boy Love」のサビではオーディエンスも振り付けを楽しみながら体を揺らしている。アウトロがそのまま「アシカダンス」へと繋がり、会場は序盤とは思えないほどの盛り上がりに包まれていた。バンドとしても大いにステージを楽しんでいる様子が伝わって来る。

 最初のMCでは、オープニングの紗幕を落とす演出がどれだけ好きなのかを熱弁(笑)。今日のこのライブを心底楽しみにしていたという気持ちもしっかり伝え、「Alright!」、そして「Broken」へ。弾けるようなビートで盛り上げた前半戦とは趣を変え、どっしりとしたリズムでグルーヴしていく。何の前触れもなく「Ah ha!」のコール&レスポンスのレクチャーに突入すると、絶妙のタイミングで「Want you back」がスタート。マイク片手にステップを踏んだり、オーディエンスを煽ったり、メンバー紹介まで挟み込んだり、終わりそうで終わらないエンディングを楽しんだりしながら、今日この日だけの”ライブ・バージョン”を作り上げていった。

 この日のライブはLINE LIVEと中国の音楽配信サイト「網易雲音楽(NetEase Cloud Music)」で同時生中継配信されており、いつもどおりベースの大澤DD拓海を巻き込みながら、笑いをとったり謝罪をしたり(笑)、らしさ全開ながらもテンポよく進めていくビッケブランカ。また自身の曲作りに対する想いについて、「音楽は何かの反動で生まれるもの。衝動があって、いろんな曲を作っている。今から聴いてもらう曲は、言葉と会話してというか、言葉というものを見て言葉を書いたような曲。思いをひとつキュッと詰め込んだような曲です」と語り、「SPEECH」、「Your Days」、そして「TARA」が披露された。その「TARA」について、それまで作り話のような歌詞しか書くことが出来なくてリアリティーがないとか胸まで届いてこないなんてことも言われたけど、その殻を破れた曲であり、いろんな意味でターニングポイントになった曲だということが語られる。またある時期から、せっかく音楽を作るのであれば自分が楽しいだけじゃなくて、何かそこに生まれた意味が欲しいと思うようになったこと。今までもやってきたつもりだけど、これからもみなさんの期待が続く限り、一生永遠、音楽をやり続けていきたいと思っていることなど、感謝の気持ちを込めながら今の心境が伝えられていたーー。めちゃくちゃいい話が聞けたMCコーナーだったのは間違いないのだが、ここでも、合間合間で大澤DD拓海が巻き込まれて会場は大爆笑だ。DDに対するビッケブランカの放置具合も、ご両親が来ているというDDの返しっぷりも、それらをひっくるめたこのMCタイムの運びも全部が絶妙で、つくづく物事はセンスだなあと思わされた。

 シングル「ウララ」のインタビューの時に、興味深い制作過程を語ってくれていた「Black Rover」。この曲ではなんと、ピアノではなくエレキギターを弾きながら歌うという新しいスタイルが披露された。まず「フォーリミ(04 Limited Sazabys)のRYU-TAに借りている」というギター、エクスプローラーをジャーン! と鳴らし、ロックスターな口調で「今日O-EASTに集まったキッズ達に、ロックって何か教えてやるよ」と語り出すも先が続かず(笑)。「ロッカーが言うような言葉、なんか他にないんですか…!」とオーディエンスに問いかけると、すかさず「やれんのか渋谷―!」とのレスポンスが(笑)。「みんなのってるかーい! のっていけんのかーい!」などとやりとりが続き、気分も高まったところで「Black Rover」へ。歪ませたリフがなんともロックだ。続く「Moon Ride」もギターをかき鳴らすビッケブランカ。間奏でギターの井手上 誠とのギターバトルが勃発するも、ライトハンドや背面弾きまで飛び出し完敗。しかしこの感じ、ビッケブランカのライブスタイルとしても、曲の完成度としてもめちゃくちゃかっこいい。オーディエンスの発している熱が、ジャキジャキッと荒々しい感じになっているのも新鮮だ。と、そこからの「Slave of Love」。流麗なピアノのイントロで景色を変えつつ、フロアの興奮を失神レベルへと導いていく。色とりどりの風船が投げ込まれた「ファビュラス」のあの多幸感は、なんだかもう夢なんじゃないかと思うほどだった。そして本編ラストは「ウララ」。このツアーのタイトルにふさわしい圧倒的な存在感を放っていたし、ビッケブランカのライブがどんどん充実していることを伝える最高の景色が出来上がっていた。

 アンコールでは、まず8月8日に2ndシングル「夏の夢/WALK」がリリースされることを発表。さらには冬にアルバムが出ること、そのツアーが行われ、ファイナルがZepp Tokyoであることが発表されると会場は大歓声に包まれた。「頂点なんてないんだろうなっていうくらい、これから先も永遠に連続していきますからね! 転がっている最中の方が楽しいと思うんで、これからも一緒に遊んでください」とビッケが語りかける。また「いつもアンコールは行き当たりばったりだけど、今日はぜひこの曲を聴いてほしいと思って」と、映画「詩季織々」の主題歌である「WALK」を初披露。丁寧に丁寧に音と言葉を紡ぎながら、ツアーファイナルのステージを締めくくった。お互いに名残惜しさもあっただろうが、すっと姿を消すようにステージから美しく消えていったメンバーと、長い長い拍手をきちんと送り届けるオーディエンス。残された美しい余韻がなんとも心地よいエンディングだった。

【取材・文:山田邦子】
【撮影: 星野健太 】

tag一覧 ライブ ポッドキャスト ビッケブランカ

リリース情報

夏の夢/WALK

夏の夢/WALK

2018年08月08日

avex trax

01 夏の夢
02 WALK(movie ver.)
03 夏の夢 (cold water remix)
04 Black Rover (feat.SKY-HI city raven remix)

セットリスト

「ビッケブランカ ULALA TOUR 2018」
2018.6.29@SHIBUYA TSUTAYA O-EAST

  1. 01. Get Physical
  2. 02. Natural Woman
  3. 03. Bad Boy Love
  4. 04. アシカダンス
  5. 05. Alright!
  6. 06. Broken
  7. 07. Want you back
  8. 08. SPEECH
  9. 09. Your Days
  10. 10. TARA
  11. 11. Black Rover
  12. 12. Moon Ride
  13. 14. Slave of Love
  14. 15. ファビュラス
  15. 16. ウララ
  16. <アンコール>
  17. 17. WALK

お知らせ

■ライブ情報

WILD BUNCH FEST.2018
07/28(土)山口きらら博記念公園

ジャイガ-OSAKA MAISHIMA ROCK FES 2018-
08/05(日)舞洲スポーツアイランド 太陽の広場”ジャイガ”特設会場

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018
08/11(土・祝)国営ひたち海浜公園(HILLSIDE STAGE)

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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