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a flood of circle、アオキテツ加入後、初となる全国ツアーファイナルをレポート!

a flood of circle | 2018.07.24

「ただいま、東京!」――今年4月から全国20ヵ所で開催してきた、a flood of circleの対バン&ワンマンツアー「a flood of circle TOUR -Here Is My Freedom-」が東京・マイナビBLITZ赤坂でファイナルを迎えた。2月に新ギタリスト・アオキテツが加入してから初となる全国ツアーであり、二度目のセルフタイトルを冠したアルバム『a flood of circle』を携えた今回のツアーは、前半の対バン編ではTHE BACK HORN、the pillowsらを招いたあと、後半をワンマンツアーとして全国を駆け抜けてきた。
そのツアーファイナルとなった赤坂BLITZは、いまのa flood of circleの無敵感がビリビリと伝わってくるライブだった。これまでもa flood of circleは「いまが最強」と叫び続けてきたバンドだ。だが、今回はこれまでの比じゃない。衝動のままに爆音を鳴らし、その場の勢いに任せた自由奔放にプレイする4人の姿からは、「ようやく最高のロックバンドになれた」という自信と確信がこれでもかと満ち溢れていた。

 深紅のオペラカーテンを飾りつけ、「Here Is My Freedom」というツアータイトルがデザインされた大きなバックドロップの下にメンバーが登場。ビビットな照明がステージを彩るなか、佐々木亮介(Vo/Gt)が早口で言葉を畳みかける「Wher Is My Freedom」からライブをスタートした。その音がフロアに響いた瞬間から、全身の血が湧きたつような興奮を呼び起こしていく。「Blood & Bones」では、佐々木がテツのほうを指さすと、指名されたテツは「俺の時間だ!」とばかりにステージ前面へと歩み出て、熱いギターソロをかます。紅一点のHISAYO(Ba)が軽やかにステップを踏みながら、歌うようなベースラインを奏でた「Lightning」のあと、ミラーボールが美しい光をまき散らした「Dancing Zombiez」では、佐々木が「かかってこい!」と挑発的な言葉を投げかける。そして、渡邊一丘(Dr)が繰り出すパワフルなドラムソロから突入した「Leo」へ。メンバーの個性が色濃く反映されたアルバム『a flood of circle』のツアーだからこそ、その収録曲たちは、まさにメンバーによってライブハウスで鳴らされる瞬間を待っていたかのように、生き生きと響き渡っていた。

「アオキテツが入って初めてのツアー、俺の最強のメンバーを自慢しにきました」。そんなふうに新たなに加わったテツを誇らしげに紹介したあと、佐々木はギターを穏やかに弾きながら即興のメロディにのせて、「みなさんの日々の憂鬱を俺たちに預けてください」と語りかけた。この日のライブでは、この“即興のメロディにのせた語り”を使って、佐々木が自分の想いを伝える場面が何度かあり、それがいままでのa flood of circleにはない、ひとつのトピックだったと思う。そんな語りのあと、アルバム『a flood of circle』のなかでも、とりわけ爽やかなポップナンバー「Summer Soda」では、センチメンタルなメロディにのせて淡い夏の景色を描き出すと、テツの泣きのギターが悲しく寄り添うラブバラード「再生」へとつなぐ。熱いロックンロールバンド=a flood of circleというイメージとはかけ離れた、穏やかなミディアムテンポで聴かせた2曲は、ライブ中盤の静かなハイライトだった。

 今回は、テツ加入後の初となるツアーということで、MCではツアー中のエピソードを語る場面もあった。「個人的にいちばん思い出深いのは、テツがフェリーの移動のときに(オカルト雑誌の)『ムー』を読んでいて。フェリーのお客さんがみんなテツを見てたこと(笑)」と、佐々木。さらに渡邊が、「こいつ(テツ)の前にいろいろなギタリストがいて、ぞの人たち全員のおかげでいまの俺たちがあるから。いまが最強なんです!」と、長くギタリストの加入・脱退を繰り返したバンドの歴史に想いを馳せて語りかけると、その言葉にテツがギターを重ねて、「Rising」へ突入した。剥き出しの闘争心を込めたその曲のあと、佐々木がタンバリンを叩きながら歌った「ミッドナイト・サンシャイン」では、そのタンバリンを姐さん(HISAYO)の首にかけて楽しそうに動き回り、「One Way Blues」では、渡邊が繰り出す強靭なリズムと重々しいサウンドにのせて、佐々木がお客さんの上にダイブして熱唱。反骨精神を剥き出しにして、フロアと対峙する佐々木の姿は紛れもなくロックンローラーそのものだった。

 始まりから最高潮のテンションで駆け抜けたライブもいよいよクライマックスへと向かう。「俺たちはロックンロールバンドだから、“ロール”の部分を大事にしてて。ずっと止まらずに転がり続けてる」とバンドの前進の意思を伝えると、軽快なリズムのなかで“約束の地へ さあ行こう”と歌う「New Tribe」へとなだれ込む。佐々木がメンバーの名前を呼び、ひとつずつ楽器の音が加わってゆく「プシケ」、「俺たちとあんたたちの明日に捧げます」と“希望”を歌った「シーガル」を経て、会場いっぱいにコール&レスポンスが響きわたったのは、「ミッドナイト・クローラー」だった。UNISON SQUARE GARDEN・田淵智也(Ba)と共に生み出したニューアンセム。その圧巻のパワーがフロアを震撼すると、お客さんの頭上に真っ赤なテープが舞い落ち、ついにラスト1曲へ。「ここは俺たちのゴールじゃない。世界でいちばん新しい「いま」。さあ始めようぜ!」と高らかに宣言すると、アルバムでもラストに収録された「Wink Song」を届けた。壮大なバンドサウンドのなかで“心配ないぜ”と、何度も繰り返す、強く優しいメッセージ。この曲について、佐々木がインタビューで、「世の中はマジでろくでもないなと思うことが多い。でも、全ての人が共通して先に進むしかないから、絶対にハッピーになってほしいんですよ」と言っていたのを思い出す。この日、a flood of circleがロックンロールに託したものは、立ち止まらずに前へと進むことで、今日よりも素晴らしい明日を手繰り寄せる、そのための勇気の火種のようなものだった。
 アンコールでは、「見るまえに跳べ」と「ベストライド」というアグレッシヴなナンバーを畳みかけた。それぞれ2012年と2015年にリリースのミニアルバムに収録された曲だが、“考える前に動け”と鼓舞する「見るまえに跳べ」も、“俺たちのべストはいまだ”と宣言する「ベストライド」も、いまのa flood of circleにとてもよく似合っていた。さらに、鳴りやまない歓声に応えたダブルアンコールでは、「もう言うことはない!」とだけ言って、「I LOVE YOU」を披露。間奏で佐々木が、「ナベちゃん! スーパーロックロールテンポバージョンで!」と叫び、出鱈目なスピードで加速していくと、最高の笑顔に包まれてライブは幕を閉じた。

「ツアーファイナルなのに辿り着いた感じがしてない。始まりだから」。この日、そんな言葉も残したa flood of circleは、11月17日にニューシングルをリリースすることを発表。今回はシングル全3曲をユニゾンの田淵がプロデュースするという。さらに、11月には「3日間の悪夢」と題した東名阪ワンマンツアー、来春にはアルバムのリリースも決定している。同時に発表されたアーティスト写真では、佐々木、渡邊、HISAYO、テツの4人が身を寄せ合い、それぞれ素敵な表情を浮かべているのも印象的だ。
決して枯れることのない衝動を胸に、またa flood of circleは何度目かのスタート地点に立つ。

【取材・文:秦理絵】
【撮影:新保勇樹】

tag一覧 J-POP ライブ 男性ボーカル a flood of circle

リリース情報

a flood of circle

a flood of circle

2018年02月21日

TEICHIKU ENTERTAINMENT

01. Blood & Bones
02. ミッドナイト・クローラー
03. Leo
04. One Way Blues
05. Summer Soda
06. 再生
07. Lightning
08. Where Is My Freedom
09. Rising
10. Wink Song

セットリスト

「a flood of circle TOUR -Here Is My Freedom-」
2018.7.8@マイナビBLITZ赤坂

  1. 01. Where Is My Freedom
  2. 02. Blood & Bones
  3. 03. Lightning
  4. 04. Dancing Zombiez
  5. 05. FUCK FOREVER
  6. 06. GO
  7. 07. Leo
  8. 08. Summer Soda
  9. 09. 再生
  10. 10. Rising
  11. 11. The Beautiful Monkeys
  12. 12. ミッドナイト・サンシャイン
  13. 13. One Way Blues
  14. 14. New Tribe
  15. 15. プシケ
  16. 16. シーガル
  17. 17. ミッドナイト・クローラー
  18. 18. Wink Songen
  19.  [ENCORE]
  20. En-1. 見るまえに跳べ
  21. En-2. ベストライド
  22. En-3. I LOVE YOU

お知らせ

■ライブ情報

red cloth 15th ANNIVERSARY イマイアキノブ& red cloth presents"THE DUST WALTZ"
08/03(金)新宿red cloth

rockin’on presents"ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2018"
08/11(土)国営ひたち海浜公園

transparent vol.3 wash?15周年記念企画
08/17(金)下北沢SHELTER

ヒトリエ"nexUs TOUR 2018"
08/31(金)仙台darwin

テスラは泣かない。"「偶然とか運命とか」Release Tour【10周年とかツアーとか】 "
09/7(金)大阪Pangea

SIX LOUNGE pre."VooDoo Night"
09/8(土)大分T.O.P.S Bitts HALL

CRACKER’S BABIES 12th anniversary special live show
09/15(土)島根県浜田市石央文化ホール 小ホール

中津川THE SOLAR BUDOKAN 2018
09/23(日)岐阜県 中津川公園内特設ステージ

阿波国THE SOLAR BUDOKAN 2018
10/13(土)※会場は後日発表

a flood of circleの3日間の悪夢
11/14(水)名古屋RAD HALL
11/15(木)大阪Banana all
11/17(土)渋谷CLUB QUATTRO

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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