POT、シングル「Love the life」の発売を記念して代官山UNITでリリースパーティーを開催!
POT | 2018.08.03
大阪発ハッピーロックバンドPOTが、6月20日にニューシングル『Love the life』をリリース。『POT presents "Love the life" Release Party「Love the life you live」』を開催した。7月12日の名古屋ell.FITS ALLはパノラマパナマタウン、7月31日の梅田CLUB QUATTROはTOTALFATがゲスト出演。7月20日の代官山UNITには、以前から交流のあるFOMAREと、8月に惜しくも解散が決まっているShout it Outが出演し、3バンドの熱気で会場を沸騰させた(POTだけに)。
まずは、POTを“一番優しくて一番嫌な先輩(笑)”として慕うShout it Outがステージに登場。「大阪・堺、Shout it Outです! よろしく!」山内彰馬(Vo&Gt)のシャウトで助走をつけると、最新作であり、最後の作品となるミニアルバムのタイトルチューン『また今夜も眠れない僕らは』で駆けだしていく。魂を削り、火花を散らしながら歌っているような山内の歌声。細川千弘(Dr)のキックに煽られ、興奮が高まる中、『17歳』や『青春のすべて』など全7曲が披露された。新曲『鳴り止まない』も含めて、10代の頃からずっと、青春時代の無敵感、葛藤、孤独といった想いを全力で叫び続けてきたShot it Out。だからこそ、“青春を綺麗なままで終わらせたい”と解散を決めた彼らにとって、POTやFOMAREといった仲間達との競演、そんな最高のバンドと出会えた“幸せ者達”(観客)と笑顔を交わしたこの一時は、かけがえのないものとなったことだろう。
一方、登場するやいなや「イケるのかー!?」と挑発的な姿を見せていたFOMAREは、「POTありがとー!」と感謝を叫ぶと、『君と夜明け』からライブスタート。アマダシンスケ(Vo&Ba)がキャッチーな頭サビで観客の心をガッと掴み、カマタリョウガ(Gt&Cho)・樹下卓弥(Dr)が心地良い疾走感を生み出せば、すぐさまフロアは無数の拳で埋め尽くされた。ちなみに、この日は、8月8日リリースの最新アルバム『0.02』に収録されている楽曲も披露され、中盤には、《どれだけ時間が経ってしまっても、この瞬間を忘れないように》と言い添えて、新曲『夢から覚めても』(『0.02』収録曲)を届ける一幕も。FOMAREが高校を卒業してすぐの頃からの付き合いだという先輩・POTや、解散前最後の対バンとなるShot it Outへの想いが駆けめぐる中、ラストはFOMAREにとっての“青春の歌”『新しい歌』(『0.02』収録曲)で締め括られた。
後輩達に押し出される形で、いよいよPOTの出番。『"Love the life" Release Party』(パーティー)というタイトルの通り、天井には輝くミラーボール、ディスコソングの定番であるEarth, Wind&Fireの『September』(SE)を纏って、大阪が誇る4人のお祭り男はゆったりとステージに現れた。
「大阪から来ました、POTです! よろしくお願いします! 男の子も女の子も、今日は何もかも忘れて、楽しんで帰ってなー!」
ムードメーカー・よっぴー(Vo&Ba)の呼びかけに応えるように、演奏前から会場全体に心地良い一体感が充満していく。主催バンドということもあり、良い意味で気の抜けたオープニングだ。
しかし、まこと(Dr)がドラムを豪快に打ち鳴らし、織田(Vo&Gt)が「踊って盛り上がっていこうぜ!」と煽れば、観客のテンションは一気に沸点へ。すかさず、1曲目『COUNTDOWN』から織田・よっぴー・よしくん(Vo&Gt)がパワフルなトリプルボーカルを響かせると、「3! 2! 1!」というコールに合わせて観客も指でカウントを刻む。さらに、よしくんの「飛べー!」という叫びから突入した『EPIC』では、モッシュありジャンプありのカオス状態に。続く『Hustle Night』でもダイバーが続出し、アグレッシヴなパフォーマンスを繰り広げるメンバーはもちろん、POTという音の荒波を文字通り乗りこなす観客の姿にも、思わず圧倒されてしまった。
「東京にはしょっちゅう来てんねんけど、こういう自分達のツアーにお金を払って来てくれるって、めちゃくちゃ嬉しいな! ありがとうな! もちろん、FOMAREとShout it Outを観に来て、もれなくPOTも観てるわっていう人もありがとう。俺達のほうを向いてライブ観てくれてるだけで嬉しいから、良かったらこれからも友達でいてください。よろしくお願いします!」
『Damm it』を披露した後、よっぴーは興奮冷めやらぬ様子でブワーッと気持ちを吐き出した。まっすぐに想いを告げた彼に向けられた温かな拍手は、自然とリズミカルな手拍子に変わり、『Reversal World』へ。『Reversal World』は、いつも底抜けのハッピーオーラを振りまいてきたPOTにしては珍しく、シリアスな世界観を描いたナンバー。それゆえ、この日のセットリストの中でも異彩を放っていたが、訳もなくハッピーでいられる人などいないし、POTも例外ではない。そういった“さまざまな経験の上に成り立ったハッピーさ”、よっぴー曰く“温いハッピーさ”が、最新シングル『Love the life』の楽曲にも描かれており、『Reversal World』の≪君はもう歩き始めてた≫という最後のフレーズに連なるように、その先の未来へ進むための応援歌『Hang in there』(『Love the life』収録曲)を歌うという曲順もまた、それぞれの楽曲の持つ意味をより深いものにしていた。
改めて振り返ると、この日出演した3バンドは、あらゆる角度から“青春”と向き合っている人達だったのだと思う。青春時代ならではの感情表現にこだわり続け、“青春”を綺麗なまま封印しようとしているShout it Out。若いメンバー達が等身大の想いを素直に表現した結果、自然と“青春”が滲み出るFOMARE。2バンドよりも年上のPOTは、自分達も“青春”を謳歌しつつ、誰かの幸せを願う余裕も出てきた……そんな過程にいるバンドと言えるだろう。だが、POTという名の“青春”を一瞬の輝きで終わらせないためにも、バンドは常に進化し続ける必要がある。その覚悟が、今までなかなか挑戦してこなかったというミッドテンポのノスタルジックなナンバー『シオン』(『Love the life』収録曲)には込められていたのではないだろうか。
でも、MCで「あいつら(Shout it Out)が大阪に帰って来ようが、ここで音楽を続けようが、まだまだ一緒にやっていけると思ってるし、最後の別れになるとは思ってないんで、なんとなく誘いました!」(よっぴー)と言っていた通り、メンバー達は、この日の対バンに特別な意味を持たせる気は更々ないようで。単純に、最高の仲間達との競演を楽しむべく、後半戦は前半以上に大暴れ! メンバー自らフロアに降り立ち、演奏しながら歌うよっぴーを囲む形で、よしくん&観客がサークルモッシュを繰り広げた『I scream fuck’n day』。「次にやる曲ヤバイからな!?」と宣言した『Hustle Carnival』では、次々にフロア前方へダイバーが打ち上げられ、お祭りムード満載な『BA-DONKA-DONK』では熱いコール&レスポンスが繰り返された。そして、1曲演奏するたびに、その暴れっぷりを更新していく観客を前に、「ラスト1曲、みんなの背中を思いっきり押せる曲を!」(織田)と届けられたのは、『Supra』(『Love the life』収録曲)。音源だけでもその盛り上がりを想像できる仕上がりになってはいたが、想像を軽く越えるほど熱くアットホームな空間が広がっていた。
なお、アンコールは、FOMAREのアマダが乱入するサプライズもありつつ、『Sunday』を披露。再び『Hustle Carnival』で嵐のごとくフロアを掻き回すと、熱い宴の夜は幕を降ろした。
【取材・文:斉藤碧】
【撮影:Akira"TERU"Sugihara】
リリース情報
Love the life
2018年06月20日
TRUST RECORDS
2.Dawn
3.Hang in there
4.シオン
セットリスト
- 01.また今夜も眠れない僕らは
- 02.17歳
- 03.夜間飛行
- 04.道を行け
- 05.青年の主張
- 06.鳴り止まない
- 07.青春のすべて
- 01.君と夜明け
- 02.風
- 03.雨の日も風の日も
- 04.夢から覚めても
- 05.stay with me
- 06.Lani
- 07.新しい歌
- 01.COUNTDOWN
- 02.EPIC
- 03.Hustle Night
- 04.Damm it
- 05.Revevsal World
- 06.Hang in there
- 07.シオン
- 08.Take it easy
- 09.I scream fuck’n day
- 10.Hustle Carnival
- 11.Dawn
- 12.BA-DONKA-DONK
- 13.Someday
- 14.Supra 【ENCORE】
- En-1.Sunday
- En-2.Hustle Carnival