2日間で7万人を動員! WANIMA初のドーム公演「Everybody!! Tour Final」をレポート!
WANIMA | 2018.09.04
西武球場前駅に着くと、赤、黄、緑のラスタカラーで彩られたWANIMAのTシャツを着た人たちでごった返していた。しかも会場周辺は屋台や自動販売機が多く設置され、開演前に食べたり、飲んだりして、みんな楽しそうに談笑している。その光景は、"WANIMAフェス"と言いたくなる活気を呈していた。 個人的に初めて埼玉・メットライフドームに足を踏み入れたのだが、会場のサイドは吹き抜けとなっており、柱に支えられた形で巨大な屋根が覆い被さっている。空調も特になく、屋根のある野外フェス(?)みたいな雰囲気で、とにかくこの日は蒸し暑かった。だが、それ以上にWANIMAのライブは太陽のごとき灼熱のパフォーマンスを見せつけてくれた。
最新作であり35万枚を突破したメジャー1stフルアルバム『Everybody!!』を引っ提げた全国ツアーファイナルはバンド初のドーム公演!2デイズで7万人を収容、ツアー全体を通して20万人という破格の観客動員を達成。そのドーム最終日は3ピース・バンドが3万5千人といかに向き合うのか、興味はその一点に尽きた。18時7分、10カウントを経て、KENTA(Vo&Ba)、KO-SHIN(Gt&Cho)、FUJI(Dr&Cho)のメンバー3人が登場。1曲目「OLE!!」が始まった瞬間、アリーナには水が放出され、これには観客も大フィーバー。続けて陽気なスカのリズムが心地いい「BIG UP」に入ると、アリーナ、スタンドは踊り出す人たちで溢れ出す。ふとステージ背面に目をやると、赤、黄、緑のヤシの木がライトアップされていた。
「我々の夏がやって来た! 元気しとった?」とKENTAは相変わらず人懐っこく語りかけた後、花道でスイカ割りを披露して夏気分を煽ってくる。この形式張らない自由さも彼ららしいではないか。
「Japanese Pride」、「やってみよう」と続き、次の「THANX」の曲中にハイタッチを促し、観客同士が笑顔で手を合わせる光景を作り上げる。「Drive」を挟んで、アッパーな「CHEEKY」をやり終えると、FUJIお得意のモノマネで場を沸かせた。それからステージ自体がアリーナ中央の花道まで移動し、「いいから」を披露。ステージが360度回転する中で演奏を繰り広げ、全ベクトルに気持ちを届けたいんだ!という意志をビシビシと感じ取れた。
曲間には会場に風鈴の音が鳴り響く。「無理をせずに水分補給してね」とKENTAは優しく呼びかけ、今度は花道上手(かみて)側の小ステージで「SNOW」をじっくり聴かせる。その流れから聴いた新曲「りんどう」も素晴しく、心を震わせるように歌い上げるKENTAの歌声に陶酔した。
その余韻に耽る間もなく、KO-SHINが一旦ステージから消えてしまう。何事かと思ったら、ガチのトイレタイムでこれにはメンバー2人も驚きを隠せない。しかし、そんなハプニングも笑いに変えられるのはWANIMAの親しみやすいキャラゆえだろう。観客も嬉々として、その様子を楽しんでいるようだった。再び全速力で戻って来るKO-SHINを迎え入れ、花道下手(しもて)の小ステージにて、「ここから」をアコースティック編成で披露。バンドと観客の距離感をグッと縮める演出も奏功し、ここから後半戦に突入だ。
「ともに」、「雨あがり」、「ヒューマン」とエモーショナルな歌を存分に響かせ、聴く者の背中を力強く押し続ける。続いてカラフルなレーザー光線が飛び交う中で「オドルヨル」、「サブマリン」と放ち、アリーナ、スタンド全体を巻き込む底なしのパワーを発揮。勢いづくドームの熱気をさらに焚き付けたのは「シグナル」だった。曲の始まりから観客はドッと騒ぎ、至福の表情で曲の世界に浸っている。そして、本編最後は「Everybody!!」を解き放ち、《肌の色 言葉 国を超え この星の彼方に…》というスケールの大きな歌詞もドームで一段と映えていた。
アンコールに入ると、スクリーンに足ツボマッサージや千本ノックにトライするメンバー3人の映像が流れた後、疾走感溢れる「花火」へ。天上に花火が浮かび上がる演出もあり、夏っぽい様々な仕掛けもこのドームでしか味わえないものだった。それからKENTAは花道を走り抜け、アリーナ内に入ると、観客と肌が触れ合う距離で“リクエストコーナー”を宣言。一人の男性ファンが「TRACE」をリクエストすると、「昨日も歌ってないから、歌詞やばないな」とボソッと呟きつつ、同曲をプレイした。そこで大きな合唱を巻き起こし、残りは1曲のみ。「これからもWANIMAと共に生きてください!」と力強く訴え、ラスト曲「これだけは」を披露。「みんな愛しとるよー!」と曲中に何度も同じ言葉を告げ、メンバー自身が何より名残惜しそうに演奏しているようだった。最後はKO-SHINが「ここに連れて来てくれて、ありがとうございます!」と大声で感謝の意を叫び、一本締めにて終了。
全22曲2時間半に及ぶ長尺ライブを無事に完走。総じてドームならではの凝った演出効果に目を奪われたものの、何より素晴しかったのはWANIMAの歌と演奏と楽曲の力だった。ものすごく当たり前の結論になるけれど、3ピースのバンド感をもっとも強く鳴り響かせ、それが大きな感動を呼び起こすファイナル公演であった。WANIMAの音楽はスタジアムクラスの会場を突き抜け、場外ホームラン級の飛距離を記録していたのだ。これは断じて比喩ではない。バンド・サウンドのかっこ良さを堂々見せつけ、すべての観客を魅了する説得力を身に付けていたのだから。
なお、今日のライブの模様を収めた2nd DVD/Blu-ray『Everybody!! TOUR FINAL』が11月28日にリリースされることが決定。また、普段なかなか行くことができない地域を回るツアー『1 CHANCE NIGHT TOUR 2018-2019』の開催も告知。ドーム2デイズで力を蓄えたWANIMAが、再び各地で大暴れしてくれることだろう。
【取材・文:荒金良介】
【撮影:瀧本 JON... 行秀/岸田哲平】
リリース情報
セットリスト
WANIMA Everybody!! Tour Final 2018.08.26@メットライフドーム
- 01.OLE!!
- 02.BIG UP
- 03.Japanese Pride
- 04.やってみよう
- 05.THANX
- 06.Drive
- 07.CHEEKY
- 08.いいから
- 09.SLOW
- 10.りんどう
- 11.ここから(アコースティック)
- 12.ともに
- 13.雨あがり
- 14.ヒューマン
- 15.Hey Lady
- 16.オドルヨル
- 17.サブマリン
- 18.シグナル
- 19.Everybody!! 【ENCORE】
- EN 01.花火
- EN 02.TRACE
- EN 03.これだけは
お知らせ
1CHANCE NIGHT TOUR 2018→2019
[2018]
11/05(月) Zepp NAGOYA
11/07(水) Zepp Osaka Bayside
11/08(木) Zepp Osaka Bayside
11/13(火) 仙台PIT
11/19(月) Zepp Sapporo
11/21(水) 旭川市民文化会館
11/23(金・祝) 釧路市民文化会館
11/25(日) 苫小牧市民会館
12/08(土) Zepp Fukuoka
[2019]
01/11(金) 周南市文化会館
01/13(日) 米子コンベンションセンター BiG SHiP
01/14(月・祝) 倉敷市民会館
01/24(木) 石川県・本多の森ホール
01/25(金) 福井フェニックス・プラザ
01/27(日) コラニー文化ホール(山梨県立県民文化ホール)大ホール
01/29(火) 長野県・ホクト文化ホール・大ホール
02/07(木) 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 大ホール
02/08(金) なら100年会館 大ホール
02/16(土) 宇都宮市文化会館 大ホール
02/17(日) ベイシア文化ホール(群馬県民会館)大ホール
02/19(火) けんしん郡山文化センター大ホール(郡山市民文化センター)
02/21(木) リンクステーションホール青森(青森市文化会館)
02/26(火) 鹿児島市民文化ホール 第一
02/27(水) アルモニーサンク北九州ソレイユホール
03/01(金) 大分iichiko総合文化センター
03/02(土) 市民会館シアーズホーム夢ホール(熊本市民会館)
03/04(月) 佐賀市文化会館 大ホール
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。