KOTORI、FOMAREらが出演したsmall indies tableツアー、ファイナル!
small indies table | 2018.10.10
KOTORI、FOMAREらが所属するインディーズレーベル、small indies table。レーベルツアー『small indies table tour 2018』のファイナル公演が、9月28日に恵比寿LIQUIDROOMで開催された。各会場SOLD OUT続出で迎えた最終日には、第一弾所属アーティストであるレーベル発足のきっかけとなったyonigeも、完全シークレットで参戦! O.Aの街人を含む4バンドが、彼らを愛する1000人の観客を熱狂へと導いた。
O.Aを務めたのは、今年新たに所属となった街人。「small indies table所属、滋賀県のロックバンド街人です。よろしく!」奥智裕(Vo&Gt)は丁寧に挨拶すると、軽やかにギターを掻き鳴らし、「ポップとロックとわたし」を届けていく。また、「俺達全員で、ここにいる1000人で、ロックバンドにならないか!?」と呼びかけた最新曲「ロックバンドになって」、メンバー同士アイコンタクトを交わしながら披露した「かっちゃん」など、街人らしい“日常を描いた歌”を次々に熱唱。非日常的な大舞台にも動じることなく、自分達のペースで挑む3人だったが、ラストは、憧れだったという先輩達とのステージに立つ感動を噛みしめながら、街人にとっての“希望の歌”「コニカ」で締め括った。
転換中、そっと幕が上がると、ここでシークレットゲスト・yonigeが現れた。まさかの登場に会場が沸く中、体温の低いハスキーボイスで歌い始めたのは、最新アルバム『HOUSE』の収録曲「リボルバー」。失った恋を振り返った時のやるせなさや吹っ切れた想いを淡々と吐き出した後、力強い手拍子と共に「our time city」と繋げば、後方まで埋め尽くされた観客はリズミカルに拳を突き上げる。
「yonige、5年間やってきたけど、今一番人気あるみたい(笑)」牛丸ありさ(Vo&Gt)
「どうもー、small indies tableの稼ぎ頭です!」ごっきん(Ba)
そんなMCで笑いを誘いつつも、全会場ほぼSOLD OUTで駆け抜けた後輩達を「あいつらすげぇーな!」と褒め称える2人。と同時に、先日MVが公開されたばかりの新曲「どうでもよくなる」(最新アルバム『HOUSE』収録)、「ワンルーム」「アボカド」といった人気曲を立て続けに演奏すれば、独特の世界観で観客の心を鷲掴み! 先輩としての威厳もしっかりと見せつける。さらに、「街人、レーベル加入おめでとうございます!」と新しい仲間へ歓迎の言葉を告げると、後半は、ごっきん曰く“ムギュムギュ”しているフロアを前に「さよならプリズナー」「最愛の恋人たち」を披露。頼もしい後輩達にバトンタッチするべく、まだ余韻が残るステージを颯爽と後にした。
yonigeから託されたステージにハジけるように登場したのは、『small indies table tour 2018』の盛り上げ隊長、FOMARE。登場するやいなや、前のめりでフロアを煽ると、吐き捨てるようなタイトルコールから「君と夜明け」で一気に駆けだした。次々に現れるクラウドサーファー、大きく脈打つフロアを見つめ、満足げに「いいね!」と叫ぶアマダシンスケ(Vo&Ba)。続く「風」では、今の時期にピッタリの歌詞に想いを乗せながら、息の合ったダイナミックなプレイで観客を魅了した。
中盤には、本ツアーの会場限定でリリースされたKOTORI&FOMAREのスプリットシングル「Youth」より、KOTORIの「トーキョーナイトダイブ」のカヴァーも披露。ミニアルバム『0.02』のインタビューでも語っていたように、いろんなパターンの“夜から朝”を曲に落とし込むことが得意なFOMAREらしく、瑞々しいサウンドと歌声でKOTORIが描いた“夜”を染め上げる。その後も、ベースの弾き語りから始まり、カマタリョウガ(Gt&Cho)との切なくもパワフルなハーモニーで観客の心を掴んだ「stay with me」。レーベルツアーが終わってしまう寂しさも含みつつ、「12月5日に2ndシングルをリリースします!」という嬉しい告知を受けて、一際大きなシンガロングが湧き起こった「夢から覚めても」。ライブ用にアレンジしたメロディーで、観客1人1人に“ありがとう”を手渡した「HOME」……と、1曲1曲丁寧に届ける3人。立ち上がりドラムで煽る樹下卓弥(Dr)の姿からも伝わるように、その表情はどのバンドよりもギラギラと輝いていた。
「なかなかこれから先、この4バンドが揃う対バンはないと思います。でも、1バンド1バンドがいろんなライブで高まり合って、またこの4バンドが揃った時のために、今日を本当に悔いのない誇れる1日にしたいです!」
そんな想いを込めて、堂々としたパフォーマンスを繰り広げたFOMARE。最後は、「死ぬ前に思い出せるような1曲にしよう!」と言い添え、代表曲「Lani」へ。1000人の温かい歌声に包まれながら、アマダはベースを置いて豪快にダイブ!全身で観客の愛を受け取ると、清々しい笑顔でステージから立ち去った。
満を持して、『small indies table tour 2018』の大トリ・KOTORIが登場。
「この4人、このレーベルと、ここにいる人、これまで来てくれた人……全てを背負って歌います!」
横山優也(Gt&Vo)の力強い宣言から、彼らのライブはスタートした。1曲目を飾ったのは、失敗を肯定してくれるKOTORI流の応援歌「EVERGREEN」。「Blue」「1995」を挟んで披露した「トーキョーナイトダイブ」(オリジナル)は、夜に沈み込むような透明感溢れるギターから始まり、サビに向かって徐々に熱を帯びていく、感情豊かな楽曲に。お返しにカヴァーしたFOMAREの「風」も、横山の繊細な歌声からしっとりと始まったかと思いきや、アグレッシブな演奏が熱風を吹き込み、KOTORIらしい静動織り交ぜたドラマティックなアレンジとなっていた。
中盤、「最初は、周りから見たら、馴れ合いみたいに思われたら怖いと思ってて……」と本音を語り始めた横山。でも、直前のFOMAREのライブからも伝わったように「怖かったもんね。(レーベルメイト達とは)めっちゃ仲良いけど、目ギラギラしてて(笑)。すごい良いツアーでした!」と、互いにハングリー精神を剥き出しにしてツアーを廻っていたことを明かした。
なお、この時は明かされなかったが、この日をもって田代創大(Dr)が脱退したKOTORI。今思えば、「純粋に音楽を楽しんで帰ってください。本当のエモいって何かを教えてあげます」という言葉からは、この4人が生み出してきた音楽の集大成を見せたいという想い、この先もKOTORIの音楽を続けていく覚悟が滲んでいたように思う。真っ赤なライトに照らされながら、田代の打ち鳴らすキックに背中を押されるよう、感情を解き放った「RED」。あまりの熱狂っぷりに一度曲を止め、「怪我だけはないように最大限で来てください!」と忠告した上で共に歌った「高鳴る胸に鐘を鳴らせ」。「素晴らしい世界」では、佐藤知己(Ba)のベースソロから始まり、田代のドラム、上坂仁志(Gt&Cho)ギター、横山の歌声……と順々に重なっていく音の先に、まさに素晴らしい景色が広がっていた。
そして、「kaze」で締め括った本編を経て、「お願いします」コールに応えて再登場すると、ミニアルバムのリリースと初ワンマンが決定したことを発表し、「4号線」を披露。もう1つドラムセットが運び込まれ、ラストはFOMAREと共にコラボ曲「Youth」を熱唱した。曲中には、“女神”yonigeが見守る中、街人の奥智やFOMAREのアマダが次々にフロアにダイブ! 邪気にはしゃぎ廻り、音を奏でるメンバー達。闘争心を燃やしながら駆け抜けたツアーも、最後は屈託のない笑顔で幕を降ろしたのだった。
【取材・文:斉藤碧】
【撮影:MASANORI FUJIKAWA 】
セットリスト
small indies table tour 2018
2018.9.28@恵比寿LIQUIDROOM
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街人
- 1. ポップとロックとわたし
- 2. ロックバンドになって
- 3. かっちゃん
- 4. SOS
- 5. コニカ yonige
- 1. リボルバー
- 2. our time city
- 3. どうでもよくなる
- 4. センチメンタルシスター
- 5. ワンルーム
- 6. アボカド
- 7. さよならプリズナー
- 8. 最愛の恋人たち FOMARE
- 1. 君と夜明け
- 2. 風
- 3. トーキョーナイトダイブ(KOTORIカヴァー)
- 4. stay with me
- 5. 夢から覚めても
- 6. かわらないもの
- 7. 新しい歌
- 8. HOME
- 9. Lani KOTORI
- 1. EVERGREEN
- 2. Blue
- 3. 1995
- 4. トーキョーナイトダイブ
- 5. 風(FOMAREカヴァー)
- 6. RED
- 7. 高鳴る胸に鐘を鳴らせ
- 8. ジャズマスター
- 9. 素晴らしい世界
- 10. Kaze 【アンコール】
- EN-1.4号線
- EN-2. Youth(KOTORI×FOMARE)