FTISLAND 『FTISLAND AUTUMN TOUR 2018 -Pretty Girl-』ファイナル!
FTISLAND | 2018.10.15
K-ROCKやK-POPを応援していると、必ずやってくるのが2年間の(兵役での)ブランク問題。FTISLANDも例外ではない。そのときは間違いなく近づいてきている。春に行なった『FTISLAND Arena Tour 2018 -PLANET BONDS -』ファンに隠し事をしないFTが、楽曲を通してあんなにファンを愛おしむように愛情を注いでいく姿を観たとき、初めてそのことを実感した。それをうけてなのか『FTISLAND AUTUMN TOUR 2018 -Pretty Girl-』ツアーは、初めて訪れた会場もチケットは完売。ファイナルの日本武道館は見切り席のチケットが出るほど大盛況のツアーとなった。
「今回思ったのは、みなさんと僕らのクンハプは……日本語でなんていうの?(ファンに教えてもらって)相性! 相性がいいっていうことをめっちゃ感じた」
武道館公演のアンコールで、今回のツアーをそう総括してみせたイ・ホンギ(Vo)。前回のツアーに続けて、今回はメンバーだけではなくファンも彼らにすべての愛情を注ぎ込み、相互の「みんなでもっともっと最高のステージを作るんだ」という熱い思いと、さらにメンバー5人が、彼らとファンが「少しでも長くつながっていたい」という熱い思いがひとつになって、みんなの大切な宝物となるような“Paradise”を武道館に作り出した。
スペーシーなSEが場内に響き渡ると、ライブはソン・スンヒョン(Gt&Vo)がアコギを弾きながらラップする「Summer Night’s Dream」で幕開け。韓国最新アルバム『WHAT IF』のリード曲なのに、さっそく場内からは「HEY!」、「HO!」の掛け声があがる。続く「Let it go!」は、タオルを回すオーディエンスに“君の声が聴きたい"とホンギが熱唱したあとマイクを向けると、すぐさま大合唱が沸き起こる。「今からもっとみんなの声をもらうから」といって「AQUA」に突入すると、冒頭からチェ・ジョンフン(Gt&Key)、スンヒョン、イ・ジェジン(Ba&Vo)とファン一丸となったコーラスを響かせ、武道館にはたちまライブハウスのような一体感が生まれる。
そのすさまじい観客たちのテンションに煽られ、メンバー5人はすでに汗だく状態だ。舞台下手から上手に向かって炎がバンバン上がるなか、ジョンフンのギターに続いてジェジンがベースパートを弾きだすと、そこに楽器隊、ホンギが集まり、4人が連なって体を揺らす姿がめちゃくちゃカッコよかった「Time To」、そこに俺も加わりたいんだというようにミンファンのパワードラムが疾走感たっぷりに炸裂していく「BE FREE」、“1、2、3、4"と指をかざしながら次はお客さんが熱いシンガロングをみせる「1234」。メンバー5人とオーディエンスが作り出す熱気で、場内は真夏のような暑さに包まれる。
この後の、MCではメンバーの日本語力の話題になり、本ツアーで3週間日本に滞在している間「もう半分日本人! 友達のおかげで日本語が上手くなりました」とスンヒョンが報告すると、ジョンフンは日本語の勉強と寂しさを紛らわすために「毎晩『テラスハウス』を観てたらハマってしまった」といってテラハ話を熱く繰り広げる(笑)。そうして客席を笑わせたあと、中盤ではファンにはおなじみの定番曲をアレンジ一つで大人っぽく、哀愁ただよう大人バージョンに仕立てて、観客を魅了していったところは素晴らしかった。FTはミュージカルにも出ているメンバーもいるので、ここではホンギが「オペラ風で!」と指示を出すと、「バレ」をジェジン、スンヒョン、ホンギが本気でオペラのように歌い上げ、客席から拍手喝采を集めた。
韓国最新アルバムに収録された「Nowhere」をプレイする場面でホンギが、「(ジェジンが書いた歌詞が)1番では君がとても嫌だったのに2番ではいなくて寂しいといってて。全然意味が分かんない」というと、スンヒョンがすかさず「2人と同時に付き合ってた?」とちゃちゃを入れて二股説を唱えると、ジェジンに「これは2人じゃない。バカヤロー!」と怒られ、メンバーもファンも大爆笑。こんなコントのような会話が日本語でできてしまうFT。こんなやりとりもメンバー、ファンにとっては愛おしい時間なのだ。
「ここからはいつも通り、最後まで走っていくぞ」とホンギが叫び、火柱が吹き上がるなか「Paparazzi」が終盤戦への突入を知らせるとファンの手拍子が鳴り響き、再び一体感が高まっていく。「ヘイ! 自分が持ってきたもの、頭の上にあげてくれるか!」というホンギの合図で、みんなが再びタオルをとりだし、ピンク色の照明のなか「Shinin’ On」が始まると、全員でジャンプしながら大騒ぎ。「Champagne」のコール&レスポンンスで、さらに一体感を高めていったあと「PUPPY」の"BOW!"の合唱で場内のボルテージは最高潮に。
そうして、ホンギが本ツアーに来てくれたお客さんに感謝の気持ちを伝えた後「まだ僕らは呼ばれてないから来年も絶対ライブをしたいし」と話しだすと、観客は神妙な表情を浮かべる。そんな観客を「僕らがいないとき、事務所の後輩を応援してもいいけど、でも好きになってはダメ!! 1番は私たちだから」といって笑わせ「僕らが戻って来ても、みなさんが遊びに来てくれると思ってます」と語りかけた。ミンファンは「アリガト」の一節をファンと歌ったあと「これからもドラムを頑張るので応援してください」と頭を下げ、ジェジンも「みんな応援に来てくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えた。「僕も最後だから歌います」といってスンヒョンは「SAYONARA」をプレゼント。さらに客席からのリクエストに答え、この日は「蕎麦ソング」を本気Ver.でも届けた。そうして、最後にジョンフンが「来年僕らがどこかに行く前にもライブはあるので(ホンギ「あるの?」)…私が決めた!(笑)」とリーダーらしい発言で締めくくり、みんなの不安を一掃したところは胸にぐっときた。そうしてラストは最新曲「Pretty Girl」を“Pretty Girl"のあとにファンが“Pretty Boy"という掛け声を入れるという、このツアーを象徴するようなパフォーマンスで届けて、本編は終了。
アンコールでもそのスタイルは継続。「Fade Out」は事務所の後輩でもあるAOAのユナが歌った女性パートを、ファンが韓国語で歌い上げると「やっぱり上手いよ、みなさん。韓国語も完璧」、「もう1回歌って」とメンバーも大喜び。そうして、この日はお互いこの時間、このParadiseが途切れるのを惜しむようにトリプルアンコールまでライブは続いていった。そのアンコールでは12月5日発売のホンギの2ndアルバム『Cheers』のリードトラック「Pathfinders」のディザー映像も初公開。アルバムを提げてツアー『LEE HONG GI (from FTISLAND) 2018 Solo Concert in Japan“Cheers”』を開催することも発表した。
【取材・文:東條祥惠】
【撮影:ヤマダマサヒロ】
リリース情報
[DVD]FTISLAND Arena Tour 2018-PLANET BONDS-at NIPPON BUDOKAN
2018年08月22日
ワーナーミュージック・ジャパン
02 Brand-new days
03 Dancing on
04 Time
05 Hourglass
06 Imagine
07 Tornado
08 GAME
09 Take Me Now
10 Hold the moon
11 Go again
12 You Are My Life
13 DESTINY
14 YOU DON’T KNOW WHO I AM
15 Skyway
16 Champagne
17 PUPPY
18 Stay what you are
19 FLOWER ROAD
20 So today…
21 SAYONARA
22 Paradise
セットリスト
FTISLAND AUTUMN TOUR 2018 -Pretty Girl-
2018.09.28@日本武道館
- 01.Summer Night’s Dream
- 02.Let it go!
- 03.AQUA
- 04.Time To
- 05.BE FREE
- 06.1234
- 07.バレ
- 08.チョケッソ(I wish)
- 09.A light in the forest
- 10.Nowhere
- 11.Remember
- 12.YOU DON’T KNOW WHO I AM
- 13.Paparazzi
- 14.Shinin’ On
- 15.Champagne
- 16.PUPPY
- 17.Hold the moon
- 18.Pretty Girl 【ENCORE】
- EN 01.Fade Out
- EN 02.Stay what you are
- EN 03.Paradise
- EN 04.We are...
お知らせ
LEE HONG GI (from FTISLAND) 2018 Solo Concert in Japan“Cheers”
12/20(木)【愛知】センチュリーホール
12/24(月)【神奈川】パシフィコ横浜国立大ホール
12/25(火)【神奈川】パシフィコ横浜国立大ホール
12/27(木)【大阪】オリックス劇場
12/28(金)【大阪】オリックス劇場
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。