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DAY6 2nd LIVE TOUR in JAPAN “UNLOCK”、東京・マイナビBLITZをレポート

DAY6 | 2018.11.08

 初の日本単独公演から約3ヵ月を空けて、アジアン5ピースバンド、DAY6が再び日本に来日! 先日、大阪でファイナルを大団円で迎えた彼らの初の日本ツアー『DAY6 2nd LIVE TOUR in JAPAN “UNLOCK”』から、10月24日に東京・マイナビBLITZ赤坂で行なったツアー2日目のライブをレポートする。

 日本で1stライブを開催して以降、ソウルでの単独公演を皮切りに、なんと来年まで続いていく大規模なワールドツアーを現在も開催中の彼ら。ワールドツアーの前半戦を終えた時点で、彼らの3rdミニアルバム『Shoot Me : Youth Part 1』は海外10地域のiTunesアルバムチャートで軒並み首位を獲得。4人がメインボーカリストという特異なバンド形態、自ら作詞・作曲を手がけるロックからポップスまで様々な洋楽的エッセンスを感じさせる卓越した美メロナンバー。そんな彼らの魅力が世界的に広まり、どんどん“グローバル化”が進むDAY6。本ツアーは、彼らがこのワールドツアーの後半戦に突入する直前に、JAPAN 1st ALBUMとなる『UNLOCK』を引っさげて行なったものとなる。

 ツアー2本目。東京公演のチケットはソールドアウトしていた。ワールドツアーを経て、彼らがバンドとしてどんな成長を遂げているのか。『UNLOCK』に収録されている新曲をどう演奏するのか。そんな期待感で、オーディエンスはフロアの最後尾までびっちり埋め尽くし、いまかいまかとステージを凝視しながら彼らの登場を待ち構えている。開演時間になると客電がおちる。初めて彼らのライブを観た人は、まずここの無音のなかでメンバーが静かにスタンバイしていくという独特のスタイルに衝撃をうける。さらに、ステージ後方にドウン(Dr),ステージフロントは下手からジェイ(Gt&Vo&Rap),ソンジン(Vo&Gt),ヨンケイ(Ba&Vo&Rap)、ウォンピル(Key&Syn&Vo)、この4人が綺麗に横一列に並んで立つというメンバーの立ち位置にも目を奪われる。こんなところでも彼らは、バンドやロックの既成概念から“UNLOCK”、解き放たれ独自のスタイルを貫いているのが分かる。

 この日オープニングを飾ったのは、新アルバムの1曲目「Live Your Life」だった。しょっぱなからスタジアムクラスのロックチューンが鳴り響き、My Day(ファンの呼称)たちがそれに負けじと大合唱を届けると、次はそんなファンの名前の由来となった「My Day」へ。そろそろお互い喉のウォーミングアップが整ったところで“ベラベラ”こと「Better Better」ではステージの歌声、フロア一丸となってコーラスを歌う観客の歌声もどんどんヒートアップ。DAY6のライブは、不思議なことにお客さんも歌が素晴らしくうまいのだ。

 短いメンバー紹介をはさんで、次は彼らが歌でみせる。DAY6のライブにおいて楽器の演奏は非常にシンプルだ。その分、ソロでもいけるほどの実力を備えたフロントマン4人。彼らの歌をこのメロはこの人のこういう声、この歌詞はこの人のこういう声という風に、楽器のように4人の喉を最大限使って、楽曲をよりドラマチックに演出していく。少しでも君の代わりに泣いてあげたい、苦しんであげたいと歌う泣きのバラード「When you love someone」は、ジェイとウォンピルの声が重なるDメロでせつなさが倍増。「Goodbye Winter」はサビでソンジンがパンチのある声で曲を静から動へと導き、そのソンジンが珍しく歌いだしを歌う美メロとせつなが混在する「I smile」は、ヨンケイの抜け感ある声質を使ったコーラスを絶妙なポイントで差し込み、ジェイがパワーボイスで切なさを高めていく。楽器を演奏しながら、1曲のなかで声の役割ごとにリードボーカルがどんどん変わっていくという自由さも、彼らがバンドでありながらエポックメイキングなところ。

 「Beautiful Feeling」ではリーダーのソンジンがエレキをアコギに持ち替えたあと、プラグが抜け落ち、さらに別のアコギに替えるというハプニングにみまわれながらも、最後までプレイ。そのハプニングでメンバーの気持ちがひとつになったのか、次の「I‘m Serious」は5人が気合いあふれる演奏で聴かせていった場面などは、ワールドツアーでライブを積み重ね、バンドとして逞しくなった彼らを感じられた部分だった。そして、ヨンケイのやさしさがつまった歌詞がMy Dayの感動を誘う「Baby it’s okay」からは、アルバム曲を連続で披露。なかでも、ソンジンが「次は誰でもロックンロールできるというメッセージをこめた曲です」といって始まった「Everybody Rock!」は、この曲で本格的にボーカルをつとめたドウンが、ちょっと低めの声でリードパートを歌ったとたん、フロアからこの日最大の悲鳴が上がるほどの大反響が巻き起こった。またドウンに続いて、「Wish」ではジェイがギターソロを引き終えたあと、その勢いでお客さんに近づいていってフロアをあおるという新しいパフォーマンスをみせ、さらにファンは興奮のるつぼと化した。

 そして「I wait(Japanese Ver.)」、さらには日本デビュー曲「If ~また逢えたら~」などで、歌以外にサウンドの部分でもどんどん音の厚みが増していったところで、本編最後のトークコーナーへ突入。ここではドウンに好きなフードを聞かれたウォンピルが「ユッケジャンです」と答え、日本でもユッケジャンは同じ名称で普通に食べられることを観客から聞き、メンバーは大興奮。それを鎮圧したのがMC隊長ドウンが発した「はい、ジェイさんいくわよ!」というセリフ(笑)。これでドカーンと盛り上がったフロアに新アルバム収録の最新のロックチューン「Stop The Rain」、「Breaking Down」を連続投入し、ライブはクライマックスのなか本編を終えた。

「DAY6」とファンが繰り返すコールに呼ばれ、始まったアンコール。「Congratulations」では、リードに対して“アーアーア”でまったく違うメロを入れていく難易度の高いコーラスをメンバーと同次元でファンが歌って、メンバーとMy Dayが大合唱団のようになっていくとこは壮観な眺め。こうしてDAY6だからこそ作り出せる光景をBLITZで奏で、最後は「DANCE DANCE」で大騒ぎしてライブは終了した。彼らはこれからワールドツアーの後半戦へと出発する。

【取材・文:東條祥恵】
【撮影:ヤマダマサヒロ】

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リリース情報

UNLOCK

UNLOCK

2018年10月17日

ワーナーミュージックジャパン

1.Live Your Life
2.Breaking Down
3.Stop The Rain
4.Say Hello
5.Everybody Rock!
6.I Just
7.Nobody Knows
8.Falling
9.If ~また逢えたら~
10.Baby, it’s okay

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