chelmico、心から讃える歓声と拍手が巻き起こった『パティ黄門ツアー2019』
chelmico | 2019.02.12
東名阪ツアー『パティ黄門ツアー2019』は、全公演のチケットがソールドアウト。ファイナル公演が行われた東京・恵比寿リキッドルームも満員となっていた。SEの「POWER」が鳴り響いている中、最初に登場したDJ %C(パーシー)ことTOSHIKI HAYASHIを出迎えた華々しい拍手と歓声。続いて、RachelとMamikoも登場。逆光の照明を浴びて雄々しいシルエットを浮かび上がらせた彼女たちが、最初に届けてくれたのは「Get it」だった。2人が交わし合うラップが、早くも絶妙なコンビネーションを発揮。うっとりとした表情で身体を揺らす観客の輪がフロアいっぱいに広がっていった。そして、「もっと声出していかなきゃ。始まるんだよ!」という煽りの言葉が歓声を誘ったところで「Highlight」へと突入すると、会場内に漂っていた熱気はますます上昇。3曲目の「Oh, Baby!」に至る頃には、フロア内の誰も彼もが開放的に踊っていた。
「こんなに人って入るんだね」(Mamiko)。「チケット買って来てくれたんだもんね? ほんと計画性がある。平日なのに調整して来てくれたんだ」(Rachel)。「ありがとうございます! 大阪、名古屋と来て、ラストの今、東京です!」(Mamiko)。「じゃあ、やる?」(Rachel)。「やるか? 一旦感謝もしたし。この後も何回も感謝するけど(笑)」(Mamiko)――筆者のメモする手が追いつかないくらいのテンポの良さを発揮していたMCを挟んで、「Honey Bunny」「Give Me Love」「ママレードボーイ」も披露。踊りながら観客が浮かべていた笑顔が、とても爽やかなのが印象的だった。漂っていたあの独特なムードは、“抜群に盛り上がりつつ、ほのぼのと和んでもいた”とでも表現するべきか? 観客が独特な昂揚感で包まれていた空間は、chelmicoのライブならではのかけがけのない魅力を示していた。
「初めて来たライブハウスが、多分、リキッドルームなんですよ。SHAKALABBITSのライブだったんだけど」(Rachel)。「今、インフルが流行ってるからね。私、手ピカジェルを持ち歩いてるよ。さっきイチゴ食べる時に使った」(Mamiko)――和やかなトーンでMCを繰り広げた2人は、着ると気合いが入るのだというツナギの衣装(憧れのRIP SLYMEがツナギ衣装を着ていたこと)についても語って、陽気な笑顔を輝かせていた。そして、力強いコール&レスポンスを誘った「Drive」。5拍子のハンドクラップを会場にいる全員で交わし合った「デート」……聴いていると自ずと参加したくなる曲を経て、再び迎えたインターバル。「MC多いでしょ? 休憩したいんですよ。だって、すごくない? ずっとラップ中、喋ってるんだよ。言葉の量、多くない?」(Mamiko)。「そうだね。たくさん喋るから」(Rachel)――休みたいからMCタイムを長めにとっている旨を語っていたが、軽快なテンポで繰り広げられる彼女たちのトークも、ラップに通ずる濃厚なグルーヴを放っていた。先程、chelmicoのライブの独特なムードについて触れたが、この持ち味は2人の自然な会話のグルーヴが曲に注ぎ込まれているから生まれているのかもしれない。そんなことを、ふと思った。
妖艶なサウンドでうっとりとさせてくれた「Timeless」「BANANA」「まぁいっか」。%Cについて歌った曲であり、《パーシー!》という元気いっぱいのコール&レスポンスを巻き起こした「E.P.S.」……多彩な曲を連発した後、一旦、ステージを後にしたRachelとMamiko。%Cによる華麗なターンテーブルプレイが炸裂した後に再登場した彼女たちは、ステージに置かれたスタンドマイクに向かった。届けてくれたのは「午後」と「ずるいね」。瑞々しい歌声とラップをじっくりと響かせたこの2曲は、パーティーチューンとは、また一味違うchelmicoの一面を噛み締めさせてくれた。そして、うっとりとさせてくれたこのひと時の後、スペシャルゲストの森本(トンツカタン)が登場。彼の司会によるRachel、Mamiko、%Cへの質問コーナーがスタートした。
Q:ビッグマックばかり食べて飽きませんか?
A:ビッグマックばかり食べてないから! 1回で2個食べることはあるけど……。月、1回とか2回だよ(Rachel)。
Q:今日の朝ご飯はビッグマック?
A:おい! かぶせないで(笑)。今日は緊張で食べられなくてイチゴをお家で食べたら、差し入れでもイチゴをいただきました。今日、イチゴしか食べてないの。かわいくない?(Rachel)。
……“ビッグマック姉さん”というあだ名をつけられたRachelへのビッグマックに関する質問が連発されて観客は大爆笑。
Q:コンビニのイートインコーナーで豆腐を食べてもいいですか?
A:OKです!(Mamiko)。
Q:いつから7・3分けになったんですか?
A:3年ぐらい前ですかね(%C)。
……その他、ライブ前のルーティン、オススメのスキンケアなどについても回答。とても自由奔放なトークが繰り広げられて、観客は大喜びしていた。
「ここから徐々に上げめの曲でいくんで、みなさん準備してください!」という予告通り、アッパーなナンバーをたっぷりと届けてくれた終盤戦。「Good Morning」と「Countdown」が観客を開放的に踊らせた後、「Player」や「ラビリンス’97」も披露されて、すさまじい熱気で包まれていったリキッドルーム。「OK, Cheers!」で本編が締め括られた瞬間、激しい歓声がフロア内から上がった。そして、アンコールを求める「chelmico! chelmico! chelmico!」というコールが始まったのだが……いつしか「森本! 森本! 森本!」という予想外のコールも起こり始めた。その熱烈な声に応えて、ステージに現れた森本は、ポーズを決めて大歓声を浴びた。彼がステージからハケた後に登場したchelmicoの2人は、「ちょいとちょいと! 森本で盛り上がり過ぎだから(笑)」と、呆れつつも大笑い。そして、アンコールの1曲目で披露されたのは、平井堅とのコラボレーションナンバー「HOLIC」。柔らかな光に溢れていくかのようなサウンドが、とても瑞々しいムードを醸し出していた。
初の女性限定ライブ、ゲストとして岩崎愛を迎える『chelmico 女祭り ~岩崎愛さんに乾杯~』を5月17日・渋谷WWWで開催。翌日にはスカートをゲストに迎える『chelmico 復活祭 vol.2 ~スカートに乾杯~』を渋谷WWWXで行うことも発表されて観客は大喜び。そして、ラストに披露されたのは、スカートの澤部渡がレコーディングに参加した「Love is Over」。彼によるギターのカッティングで彩られているこの曲は、ライブで体感すると一際心地よかった。《愛したい》《恋したい》《でも愛されたい》《Love is over》という大合唱、コール&レスポンスが果てしなく高鳴っていき、エンディングを迎えた瞬間、chelmicoを心から讃える歓声と拍手が、ステージに向かって届けられた。こうして終演を迎えた『パティ黄門ツアー2019』のファイナル公演。終始、リラックスした雰囲気を漂わせながらも、目一杯に観客を盛り上げていた彼女たちのパフォーマンスは、本当に魅力的だった。2019年のchelmicoは、ますます大躍進を遂げるはずだ。
【取材・文:田中 大】
リリース情報
セットリスト
パティ黄門ツアー2019
2019.1.24@恵比寿リキッドルーム
- 01 Get it
- 02 Highlight
- 03 Oh,Baby
- 04 Honey Bunny
- 05 Give Me Love
- 06 ママレードボーイ
- 07 Drive
- 08 デート
- 09 Timeless
- 10 BANANA
- 11 まぁいっか
- 12 E.P.S.
- 13 午後
- 14 ずるいね
- 15 Good morning
- 16 Countdown
- 17 Player
- 18 ラビリンス’97
- 19 OK,Cheers! 【ENCORE】
- EN-1 HOLIC
- EN-2 Love is Over
お知らせ
FM802 30PARTY RADIO PARK -MINAMI WHEEL Spring Edition-
03/04(月)COOL JAPAN PARK OSAKA SSホール
HAPPY JACK 2019
03/17(日)熊本エリアイベント
AIR-G’ Sparkle Sparkler presents スパクル☆ナイト Vol.8
03/22(金)札幌Sound Lab mole
IMAIKE GO NOW 2019
03/24(日)今池ライブサーキットイベント
LOVE ! LIFE ! LIVE ! 〜忘れられない春になる〜
03/27(水) ZEPP TOKYO
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。