Halo at 四畳半、最新作を携えたツアーファイナル・マイナビBLITZ赤坂でさらなる高みへ
Halo at 四畳半 | 2019.02.19
古来ミュージシャンは、音やメロディ、歌やサウンドに乗せ様々な「想い」を伝えてきた。ある者は情熱を、ある者は愛しさを、心情を吐き出す者もいれば、情景や心の機微を彩る者もいた。こと、Halo at 四畳半は、主に「感情」を音楽として描き、放ち、聴く者と分かり合い、分かちあってきたバンドだ。合わせて、それらの感情に、どのように向き合い、乗り越え、堪え、耐え、折り合いをつけたり共存しながら、より良い明日や未来へとどう進んだらいいのか? その一歩手前を様々なタイプの楽曲として放ってきたとも言える。そして、それら様々な感情が各曲に収まり、放たれようとしていたのが、まさにメジャー1stフルアルバム『swanflight』に他ならない。
そんな同作品と共に全国各地をワンマンにて回ったツアーが、このマイナビBLITZ赤坂をもって幕を閉じた。昨年12月上旬開始より足掛け二年、全国9箇所で行われた同ツアー。その終着地点は、上述の「様々な感情」の放出を経て、自らの歌の箇所箇所から漂わせていた、各人が思い浮かべる約束の地での再会へと集まった者たちを、しっかりと辿り着かせてくれるものがあった。
この日の関東地方は降雪。そこまでの積雪ではなかったが首都圏でも雪が降っていた。上映開始を彷彿とさせるブザーが場内に鳴り渡ると、無人のステージにセンター頭上からスポットライトが当たる。映写機の回る音はすれど、ステージ後方のスクリーンにはまだ何も映し出されてはいない。そんな中、無人のステージで誰かが実際にしているかのような詩の朗読が流れる。終わると同時にスクリーンには今回のツアータイトル『悲しみの朝の愛し方』と、『FAINAL マイナビBLITZ赤坂』の文字が浮かんだ。そのキャストを紹介するかのように、白井將人(B)、片山僚(Dr/Cho)、齋木孝平(G/Cho)、渡井翔汰(Vo/G)とこの日の主人公たちの名前が次々とスクリーンに現れ、合わせてメンバー各人が一人づつステージに現れる。
「千葉県佐倉市、Halo at 四畳半始めます」と常套挨拶。バンドの放つデモンストレーション音の中、渡井が「よく来たね。愛おしい愛おしい瞬間を探しに行こう!」と、生命力たっぷりのサウンドと共に、ニューアルバムから「ヒーロー」を場内いっぱいに広げていく。「感動を探しに行こう!」「見つけにいこう!」と誘う同曲。それに同感するかのようにみながステージに向け力強い拳を贈る。まことに生命力みなぎるオープニングだ。「行こうぜ赤坂!」(渡井)と「ステラ・ノヴァ」に入ると更にライブは炸裂。希望に向かい全力で駈け出すかのように同曲がキラキラとしたバイタリティを宿し、我々を引き連れにかかる。対して、歌詞の一部も《朝を受け取り赤坂のみんなのもとへ》へと歌われた「朝を迎えに」の際には、みながステージへと伸ばす手が、まるで各々の未来や夢に向け手を伸ばすかのように映った。
「あっちゅう間にこの日が来てしまった。今日は心から楽しんで欲しい。ツアーファイナルなので自分らも思い残すことなく全力でやる!」と渡井。
ここからは、《いつの日か また会いに行くよ》とのプロミス・ソング「春が終わる前に」が並んだ。「アメイジア」が季節を夏へと引き戻し、変拍子をブリッジに齋木による光景感溢れる長めのギターソロを炸裂させると、「アストレイ」では、何度だって理想に向かうことができるその決意への勇気を与えてくれた。また、きらびやかなギターフレーズに白井も時折アクセント的にスラップを交えた「擬態」では、白井と齋木によるステージ前面でのプレイが楽しめ、歌や舞台演出のみならず、数々の見どころが生み出されていく。そして、変拍子混じりのギターリフのリレーションから「アンドロイドと青い星の街」に入ると、幻想さと三拍子を経て激化する場面と、そこを抜けたからこそ現れるストレートさと解放感による気持ち良さを味わうことが出来た。
中盤のMCでは各人が今回のツアーを振り返った。「怒涛のように過ぎ、アッと言う間にファイナルになってた。忘れられないツアーになった」と片山。白井は実はメンバーの高熱の為、高松公演の開催が危ぶまれていたこと。それが直前に治り無事完遂。結果、逆に「命を燃やすライブになった(笑)」等を語ってくれた。
中盤からは彼らの多彩さが現れ始めた。音数が少なくファンキーな面も楽しめた「王様と兵士」では、コール&レスポンスを交え楽しい雄叫びが場内に一体感をもたらせ、会場もクラップを交え、左右にゆっくり揺れる光景を作り出し。ミディアムな「マグとメル」では、ゆったりとたゆたうような心地良さが広がっていった。そして、楽曲が進んでいくと同時に元の時間軸を取り戻していくかのような「ヒューズ」を経ての「リバース・ディ」ではステージも眩しく発光。オセロの色がパタパタ自分色に変っていく瞬間を目の当たりにし、「アルストロメリア」では、会場を交えた雄々しい歌声が場内に生命力を寄与していく名場面に遭遇できた。
後半は再び会場中を未来へと引き連れていくかのように響く楽曲たちが印象深かった。「大事な大事な友人=メンバー」に向け渡井が書いたと語る「フェロウ」では、それまで一人で描いていたストーリーが実は多くの人との並走によって成り立っていたことに改めて気づかせてもらい、混じるラテンポップが会場をバウンスさせた「カイライ旅団と海辺の街」では、齋木と白井によるステージ前方でのプレイもしっかりと見届けることができた。また、「あなたの心の奥の奥までしっかり届ける」(渡井)と放った「モールス」ではミラーボールも回る中、《あなただけの声を頼りにここ赤坂ブリッツにたどり着いたよ》とリリックを替えて披露。俺たちの歌でみんなを守ってやる的な気概が、楽曲と共に我々を守ってくれるかのような逞しさを感じさせてくれた。そして本編最後は、「俺たちからのこれが恩返しです」と、「悲しみもいつかは」が、君のその悲しみを背負い、それらの感情を一緒に解き放ってやると言わんばかりに、誇らしげに気高く会場の隅々にまで響かせていった。「そばにいるべきは俺たちの音楽。それで一瞬でもその悲しみを忘れさせてやる。どんな逆境だろうが苦しかろうが俺たちが絶対にそこから救い出してやるから。またライブハウスで会おうな!!」と、ホワイトアウトするステージの上、彼らは力強く誓いステージを去った。後にはどこか、悲しみの朝の愛し方をしっかりと教示してもらったかのような清々しさだけが残った。
アンコールは、これからも歌い続け、且つ歌って行くべき大事な新旧の曲たちで締められた。ミディアムでどっしりとした「魔法にかけられて」が場内にダイナミックに広がっていき、「またどこかで出会える日を楽しみにしています。出会ってくれてありがとう」と、そっと絵本を閉じて終わらせる…はずが、よほど名残惜しかったのだろう。お客さんの大合唱をイントロデュースに追加し、「シャロン」が贈られた。会場から上がる無数の力強い拳。「限りある命を燃やすように、これからも一緒に行こうぜ」との気強いアライアンスが再び育まれた瞬間を見た。「もっともっとでっけえ夢見ようぜ」(渡井)との眩しい言葉を残し、彼らはステージを降りた。
現在の自らが伝えられる「感情」として、音や歌に乗せて放ち、ついてきてくれる者と共に約束の地へ向かう覚悟と決意、そして硬い誓いが昨秋発売のあのメジャー1stフルアルバム『swanflight』であったことに改めて気づかされたこの日。
そう、マイナビBLITZ赤坂でのHalo at 四畳半のツアーファイナルは、あの作品に各々込められた感情たちが、直にブツけられ、面前でさらされ、提示され、それらを爆発させたり、共有させたりしながら、しっかりと観者と演者とで昇華していった一夜でもあった。
6月にはニューミニアルバムを発売し、7月19日には自身単独では最大規模のZepp DiverCityTokyoでのワンマンも、この日、発表された。彼らは今後も「感情」を歌っていく。それを乗り越え、迎えた先に待っている、お互い目指し憧れている約束の地を目指して。
そんな同作品と共に全国各地をワンマンにて回ったツアーが、このマイナビBLITZ赤坂をもって幕を閉じた。昨年12月上旬開始より足掛け二年、全国9箇所で行われた同ツアー。その終着地点は、上述の「様々な感情」の放出を経て、自らの歌の箇所箇所から漂わせていた、各人が思い浮かべる約束の地での再会へと集まった者たちを、しっかりと辿り着かせてくれるものがあった。
この日の関東地方は降雪。そこまでの積雪ではなかったが首都圏でも雪が降っていた。上映開始を彷彿とさせるブザーが場内に鳴り渡ると、無人のステージにセンター頭上からスポットライトが当たる。映写機の回る音はすれど、ステージ後方のスクリーンにはまだ何も映し出されてはいない。そんな中、無人のステージで誰かが実際にしているかのような詩の朗読が流れる。終わると同時にスクリーンには今回のツアータイトル『悲しみの朝の愛し方』と、『FAINAL マイナビBLITZ赤坂』の文字が浮かんだ。そのキャストを紹介するかのように、白井將人(B)、片山僚(Dr/Cho)、齋木孝平(G/Cho)、渡井翔汰(Vo/G)とこの日の主人公たちの名前が次々とスクリーンに現れ、合わせてメンバー各人が一人づつステージに現れる。
「千葉県佐倉市、Halo at 四畳半始めます」と常套挨拶。バンドの放つデモンストレーション音の中、渡井が「よく来たね。愛おしい愛おしい瞬間を探しに行こう!」と、生命力たっぷりのサウンドと共に、ニューアルバムから「ヒーロー」を場内いっぱいに広げていく。「感動を探しに行こう!」「見つけにいこう!」と誘う同曲。それに同感するかのようにみながステージに向け力強い拳を贈る。まことに生命力みなぎるオープニングだ。「行こうぜ赤坂!」(渡井)と「ステラ・ノヴァ」に入ると更にライブは炸裂。希望に向かい全力で駈け出すかのように同曲がキラキラとしたバイタリティを宿し、我々を引き連れにかかる。対して、歌詞の一部も《朝を受け取り赤坂のみんなのもとへ》へと歌われた「朝を迎えに」の際には、みながステージへと伸ばす手が、まるで各々の未来や夢に向け手を伸ばすかのように映った。
「あっちゅう間にこの日が来てしまった。今日は心から楽しんで欲しい。ツアーファイナルなので自分らも思い残すことなく全力でやる!」と渡井。
ここからは、《いつの日か また会いに行くよ》とのプロミス・ソング「春が終わる前に」が並んだ。「アメイジア」が季節を夏へと引き戻し、変拍子をブリッジに齋木による光景感溢れる長めのギターソロを炸裂させると、「アストレイ」では、何度だって理想に向かうことができるその決意への勇気を与えてくれた。また、きらびやかなギターフレーズに白井も時折アクセント的にスラップを交えた「擬態」では、白井と齋木によるステージ前面でのプレイが楽しめ、歌や舞台演出のみならず、数々の見どころが生み出されていく。そして、変拍子混じりのギターリフのリレーションから「アンドロイドと青い星の街」に入ると、幻想さと三拍子を経て激化する場面と、そこを抜けたからこそ現れるストレートさと解放感による気持ち良さを味わうことが出来た。
中盤のMCでは各人が今回のツアーを振り返った。「怒涛のように過ぎ、アッと言う間にファイナルになってた。忘れられないツアーになった」と片山。白井は実はメンバーの高熱の為、高松公演の開催が危ぶまれていたこと。それが直前に治り無事完遂。結果、逆に「命を燃やすライブになった(笑)」等を語ってくれた。
中盤からは彼らの多彩さが現れ始めた。音数が少なくファンキーな面も楽しめた「王様と兵士」では、コール&レスポンスを交え楽しい雄叫びが場内に一体感をもたらせ、会場もクラップを交え、左右にゆっくり揺れる光景を作り出し。ミディアムな「マグとメル」では、ゆったりとたゆたうような心地良さが広がっていった。そして、楽曲が進んでいくと同時に元の時間軸を取り戻していくかのような「ヒューズ」を経ての「リバース・ディ」ではステージも眩しく発光。オセロの色がパタパタ自分色に変っていく瞬間を目の当たりにし、「アルストロメリア」では、会場を交えた雄々しい歌声が場内に生命力を寄与していく名場面に遭遇できた。
後半は再び会場中を未来へと引き連れていくかのように響く楽曲たちが印象深かった。「大事な大事な友人=メンバー」に向け渡井が書いたと語る「フェロウ」では、それまで一人で描いていたストーリーが実は多くの人との並走によって成り立っていたことに改めて気づかせてもらい、混じるラテンポップが会場をバウンスさせた「カイライ旅団と海辺の街」では、齋木と白井によるステージ前方でのプレイもしっかりと見届けることができた。また、「あなたの心の奥の奥までしっかり届ける」(渡井)と放った「モールス」ではミラーボールも回る中、《あなただけの声を頼りにここ赤坂ブリッツにたどり着いたよ》とリリックを替えて披露。俺たちの歌でみんなを守ってやる的な気概が、楽曲と共に我々を守ってくれるかのような逞しさを感じさせてくれた。そして本編最後は、「俺たちからのこれが恩返しです」と、「悲しみもいつかは」が、君のその悲しみを背負い、それらの感情を一緒に解き放ってやると言わんばかりに、誇らしげに気高く会場の隅々にまで響かせていった。「そばにいるべきは俺たちの音楽。それで一瞬でもその悲しみを忘れさせてやる。どんな逆境だろうが苦しかろうが俺たちが絶対にそこから救い出してやるから。またライブハウスで会おうな!!」と、ホワイトアウトするステージの上、彼らは力強く誓いステージを去った。後にはどこか、悲しみの朝の愛し方をしっかりと教示してもらったかのような清々しさだけが残った。
アンコールは、これからも歌い続け、且つ歌って行くべき大事な新旧の曲たちで締められた。ミディアムでどっしりとした「魔法にかけられて」が場内にダイナミックに広がっていき、「またどこかで出会える日を楽しみにしています。出会ってくれてありがとう」と、そっと絵本を閉じて終わらせる…はずが、よほど名残惜しかったのだろう。お客さんの大合唱をイントロデュースに追加し、「シャロン」が贈られた。会場から上がる無数の力強い拳。「限りある命を燃やすように、これからも一緒に行こうぜ」との気強いアライアンスが再び育まれた瞬間を見た。「もっともっとでっけえ夢見ようぜ」(渡井)との眩しい言葉を残し、彼らはステージを降りた。
現在の自らが伝えられる「感情」として、音や歌に乗せて放ち、ついてきてくれる者と共に約束の地へ向かう覚悟と決意、そして硬い誓いが昨秋発売のあのメジャー1stフルアルバム『swanflight』であったことに改めて気づかされたこの日。
そう、マイナビBLITZ赤坂でのHalo at 四畳半のツアーファイナルは、あの作品に各々込められた感情たちが、直にブツけられ、面前でさらされ、提示され、それらを爆発させたり、共有させたりしながら、しっかりと観者と演者とで昇華していった一夜でもあった。
6月にはニューミニアルバムを発売し、7月19日には自身単独では最大規模のZepp DiverCityTokyoでのワンマンも、この日、発表された。彼らは今後も「感情」を歌っていく。それを乗り越え、迎えた先に待っている、お互い目指し憧れている約束の地を目指して。
【撮影:オチアイユカ】
【取材・文:池田スカオ和宏】
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リリース情報
swanflight
2018年10月17日
日本コロムビア
01.ヒューズ
02.悲しみもいつかは
03.ヒーロー
04.マグとメル
05.水槽
06.アンドロイドと青い星の街
07.擬態
08.朝を迎えに
09.王様と兵士
10.フェロウ
11.アルストロメリア
12.魔法にかけられて
02.悲しみもいつかは
03.ヒーロー
04.マグとメル
05.水槽
06.アンドロイドと青い星の街
07.擬態
08.朝を迎えに
09.王様と兵士
10.フェロウ
11.アルストロメリア
12.魔法にかけられて
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セットリスト
『Halo at 四畳半 ワンマンツアー 2018-2019 "悲しみの朝の愛し方"FINAL』
2019.2.9@マイナビBLITZ赤坂
- 1.ヒーロー
- 2.ステラ・ノヴァ
- 3.朝を迎えに
- 4.アメイジア
- 5.アストレイ
- 6.擬態
- 7.アンドロイドと青い星の街
- 8.春が終わる前に
- 9.王様と兵士
- 10.マグとメル
- 11.ヒューズ
- 12.リバース・デイ
- 13.アルストロメリア
- 14.フェロウ
- 15.カイライ旅団と海辺の街
- 16.モールス
- 17.悲しみもいつかは 【ENCORE】
- En-1.魔法にかけられて
- En-2.シャロン
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お知らせ
■ライブ情報
Halo at 四畳半 ワンマンライブ
“NOVEL LAND LANDING”
07/19(金) Zepp DiverCity(TOKYO)
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
Halo at 四畳半 ワンマンライブ
“NOVEL LAND LANDING”
07/19(金) Zepp DiverCity(TOKYO)
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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