勢いはとどまる事を知らない! あゆみくりかまきのツアーファイナル赤坂BLITZ公演
あゆみくりかまき | 2019.03.05
SEが大音量で鳴り響く中、ステージに最初に登場したのはあゆみくりかまき、くりか(DJ)。「やったんで!」という文字が書かれている大きな旗を彼女が振ると、またぎ(あゆみくりかまきのファンの呼称)は、居ても立っても居られない様子で歓声を上げた。そして、あゆみ(歌うたい)、まき(盛り上げ役)も現れて、聖飢魔Ⅱのカバー「蝋人形の館」がスタート。激しいヘヴィメタルサウンドに包まれながら、全力で歌って踊る3人の姿が雄々しい。続いて「心友フォーエヴァー」「ジェットクマスター」「鮭鮭鮭」も披露されたことによって、マイナビBLITZ赤坂は完全に興奮の坩堝と化した。
普段は人見知りなあゆみが堂々としていることに、くりかとまきが驚いていた最初のMCタイム。「みんなをカボチャやと思って(笑)。みんながカボチャに見えてます。最後にはみんなの顔がカボチャに見えないように、みんなの顔を見て歌うので、よろしくお願いします!」(あゆみ)――という力強い言葉が、またぎを沸かせていた。そして、ツアーファイナルである今日のライブに対する意気込みを語ったくりか&まき。「今回のツアー、どこもほんま熱かったんですけど、今日は人数も多いし、今までの4公演を超えられると思います。最高に熱くて楽しいファイナルにしたいと思いますので、ついてきてやー!」(くりか)。「今日、初めてライブに来た人。またぎになって帰ってもらいますよ。そして、いつも応援してくれるみんなは、もっとまたぎになってもらうから。今のあゆくまのすべてを見せるつもりで、全力でぶつかっていくので、3人についてきてな!」(まき)――元気いっぱいのMCを経て届けられた「アイノウタ」「Amagami Days」「蜜蜜蜜」によって、会場内はますます爽やかな熱気で包まれていった。
中盤では、歌う曲をステージ上で決める『センター曲抽選』というコーナーが用意されていた。この日のテーマとなっていたのは、「あゆくまのライブで外せない楽曲は?」。「反抗声明」「未来トレイル」「KILLLA TUNE」の内、またぎの支持を最も集める曲を3人は予想した。それぞれの選択肢に対して上がったまたぎの声の大きさを機械で測定した結果、あゆみが選んだ「未来トレイル」の人気が最も高かった。そして披露されたのは、3人のパラパラダンスが見どころである「真相はどうでもいい」。今回のツアーの中で初めてセンター曲を歌うことができたあゆみを、またぎは全力の声援で祝福していた。
ヘヴィメタルサウンドのアレンジで届けられた「弾進GOOD!!!」「What’s my name?」「クマトナデシコ」が圧倒的な盛り上がりを生んだ後、再び迎えたインターバル。「私たちが活動できてることや、大切な場所、大切な人は当たり前にいるわけやなくて。だからこそ、今、ここに来てくれてるみんな、来たくても来られなかったまたぎのみんなが寂しい想いをしないように、私たちはいつもみんなの心にいたいと思ってます。大切な人のことを想って歌いたいです。みんなも大切な人のことを想って聴いてください」――まきのMCを経て披露された「Place my Place」は、またぎの心を強く動かしているのを感じた。続いて、「つながり」「反抗声明」「残像フラッシュバック」「KILLLA TUNE」「19 GROWING UP ?ode to my buddy-」……多彩なナンバーがさらに届けられたことにより、ステージ上の3人とフロアから見守るまたぎの心は、完全に1つになっていた。
マイナビBLITZ赤坂は、あゆみくりかまきにとって、とても重要な意味を持つ会場であることをご存知だろうか? かつては「熊」として活動していた彼女たちだが、2016年7月8日に行なわれたこの会場(当時の名称は赤坂BLITZ)での公演のアンコールで「人間」となった。思い出深い場所に再び立てたことに対する気持ちを、時折、涙で言葉を詰まらせつつ、まきが終盤のMCで語った。「2年半前にこのステージで熊から人間の姿に変わりました。その時は、先の見えへん……明日すらも怖くて。あゆくまが一番大事にしてる“ライブを楽しむ”っていうことを忘れてて。でも、今はみんなと作るライブが本当に楽しくて。ここに置き忘れてきたものがあったんですけど、正直、何を忘れてきたのか自分でもわからないんですけど……。でも、過去にとらわれるんやなくて、今を大切にしたいって思うから。2年半前に忘れてきたものとバイバイしたい。今日から新しいあゆみくりかまきになって、またぎと一緒に進んで行きたいと思います。あゆくまとまたぎの未来は明るいと信じて、この場所であの曲をもう一度歌わせてください」――そして披露されたのは「旅立ちの唄」。2年半前のこのステージでも歌ったこの曲は、あゆみくりかまきが、さらに力強く前進しようとしていることを自ずと示していた。
「アナログマイガール’18」「WAR CRY」「未来トレイル」も披露されて本編は終了。アンコールの1曲目「星降る夜空に…」を届けた後、3人は各々、想いを語った。「最初は“夢を叶えるぜ!”みたいなのが一番大きくて、今でももちろんみんなと夢を叶えたいっていうのはあるけど、今、本当に大切なのはみんなと一緒に過ごせること。ライブをいっぱいできるように、みんなと会えるようにするから、あゆくまのことをずっと好きでいてください!」(くりか)。「この前、BLITZのステージに立った時は「旅立ちの唄」を歌うのが苦しくて。でも、今日、この曲を歌った時に、みんなの顔がしっかり見えて、みんなが笑顔で私たちを見ていてくれたのがすごく嬉しくて。あの時の忘れものをみんなと取り戻せた気がしました。あゆくまの代わりも、またぎの代わりもいません。ツアーは終わるけど、新たな幕開けです。これからの冒険をみんなと一緒に楽しんでいきたいと思います!」(あゆみ)。「2年半前は、この姿になるのがすごい怖かったんですけど、今なら胸を張って言えます。今のあゆみくりかまきが大好きです。そして、こうしてついてきてくれるまたぎも本当に大切です。このままもっともっと上を目指していくから、これからもこの3人、ちょっと頼りないかもしれへんけど(笑)。2019年、まじで大躍進していくので、ついてきてください!」(まき)――またぎに今の気持ちを伝えた後は、7月に初のミニアルバムをリリースすることを発表。5周年ライブ『あゆみくりかまき 5th Anniversary LIVE~モエとエモ~』を5月5日・東京・SHIBUYA REXで行なうことも告知されて、またぎは大喜びしていた。2014年5月5日は、あゆみが加入したことにより2人組だった「くりかまき」が3人組の「あゆみくりかまき」となった日であり、その時のライブ会場がSHIBUYA REX。大切な記念日に、思い出深いステージで行なわれるライブは、特別なものになるのではないだろうか。
またぎの大合唱が起こった「泣き顔笑顔」。そして、「悔しいことも本当にいっぱいあって。でも、今のあゆくまなら、今のあゆくまとまたぎなら最高の景色を見られる。現状をひっくり返せる時が来るって信じてます。もしかしたらみんなの前で何度も泣いちゃうかもしれへんけど(笑)、絶対にみんなを最高の景色へ連れて行くことを約束します。またぎになったことを絶対に後悔させへんから!」という言葉をまきが添えた「ナキムシヒーロー」で、このライブは締めくくられた。用意していたすべての曲を歌い終えると、明るい笑顔を浮かべて並んだあゆみ、くりか、まき。「以上。関西出身、あゆみくりかまきでした。ほんまにありがとうございました!」――ステージから去った彼女たちを見送った声援は、とても温かかった。MCでも告知された通り、今後もあゆみくりかまきは精力的に活動を繰り広げる。2019年が彼女たちにとって大きな意味を持つ日々となることを予感させられるライブであった。
【取材・文:田中大】
リリース情報
蝋人形の館
2018年12月18日
ソニー・ミュージックレーベルズ
2.19 GROWING UP -ode to my buddy-
3.アナログマガール’18
4.アナログマガール’18
LIVE FOOTAGE from「 ボクらの熊魂2018 ~"PUNK"kin Halloween Party~」(映像1曲)
※映像入りのコンボ商品はiTunes、moraのみ
セットリスト
『ボクらの熊魂2019〜お前もまたぎにしてやろうか!!TOUR〜』
2019.2.17@赤坂BLITZ
- 01. 蝋人形の館
- 02. 心友フォーエヴァー
- 03. ジェットクマスター
- 04. 鮭鮭鮭
- 05. アイノウタ
- 06. Amagami Days
- 07. 蜜蜜蜜
- 08. 真相はどうでもいい
- 09. 弾進GOOD!!!
- 10. What’s my name?
- 11. クマトナデシコ
- 12. Place my Place
- 13. つながり
- 14. 反抗声明
- 15. 残像フラッシュバック
- 16. KILLLA TUNE
- 17. 19 GROWING UP -ode to my buddy-
- 18. 旅立ちの唄
- 19. アナログマガール’18
- 20. WAR CRY
- 21. 未来トレイル 【ENCORE】
- EN-1. 星降る夜空に・・・
- EN-2. 泣き顔笑顔
- EN-3. ナキムシヒーロー
お知らせ
あゆみくりかまき 5th Anniversary LIVE 〜モエとエモ〜
05/05(日祝)
《第一部》”モエ” LIVE SET
《第二部》”エモ” LIVE SET
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。