ALLiSTER デビューから20年、JAPAN TOUR 2019初日、千葉LOOK
ALLiSTER | 2019.03.11
色褪せる事ない衝動。音像はいっそう分厚くソリッドに、そこから立ちのぼるエモーションはひときわ朗々と鮮やかに、観る者の胸に迫って容赦なく熱情をかき立てる。ブランクなどなかったかのように、たちまち生まれた強固な一体感でステージもフロアも即沸騰した。本当にどれだけこの日が来るのを待ち焦がれたことだろう。この1月に日本先行発売された全世界デビュー20周年記念ベスト・アルバム『BEST OF… 20 YEARS & COUNTING』を引っ提げ、実に7年ぶりの復活を遂げたALLiSTER。そのジャパン・ツアーが3月10日、千葉LOOKワンマン公演にていよいよ初日の幕を開けた。チケットはもちろんソールドアウト。待望の瞬間を見逃すまいと駆けつけたファンの前に、スコット・マーフィー(Vo.& B.)<以下 スコット>を筆頭にメンバーが登場するや、場内は狂騒の坩堝と化した。マイク・レヴェランツ(Dr.)が打ち鳴らすシンバルの鋭い4カウントから間髪入れず迸ったバンド・アンサンブルの、20年選手にして今なおなんと瑞々しいことか。曲によりスコットとティム・ログナーとで(Vo.& G.)のメイン・ボーカルが入れ替わるスタイルも健在、2つの声の掛け合いやハーモニーの美しさは客席の興奮をどこまでも吊り上げる。ティムとカイル・ルイス(G.)とのギターバトル、マイクによるタフでタイトなリズム・メイクも然り。一瞬にして時が7年前に直結し、同時に新しく動き出している実感が湧き立つ。客席一面に突き上がる拳、序盤の「Scratch」では早くもクラウド・サーフィンが多発。
「ただいま、千葉! リリース20周年ツアーへようこそ!」
スコットが流暢な日本語でそう呼びかけると大歓声で応えるオーディエンス。日本ではMONOEYESでも活動するスコットだが、やはりALLiSTERの言葉として聞く“ただいま”の喜びはひとしおだ。
「7年ぶりの日本ツアー、ちょっとだけ老けて、ちょっとだけ大きくなったけど、客席を見たらみんなも同じ」
そんなジョーク混じりの打ち解けたMCもうれしい。ちなみに彼らが初来日した2001年、日本で初めて立ったステージもこの千葉LOOKだったという。復活して最初のライブをここから始められるのが幸い、としみじみ噛み締めるスコットに大きな拍手が注ぐ。
このベスト盤のために書き下ろされた新曲からお馴染みの鉄板曲まで『BEST OF… 20 YEARS & COUNTING』に収録の楽曲を軸にしながらメロディアスかつパンキッシュなALLiSTER節で1曲1曲をハイテンションに畳み掛けていく。また、邦楽のカバーも数多く手掛けている彼ら、中盤戦には「CHERRY(チェリー/スピッツ)」、アンコールでは「Shima-Uta(島唄/THE BOOM)」を披露。彼らの代表曲「Somewhere On Fullerton」ではこの日いちばんの大合唱が起こり、クラウド・サーファー続出。オーディエンスの盛り上がりがメンバーをも焚きつけたのだろう、ダブル・アンコールに応えてこの日は大団円を迎えた。
ツアーはこのあと対バン形式となり3月17日の神奈川・F.A.D YOKOHAMAまで5公演を駆け抜け、さらに追加公演として18日に東京・新木場STUDIO COASTにてツアー・ファイナルが行なわれる。その先にどんな光景が広がっているのか今、とても楽しみだ。
【撮影:菊池茂夫】
【取材・文:本間夕子】
お知らせ
ALLiSTER “BEST OF… 20 YEARS & COUNTING JAPAN TOUR 2019"
03/12(火)渋谷CLUB QUATTRO
共演:サイダーガール
03/13(水)梅田CLUB QUATTRO
共演:Xmas Eileen
03/14(木)名古屋CLUB QUATTRO
共演:MONOEYES
03/16(土)石巻BLUE RESISTANCE
共演:STRAIGHT
03/17(日)F.A.D YOKOHAMA
共演:FOMARE
03/18(月)新木場STUDIO COAST【追加公演】
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。