THE YELLOW MONKEY、19年ぶり9作目となるオリジナル・アルバム『9999』世界最速先行試聴会の全貌
THE YELLOW MONKEY | 2019.04.24
THE YELLOW MONKEYが4月17日にリリースする19年ぶり9作目となるオリジナル・アルバム『9999』。3月28日、リリースに先駆け世界最速先行試聴会が、アルバム・タイトルにちなんだ9999名を招待し、日本武道館で行われた。この抽選による無料招待への応募総数は5万通を超えたという。
3階席までビッリシ埋まった場内の視線を集めるステージはすっぽりとスクリーンに覆われ、中央に投影された新作のジャケット・デザインが心臓の鼓動のように時折震えて期待をそそった。ステージらしきものがあるのだから、もしかしたら4人が登壇してコメント、あるいは1、2曲ぐらい演奏するかも、といった期待を込めた会話があちこちで交わされる中、開演時間となり場内が暗転すると白幕にメンバーのインタビューが映し出され、拍手が起こった。
「アメリカのレコーディングで、ガレージっぽいバンドサウンドでやるのが自分たちには新しい作業だった」「生活をしながら、同じタイム感で同じ曲をやるというのが、すごく大事でした」「コンセプト・アルバムじゃないですけど、アルバムの中にはストーリーが絶対あって」「その時にできるもの、その時に作ったという感覚」「バンドのその時代をダイレクトに映したもの、バンドの生き様が1枚のアルバムに入ってる」4人の言葉に新作への期待はさらに高まる。映像が終わり、一瞬の静寂。そこへ力強いギターの音が響き渡ったと思うとスクリーンが振り落とされ、ステージには4人の姿が! 通常のライブを凌ぐ悲鳴にも似た歓声やどよめきが溢れる中、いよいよ新作の試聴会がスタートした。
ダイナミックなギターは、1曲目「この恋のかけら」のイントロだった。薄いブルーのジャケットを着た吉井和哉(Vo)を真ん中に、エマこと菊地英昭(Gt)、ヒーセこと廣瀬洋一(Ba)、アニーこと菊地英二(Dr)が揃ったステージは、すでに彼らのもの。曲が終わった途端、並々ならぬ拍手が送られ、「天道虫」のイントロに大歓声が起こった。歯切れのいい曲に手拍子が起こり、間奏のギターソロでは吉井が”もっともっと”というように腕を振る。ヒーセのグルーヴィーなベースから始まったのは3曲目「Love Homme」。吉井が敬愛するロック・レジェンドたちへのオマージュめいた歌詞とサウンドに、客席が揺れた。
これに続いたのは、やはり憧れのロックスターへの思いを歌った「Stars (9999 Version)」。1年半ほど前に配信された曲だけに吉井たちも場内の空気も緊張が溶けていき、「星いっぱいだ」という歌詞に合わせてステージ後方のスクリーンには星空の映像が映された。1曲終わるたびにきちんと演奏を終えて暗転するのがCDで聴いている時のようで、ここが「試聴会」という特別な場所であることを意識させる。
5曲目は「Breaking The Hide」。ギターリフと歌詞が重なって繰り返され、ぐいぐい引き込んでいくと、もう初めて聴く曲でも臆することなくオーディエンスは楽しんでいる。暗転したステージへメンバーの名を呼ぶ声が幾重にも重なって飛び交った。続いての「ロザーナ」は『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』の特典CD収録曲だがファンの人気は高く、イントロのピアノが鳴り響くと大きな歓声が起こり、タンバリンを振りながら吉井が「カモン!」と呼びかけた。
高揚した歓声を落ち着かせるようにどっしりしたビートで始めた「Changes Far Away」は、3連のリズムで聴かせるラヴ・バラード。粒子の荒いモノクロ映像の月と星が4人の後ろに浮かび、ロマンチックなムードを盛り上げる。伸びやかな吉井のヴォーカル、ムーディなギターソロ、そしてハモンド・オルガンのクラシカルな響きもこの曲にぴったりだ。続いて響いた印象的なギター・リフは「砂の塔」のイントロ。低音を生かした重厚なサウンドとドラマティックな歌で独特な存在感を発揮する曲に聴き入った観客から再び大きな拍手が送られた。そして一転キレのいいギターリフで始まった「Balloon Balloon」は一転して軽快なナンバーで、タイトルに合わせ風船のように丸くカラフルな照明がステージを飛び回った。
スケール感のあるギターソロから始まった「Horizon」で思いがけないことが起こった。歌い出しを間違え、手を上げて「ごめんなさい」と演奏を止めた吉井は、この曲の詞曲を手がけたエマに視線を向け「一番大事なところなのに」と詫びるように言うと、 「間違えたついでに、今回は試聴会だから喋らずに、皆様の前で演奏に徹しようということでMCもなしにここまで進んできたけど、正直しんどかったです(笑)。行けると思ったんだけどなあ。みんなを前にするとテンションが上がっちゃうから。」と気持ちを整えて演奏に戻った。曲に入れば一瞬にして空気を引き締め、その前のことなど忘れさせる。スクリーンに映るアニメーションは、一昨年の東京ドーム公演で披露されたもの。歌詞に合わせて美しく変化していく映像とともに、胸を熱くする演奏になった。
いよいよ終盤、「Titta Titta」はサイケデリックな味わいもある軽快なナンバーで、続いた「ALRIGHT」で更に空気が熱くなる。この曲から始まった再集結は約3年を経て届けられた新作『9999』で一つの区切りを迎えたと言っていいだろう。大歓声と拍手の中、ようやく吉井が話し始めた。
「どうもありがとう。ようやくザ・イエロー・モンキー19枚目のニューアルバム『9999』が完成しまして。発売前に先行試聴会ということで、会場に選ばれたのがこの日本武道館でした。19年待ってもらったファンに、こういう場所で一緒に聴いてもらいたい。だったら我々が皆さんの前で生で演奏するのが、一番いいんじゃないかということで。このような形になったんですけど、なかなかバシッとかっこよくいきませんね。でも、自分たちがこのアルバム1曲目から順番に並んで、とても感動したように、その気持ちをみんなに味わってもらいたくて。新しい曲はどうでしたか?」
この問いには言うまでもなく最大の拍手が送られ、それを受けて4人はそれぞれに会場のあちこちを見渡した。吉井が再び話し出す。
「メンバーを代表して、本当にどうもありがとう。これからアルバムを引っさげて全国ツアーが始まります。9が4つ並んで”フォーナイン”。一人一人の苦労が集まって、それを4つ並べて皆で乗り越えようと、タイトルをつけました。これからもミュージシャンとして、ひととして、まだまだ乗り越えなきゃいけないことが、たくさんあります。よかったら、生まれ変わったザ・イエロー・モンキー、一生懸命頑張りますので、皆さんよろしくお願いいたします」
深く頭を垂れ、4人は最後の「 I don’t know」を演奏した。苦難の中でも”情熱は忘れない”と歌うこの曲は、まさに今の4人の決意のようでもあった。演奏を終えステージを降りる彼らに、割れんばかりの拍手と歓声がいつまでも送られた。
”フォーナイン”とは金の純度を表す言葉でもあり、これ以上のものが純金とされる。照明と映像の他は何もない武道館のステージで見せつけたのは、まさに”フォーナイン”と呼ぶにふさわしい純度のTHE YELLOW MONKEYそのものだった。
【撮影:三吉ツカサ】
【取材・文:今井智子】
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リリース情報
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9999
2019年04月17日
ワーナーミュージックジャパン
2.天道虫
3.Love Homme
4.Stars (9999 Version)
5.Breaking The Hide
6.ロザーナ
7.Changes Far Away
8.砂の塔
9.Balloon Balloon
10.Horizon
11.Titta Titta
12.ALRIGHT
13.I don’t know
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お知らせ
THE YELLOW MONKEY
SUPER JAPAN TOUR 2019
04/27(土) 静岡 エコパアリーナ
04/28(日) 静岡 エコパアリーナ
05/11(土) 北海道 北海きたえーる
05/12(日) 北海道 北海きたえーる
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06/07(金) 大阪 大阪城ホール
06/08(土) 大阪 大阪城ホール
06/11(火) 神奈川 横浜アリーナ
06/12(水) 神奈川 横浜アリーナ
06/29(土) 秋田 秋田県立体育館
07/06(土) 埼玉 さいたまスーパーアリーナ
07/07(日) 埼玉 さいたまスーパーアリーナ
07/13(土) 福岡 マリンメッセ福岡
07/14(日) 福岡 マリンメッセ福岡
07/20(土) 広島 広島グリーンアリーナ
07/21(日) 広島 広島グリーンアリーナ
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08/04(日) 宮城 宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ
08/08(木) 東京 日本武道館
08/09(金) 東京 日本武道館
08/26(月) 兵庫 神戸ワールド記念ホール
08/27(火) 兵庫 神戸ワールド記念ホール
09/03(火) 徳島 アスティとくしま
09/14(土) 福島 あづま総合体育館
09/15(日) 福島 あづま総合体育館
09/21(土) 熊本 グランメッセ熊本
09/22(日) 熊本 グランメッセ熊本
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
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