ちゃんみな 自身初となる東阪ワンマンツアー『THE PRINCESS PROJECT 3』
ちゃんみな | 2019.04.22
幼少の頃よりアーティストになる夢を抱き、今では、唯一無二のトリリンガルラッパー&シンガーとして活躍中のちゃんみな。そんな彼女が、3月29日・Zepp Tokyoにて、自身初となる東阪ワンマンツアー『THE PRINCESS PROJECT 3』のファイナル公演を行った。
“バーレスク”の世界観をコンセプトに、<今夜のショーへようこそ>というオープニングムービーに導かれるように始まったこの日のライブ。最新シングル曲『I’m a pop』のイントロと共に、ステージにちゃんみなのシルエットが映し出され、艶めかしく体をくねらせながらソウルフルな歌声を響かせると、フロアからは大きな歓声が挙がった。そこへ、ゴールドの衣装に身を包んだ彼女が、ダンサーを引き連れて登場。階段状になっているステージの両端には、生バンドとホーンセクションがスタンバイし、ゴージャスなショータイムの幕開けを告げる。攻撃的なバンドサウンドに背中を預けながら、挑発的な視線、パワフルな声で観客を煽り続けた『MY NAME』。元恋人への複雑な恋心を描いた『CHOCOLATE』では、観客も巻き込んで一緒にダンス! 登場時には“勇ましいプリンセス”として圧倒的なオーラを放っていたちゃんみなだが、曲ごとに変わりゆくその姿に観客は翻弄されっぱなし。とくに、MCで「今夜はZepp Tokyoに来てくれて、みなさん本当にありがとう!どうぞよろしくね~!」と語りかける姿はなんとも素朴で可愛らしく、そのギャップがまた彼女のショーを魅力的に輝かせていた。
「楽しんでいきましょう。Are you ready!?」
再び、強気な叫びで観客の心に点火すると、自己紹介ソングとも言える『You can’t win me』でフロアを1つにしていく。会場全体がリズミカルに揺れるピンク(ペンライト)で埋め尽くされた光景から一転、吐息交じりの甘い歌声で歌い始めたのは、その名も『GREEN LIGHT』。グリーンのライトに照らされながら、焦らすように歌うちゃんみなから目が離せない。「みんな、歌えますか!?」と投げかけた『Doctor』では、観客も合いの手を入れるように「ニキニキ!」「ピチピチ!」「キラキラ!」と繰り返し、熱い一体感を生み出していた。
2月にリリースした最新シングル『I’m a pop』について「みんなとこういう風にお会いできる機会がワンマンくらいしかないので、実話を書いた歌で、最近こういうことがあったよっていうのを伝えてるつもりなんです」と語った後、いろいろな妄想が掻き立てられる中、披露されたのは、最新シングル収録のラブソング『Never』。男性ダンサーとの饒舌なペアダンスで、ドラマティックな恋模様を描いていく。男性ダンサーがちゃんみなを抱きかかえ、アクロバティックな絡みを繰り広げながら歌う場面では、一際大きな歓声が。だが、彼らの一挙一動を見逃さないように、じっとステージを見つめていた観客を残して、ちゃんみなは静かにステージを後にしたのだった。
シルバーのドレス風の衣装に着替えて再登場すると、本編中盤は、TeddyLoidとのコラボ曲『You Made Me』と『TO HATERS』を続け様に披露。耳をつんざくようなギター、重めのバンドサウンドが、彼女の芯の強さを強調したかと思えば、<世界一 Microphone が似合うプリンセス>というコールから繋いだ『PRINCESS』では、四つんばいにした男性ダンサーに腰掛ける過激なパフォーマンスで、新世代の強気なプリンセス像を見せつけた。『PRINCESS』の歌詞にもあるように、時に弱い一面をさらけ出しながらも、自分を奮い立たせるように歌い踊り、1つ1つ夢を掴み取ってきたちゃんみな。彼女が辿ってきた道を知る家族や恩師が見守る中、「失敗してもいい。間違っててもいい。ただ、自分が誰なのか? 誰なのかをわかっておくべきだと思う」というメッセージを込めた『WHO ARE YOU』が届けられた。ステージ上には大型の鏡が5枚用意され、ちゃんみなを追いかけるカメラが、本当の自分を探し求めるように、悲痛な表情で次々に鏡を覗き込んでいく彼女を大画面に映し出す。大サビでは鏡に四方を囲まれながら<わたしは誰だっけ>と問いかける演出もあり、その緊張感は思わず息を飲むほどだ。そして、張り詰めた空気を纏ったまま、「私の愛するみなさんへ。全ての夢を追いかける人々へ」と言い添え、幼少期から習っていたというピアノを自ら奏でながら『PAIN IS BEAUTY』を熱唱。「昔話をしようと思います」と歌い始めた『She’s Gone』では、荒れていた過去やそれでも守り抜いた音楽への強い想いを吐き出した。
本編後半は、レザーの衣装に変身し男性ダンサーとの生々しい絡みが観客の興奮を煽った『BEST BOY FRIEND』、ダンサー6人を従え、圧倒的な存在感を放っていた『FXXER』など、デビューアルバム『未成年』収録の人気曲でラストスパートをかける。となれば、タイトル曲『未成年』も欠かせない。「みんな、今から未成年に戻ってください!」と呼びかければ、フロアからは自然と頼もしい声が挙がり、その勢いに乗って『Sober』で畳みかけると、ラストの『LADY』では大合唱が湧き起こった。
なお、アンコールでは、“私の家族”と紹介したダンサー&バンドメンバーと、楽しげにじゃれ合いながら、『FRIEND ZONE』と『OVER』の2曲を披露。本編で歌い上げた楽曲も含めると、計20曲もの楽曲が“ちゃんみなの人生”を浮き彫りにした。「どの曲も私の私生活を書いている」と言っていた通り、そこには彼女の恋愛観、辛い過去、信念がストレートに綴られており、飾らない素直な言葉だからこそ、多くの共感を呼んでいるのだろう。その言葉の持つパワーは、MCでも変わらず。この日も、「私、今から暑苦しい人になるから」と前置きすると、ライブに招待していた小学校の恩師の言葉に背中を押されたから、アーティストになる夢を叶えられたこと。年齢に関わらず、夢を追うことは大切だということを力強く呼びかけた。そして、観客に“次のワンマンまで、自分の夢に少しでも近づくこと”を約束させると、「みんな、次会う時まで頑張ろうね! 約束だからね!」と笑顔を輝かせるちゃんみな。そこには、ファンとアーティストという関係を越えた、同志としての絆が確かに存在していた。
【取材・文:斉藤碧】
【撮影: Hiroyuki Dozono】
リリース情報
I’m a Pop
2019年02月27日
ワーナーミュージック・ジャパン
02. Never
03. Sober
04. Doctor (English Version)
お知らせ
FREEDOM beach 2019 in AOSHIMA
2019/7/20(土) [宮崎] 青島こどものくに
SUMMER SONIC 2019
2019/8/18(日) [沖縄] 桜坂CENTRAL
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。