ACE COLLECTION “FIRST ONE-MAN SHOW” 「HELLO,WORLD」
ACE COLLECTION | 2019.05.09
これが本当に初ワンマン・ライブなの!? 結成5周年とか10周年を祝う記念ライブじゃないの?と勘繰りたくなる堂々としたパフォーマンスだった。長年、ライブハウスでバンドを観続けてきた自分にとって、ある意味衝撃的な光景だったと言っても過言ではない。会場の規模、観客の動員、ACE COLLECTIONのパフォーマンスすべてにおいて。
バンド自体は17年12月9日に結成され、その日からYouTubeでカヴァー動画配信を行い続け、僅か半年でYouTubeのチャンネル登録者数は10万人を突破。現在は15万人を超える勢いで人気は加速の一途を辿っている。今年3月には1stデジタル・アルバム『December 9』を発表し、その晴れ舞台はなんとマイナビBLITZ赤坂である。しかもこの日は完全ソールド・アウトを果たし、フロアはギュウギュウの鮨詰め状態であった。
18時5分、SEが流れると、割れんばかりの歓声が響き渡り、生身のACE COLLECTIONに出会えるんだ、という興奮に場内は包まれる。ステージを覆う白幕にメンバーの影絵が映されると、観客のボルテージはより一層高まり、1曲目は「December 9」で幕開け。たつや◎(Vo/Gt)、LIKI(Gt)、奏(Ba)、RIKU(Dr)のメンバー4人が姿を見せると、早くも最高潮の盛り上がりを記録。「俺たちが地球上で一番楽しむからな!」と清々しく放つたつや◎の言葉には、この瞬間を全力で楽しもうとする貪欲さが滲み出ていた。LIKIの鋭いギター・ソロ、奏は両足を大きく広げて勇壮に弾き、RIKUのエネルギッシュのドラム・プレイも迫力十分である。
奏が体の周りでベースをグルグルと3回転させると、「LIFEメーカー」へ。躍動感溢れるサウンドで会場を引っ張り、ステージを観る限りではメンバー4人の振る舞いから緊張の"キ"の字も見当たらない。「早口だけど、知ってる人がいたら一緒に歌おう!」と呼びかけ、「鬱憤」を披露。キャッチーなサビの効力も手伝い、観客総出でジャンプする景色が一様に広がる。若さ漲るフレッシュな輝きを音に託しつつ、地に足の着いた牽引力に唸るばかり。
「ライブを我慢して、YouTubeをやり続けて・・・ようこそ1stワンマン・ショウへ!」(たつや◎)、「ライブができて嬉しいです。もっと嬉しいのは、この3人とステージに立てたことっす!」(LIKI)、「でーじなってる! 俺だけ沖縄(出身)で、"大変なことになってる"って意味。皆さん調子どうですか?」(奏)、「1年YouTubeをやって、我慢していたステージに戻れました。平成最後の最高の思い出作りをしましょう!」(RIKU)
メンバーそれぞれ万感の思いを述べると、改めて「さっきまで実感が沸かなかったけど、この景色は一生忘れない!」とたつや◎が付け加えた。
そして、アコギを用いた未発表曲「ホットシェルレイ」に繋げ、ミドルテンポの温かな曲調でもフロアを激しく揺らす。甘美なメロディを会場一杯に響き渡らせ、押し引きを兼ね備えたアプローチも冴え渡っていた。「新曲を持って来た!」と伝えると、さらに未発表曲が続く。アッパーに焚き付ける「Oh My God」、観客と一緒にタオル回しを披露した「Love you」とライブ映え抜群のナンバーを投下し、バンドのポテンシャルの高さを存分に見せつける。
次の「BLACK HOLE」ではベース~ドラム~ギターとリレー式にソロを披露し、個々のスキルの高さも遺憾なく発揮。続いて「Butterfly」、「FIRE」で観客との一体感を高めた後、「まっすぐな夢を追いかける俺たちみたいなガキんちょの歌」と説明すると、「BLUE」をプレイ。蒼い衝動をぶちまけた後、ここで彼らの名を一躍広めたあのマッシュ・アップ曲が放たれる。エド・シーランの「Shape of you」のトラックに乗せ、洋/邦の超ヒット曲をメドレー形式で聴かせる。観客も動画で予習済みなのだろう、天井知らずの凄まじい熱気を作り上げ、特に坂本九の「上を向いて歩こう」のパートにおいては特大のシンガロングが起きるほど。曲が終わると、「やっちゃった!」とたつや◎が照れ臭そうな表情を浮かべる様も印象的であった。
ライブも終盤に差し掛かり、メンバー4人はドラム台に静かに腰かける。すると、これまでの道のりを回想し、たつや◎は20歳まで一人で音楽をやろうと思っていたが、RIKUとの出会いをきっかけにバンドでイケると考えたそうだ。満員御礼の今日の景色や熱狂を目の当たりにして、この4人で歩き続けた道は間違っていなかったんだと、心から確信したのだろう。
ミラーボールが煌々と回る中、本編最後に「Lady」を披露。高揚感漲る曲調で多くの人から笑顔を引き出し、多幸感に満ちたフィナーレで締め括った。すかさずアンコールに応えると、数カ月後に出る未発表曲と称して「シンデレラ」をプレイ。蓋を開けてみると、幅広い音楽性を証明した『December 9』収録曲以外に新曲7曲をやる大盤振る舞い。それらの楽曲もこの先のACE COLLECTIONを期待させるクオリティの高いナンバーばかりであった。それからメンバーは一度ステージ袖に戻ると、影アナウンスで「あと1曲やりたい!」と宣言。再び今日の冒頭を飾った「December 9」が炸裂し、ファンを大いに喜ばせて終了。
YouTubeからライブハウスへ。そのギャップをもろともせず、メンバー4人の確かな演奏力とコミュニケーション・スキル、加えて、観る者を引き付けてやまない華のあるライブ・パフォーマンスを見事に実証。その現場力に新世代のパワーを感じずにはいられなかった。彼らは6月に初のワンマン・ツアーとして、大阪BIG CAT、Zepp DiverCity Tokyoと2公演を決行する。ようやく「本格始動」という言葉がぴったりの初ワンマンを経て、メンバー自身もバンドの「成長物語」をファンと共有できる喜びで胸がいっぱいになっていることだろう。その第一歩を刻む今日のライブには、眩しいばかりの、明るい未来しか詰まっていなかった。
【取材・文:荒金良介】
【撮影:鳥居 洋介】
【ツアー詳細】
-タイトル-
ACE COLLECTION Bright Tour 2019
-日程- 2019年6月4日(火)
会場:大阪BIGCAT
開場18:00 / 開演19:00
〒542-0086 大阪府大阪市中央区西心斎橋1-6-14 BIGSTEP
06-6258-5008
2019年6月6日(木)
会場:Zepp DiverCity Tokyo
開場18:00 / 開演19:00
〒135-0064 東京都江東区青海1丁目1-10
03-3527-5256
<お問い合わせ>
ハンズオン・エンタテインメント 03-6812-9539(平日11時-18時)
【チケット情報】
■受付期間:4/27(土)10:00~
楽天チケット:http://r-t.jp/acecollection
ぴあ:http://w.pia.jp/t/acecollection-ot/
ローチケ:https://l-tike.com/acecollection
e+:https://eplus.jp/acecollection/
リリース情報
December 9
2019年03月27日
ENS Entertainment
2.December 9
3.鬱憤
4.Lady
5.君と花したい
6.Butterfly
7.BLACK HOLE
8.LIFEメーカー
9.ROCK STAR
セットリスト
“FIRST ONE-MAN SHOW”
「HELLO,WORLD」
2019.4.29@マイナビ赤坂
- 1.December 9
- 2.LIFEメーカー
- 3.鬱憤
- 4.ホットシェルレイ
- 5.君と花したい
- 6.Oh My God
- 7.Love you
- 8.BLACK HOLE
- 9.Butterfly
- 10.FIRE
- 11.BLUE
- 12.マッシュアップ
- 13.ROCK STAR
- 14.拝啓、君は. . .
- 15.Lady 【ENCORE】
- EN-1.シンデレラ 【DOUBLE ENCORE】
- WEN-1.December 9
お知らせ
OSAKA METROCK 2019
05/18(土)METROCK 大阪特設会場
Bright Tour 2019
06/04(火)大阪BIGCAT
06/06(木)Zepp DiverCity Tokyo
カローラ福岡 Presents NUMBER SHOT 2019
07/20(土)海の中道海浜公園
SUMMER SONIC OSAKA 2019
08/16(金)舞洲SONIC PARK
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。