驚異の急成長ぶりを見せるAliA、初の全国ツアー『AliAliVe 2019』ファイナルは超満員!
AliA | 2019.05.30
ただ者じゃない、とは思っていた。ダイナミックな音楽性や卓抜したセンスと技量は言わずもがな、ピアノとバイオリンを擁したロックとクラシックのハイブリッドなその編成も、メンバー6人が6人、面白いまでにバラバラな音楽遍歴も、ともすれば一生交わることのなかっただろう個性と個性のぶつかり合いも、だからこそ生まれた尋常でない化学反応とその爆発力も、すべてが異彩を放っていることは彼らの1stミニアルバム『AliVe』にも明らかだ。なおかつ、それがバンドにとって初めての音楽作品であり、結成からわずか半年余りで世に送り出されたものだと知ればもう舌を巻くしかない。つくづくそう思わされたものだった。そんなAliAがリリースと相前後して初の全国対バンツアー『AliAliVe 2019』をスタート。そこから約3ヵ月に及ぶ旅を経て、ついに5月20日、ファイナルを迎えた。会場は東京・渋谷クラブクアトロ、しかも記念すべき初ワンマンライブだ。チケットは見事ソールドアウト、ぎゅう詰めの観客で文字通り立錐の余地もない光景に思わず快哉を叫んでしまった。渋谷eggmanから始まった今ツアー、この驚異の急成長ぶりはもはやただ者じゃないどころではないだろう。
まもなくの開演を知らせるアナウンスはなんとBOB(Dr)本人が担当。彼のキャラクターが滲み出たジョークたっぷりな語り口にオーディエンスも大喜び、粋な演出で空気がいっそう熱を帯びる。そうして暗転した場内、ドラマティックなオープニングSEとともにステージ上方に設えられた8つのLEDパネルに光の粒が立ちのぼるといよいよメンバーが姿を現わした。先んじてTKT(Key)が鳴らした流麗なピアノの音色にドン! とBOBのパワフルな一打が加わったのを合図に一斉に迸るバンドサウンド。SEIYA(Ba)のビートが低くうねり、EREN(Gt)の情熱的なギターが斬り込む中、RINA(Vi)の旋律が際立って華を添える。最後に登場したAYAME(Vo)が「ハイブリッドロックバンド、AliAと申します。よろしくお願いします!」と力強く第一声を放つや、1曲目「impulse」からクラブクアトロは熱狂の坩堝と化した。
「今日はソールドアウトということで全国を回って成長した姿を見せたいと思います! 誰ひとり置いていかない。僕らの音楽があなたの心に届くよう全力でいきます!」
力強く宣言したAYAMEの言葉を体現するがごとく、バンドはいっそうの勢いで2曲目「limit」に突入。AYAMEは髪が乱れるのも物ともせず、全身全霊で声の限りを尽くす。かと思えばギターソロではその端正な佇まいにそぐわぬほどのアグレッシヴなプレイを見せつけてフロアの興奮をさらに煽り立てるEREN。新曲「Discord」はエフェクトのかかったボーカルが印象的なヘヴィチューンで、彼らのまだまだ底知れない可能性をも予感させる1曲だ。曲の終盤、ショルダーキーボードを抱えてステージ前方へと躍り出たTKTの果敢さも実にいい。AYAMEの情感豊かな歌声にERENのアコースティックギターとTKTのピアノだけで冒頭を聴かせ、その後、たおやかなアンサンブルを響かせて聴く者の心を震わせた、これもまた新曲のミディアムバラード「letter」。続く「simple」ではSEIYAとERENが背中合わせで弾き合う場面や、「みんな、いくよ!」とAYAMEがマイクをフロアに向けて大合唱を巻き起こすなど見どころ満載なパフォーマンスとバリエーション豊富な楽曲でライブを縦横無尽に盛り上げていく。BOBのドラムソロを挟んで、なだれ込んだ「シルエット」ではオーディエンスのジャンプで床がたわむのではないかと心配になってしまったほどだ。
前述したようにAliAが世に送り出した音楽はまだミニアルバム1枚。つまり7曲のみであり、この日のBOBもMCで言っていたように「それでよくワンマンやろうと思ったなって話なんですけど」なわけだが、そこで状況に甘んじることなく新曲を5曲も用意してきたところにこのワンマンに懸ける彼らの意気とバンドとしての充実を感じずにはいられない。LEDパネルに加えて照明演出にレーザーも取り入れるなどライブハウスでは珍しい試みも“舞台全体でしっかりと世界観を作ったライブをやりたい”という決し当初からの彼らの強い意志が反映されたものだ。自身の表現に対する並ならない熱意、明確に理想を思い描ける力こそAliAをAliAたらしめているに違いない。どれほどバラバラであっても6人の中でそこだけが揺るぎなければ、どんな道でも進んでいける。そうした確信が彼らを結びつけているのではないだろうか。「impulse」のMV撮影のため、この1月にロサンゼルスを訪れたという彼ら。撮影だけでなく現地でライブをしたエピソードや旅先での喧嘩の話などに触れたあと、その経験を楽曲に昇華して作られたという新曲「slide sunset」には6人の間の特別な絆が綴られているようにも思える。そして後半戦は一気呵成。インスト曲「~impro~」を経てミニアルバムのタイトルナンバー「AliVe」でその本領を発揮、鬼気迫る歌と演奏でオーディエンスを最高潮に昂らせると、間髪入れず新曲「イドラ」の激情を畳み掛けて揺さぶる。横溢するディストーションに呑まれないRINAのバイオリンが闇に射す一条の光を連想させた。
「2月に始めたこのツアー、初日は今日の3列目ぐらいしか人がいなくて。あのとき私、(クアトロでワンマンは)無謀かもしれないって言いました。正直、こんなに来てくれると思わなかった。大丈夫かなって思ってたけど、全国を回って“AliAの音楽が好きだ”“待ってたよ”って言ってくれる子たちがいっぱいいて私たちの音楽でみんなで繋がれて、今日も出会えて」
本編ラスト1曲を残し、AYAMEは今日に至るまでの道のりを振り返りながら万感の想いを口にした。初日に今日のワンマン告知をしたときには確信なんてできなかった光景が今、6人の目の前に広がっている。
「“6人ならできる”って私、このツアーの最初に言ったんです。でも今は違う。私はここにいるみんな、AliAを応援してくれるみんながいると思ってます。だから、みんなのイヤなことを全部吹き飛ばせるような歌をまだまだこれからも歌っていきたい。AliAはここが最終地点ではありません。みんなでここから進んでいきましょう」
AYAMEの呼びかけに応えて詰めかけた800人が一緒になって大声で「かくれんぼ」を歌う。メンバー全員のコーラスと場内一体のハーモニー。“色付けていく ここから”と伸びやかに歌い上げるAYAMEの朗々とした歌声はAliA未来に掲げられた誓いであり希望だ。この日、重大発表として今秋には2作目のミニアルバムがリリースされること、それに伴い、台湾・香港を含む全国42ヵ所の2ndツアーが開催され、東名阪ではワンマン公演が行われることが告知された。ファイナルは東京・恵比寿リキッドルームで迎える。ここでまたAliAはさらにひと回りもふた回りもスケールアップするだろう。ただ者じゃない彼らの本格的な躍進の幕は今、上がったばかりだ。
まもなくの開演を知らせるアナウンスはなんとBOB(Dr)本人が担当。彼のキャラクターが滲み出たジョークたっぷりな語り口にオーディエンスも大喜び、粋な演出で空気がいっそう熱を帯びる。そうして暗転した場内、ドラマティックなオープニングSEとともにステージ上方に設えられた8つのLEDパネルに光の粒が立ちのぼるといよいよメンバーが姿を現わした。先んじてTKT(Key)が鳴らした流麗なピアノの音色にドン! とBOBのパワフルな一打が加わったのを合図に一斉に迸るバンドサウンド。SEIYA(Ba)のビートが低くうねり、EREN(Gt)の情熱的なギターが斬り込む中、RINA(Vi)の旋律が際立って華を添える。最後に登場したAYAME(Vo)が「ハイブリッドロックバンド、AliAと申します。よろしくお願いします!」と力強く第一声を放つや、1曲目「impulse」からクラブクアトロは熱狂の坩堝と化した。
「今日はソールドアウトということで全国を回って成長した姿を見せたいと思います! 誰ひとり置いていかない。僕らの音楽があなたの心に届くよう全力でいきます!」
力強く宣言したAYAMEの言葉を体現するがごとく、バンドはいっそうの勢いで2曲目「limit」に突入。AYAMEは髪が乱れるのも物ともせず、全身全霊で声の限りを尽くす。かと思えばギターソロではその端正な佇まいにそぐわぬほどのアグレッシヴなプレイを見せつけてフロアの興奮をさらに煽り立てるEREN。新曲「Discord」はエフェクトのかかったボーカルが印象的なヘヴィチューンで、彼らのまだまだ底知れない可能性をも予感させる1曲だ。曲の終盤、ショルダーキーボードを抱えてステージ前方へと躍り出たTKTの果敢さも実にいい。AYAMEの情感豊かな歌声にERENのアコースティックギターとTKTのピアノだけで冒頭を聴かせ、その後、たおやかなアンサンブルを響かせて聴く者の心を震わせた、これもまた新曲のミディアムバラード「letter」。続く「simple」ではSEIYAとERENが背中合わせで弾き合う場面や、「みんな、いくよ!」とAYAMEがマイクをフロアに向けて大合唱を巻き起こすなど見どころ満載なパフォーマンスとバリエーション豊富な楽曲でライブを縦横無尽に盛り上げていく。BOBのドラムソロを挟んで、なだれ込んだ「シルエット」ではオーディエンスのジャンプで床がたわむのではないかと心配になってしまったほどだ。
前述したようにAliAが世に送り出した音楽はまだミニアルバム1枚。つまり7曲のみであり、この日のBOBもMCで言っていたように「それでよくワンマンやろうと思ったなって話なんですけど」なわけだが、そこで状況に甘んじることなく新曲を5曲も用意してきたところにこのワンマンに懸ける彼らの意気とバンドとしての充実を感じずにはいられない。LEDパネルに加えて照明演出にレーザーも取り入れるなどライブハウスでは珍しい試みも“舞台全体でしっかりと世界観を作ったライブをやりたい”という決し当初からの彼らの強い意志が反映されたものだ。自身の表現に対する並ならない熱意、明確に理想を思い描ける力こそAliAをAliAたらしめているに違いない。どれほどバラバラであっても6人の中でそこだけが揺るぎなければ、どんな道でも進んでいける。そうした確信が彼らを結びつけているのではないだろうか。「impulse」のMV撮影のため、この1月にロサンゼルスを訪れたという彼ら。撮影だけでなく現地でライブをしたエピソードや旅先での喧嘩の話などに触れたあと、その経験を楽曲に昇華して作られたという新曲「slide sunset」には6人の間の特別な絆が綴られているようにも思える。そして後半戦は一気呵成。インスト曲「~impro~」を経てミニアルバムのタイトルナンバー「AliVe」でその本領を発揮、鬼気迫る歌と演奏でオーディエンスを最高潮に昂らせると、間髪入れず新曲「イドラ」の激情を畳み掛けて揺さぶる。横溢するディストーションに呑まれないRINAのバイオリンが闇に射す一条の光を連想させた。
「2月に始めたこのツアー、初日は今日の3列目ぐらいしか人がいなくて。あのとき私、(クアトロでワンマンは)無謀かもしれないって言いました。正直、こんなに来てくれると思わなかった。大丈夫かなって思ってたけど、全国を回って“AliAの音楽が好きだ”“待ってたよ”って言ってくれる子たちがいっぱいいて私たちの音楽でみんなで繋がれて、今日も出会えて」
本編ラスト1曲を残し、AYAMEは今日に至るまでの道のりを振り返りながら万感の想いを口にした。初日に今日のワンマン告知をしたときには確信なんてできなかった光景が今、6人の目の前に広がっている。
「“6人ならできる”って私、このツアーの最初に言ったんです。でも今は違う。私はここにいるみんな、AliAを応援してくれるみんながいると思ってます。だから、みんなのイヤなことを全部吹き飛ばせるような歌をまだまだこれからも歌っていきたい。AliAはここが最終地点ではありません。みんなでここから進んでいきましょう」
AYAMEの呼びかけに応えて詰めかけた800人が一緒になって大声で「かくれんぼ」を歌う。メンバー全員のコーラスと場内一体のハーモニー。“色付けていく ここから”と伸びやかに歌い上げるAYAMEの朗々とした歌声はAliA未来に掲げられた誓いであり希望だ。この日、重大発表として今秋には2作目のミニアルバムがリリースされること、それに伴い、台湾・香港を含む全国42ヵ所の2ndツアーが開催され、東名阪ではワンマン公演が行われることが告知された。ファイナルは東京・恵比寿リキッドルームで迎える。ここでまたAliAはさらにひと回りもふた回りもスケールアップするだろう。ただ者じゃない彼らの本格的な躍進の幕は今、上がったばかりだ。
【撮影:@cazrowAoki】
【取材・文:本間夕子】
リリース情報
AliVe
2019年02月20日
SLIDE SUNSET
1. impulse
2. limit
3. シルエット
4. simple
5. 声
6. かくれんぼ
7. AliVe
2. limit
3. シルエット
4. simple
5. 声
6. かくれんぼ
7. AliVe
セットリスト
AliAliVe 2019
2019.5.20@渋谷CLUB QUATTRO
- 01.Impulse
- 02.limit
- 03.Discord
- 04.letter
- 05.simple
- 06.シルエット
- 07.slide sunset
- 08.声
- 09.~impro~
- 10.AliVe
- 11.イドラ
- 12.かくれんぼ
- 01.fanfare
お知らせ
■ライブ情報
AliAliVe 2019 -realize-
8/9(金) 台湾 The WALL
8/11(日) 香港 E-Max
9/21(土) 東京 渋谷CYCLONE
9/27(金) 千葉 柏PALOOZA
9/28(土) 栃木 HEAVEN`S ROCK Utsunomiya2/3
10/1(火) 徳島 club GRINDHOUSE
10/2(水) 高知 X-pt.
10/3(木) 愛媛 松山サロンキティ
10/6(日) 福岡 Queblick
10/7(月) 熊本 DRUM Be-9 V2
10/8(火) 鹿児島 SR-HALL
10/11(金) 神奈川 F.A.D YOKOHAMA
10/13(日) 埼玉 HEAVEN`S ROCK さいたま新都心
10/14(月) 千葉 LIVE HOUSE ANGA
10/18(金) 兵庫 VARIT
10/19(土) 広島 Cave-Be
10/20(日) 岡山 LIVEHOUSE IMAGE
10/22(火) 山口 LIVE rise SHUNAN
10/23(水) 島根 松江AZTiC canova
10/24(木) 鳥取 米子AZTiC laughs
10/26(土) 三重 CLUB ROOTS
10/27(日) 岐阜 柳ヶ瀬Ants
10/29(火) 京都 KYOTO MUSE
11/3(日) 宮城 仙台spaceZero
11/4(月) 岩手 The five morioka
11/5(火) 福島 KORIYAMA CLUB#9
11/7(木) 新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
11/8(金) 石川 金沢vanvanV4
11/9(土) 滋賀 滋賀U-STONE
11/10(日) 静岡 浜松FORCE
11/17(日) 山梨 甲府CONVICTION
11/22(金) 香川 高松TOONICE
11/23(土) 愛知 名古屋 RAD HALL
11/24(日) 奈良 奈良NEVERLAND
11/26(火) 長野 NAGANO CLUB JUNK BOX
11/27(水) 茨城 mito LIGHT HOUSE
11/29(金) 北海道 帯広 Rest
11/30(土) 北海道 札幌COLONY
12/1(日) 北海道 旭川CASINO DRIVE
12/6(金) 愛知 club KNOT
12/7(土) 大阪 アメリカ村DROP
12/18(水) 東京 恵比寿LIQUIDROOM
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。
AliAliVe 2019 -realize-
8/9(金) 台湾 The WALL
8/11(日) 香港 E-Max
9/21(土) 東京 渋谷CYCLONE
9/27(金) 千葉 柏PALOOZA
9/28(土) 栃木 HEAVEN`S ROCK Utsunomiya2/3
10/1(火) 徳島 club GRINDHOUSE
10/2(水) 高知 X-pt.
10/3(木) 愛媛 松山サロンキティ
10/6(日) 福岡 Queblick
10/7(月) 熊本 DRUM Be-9 V2
10/8(火) 鹿児島 SR-HALL
10/11(金) 神奈川 F.A.D YOKOHAMA
10/13(日) 埼玉 HEAVEN`S ROCK さいたま新都心
10/14(月) 千葉 LIVE HOUSE ANGA
10/18(金) 兵庫 VARIT
10/19(土) 広島 Cave-Be
10/20(日) 岡山 LIVEHOUSE IMAGE
10/22(火) 山口 LIVE rise SHUNAN
10/23(水) 島根 松江AZTiC canova
10/24(木) 鳥取 米子AZTiC laughs
10/26(土) 三重 CLUB ROOTS
10/27(日) 岐阜 柳ヶ瀬Ants
10/29(火) 京都 KYOTO MUSE
11/3(日) 宮城 仙台spaceZero
11/4(月) 岩手 The five morioka
11/5(火) 福島 KORIYAMA CLUB#9
11/7(木) 新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
11/8(金) 石川 金沢vanvanV4
11/9(土) 滋賀 滋賀U-STONE
11/10(日) 静岡 浜松FORCE
11/17(日) 山梨 甲府CONVICTION
11/22(金) 香川 高松TOONICE
11/23(土) 愛知 名古屋 RAD HALL
11/24(日) 奈良 奈良NEVERLAND
11/26(火) 長野 NAGANO CLUB JUNK BOX
11/27(水) 茨城 mito LIGHT HOUSE
11/29(金) 北海道 帯広 Rest
11/30(土) 北海道 札幌COLONY
12/1(日) 北海道 旭川CASINO DRIVE
12/6(金) 愛知 club KNOT
12/7(土) 大阪 アメリカ村DROP
12/18(水) 東京 恵比寿LIQUIDROOM
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。