FTISLAND「2019 FTISLAND JAPAN ENCORE LIVE -ARIGATO-」ファイナル公演
FTISLAND | 2019.09.10
「いよいよ今日がきました。みんな本当に“この日が来るの?”って感じ」(ホンギ/Vo)
韓国のロックバンド・FTISLANDが、13本の公演すべてソールドアウトとなった全国ツアー<FTISLAND JAPAN LIVE TOUR 2019-FIVE TREASURES->のアンコール公演として<2019 FTISLAND JAPAN ENCORE LIVE-ARIGATO->を開催。その最終日となる9月1日、FTは千葉県・幕張メッセ幕張イベントホールのステージに立っていた。冒頭に書いたのは、このツアーの真っ只中に正式な入隊日が決まったボーカルのホンギが、ライブ初っ端にはなった言葉だ。そこには、この日がツアーの最終日であるという意味に加え、ホンギ入隊前のFTISLANDとしてのラストステージという意味が込められていた。そんな、特別なステージでもFTはとことん“俺ら式”を貫いてみせた。
会場が暗転し、ジェジン(Ba)、スンヒョン(Gt)、ミンファン(Dr)に続いてホンギが現れ「いこうか!」と合図を出し、ライブは「God Bless You 」で勢いよく幕開け。オープニングから全力疾走モードで飛ばしまくるFTに対し、オーディエンスは客席一面に広がるイエローライトを振って応戦。これでしばらく4人のステージが観られなくなるのは事実。だが、場内はそんな悲壮感よりも、この瞬間に全身全霊でパワーを注ぎ尽くすんだという物凄いテンション感が充満。そのなかでライブは進んでいく。「分かってんのか?シンギング!」といって始まったのは久々の「Boom Boom Boom」。昔これを“ボンキュボボーン”と替え歌で歌っていたのも懐かしい思い出だ。この日は完売公演だったため、急遽ステージサイド席を解放して追加チケットも販売していた。それも即完したことに触れて、ホンギが「俺ら、まだイケてるな」とおどけてみせる。今回のツアーは前回とテーマは同じ。だが、蓋を開けてみれば曲は半分以上入れ替えてあり、新曲やライブ初披露曲までもが用意されていた。「次はジェジンとセクシーな気持ちで作った曲を」と説明したホンギが、胸が大きくはだけた衣装を着たジェジンを見て「だから今日胸の毛を抜いてたんだ!」と昔と変わらないネタでジェジンいじりを始めると、その言葉をきっかけに「それは昨日」と真面目にジェジンが訂正。横からスンヒョンが「じゃあその毛をプレゼントします!」というと、客席から「欲しい!」と叫ぶ悲鳴が上がり、すかさず「キモいわ」とホンギがツッコミを入れる。台本もなくこんなやんちゃでユーモア満載のノリツッコミを日本語でやれてしまうFT。そんないつもと変わらないトークに、客席が軽やかに沸き返っていく。そうして最新アルバム『EVERLASTING』収録曲の「IF U WANT」をセクシーな雰囲気で初披露。そのままグルーヴィーな「TOP SECRET」へ展開すると、ステージ前方では炎が扇型になって吹き上がり、会場が沸騰。いまは歌詞が刺さりすぎる「シアワセオリー」で胸がぎゅっと締め付けられながらも、そのあと「AQUA」が始まると、観客はすぐさま一丸となって大迫力のシンガロングを場内に轟かせる。観客たちの歌声も、いまではFTのライブパフォーマンスに欠かせない大事な要素になった。このあとは「ソリジロダー!」とホンギが客席を韓国語で煽り、バンド屈指のハードなロックチューン「Take Me Now」、「PRAY」を韓国語でシャウト。アイドルバンドとしてデビューしながらも、いまや韓国でこんなロックなバンドサウンドをチャートインさせられる若手バンドはFTしかいない。それを自国に知らしめる転機となったこの2曲を、ミンファンのど迫力のドラミングにのせ、ジェジンはローポジションにベースを構えてブリブリと低音を響かせ、それにユニゾンするようにスンヒョンが足を広げてワイルドなギターリフを刻むなか、ホンギがヘドヴァンしながらカリスマオーラを纏い、発狂寸前のエモーショナルなテンションで歌を放つと、場内は爆発的な熱狂に包まれる。FTが築き上げた強靭なロックスピリットに会場中が魅了され、熱くなった瞬間だ。
続いては、季節をテーマに既存曲を披露するコーナーへ。前回と同じテーマだが「同じだとみんなが拗ねると思って別の曲を用意しました」とホンギ。だが、話しているうちに話題が「最近の僕の趣味」話になぜか脱線。最近はバナナ、イチゴ、ヨーグルト、ローファットミルクでドリンクを自作するのが趣味だというホンギ。この日はドリンクを作ったあと“ホンちゃん”の着ぐるみをかぶってロビーに登場。「知らなかった?あれかぶってたの俺!3時からいたんだよ」と自慢しながら、その姿でお客さんに自作ドリンクを振る舞ったことを伝えると、場内は半狂乱状態に。音楽もやって役者もこなし、間違いなくその存在はスター。なのに、こんなFREEDOMな行動で常にみんなを驚かしてきたホンギ。10代の多感な時期に出会ったメンバーさえも、ホンギのFREEDOMさに初めて触れたときは「宇宙人かと思った」と振り返る。それがいまやFTのバンドカラーにもなっているのだから、本当にすごい存在だ。そうしてステージでは「Primavera」、「Let it go!」に続けてインディーズからの懐かしのナンバー「So today…」、「I believe myself」、「Winter’s Night」をアップテンポにアレンジして、メドレーで次々と披露していった。次は初期のFTから現在のFTへとひとっとびして、「Golden」、「Hold the moon」を続けてパフォーマンス。ここでは演奏前に「Golden」は「もっと素敵な人になるように」という気持ちで、「Hold the moon」は「歌ってると幸せで宇宙にいる感じの曲」とホンギにしては珍しく親切丁寧に曲を解説。そんな自分に「今日の俺、真面目」と自らつっこんでファンの笑いを誘っていた。
ライブも終盤に差し掛かったとき「あぁあ、今日で最後か」と、ホンギからは本音がポロリ。「でも永遠の最後じゃないから」とすぐに続け、まず軍隊に行ったらFTの曲を聴かせて、仲良くなった男友達をメンバー各々100人づつライブに誘うという目的ができたことを面白おかしく伝える。さらに、ファンに対しては待っている間寂しくないように様々なプレゼントを用意したことを公表。その中から、まずは来年迎える日本メジャーデビュー10周年を記念して作ったという新曲「Sunrise Yellow」を早速プレゼント。自分たちのバンドカラーをタイトルに歌い込んだこの曲は「今後(ライブにおいて)「FREEDOM」みたいな1曲になります」とホンギがいっていたように、胸躍らせる高揚感に満ちたポップチューンで、この日のライブ映像がPVになることも伝えられた。そこからの終盤戦はテッパン曲を連打。本編ラストに歌った日本デビュー曲「Flower Rock」まで貫禄のステージを見せつけた。
ここまで誰も泣かない、泣かせない。涙よりもライブを楽しませることに徹底した本編。
FTISLANDコールに呼ばれ、ステージに再び集結した4人。ホンギは「今年は俺らにとって大変なこともあったし、いいこともあった」と振り返りながら「でも、なにがあっても、俺らは“俺ら式”でいくしかねぇーんだ。みんなも俺らにそうして欲しいでしょ?だから、俺は俺の声を守って、メンバーは楽器を忘れない、みんなは俺らを忘れないこと。それを約束しよう。いいか?」とファンに問いかけると、場内からは大きな拍手が沸き起こった。そうして、待ってる間は「後輩バンドN.Flyingのライブに遊びに行ってもいい」と許可を出しながらも「でも、好きになっちゃダメ!」と釘をさすことも忘れなかった彼ら。その後は9月9日に韓国で発売するミニアルバム『ZAPPING』から、<俺らは俺ら式でお互い自分自身を忘れず自分の道を進もう>ということを歌い込んだという「Don’t lose yourself」をパフォーマンス。韓国のライブでファンに歌ってもらったコーラスパートを日本のファンにも歌って欲しかったというホンギのリクエストに応えて、観客たちは見事な大合唱をステージに届けた。その声を聴いたホンギは、優しい表情を浮かべ「ありがとう。やっぱみんな歌上手いわ。忘れないでね。俺らの曲」とファンに語りかけた。そうして、「俺らは年をとりながらバンドをやるのが夢。男って30、40代がカッコいいと思ってて。バンドもそう。俺らは30、40代が一番楽しみ」と再び4人が揃ってFTとして再始動したときのことについて期待感たっぷりに語ったあと、「じゃあもっと若くなって帰ってくるわ! 10年間ありがとうございました。行ってきます」と凛々しい表情で挨拶。そこから「アリガト」という展開に胸が熱くなり、ここではそれまで我慢していた涙を流すファンが続出。すると、まだ演奏が終わらないうちから「おい、泣くなよ」、「たまにSNSに俺の坊主の写真送るから待っとけ!」、「俺、坊主もカッコいいぞ」といって最後までおどけてみんなを笑顔にしようとするホンギ。その熱い想いに再び胸が熱くなり、涙はいつしか寂しい涙ではなく幸せな気持ちに満たされた涙へと変わっていった。演奏が終わり、4人が中央に集まると再びアンコールを求める声があがり、「みんなが笑顔になるためにこの曲やるわ」とホンギが言い「Stay what you are」を最後に全力でプレイ。4人揃ってお辞儀をしたあと、ホンギは1人ステージを移動しながら客席に向かって何度も深々と頭を下げ、手を振って舞台を後にした。「2階も3階も、10階もありがとうございまーす」と叫び、去り際まで笑わせてくれたスンヒョン。1人残ったジェジンが言葉をつまらせながら「(ホンギのマイクを握って)このマイク、臭いですね」と懸命に冗談を言ってファンを笑わせる姿にも胸が熱くなり、そのあといつものノーマイクスタイルで「ありがとー」を届け、FTのライブはついに終了してしまった。
ライブを終え、改めてメンバー全員が泣かない、ファンも泣かせない。それをFT式のやり方として貫き通してくれたライブだったと気付かされた。FTを日本で観られるのはこれが最後、それでもライブを終わった観客たちの心のなかは、きっと笑顔で送り出せたという晴れやかな気持ちで満たされていたに違いない。
来年で日本デビュー10周年を迎えるFTが用意してくれたプレゼント攻撃。まずは、10月9日にジェジンがミニアルバム『scene.27』でソロデビューし、東名阪で<LEE JEA JIN(from FTISLAND)1st Solo Mini Live Tour”Love Like The Films“>を開催。続けて12月にはホンギ以外のメンバーがFTISLANDとして<2019 FNC KINGDOM-WINTER FOREST CAMP->に出演。そして2020年、残りのメンバーが入隊した後も様々なプレゼントでファンを楽しませていく予定だ。再び4人がFTISLANDとして活動しだすその日まで、約束通り彼らのことを、彼らの音楽を忘れず、笑顔でカムバックを待っていたいと思う。
【撮影:田中聖太郎/ヤマダマサヒロ】
リリース情報
EVERLASTING
2019年03月27日
ワーナーミュージック・ジャパン
02 Remember
03 IF U WANT
04 Pretty Girl
05 Fire
06 Story of glory
07 Sight of ring
08 SWITCH
09 I’m coming home
10 YOU&ME
セットリスト
2019 FTISLAND JAPAN ENCORE LIVE -ARIGATO-
2019.9.1@幕張メッセ 幕張イベントホール
- 01.God Bless You
- 02.BEAT IT
- 03.Boom Boom Boom
- 04.IF U WANT
- 05.TOP SECRET
- 06.シアワセオリー
- 07.AQUA
- 08.Take Me Now
- 09.PRAY
- 10.Primavera
- 11.Let it go!
- 12.So today...
- 13.I believe myself
- 14.Winter’s Night
- 15.Golden
- 16.Hold the moon
- 17.Sunrise Yellow(新曲)
- 18.FREEDOM
- 19.PUPPY
- 19.未体験Future
- 20.Flower Rock
- 01.Don’t lose yourself
- 02.アリガト
- 03.Stay what you are
お知らせ
LEE JAE JIN (from FTISLAND)
1st Solo Mini Live Tour
-Love Like The Films-
≪公演会場・日時≫
【東京】中野サンプラザホール
2019年10月23日(水)
昼公演 14:15開場 15:00開演
夜公演 18:15開場 19:00開演
【愛知】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2019年10月29日(火)
昼公演 14:00開場 15:00開演
夜公演 18:00開場 19:00開演
【大阪】NHK大阪ホール
2019年 10月30日(水)
昼公演 14:00開場 15:00開演
夜公演 18:00開場 19:00開演
≪席種・料金≫
全席指定:9,500円(税込)
詳細は公式HPをご確認ください▼
https://ftisland-official.jp/
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2019 FNC KINGDOM
-WINTER FOREST CAMP-
出演:FNC ENTERTAINMENT 所属アーティスト
≪公演会場≫
幕張メッセ 国際展示場 9-10Hall
※イベントに関する会場へのお問い合わせはご遠慮ください。
≪公演日時≫
2019年12月21日(土) 15:00 開場 16:00開演
2019年12月22日(日) 15:00 開場 16:00開演
≪席種・料金≫
KINGDOM席: 20,000円(税込)
一般指定席: 12,000円(税込)
※ FNC KINGDOM オリジナルペンライト付
※3歳未満入場不可 3歳以上有料
各ファンクラブ先行の他、地方からのオフィシャルツアー、FNCオフィシャル先行受付も実施中!
今回も豪華3大特典をご用意いたしました。お早目のお申込みで、さらに楽しいFNC KINGDOMの想い出を作れること間違いなし!
2019年のラストをFNCアーティストと一緒に過ごしましょう!
みなさんのお越しを心よりお待ちしております。
詳細は公式HPをご確認ください▼
https://www.fnckingdom.jp/
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。