吉澤嘉代子「すごく大切な、帰ってくる場所」、地元でのスペシャルライブ「デビュー5周年記念 吉澤嘉代子のザ・ベストテン」
吉澤嘉代子 | 2019.12.09
今年デビュー5周年を迎えた吉澤嘉代子が、彼女の地元である埼玉県川口市にある川口総合文化センター・リリア メインホールでスペシャルライブを行った。タイトルは「デビュー5周年記念 吉澤嘉代子のザ・ベストテン」。彼女のステージは毎回明確なテーマやコンセプトで作り上げられるが、今回は「地元」、「5周年」、「ザ・ベストテン」……そそられるキーワードが満載だ。
川口駅の目の前にある川口総合文化センター・リリア。ロビーに足を踏み入れると、この公演のために作られたオリジナルグッズ(本人がデザインや写真などを手掛けたもの多数)やミツカルストア&I AM Iとコラボした魔女修行アイテム(黒いワンピースやほうきのブローチなど)を買い求める長蛇の列だ。加えて今回は歴代の衣装も展示されているということで、撮影のための順番待ちもすごいことに。“ようこそ”の気持ちがこもった最初のおもてなしは、大盛況となっていた。
次なるおもてなしは、サプライズの形でやってきた。開演前の諸注意を告げるアナウンスが聞こえてきたのだが、喋っていたのはなんと、吉澤家の両親と祖父母! ちなみに父は「一角獣」、母は「ミューズ」、おじいちゃんは「地獄タクシー」、おばあちゃんは「ケケケ」が好きだというミニ情報まで披露され、まさかの展開に会場は大爆笑となっていた。
そんな興奮が覚める間も無く迎えた開演時間。突然、スクリーンに「吉澤嘉代子のザ・ベストテン」という煌びやかなロゴが映し出された。音楽も照明も、まさに昭和を代表するあの歌番組のオープニングそのものの幕開けだ。ステージには、バンマスのゴンドウトモヒコ(Horn,Sequence)、伊澤一葉(Keyboard)、弓木英梨乃(Guitar)、ハマ・オカモト(Bass / OKAMOTO’S)、張替智広(Drums / キンモクセイ、HALIFANIE)がスタンバイしているが、肝心の吉澤の姿が見えない。進行役である犬のウィンディが中継先を呼んでみると、川口駅前で居酒屋「たぬき」の名物串カツを頬張る吉澤が! ウィンディが「え!? もうコンサート始まっちゃってるよ!」と促すが、「ここでよくストリートライブをやってたから、歌っちゃおうかなと思って」と、1曲目「未成年の主張」を弾き語りで歌い出した。途中からは当時の歌番組の中継でよく見かけたスタジオへの駆け込み映像となり、サイン責めにあったり、ぶつかった拍子にリンゴが転がったり、ゾンビをやっつけたり、ラグビーボールを持って走ったりという謎にベタな展開で会場へ向かい、最終的には衣装に着替えた吉澤が客席の扉から勢いよく登場するという見事な演出。客席の皆さんとハイタッチをしながら無事ステージに到着、1曲目を歌い切った。
「今日は私が生まれ育った街、川口のリリアまで来てくださってありがとうございます。10年くらい前ストリートライブをやっていた時、自分で<川口の最終兵器>というキャッチコピーを付けていました(笑)。若い芽を摘んで、自分の代で終わらせようという強い意志を感じるキャッチコピーでしたが(笑)、そんな川口の最終兵器になれてるかな!?」
地元ならではのMCで笑わせつつ、「今日は5年間を振り返って、しみじみと噛み締めながら、ゆっくり曲をお届けしたいと思います」と吉澤。この日のライブは事前に寄せられたリクエスト曲がベースになっていて、前半は「綺麗」や「手品」、そして食べ物のタイトルがついた楽曲による「たべものメドレー」(サングラス姿の「ブルーベリーシガレット」や、ねじり鉢巻の「ガリ」で、それぞれ現物を客席にばら撒くというおなじみの展開が楽しめる6曲)など、お客さんを巻き込みながら楽しめるナンバーが披露された。中盤は「えらばれし子供たちの密話」や「地獄タクシー」といったストーリー性の高い楽曲をパフォーマンス。キラキラしたステージのセットや足元に立ち込めるスモークなど、視覚的にもワクワクするような演出が楽曲の世界観を引き立てていた。
またこの日は、吉澤と親交の深いアーティストも中継という形でスクリーンに登場。岡崎体育は「よるの向日葵」、阿部真央は「残ってる」、サンボマスターは「ものがたりは今日はじまるの」、吉岡里帆は「ミューズ」をリクエストし、それに応える形で曲が演奏されていった。ハマ・オカモトと張替が作り上げる絶妙なグルーヴ。音そのものが言葉のような表現力を持った伊澤の鍵盤と弓木のギター。「残ってる」以降ほとんどの楽曲で使用されていたゴンドウの奏でるユーフォニアム。中盤から後半にかけて披露された楽曲は特に、それらすべての音を纏って呼吸する吉澤の歌声が圧巻だった。5年間のベストともいうべきラインナップで進んできた本編は「movie」、「泣き虫ジュゴン」と続き、最後に演奏されたのは記念すべき1stアルバム『箒星図鑑』の1曲目に収録されている「ストッキング」。こんなにも大きな地元のホールで笑顔を輝かせ、全身で喜びを表現するようにアコギを鳴らしている姿を見ながら、そこにいた多くの人がきっと胸を熱くしていたはずだ。
アンコールではスクリーンにバカリズムが登場し、テレビドラマ『架空OL日記』の主題歌「月曜日戦争」をリクエスト。来年公開の劇場版でも主題歌としての続投が決定ということで、吉澤も「楽しみ! ぜひ劇場でも聴いてもらいたいです!」とコメントしていた。また、今日は会場まで父親に車で送ってもらったらしく「毎日毎日見てきたこの風景を眺めながら、寂しいような愛おしいような気持ちになった」とMCを続け、「ずっと外に出ていなかった期間があったから生まれ育った場所は怖くもあったけど、今はすごく大切な、帰ってくる場所にやっとなりました。」と地元への思いを吐露。アンコールの最後は、そんな川口(埼玉)と東京を繋ぐ新荒川大橋を渡りながら感じたことがベースになっているという「一角獣」が披露されたのだが、「無性に誰かに会いたいけど、誰という顔が浮かばない。私が恋焦がれてずっと会いたいと思っているのは、未来の自分なんだなと思ったんです」と、もう一度自分の心を確かめるように語っていたのが印象的だった。
この日素晴らしい演奏を披露してくれたメンバーを見送ると、「ここで最後に、皆さんへ特別なお知らせがあります。私、吉澤嘉代子は結婚……じゃないよ(笑)!」と会場を沸かせつつ、「私、吉澤嘉代子は、17歳の時にあるバンドを見て、この舞台の向こうに行きたいと思って、音楽を仕事にしようと決意しました。その場所が、東京・日比谷野外音楽堂だったんですが、来年5月5日、ワンマンライブが決まりました!」と報告。万雷の拍手の中、「ここ、故郷川口に来てくれた皆さんに最初にお知らせすることができて本当に嬉しいです! 絶対来てくれよな(笑)!」とこの日一番の笑顔を輝かせながらステージを後にした。
なお、オフィシャルファンクラブ「ほうきの会」限定で生配信されていた本公演は、12月6日からアーカイブ配信されることも決定している。
【撮影:Tetsuya Yamakawa】
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「吉澤嘉代子のザ・ベストテン」
12月6日からライブ映像の配信を実施!
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11月30日川口リリアメインホールで行われた「吉澤嘉代子のザ・ベストテン」の、ライブ全編の動画配信が決定しました!
当日会場に行けなかった方、当日のライブを改めて楽しみたい方も5周年記念のスペシャルなライブをじっくりとお楽しみください!
【配信日時】
2019年12月6日(金)~12月31日まで
※「ほうきの会」有料会員様限定の配信です。
※演出の都合上、一部配信されない箇所がございます。
【視聴方法】
12月6日(時間未定)より、サイトTOPに掲載されるバナーから専用ページへアクセスいただけます。
ログインの上、お楽しみください!
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吉澤嘉代子オフィシャルファンクラブ「ほうきの会」
ご入会いただくと、チケット最速先行はもちろん、ウェブラジオやカレンダーアプリなどオリジナルコンテンツをお楽しみいただけます。
■URL
https://sp.yoshizawakayoko.com/feature/about_member
月額400円(税抜)
リリース情報
女優姉妹
2018年11月07日
e-stretch RECORDS
02.月曜日戦争
03.怪盗メタモルフォーゼ
04.女優
05.ミューズ
06.洋梨
07.恥ずかしい(新録)
08.よるの向日葵
09.残ってる
10.最終回
セットリスト
デビュー5周年記念
吉澤嘉代子のザ・ベストテン
2019.11.30@川口総合文化センター・リリア メインホール
- 01.未成年の主張(川口駅前より中継)
- 02.らりるれりん
- 03.綺麗
- 04.手品
- 05.たべものメドレー(洋梨feat.弓木英梨乃~アボカド~ブルーベリーシガレット~麻婆~ガリ)
- 06.ユートピア
- 07.えらばれし子供たちの密話
- 08.地獄タクシー
- 09.よるの向日葵
- 10.残ってる
- 11.がらんどう
- 12.ものがたりは今日はじまるの
- 13.ミューズ
- 14.movie
- 15.泣き虫ジュゴン
- 16.ストッキング
- 01.月曜日戦争
- 02.一角獣
お知らせ
港町ポリフォニー2019 EXTRA
2019/12/22(日) 湊川神社 神能殿
愛印 presents 感謝 2019
2019/12/27(金) 代官山 晴れたら空に豆まいて
CIRCLE ’20
2020/05/16(土),17(日) 福岡・海の中道海浜公園 野外劇場
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。