コラボあり! 空中浮遊あり!? 「でんぱ組.inc 幕張ジャンボリーコンサート DEMPARTY 幕張式フルコース ~ア・ラ・でんぱ~」
でんぱ組.inc | 2019.12.18
千葉・幕張メッセ国際展示場2・3ホールで行われた『でんぱ組.inc 幕張ジャンボリーコンサート』の2日目。「電波大宴会 幕張懐石 ~でんぱを添えて~」というサブタイトルが掲げられていた前日は、和をイメージした内容だったが、今日の「DEMPARTY 幕張式フルコース ~ア・ラ・でんぱ~」は、どのようなものとなるのか? 「洋風の内容となる」という旨は事前にアナウンスされていたものの、具体的にはなかなか想像できないまま会場内に入ると、出迎えてくれたのは優雅な室内楽のBGM。スタイリッシュなムードが漂う中、開演を待ちわびていた観客たちは、ステージを見つめながら期待に胸を膨らませていた。
オープニングムービーが流れた後、切って落とされた紗幕の向こう側でスタンバイしていた古川未鈴、相沢梨紗、成瀬瑛美、藤咲彩音、鹿目凛、根本凪。曲のイントロがスタートすると同時に、ポーズをとっていた6人が一斉に動き始める瞬間は、でんぱ組.incのかっこよさを、いつもストレートに体感させてくれる。オープニングナンバー「でんぱーりーナイト」は、まぶしいくらいキラキラ輝きながら我々に向かって勢いよく迫ってきた。
「Dear☆Stageへようこそ♡」「破!to the Future」「Future Diver」……強力極まりない曲が一気に連発されて、早くもすさまじい熱気が客席を包み始めたところで迎えた最初の小休止。順番に自己紹介をしたメンバーたちのテンションも高い。「Tシャツが破けるくらい楽しんでこうな!」という藤咲の言葉に応えて、観客の間から熱い歓声が上がっていた。そして、相沢の「もっと最高を更新していくために、フルコースを持って来ちゃいました」という言葉の後、6人の「たーんと召し上がれ」という声が響き渡って「ギラメタスでんぱスターズ」がスタート。満開の笑顔を輝かせながら歌って踊るメンバーたちの姿に、心奪われずにはいられなかった。「バリ3共和国」「ボン・デ・フェスタ」「かぼちゃタンデム」……花道やセンターステージも使って披露された曲たちが体感させてくれたのは、カラフルな刺激に満ちた世界。「洋風」というテーマに沿った選曲によって、もともとでんぱ組.incが持っているおとぎ話の雰囲気、ファンタジー感、無国籍感が、いつにも増して浮き彫りにされているのを感じた。
相沢がデザインを手掛けた衣装についてメンバーたちが語り合っている間に、バックステージで準備を済ませた鹿目、根本のコーナーから幕開けた中盤戦。ふたりによるユニット「ねもぺろ」が披露した「しゅきしゅきしゅきぴ♡がとまらないっ…!」のインパクトは、とても大きかった。「ねもちゃん、もしかして好きな人ができたでしょ? 教えてよ。誰が好きなの?」(鹿目)。「えー! どうしようかなあ。誰にも言わない?」(根本)。「えっ! 私も好きな人なんだけど。その人と両想いだよ」(鹿目)。「えー! さっき電話で“お前が一番”って言ってくれてたんだけど」(根本)。どうやら二股をかけられているらしいことが発覚したムービーを経てスタートしたこの曲が描いていたのは、悩ましい気持ちを抱えた女の子の心。ノリノリでキュートに歌っていた鹿目と、どこか照れくさそうだった根本――というコントラストも見どころだった。続いて、「LAVILITH(相沢梨紗&桜野羽咲)」も登場して「ペイルライダー」と「スバラシキセカイ」を披露。哀愁を湛えたメロディを壮大に歌い上げていたふたりの姿に、観客は深く引き込まれていた。
諭吉佳作/menとの共演による「形而上学的、魔法」も、片時も目を離せなかった。スタイリッシュなムードを漂わせていたパフォーマンスを見つめながら、息を呑んでいた観客。そして、その余韻を噛み締めていた時に、ステージ上のスクリーンで突然流れたのは、成瀬がキュアスターの声優を務めているアニメ『スター☆トゥインクルプリキュア』の映像だった。彼女がキュアスター、キュアソレイユ、キュアセレーネと並んで歌った「キラリ☆彡スター☆トゥインクルプリキュア」、でんぱ組.incの6人とプリキュアの共演が実現した「パペピプ☆ロマンチック」――2曲を披露した後、成瀬はプリキュアの声優になるという夢が叶ったことを改めて心から喜んでいた。古川が「小っちゃい子に嘘ついて、“プリキュアのお姉さんだよ!”って言ってたもんね?」と言うと、観客は大爆笑。「今年は思い出に残る1年でした。みなさん、応援ありがとうございます! みんなのラブのおかげ。何倍にもして返していきたい!」と感謝した成瀬に温かい拍手が送られていた。
続いて始まった「ファンラブメドレー」。今年行われたホールツアーの中の「ファンラブコーナー」では、ファンのリクエストを反映した曲が各公演で披露されていたのだが、その全曲を網羅しつつ、さらにプラスアルファも加えられた内容は、まさしく「フルコース」という名前がふさわしい濃密さであった。そして、「2019年は、たくさんのことに挑戦した1年でもありました。挑戦は、ファンのみなさんの応援がないとできないということを実感しました。次に歌う曲も新しい挑戦の曲になりました」という言葉を古川が添えて披露された「おやすみポラリスさよならパラレルワールド」。スタイリッシュなサウンドでありつつ、起伏に富んだ展開を遂げるこの曲を鮮やかに表現していたパフォーマンスは、今年の活動を通して6人のコンビネーションが劇的に高まったことを強く実感させてくれた。
「でんでんぱっしょん」を皮切りに突入した終盤戦の盛り上がりも桁外れだった。「強い気持ち・強い愛」と「キラキラチューン」を経て、本編を締め括った「プレシャスサマー!」。サイリウムを掲げながら歓声を上げる観客、全力でパフォーマンスを繰り広げるメンバーたちが生み出した熱気は、真夏を呼び戻しかねない圧倒的なエネルギーを放っていた。そして、「以上! 萌えきゅんソングを世界にお届け。でんぱ組.incでしたー!」と挨拶をしてステージを後にした6人。彼女たちに送られた拍手と歓声は、やがて激しい手拍子と「でんぱ! 幕張! アンコール!」というコールと化して会場全体に響き渡った。
ステージのセンターに置かれたグランドピアノ。流麗な旋律を奏でているのは、清竜人! そして、真っ赤なドレスに身を包んだ古川がひとりで登場。ピアノ伴奏に合わせて披露してくれたのは、9月18日のZepp DiverCity公演で彼女が結婚を発表した直後に歌った「私のことを愛してくれた沢山の人達へ」。心からの感謝に満ちた歌声に合わせて、客席の全面で揺らいだ赤いサイリウムの光が、とても美しかった。間奏を経て、他のメンバーたちも合流。一際華やかに広がった歌声が、観客の「ララララー」という大合唱に彩られながら締め括られた瞬間、古川を祝福する大きな拍手が起こった。
歌い終えた後、古川は清を改めて紹介。「今年はいろんな曲を提供していただきました。ヤバい曲から、いい曲まで」という彼女の言葉を聞いて、「それ、褒めてるんだよね?」と笑っていた清。彼女のドレスに合わせて赤いネクタイとポケットチーフでキメていた彼が、下着のパンツも赤色であることを明かすと、メンバーたちも観客も大爆笑。そんな和やかなひと時の後、予想外の展開が! 「昨日、ピンキーの誕生日だったじゃないですか。今日はお祝いで未鈴ちゃんにサプライズを用意したんですよ! ずっと夢見てることを用意したので」と相沢に告げられて、何があるのかよくわからないままステージ裏に行かされた古川が準備している間、メンバーたちは「2020年春にアルバムをリリース!」「ツアー決定!」という情報を発表。そして、戻ってきた古川を待ち構えていたのは、天井から厳かに降りてきた2本のワイヤーであった。
屈強なふたりの男性スタッフによって、ワイヤーを容赦なく装着された古川。ずっと夢見ていた空中浮遊がいきなり実現することを悟った彼女は、「こういうのって、リハーサルしなきゃいけないんじゃないの? 私、飛びたいという夢はあるけど、こういう感じ?」とボヤいていたが、新曲「愛が地球を救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」がスタート。相沢、成瀬、藤咲、鹿目、根本がステージから降りて、客席内の通路をパレードしながら歌う中、ステージ上でフライング……というか宙吊りにされながら歌っていた古川。一応手を振ったりしながら歌っていた彼女であったが、激しく何度も上下移動させられる度に「きゃあー! きゃあーーーっ!」と悲鳴を上げつつ、ドレスの裾をパラシュートのようにフワフワと広げていた。
ワイヤーを外してもらえた古川は、ヘロヘロになりながら5人と合流。2周目の「愛が地球を救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ」がエンディングを迎えてから、「おめでとう! 夢が叶ったね」と祝福された彼女は、「たしかに夢が叶ったけど、想像していたとの違う……」と戸惑いつつも、「でも、夢がちょっとだけ叶いました!」と笑顔を輝かせた。そして、「いのちのよろこび」がスタート。秋葉原ディアステージに所属しているディアガールたちがダンサーとして加わり、花道やセンターステージも使って繰り広げられたパフォーマンスは、あらゆるエリアの観客を爆発的に盛り上げていた。《Oh one life, one love 歌を歌おう愛のメロディー》――観客も加わりながら、何度も繰り返された大合唱。明るい幸福感に満ちたフィナーレであった。「まだまだこれからも、みんなと一緒に最高の景色を作っていきたいと思います。ついてきてくださいねー!」と相沢が観客に呼びかけた後、全員が改めて「以上! 萌えきゅんソングを世界にお届け。でんぱ組.incでしたー!」と挨拶。マイクを通さない生声による6人の「ありがとうございました!」という言葉が響き渡って迎えた終演。盛りだくさんの内容を目いっぱいに堪能した観客は、暫くの間、興奮冷めやらぬ様子であった。
【取材・文:田中 大】
【撮影:チェリーマン】
リリース情報
UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019 SPECIAL
2019年12月04日
TOY’S FACTORY
02. でんぱれーどJAPAN
03. プレシャスサマー!
04. 子(ハート)丑(ハート)寅(ハート)卯(ハート)辰(ハート)巳(ハート)
05. Dear☆Stageへようこそ(ハート)
06. 待ちぼうけ銀河ステーション
07. キラキラチューン〜でんでんメモリー〜
08. 形而上学的、魔法
09. ユメ射す明日へ
10. あした地球がこなごなになっても
11. 〜ファンラブコーナー〜 ORANGE RIUM
12. ボン・デ・フェスタ
13. バリ3共和国
14. ギラメタスでんぱスターズ
15. でんでんぱっしょん
16. 強い気持ち・強い愛
17. 秋の葉の原っぱで
18. 私のことを愛してくれた沢山の人達へ
19. Future Diver
セットリスト
でんぱ組.inc 幕張ジャンボリーコンサート DEMPARTY 幕張式フルコース ~ア・ラ・でんぱ~
2019.12.8@幕張メッセ国際展示場2・3ホール
- 1. でんぱーりーナイト
- 2. Dear☆Stageへようこそ♡
- 3. 破!to the Future
- 4. Future Diver
- 5. ギラメタスでんぱスターズ
- 6. バリ3共和国
- 7. ボン・デ・フェスタ
- 8. かぼちゃタンデム
- 9. しゅきしゅきしゅきぴ♡がとまらないっ…! (ねもぺろ)
- 10. ペイルライダー~スバラシキセカイ (LAVILITH)
- 11. 形而上学的、魔法 with 諭吉佳作/men
- 12. キラリ☆彡スター☆トゥインクルプリキュア (成瀬瑛美)
- 13. パぺピプ☆ロマンチック
- 14. ファンラブメドレー
エバーグリーン
STAR☆ットしちゃうぜ春だしね
ノットボッチ…夏
永久ゾンビーナ
冬へと走りだすお!
くちづけキボンヌ
ブランニューワールド
IDOL
ダンス ダンス ダンス
きっと、きっとね。
エバーグリーン - 15. おやすみポラリスさよならパラレルワールド
- 16. でんでんぱっしょん
- 17. 強い気持ち・強い愛
- 18. キラキラチューン
- 19. プレシャスサマー! 【アンコール】
- 20. 私のことを愛してくれた沢山の人達へ with 清竜人
- 21. 愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ
- 22. いのちのよろこび
お知らせ
エアトリ presents 毎日がクリスマス2019~聖なる☆ディアステージvol.2~
2019/12/25(水) 横浜赤レンガ倉庫第一号館3Fホール
でんぱ組.inc presents 大忘年会2019!!!
2019/12/30(月) 新木場 STUDIO COAST
rockin’on presents COUNTDOWN JAPAN 19/20
2019/12/31(火) 幕張メッセ国際展示場1~11ホール、イベントホール
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。