2月7日、Northern19主催のライブイベント「Northern19 presents HOLY DIVERS vol.3」が渋谷TSUTAYA O-EASTにて開催された。

　トップバッターを飾ったのはTOTALFAT。SEが流れ出し、メンバーが登場すると観客が前に前にと押し寄せ、期待値MAXとなった会場に、1月リリースしたばかりのアルバムにも収録されている「Give It All」を投下。続けて夏祭りのようなドラムの音頭が印象的な「夏のトカゲ」や、クラップが鳴り響いた「晴天」などライブチューンを立て続けに披露。曲が終わるとShun(Ba)が、Northern19が自分たちをトップバッターに抜擢した意味を汲み取り「ぶち上げたいんだろ？　HOLY DIVERS、伝説作ろうぜ！」と力強く雄叫びを上げた。
中盤ではShunが「Northern19に贈ります」と話し、「準備はいいか？」と繰り返し観客に問いかけると「Good Fight & Promise You」を披露、盛大なシンガロングが湧き起こった。
MCではNorthern19とはトップクラスに付き合いが長く、まだお互い誰にも知られていないようなバンドだった時から切磋琢磨してきたと話し、「こんなデカい会場でやっちゃうんだもん、ただのモジャモジャじゃないね」とNorthern19を讃えると同時に笠原健太郎(Northern19)を連想させる発言で笑いを誘った。また、普段対バンする際は出番前に楽屋で歌唱しすぎて喉が嗄れてしまうという裏話も告白。さらにはダイブ行為についての議論が多い昨今イベントタイトルにDIVEという文字を入れることについてパンクスだと語り、観客からも歓声が上がった。ラストは「DA NA NA」でオーディエンスと一体となったシンガロングを届け、ステージを降りた。

　2バンド目に登場したのは、同じくNorthern19とつながりの深いEGG BRAIN。JOEY（Vo/Gt）の「EGG BRAIN始めます！」と同時にギターイントロがかき鳴らされると、2曲目「THE SWEETEST LULLABY」では楽曲のコール＆レスポンスの部分をイベントタイトル「HOLY DIVERS」と「Northern19」に言い換えたり、転調前に突然曲をストップさせるなど、ライブならではのアレンジで観客の興奮度を高めた。
「Northern19と出会った頃の曲」と切り出し「BELIEVE」を丁寧に届けると、MCではこの日ツアーの締めくくりを迎えるNorthern19に向け、労いの言葉と感謝の言葉をかけた。
その後、新旧様々な楽曲をプレイすると「SEVENTEEN」ではハンドクラップを発生させ、ラストの「YEAH! YEAH!」ではUchie（Dr）がステージ袖にいたNorthern19のメンバーにスティックを投げキャッチボールのようなやりとりを楽しんだり、JOEYとKUN（Ba/Vo）はステージ上を縦横無尽に動き回るなど、EGG BRAINならではの自由なパフォーマンスで観客を大いに楽しませた。

　トリ前という重大任務を任されたのは、この日の出演者きっての若手・ハルカミライ。演奏開始前ステージに小松謙太（Dr/Cho）、関大地（Gt/Cho）、須藤俊（Ba/Cho）の3人が現れステージの中央に集まると、最後に橋本学（Vo）が加わる形となり歓声が上がる。
「君にしか」でスタートを決めると須藤はもっぱらベースを持たず、間髪入れず演奏した「カントリーロード」では橋本が支えられながら観客の上を歩くと「同世代でここまでガツンとライブできる奴は俺たち以外にいねえよ」と啖呵を切り、続けて関もフロアに突っ込むようにダイブ、開始早々破天荒ぶりを見せつけた。
「PEAK’D YELLOW」では極上の日本詞シンガロングを響かせ、この日3回もの「ファイト!!」を急遽披露。息つく間もなく演奏しながらも、ケガをしている観客を見つけ声をかけては最終的に笑いに変えるなど、抜かりなくフロアを温めた。ラストはしっとりと「アストロビスタ」を歌い上げ、橋本が「俺たちの曲がわかんないやつはこのあとのノーザンで思いっきり歌おうぜ！」と呼びかけた。《眠れない夜に私 ブルーハーツを聴くのさ》という曲中の歌詞を眠れない夜に私 Northern19を聴くのさ」に変え会場を盛り上げると、「楽しい、うれしい」と繰り返し口にし、ステージ袖にいたNorthern19メンバーにもお礼を述べた。
「ジャンルの壁とか関係ないと思う。壁のない場所作ってくのがバンドの役目だと思う。今日は俺、出来たと思う」とこの日の手応えをしっかりと感じ、最後の一音を鳴らし終えた。

　Northern19お決まりのSEが流れると手拍子とシンガロングが起こる。SEが終わったタイミングで「BELIEVER」の歌い出しを聞くや否やフロアはクラウドサーフやモッシュでもみくちゃに。「MORATORIUM」では曲中TOTALFATのJoseが乱入、マイクジャックをし、そのままフロアにダイブする場面も。
MCで笠原健太郎（Gt/Vo）は「HOLY DIVERSへよく来てくれましたー！」とファンに向け喜びを表すと、TOTALFATの時から涙腺が緩んだと告白。また、馬場豊心（Dr/Cho）が笠原に向け「ただのモジャモジャじゃなかったね」とShun(TOTALFAT)の言葉を借りてすかさずツッコミを入れるなど、軽快なチームワークで笑いを誘った。
「新曲を持って来ました！」と笠原が宣言すると、場内から歓声が上がる。ライブの定番曲になること間違いなしのアップテンポなナンバーで、タイトルも決まっていないというこの楽曲に、ファンもじっくりと耳を傾けた。「SUMMER」ではフロアに大きなサークルモッシュが穴を開け、「THE NIGHT WITHOUT A STAR」ではザクザクとしたバッキングと心地よいコーラスを響かせた。
続くMCでは「新曲緊張したなあ」と笠原が吐露すると、現在楽曲制作中ということも明かし、「注目してください！」と今後の展開を期待させた。思い出話を交えながら、この日出演した3バンドそれぞれに対する想いや、敦賀壮大（Ba）が加入したことについても触れ、2020年で結成17年目を迎えてライブや楽曲もどんどん作っていくという意気込みを語った。
「ここにいる全員に捧げるぜ！」と笠原が声を上げ「NEVER ENDING STORY」でギターを鳴らすとライブチューンを連投、会場のボルテージをMAXに引き上げ、ラスト「STAY YOUTH FOREVER」まで漕ぎ着けると、この日一番の盛大なシンガロングを響き渡らせた。

　アンコールで再びステージに登場した笠原は「また今日みたいな最高の日作ろう。またライブハウスで会おうな！」と口にし、「CRAVE YOU」「FAR EAST EMOTION」を立て続けにプレイ、会場を熱狂させた。そして最後に、この日の出演者、観客とともに写真撮影をすると、アットホームなムードに包まれるなかイベントの幕が引かれた。