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SHE’S、全員“最前列”のファンと楽しんだ『Tragicomedy』リリース記念配信ライブ

SHE’S | 2020.07.03

 SHE’Sが4thアルバム『Tragicomedy』リリース日の7月1日、アルバム発売を記念した特番を生配信した。会場は渋谷CLUB QUATTRO。2016年に彼らがメジャーデビューを発表した思い出の場所だ。特番はSHE’S公式YouTubeチャンネル、スペースシャワーTV公式YouTubeチャンネル、スペースシャワーTVのLINEアカウント、スペシャアプリから同時生配信され、アルバム『Tragicomedy』に関するトーク、さらに無観客でのライブも行われ、ファンを歓喜させた。

 19時から配信された特番は、メンバーのトークからスタートした。久しぶりにライブハウスに来た4人は、「むちゃくちゃ落ち着きますね」(井上竜馬/Vo/Key)とリラックスした様子。MCの芦沢ムネトから、この日リリースされたニューアルバム『Tragicomedy』がオリコンデイリーチャートで2位を記録したことが発表されると、メンバーは「嬉しいです!」と笑顔を見せた。

 STAY HOME中の過ごし方(制作、YouTubeの配信番組、あとはゲームなど)、アルバムの収録曲「Letter」(『あつまれ どうぶつの森× Nintendo Switch Lite』2020春 CMソング)のMVが紹介された後、ニューアルバムに関するさらに深いトークへ。

 “悲喜劇”を意味するタイトルにして井上は「人生は悲劇だけでもないし、喜劇だけでもない。両方が順番、交互にやってくるし、“悲喜劇”は人生そのものだなと。それを表わすアルバムにしかったんですよね」とコメント。

 広瀬臣吾(Ba)は「いままでのアルバムでいちばん飽きないし、しっかり聴き返せるアルバム。(完成からリリースまでの)時間が経ったからこそ、それに気づけた」と、このアルバムの奥深い魅力を説明。また服部栞汰(Gt)も「今日も聴きながら来ました。1曲1曲に時間をかけて作ったので、いままで以上に思い入れがありますね」と語った。

 ピアノロックを軸にしながら、大きく広がった音楽性も本作の聴きどころ。ピアノとギター以外はすべて打ち込みで構成された「Blowing in the Wind」について広瀬は、「全編シンセベースでアレンジしたのは初めて。思った以上にいい感じにできた」とアピール。木村雅人(Dr)は、印象的な楽曲としてアイリッシュ音楽のテイストを取り入れた「Masquerade」を挙げ、「竜馬のなかでは“アルバムのなかの1曲”くらいの感じだったんだけど、デモを聴いたとき、スタッフもメンバーも“いいやん!”って。今までのSHE’Sにはないタイプの曲だと思います」と語った。

 アルバム収録曲「Ugly」のMV(美しい女性が隠し持っている醜さが暴かれていく様子を描いた映像、モデル・女優の織田梨沙の演技がすごい!)をいち早く紹介した後は、SHE’Sに縁のある人たちからのメッセージが公開された。まずは「Unforgive」が主題歌となったドラマ『ホームルーム』に出演した富田望生のビデオレターに続いて紹介されたのは、SEKAI NO OWARIのFukaseからの手紙。今年の春、一人で桜が咲く公園に行ったとき、初めて「Letter」を聴いたこと。そのとき「奪われたものばかりに目が行っていたこと」に気づかされたこと。「当たり前のことと大切なことは、言葉としてはまったく違う意味なのに、生活においては、気を付けなければ、同じものになってしまう」という文面に対し、SHE’Sのメンバーも「本当に嬉しい」と感激した様子だった。

 そして、ついに生配信ライブがスタート。新しいSE(切なさ、美しさ、透明感が融合したサウンドが印象的だった)とともにステージに登場した4人が選んだオープニング曲は、「Masuquerade」。アイルランド民謡のテイストをちりばめたイントロが聴こえてきた瞬間、切なさと高揚感が同時に湧き上がる。服部が響かせるアコースティックギターの音色、心地よく弾む木村のビート、楽曲のボトムをしっかりと支える広瀬のベースラインが絡み合い、SHE’S特有のエモーショナルなバンドサウンドへと結びつく。メンバーの表情もしっかり映し出され、まるで最前列でライブを観ているような感覚に捉われる。嬉しさと気持ちよさがこみ上げてくる。

 続いては「Higher」。曲名が示唆する通り、どこまで高く上昇していくようなサウンド、ドラマティックな旋律、<君と居たいや 暗い未来も撃ち抜くよ>が一つになり、リスナーの興奮を誘う。ライブ演奏ならではの生々しさも最高。YouTubeのコメント欄に記された「ライブハウスで ライブができることが本当に楽しそうで嬉しそうで 私も嬉しい」という言葉に思い切り頷いてしまう。実際、「久しぶりにライブハウスで音を出せるのが気持ちいい」(服部)というMCからも、メンバー4人が数ヵ月ぶりの生演奏を全身で楽しんでいることが伝わってきた。

 「(観客からの)拍手がない感じ、インディーズにもなってない、ライブハウスに2人くらいしかお客さんがいなかった頃のことを思い出すね」(井上)
 「でも、観てる人は全員が“最前”やん」(広瀬)
 「前回の配信ライブから3ヵ月。ライブがないと生きてる心地がしないし、今日のためにがんばってきました」(木村)
 というトークの後は、「One」。叙情的なピアノのフレーズ、鋭利な手触りのギターの絡みがめちゃくちゃ気持ちいい。サビに入った瞬間の解放感、大切な人との出会いを描いた歌詞を含め、ライブで聴くとさらにエモーショナルに響く楽曲だと思う。そして、この日のライブの頂点を演出したのは間違いなく、「Letter」だった。美しさ、透明感に溢れたイントロ、ファルセットを活かしたメロディとメンバー全員のハーモニー、<僕らは大切な人から順番に 傷つけてしまっては>から始まるサビの歌詞――井上の人間観、人生観が滲み出るような――がゆったりと伝わるこの曲は、SHE’Sの新たな代表曲になったと言っていい。

 ここで井上は、10月からスタート予定のツアー「SHE’S Tour 2020 ~Re:reboot~」について触れ、“SHE’S WAY”という新たなライブ形式(密集回避、接触機会削減、場内クリーン化)を紹介。ライブ実施に向けた思い、SHE’Sの音楽を届けたいという決意を改めて示した。

 ラストは「画面越しでも歌ったり踊ったりできるでしょ!?」という言葉に導かれた「Dance With Me」。華やかなサウンド、快楽的なダンスビートによって解放的な空間を生み出し、ライブはエンディングを迎えた。アルバム『Tragicomedy』のヒットによってSHE’Sは、本格的なブレイクへと突き進むはず。「またどこかで会おうぜ!」という井上の言葉が実現する日を、いまは心待ちにしていたい。

【取材・文:森朋之】
【Photo by MASANORI FUJIKAWA】

tag一覧 J-POP 配信ライブ 男性ボーカル SHE’S

リリース情報

Tragicomedy(初回限定盤)

Tragicomedy(初回限定盤)

2020年07月01日

ユニバーサルミュージック

01.Lay Down (Prologue)
02.Unforgive
03.One
04.Masquerade
05.Ugly
06.Higher
07.Your Song
08.Be Here
09.Not Enough
10.Letter
11.Blowing in the Wind
12.Tragicomedy
13.Sleep Well (Epilogue)

セットリスト

SHE’S 4th Album『Tragicomedy』
発売記念特番
2020.07.01@渋谷CLUB QUATTRO

  1. 01.Masquerade
  2. 02.Higher
  3. 03.One
  4. 04.Letter
  5. 05.Dance With Me

お知らせ

■ライブ情報

SHE’S Tour 2020 ~Re:reboot~
詳細はツアー特設サイトをご覧ください
http://she-s.info/shes-Re_reboot/

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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