あゆみくりかまき「すごく生きた心地がしました」――みんなと作った「HAPPY ROCK LIVE」
あゆみくりかまき | 2020.07.17
あゆみくりかまきにとって、初の無観客ライブ生配信「みんなと作るHAPPY ROCK LIVE」。スタート時間を迎えると、歌うたいの「あゆみ」、DJの「くりか」、盛り上げ役の「まき」が登場。「Grateful」が披露された。タオルを振り回しながら歌い踊る3人の勢いが、ものすごい。約5ヵ月ぶりのライブに懸ける想いを、強く感じることができるオープニングであった。
挨拶代わりに1曲が届けられた後に迎えた小休止。髪を短くしたまき、髪をオレンジ色に染めたくりか、「私は、そんなに変わってない……」と言っていたあゆみ――イメージチェンジの報告を経て、トークコーナーがスタート。「またぎ(ファンの呼称)のみんなと、セットリストを決めていきたいと思います」とまきが言い、ホワイトボードに一部が未定のセットリストが貼られた。彼女たちによる説明を要約すると……空欄部分の6曲を、配信画面内の投票ボタンを使って、視聴者に決めてもらうのだという。
「ファニー」「ゴリ」「エモ」の3ジャンルに分けて、各々2曲ずつ選ぶ過程で、結果の予想もしつつ、和やかに話し合っていた3人。そして、最終決定した曲は、次の通り――ファニー①「蜜蜜蜜」、ファニー②「Amagami Days」、ゴリ①「KILLLA TUNE」、ゴリ②「WAR CRY」、エモ①「旅立ちの唄」、エモ②「ナキムシヒーロー」。視聴者のコメントを読みつつ、たくさんの曲が愛されていることを実感した彼女たちは、とても嬉しそうであった。
セットリストが決定した後、一旦、楽屋に戻った3人。「ライブ視聴中のお煙草、お酒はOKとなります。ただし、ライブ中にお煙草を吸うために視聴をやめる、それも何回も何回も繰り返すことや、飲酒のし過ぎで寝落ちしてしまうことは、固く禁止します」「大声での声援も全く問題ありません」「映像をカメラなどで撮影する行為は、禁止となっております。なぜなら、一度観たら一生忘れられないライブにしてみせますので」。ユニークな注意喚起の影アナが流れて、転換時間も楽しませてくれた。そして、SEが鳴り響き、ついに迎えたライブ本編。「HAPPY ROCK」という文字が書かれた旗を担ぎながらくりかが現れた後、あゆみとまきも登場。「あゆくま、やったんで!」という声と共に「夢の続き」が、スタートした。スポーツウェア風の新衣装を着て、元気いっぱいに繰り広げられるパフォーマンスが眩しい。メンバー同士で楽しそうに視線を交わしながら歌っていた「未来トレイル」や「ジェットクマスター」に至る頃には、全国のまたぎが画面に向かって明るい声援を送っていたのではないだろうか。
先ほどの投票で決めた「ファニー」がテーマの2曲「蜜蜜蜜」と「Amagami Days」が披露されたのに続いて届けられたのは、元TOTALFATのギタリストKubotyがアレンジを手掛けた「HAPPY ROCKメドレー」。「アイノウタ」「心友フォーエヴァー」「森森森」「鮭鮭鮭」が、スピーディーに駆け抜けていく中、メンバーたちによる「10秒チャレンジ」も繰り広げられた。あゆみ=けん玉、まき=輪投げ、くりか=魚釣り(魚釣りゲーム)、3人で一斉にテーブルクロス引き、合計4種類のチャレンジが行われたのだが……成功したのはまきの輪投げのみ。失敗する度に罰ゲームのビリビリペンの電流を喰らって彼女たちが上げていた悲鳴も、「HAPPY ROCKメドレー」を熱く彩るサウンドとなっていた。そして、視聴者投票で選ばれた「ゴリ」がテーマの2曲「KILLLA TUNE」と「WAR CRY」がアグレッシブに轟き、とても気持ちよさそうに汗をかいていた3人。ライブで初披露となった新曲「ビリーでGO!」も、全力のパフォーマンスが冴え渡っていた。
「旅立ちの唄」を皮切りに、ライブは終盤戦に突入。「絆ミックス」のエンディング間際、ステージから降りた彼女たちが、フロアに広げられた「絆」という毛筆の文字を背景にして決めポーズをした場面が印象深い。一生懸命に書かれた文字と、その横に添えられた3人の手形は、応援してくれているまたぎへの温かいメッセージであった。そして、またぎから寄せられた歌の音声を重ねた「ぼくらのうた」も、感動的なひと時となった。「たくさんの方から声をいただいて、出来上がった音源を、リハに行く車の中で聴いたんです。大号泣(笑)。離れているけど、こうやって音楽で繋がれて、本当に私たちは幸せだと思うし、支えてくれるみんながいるから、今日、5ヵ月ぶりのライブを素敵な形で迎えることができました。みんながここにいると思って私たちも歌うし、みんなも目の前にあゆくまがいると思って聴いてくれるとすごく嬉しいです」――歌い始める前に、まきが想いをじっくりと語っていた。またぎの歌声に包まれた瞬間、あゆみ、くりか、まきが瞳を潤ませていた姿は、画面を見つめていた人々の胸も震わせたはずだ。
「会えない期間が、こんなにも長いのは初めてで、私たち自身も、どういう形でまたぎに届けられるのかと、すごく考えた期間でした。みんながあゆくまのことを思っていてくれるのが本当に嬉しいし、この配信をきっかけに、みんなと会える機会がちょっとずつ増えたら嬉しいし、あゆくまもみんなと会えるように歌い続けていきたいと思います」と、まきが語った後、ラストを飾ったのは「ナキムシヒーロー」。彼女たちが涙を流しながら歌った<さぁ行こう 遅すぎる夢はないんだ>という一節は、力強く前に進もうとしている気持ちを、まっすぐに伝えてくれていた。
「なんかすごく生きた心地がしました。でも、やっぱり会いたいなあって、すごく思いました。これからも私たちと一緒に楽しんでもらえたらと思います」(あゆみ)。「5ヵ月ぶりにライブができて、本当に嬉しかったです。もっとまたぎに会いたくなったライブになりました。また絶対に会いましょう。元気でいてください!」(くりか)。「めちゃめちゃ楽しかったし、嬉しかったんですけど、どこかもどかしいというのが、本当の気持ちです。もっともっとライブをしたいし、また配信ができる機会があったらやりたいと思うし、これからもみんなと一緒に歩いていきたい。そんなグループでいたいと思います。続きを必ずやりましょう!」(まき)――3人各々が、想いを言葉にして迎えた終演。爽やかな余韻を感じることができた。工夫が凝らされていたこの配信ライブは、今後の様々な可能性にも繋がっていくのだと思う。そして、再確認させられたのは、またぎと共に作り上げる空間を、とても大切にしている彼女たちの姿だ。また何らかの形で、楽しい企画が実現されていくに違いない。
【Photo by mao】
リリース情報
Grateful
2020年05月05日
Sony Music Labels Inc.
02.夢の続き
03.ビリーでGO!
04.Grateful (Instrumental)
05.夢の続き(Instrumental)
06.ビリーでGO! (Instrumental)
セットリスト
「みんなと作るHAPPY ROCK LIVE」
2020.07.12
- 00.Grateful
- 01.夢の続き
- 02.未来トレイル
- 03.ジェットクマスター
- 04.蜜蜜蜜
- 05.Amagami Days
- 06.HAPPY ROCKメドレー
アイノウタ / 心友フォーエヴァー / 森森森/ 鮭鮭鮭 - 07.KILLLA TUNE
- 08.WAR CRY
- 09.ビリーでGO!
- 10.旅立ちの唄
- 11.絆ミックス
- 12.ぼくらのうた
- 13.ナキムシヒーロー