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≠MEらしさと成長を見せた配信ライブ『次に会えた時 何を話そうかな』

≠ME | 2020.08.04

 指原莉乃がプロデュースするアイドルグループ「=LOVE(通称イコラブ)」の姉妹グループ、「≠ME」(以下ノイミー)が、7月25日に自身初の無観客ライブ『次に会えた時 何を話そうかな』を開催した。

 オープニングを飾ったのは、イコラブの3rdシングルで禁断の恋の世界を描いたシリアスなナンバー「手遅れcaution」。いきなりアイドルらしからぬ笑顔を封じたパフォーマンスで、悲しみのあまり声上げて激しく嘆き泣く様を全身で表現。メンバーそれぞれが嫉妬や愛憎といった恋愛のネガティブな部分を表情で見せ、最後は冨田菜々風以外の全員がひざまずく中で、冨田はカメラに向かって挑発的な視線を投げかけた。谷崎早耶のフィンガーダンス(タットダンス)から始まった欅坂46「サイレントマジョリティー」で激しさと鋭さが増していき、このままクールな方向性で魅せるのかと思いきや、続くNMB48「HA!」のイントロで一転。蟹沢萌子が微笑みを見せた瞬間に暗闇に光が差し、妖艶な表情を湛えた落合希来里や、時折笑顔になる河口夏音のダンスからは踊る楽しさが伝わり、アウトロでは谷崎と冨田のウインクも飛び出した。さらに、SKE48「片思いFinally」では鈴木瞳美の笑顔がグループ全体に広がっていき、谷崎から河口と歌い継いだサビでのハイキックを含め、動きの幅の大きい、ダイナミックで伸びやかなダンスを繰り広げた。

 最初のMCでは永田詩央里が「5ヵ月ぶりのパフォーマンス」であることに触れ、最年少の川中子奈月心は「史上最強に緊張した! でも、今、すごくハッピーで楽しい」とコメント。ここからユニットコーナーへと突入し、谷崎を中心とした5人で、第1回定期公演以来二回目となるイコラブの「Sweetest girl」でキュートでおしゃれなムードを作り出し、河口センターによる5人でサイリウムを持って踊った「推しのいる世界」では、「17LIVE」を同時配信していたイコラブの野口伊織が乱入。ステージの後方でオタ芸を披露し、カメラが追いつけない速さで帰っていった。さらに、永田&本田珠由記は乃木坂46「ぐるぐるカーテン」でピュアネスぶりを発揮。ダンスにかくれんぼのフリを入れ、本田が「高2なのに自分のことをみーちゃんと呼んでる」という秘密が明かされるシーンもあった。「名前順でセンターになった最初の合宿以来」という尾木波菜がセンターを務めた7人によるAKB48「彼女になれますか?」では、それぞれが告白するかのようにカメラと向き合い、落合のダンスにもフォーカス。続く、ポニーテールになった冨田、蟹沢、櫻井ももという安定した歌唱力を持つ3人による乃木坂46「君の名は希望」ではじっくりと歌を聴かせ、櫻井はニュアンスたっぷりの息声までも安定したピッチをみせた。そして、指原が冨田のために作ったソロ曲「空白の花」で、冨田はマイクをステージに置き、アカペラで1番を歌い切った。ローからハイへと次第に熱を帯びていき、ストレートで瑞々しい歌声を響かせ、声を枯らすかのようにパワフルに歌い上げる彼女がセンターを務めていることは、他のアイドルグループとの大きな違いになっているだろう。

 冨田の熱唱を受け、メンバーは「鳥肌立った」「めちゃめちゃ感動してるよ」と声を揃えながらステージに再集結。ユニット曲を1曲ずつ振り返っている途中でイコラブの野口と佐々木舞香が乱入。「私たちがノイミーでやんす」という謎の一問一答コーナーを展開し、嵐のように去っていった後、4曲目となるオリジナルソング「クルクルかき氷」を初披露。友達以上恋人未満の関係を描いたスカビートのサマーソングで、タオルをぐるぐると回し、会場全体を使ったウェーブも用意されるなど、早く生のライブで一緒に騒ぎたい1曲となっていた。余談だが、ステージ上のスクリーンに花火が映し出されるのと同時に都内の4ヶ所でも花火が上がっていた。オンラインとリアルが偶然にもシンクロし、不思議な感覚を味わった。

 ここからイコラブの曲を一気に4曲カバー。「ようこそ!イコラブ沼」のノイミー版「ようこそ!ノイミー沼」では冨田の「今夜は帰さないぜ」をはじめ、尾木や菅波らによる決め台詞が炸裂。野口が声優を務めたアニメ『走り続けてよかったって。』のEDテーマで、クリエイター集団のHoneyWorksが作詞作曲を手掛けている「アイカツハッピーエンド」では、“AIKATSU”という人文字を作り、鈴木が「最後まで目を逸らしちゃダメですよ」と煽った「「部活中に目が合うなって思ってたんだ」」では青春の情熱を感じさる躍動感で画面越しのコールも実現。冨田と櫻井のオチサビも見事で、ボーカリストとしての吸引力を感じさせた。「探せ ダイヤモンドリリー」ではそれぞれのソロ歌唱をアップで寄る演出もあり、最後は谷崎がウィスパーボイスで<I need you>とささやき、ウインクを送って締め括った。

 そして、ラストナンバーを前にスタッフから冨田に青い封筒が渡された。彼女たちのプロデューサーである指原からの手紙で、ノイミーのリーダーとして蟹沢を指名することが発表された。指原から「こんなに早くアイドルという仕事へのプロ意識があるのは本当にすごい。萌子になら安心してノイミーを任せられる」と評価された彼女は、手を震わせ、涙を目に浮かべながら、「リーダーになるのは、すごく責任があることだと思うんですよね。12人の力があるから、12人で支え合うからこそいいグループになっていけると思うので、ノイミーがどんどんステキなグループになる働きができるリーダーになれるように頑張ります」と意気込みを語った。本編最後の曲で、「サイレントマジョリティー」のバグベアと指原のタッグによる2曲目のオリジナルソング「「君と僕の歌」」は、ファンに向けて大きいステージへと連れて行くという決意を込めた楽曲だが、蟹沢の<約束さ>というフレーズや、冨田の歌声の響き、最後に全員が小指を差し出して交わす約束には、これまでよりもしっかりとした芯の通った、意思のある強さを感じた。

 アンコールでは3曲目のオリジナルで、バグベア&指原による爽やかな青春ソング「「君の音だったんだ」」、グループにとって最初のオリジナル曲である「≠ME」ではステージ全体を幅広く使ってパフォーマンスし、前者は小声で、後者は大声で好きだという気持ちを訴えかけた。また、「≠ME」には<き・づ・い・た><い・ま・こ・そ>と一文字ずつだけを歌い継ぐ難しいパートがあるのだが、1年前の初ライブとは雲泥の差と言っていいくらい、一人一人の発音もリズム感もアタックも良くなっていたことを記しておきたい。その後、初めての無観客ライブについての感想を求められた鈴木は「とっても緊張していたのですが、この状況でも応援してくださる皆さんに、私たちの思いが少しでも伝わっていたら嬉しいです。私たちはずっと皆さんのこと思っています」と画面越しのファンに呼びかけ、指原が自粛期間中にイコラブとノイミーのために書き下ろしたバラード「次に会えた時 何を話そうかな」を情感たっぷりに歌い上げ、12人で大きなハートマークを作り、最後に冨田が「なかなか皆さんに会えない日々が続いて、私たちも寂しい気持ちではあるんですけど、いつか、皆さんに会えた時、今の何倍も、何十倍もパワーアップした姿をお見せできるように12人で手を取り合って頑張っていきます」と宣言。カメラに向かって手を振りながら、「ありがとう」「大好きだよ」「また会おうね」「早く会いたいよ」とそれぞれが口々に語りかけながらステージを後にした。オリジナル曲がまだ4曲しかないとは思えないほど堂々としたステージングであった。

【取材・文:永堀アツオ】

tag一覧 J-POP 配信ライブ 女性ボーカル ≠ME

セットリスト

次に会えた時 何を話そうかな
2020.07.25

  1. 00.Overture
  2. 01.手遅れcaution
  3. 02.サイレントマジョリティー
  4. 03.HA!
  5. 04.片想いFinally
  6. 05.Sweetest girl
  7. 06.推しのいる世界
  8. 07.ぐるぐるカーテン
  9. 08.彼女になれますか?
  10. 09.君の名は希望
  11. 10.空白の花
  12. 11.クルクルかき氷
  13. 12.ようこそ!ノイミー沼
  14. 13.アイカツハッピーエンド
  15. 14.「部活中に目が合うなって思ってたんだ」
  16. 15.探せ ダイヤモンドリリー
  17. 16.「君と僕の歌」
【ENCORE】
  1. EN1.「君の音だったんだ」
  2. EN2.≠ME
  3. EN3.次に会えた時 何を話そうかな

お知らせ

■ライブ情報

@JAM ONLINE FESTIVAL 2020
08/30(日)東京 Zepp Tokyo

※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。

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