ACE COLLECTIONの本気の音楽と素顔のギャップに魅了された「LIVE ON VIRTUAL ENTERTAINMENT」
ACE COLLECTION | 2020.09.07
ACE COLLECTIONが初の限定生配信ファンクラブイベント「LIVE ON VIRTUAL ENTERTAINMENT」を開催。今回はライブだけではなく、メンバー4人のトークやゲームコーナーなども設けられ、彼らの本気も素顔もリアルに曝け出されたユニークなイベントとなった。音源やライブだけではなかなか見えない、メンバーのくだけた表情や仕草に親近感を覚えた人も多かったのでないか。音楽はもちろん、バンドのキャラクター性をも過不足なく伝える、着飾らないエンタメ性に魅了されっぱなしであった。本イベント終了後、ACE COLLECTIONの歌詞や演奏、そして楽曲自体をより一層身近に感じられることだろう。
19時ジャストにSEが流れ、たつや◎(Vo/Gt)、LIKI(Gt)、奏(Ba)、RIKU(Dr)のメンバー4人が円陣を組んで掛け声を出すと、オープニングは今年4月にリリースされたメジャーデビューミニアルバム『L.O.V.E.』収録の「Tresure」でスタート。明るい日差しが差すようなギターフレーズに導かれ、<愛を 世界の 最果てまで 轟かすよ>の歌詞通りに雄大なスケールを描き上げる。それから赤、青、紫などカラフルなライトが煌々と照りつけられる中、アップテンポな「二人フタ色」に突入。緩急を使い分けたRIKUの抜けの良いドラムも最高で、バンドのエンジンはどんどん回転数を上げていく。
その後に続くのは「ワインレッドのラビリンス」。『L.O.V.E.』収録曲の中でも、この曲は制作直前に「たつや◎の声ってエロい要素があるよね」と言われたことを受け、大人びた色気をあえて意識したものだった。歌謡テイストを強めた成熟した歌声は素晴しく、中盤過ぎのメリーゴーランド風のパートもライブでいいフックになっていた。まさに子供から大人まで幅広い層にアピールしうる訴求力の高さを魅せ付ける。
「今日は特殊なライブではあるけど、皆さん最前列で好きに楽しんでください! やっと『L.O.V.E.』の曲たちを演奏できる」とたつや◎はMCで喜びを露にした。ACE COLLECTIONも例外ではなく、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月から5月にかけて行われる予定だった「ZEPP TOUR 2020 “L.O.V.E.”」の中止を余儀なくされた。今日はやっと最新作の楽曲を多くの人に聴かせることができる。その歓喜と興奮がない交ぜとなったテンションの高い演奏に、観ているこちらも感情を激しく掻き乱される。
巻き舌風の歌い出しを用いた「リアピックアップ」は熱い歌唱力に負けじと楽器陣もパワフルな音色を轟かせ、一気に加速する疾走パートにも高揚感を刺激されるばかり。また、バックのスクリーンには歌詞が映し出され、同時にギターやマシンガンなどの映像も飛び出したりと、聴覚と視覚の両サイドから訴えるアプローチも効果的であった。
「BLACK HOLE」を挟み、場の空気を一瞬で変えたのは「WaVe」である。メンバー自身も難しい曲と取材時に発言していたけれど、制限なく解き放たれる爽快感溢れるサウンドがとにかく最高。聴くだけで、身も心も宙に浮いてしまいそうな無重力感さえも味わえた。もっと言うと、この曲はアリーナのような大きな会場でも抜群に映えそう。楽曲のポテンシャルの高さをライブで痛感した。
「みんなどんな顔して観ているのかな? 素敵なバラードができた。大切な1曲……」とたつや◎は言うと、AbemaTVオリジナルドラマ『僕だけが17歳の世界で』主題歌に起用された「70億にただ1つの奇跡」を披露。前半はアコギ弾き語りにより、甘美な歌声を存分に発揮するたつや◎。途中から楽器陣が加わり、楽曲を精妙に色付けていく。ごまかしの効かない、正攻法のバラードにおいても地に足の着いた演奏力が際立っていた。演奏を終えると、「いい曲だねぇ」とRIKUがしみじみと語り、「ほんとは直接、多くの人に届けられるはずだったのに」と付け加えた。その気持ちは視聴者も同じだろう。「この曲を生で聴きたかった」とファンの誰もが感じたはず。
気付けばライブ前半は全7曲中、「BLACK HOLE」を除く6曲が『L.O.V.E.』収録ナンバーという攻めのセットリスト。まだ慣れない新曲群を固めてプレイするのは相当なエネルギーを要しただろう。微に入り細を穿つアレンジも多く、バンドの真の実力が試される。彼らはそれを難なく乗り切った上で、「俺たち4人は自分たちを信じてる。一緒に頑張ろう!」とたつや◎は叫び、後半は「LIFEメーカー」を筆頭に「鬱憤」「BLUE」とファンに馴染みの深いライブ必須曲を次々と投下。ロックモード全開で普段のライブと何も変わらない生命力溢れるプレイを叩き付けていった。
キラキラしたメロディの飛翔感にシビれる「拝啓、君は...」も名曲然とした輝きを放ち、ラブソング「シンデレラ」における静と動のダイナミズムにもグッと惹き付けられた。その後も「ROCK STAR」「December 9」と続き、後者の曲においてLIKIは新しく手に入れたという、筆者も大好きなオジー・オズボーンの初代ギタリストであるランディ・ローズ・モデルの白いフライングV(メーカー:Jackson)のギターを華麗に弾く様にも見入ってしまった。
本編は「Lady」でピリオドを打ち、ファンクラブならではのトーク&ゲームコーナーも生配信された。
最後には『L.O.V.E.』収録曲で唯一まだ披露していなかった映画『明日、キミのいない世界で』主題歌「約束のしおり」を披露し、約2時間半に及ぶイベントをしっとり締め括った。この流れからも分かる通り、多種多様な感情を一緒くたに魅せられるのもACE COLLECTIONの武器と言える。喜怒哀楽を全開放する身近なロックスターっぷりは画面越しのファンにも十分過ぎるほど伝わったはずだ。もともとライブデビュー前に約1年間YouTube活動に励んでいた彼らだけに、配信は得意分野でもある。これまでの軌跡を圧縮したような、ACE COLLETIONにしかできない生配信イベントに、多くの視聴者が大満足したことだろう。通常のライブ再開が一番望ましいけれど、こうした配信イベントもファンにはたまらないコンテンツになりそうだ。
【撮影:小杉歩】
リリース情報
L.O.V.E.
2020年04月08日
ユニバーサルミュージック
02.WaVe
03.ワインレッドのラビリンス
04.二人フタ色
05.Treasure
06.リアピックアップ
07.約束のしおり
08.70億にただ1つの奇跡
セットリスト
LIVE ON VIRTUAL ENTERTAINMENT
2020.08.13
- 01.Treasure
- 02.二人フタ色
- 03.ワインレッドのラビリンス
- 04.リアピックアップ
- 05.BLACK HOLE
- 06.WaVe
- 07.70億にただ1つの奇跡
- 08.LIFEメーカー
- 09.鬱憤
- 10.BLUE
- 11.拝啓、君は...
- 12.シンデレラ
- 13.ROCK STAR
- 14.December 9
- 15.Lady
- EN1.約束のしおり
お知らせ
メジャーデビューミニアルバム
『L.O.V.E.』
https://lnk.to/AC2020
■メディア情報
RADIO BLAST powered by Fanplus Music
たつや◎が毎月第1金曜日にパーソナリティを務める、TOKYO FM FESTIVAL OUT内のコーナー「RADIO BLAST powered by Fanplus Music」と連動し、番組終了後の21:30には「01’s STATION With TOKYO FM」もファンクラブ「01’s」で配信中。
「01’s」へのご入会はこちら
https://sp.acecollection.jp/feature/entry