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WEAKEND WALKER、結成1周年プレミアムライブ。2020年代を牽引する革新的ロックライブを披露

WEAKEND WALKER | 2020.09.23

 待ちに待ったライブだった。センター街のど真ん中に位置するライブハウス、Veats Shibuyaで2020年9月19日に開催されたWEAKEND WALKER(以下、WW=ダブダブ)、結成1周年記念『1st ANNIVERSARY LIVE』。当日は、ボーカル・SiNの21歳の誕生日だ。

 しかしながらコロナ禍であることから、当日のオーディエンスやスタッフの人数は最小限に。感染症対策の徹底から、オーディエンスはフェイスシールドの着用が推奨された。そもそも、座席数を制限したことからチケッティング的にも争奪戦。超絶プレミアムなライブとなった。

 先に断言しておこう。今日、ライブを観られたオーディエンスは歴史の証人となるだろう。そんなこともあり、残念ながら観られなかったリスナーのためにもしっかり細かく記録していきたいと思う。

 一言で感想を述べるのならば、WWの成長を大きく感じられたステージだった。バンドの“これまで”と“これから”が交差する、ターニングポイントとなるプレミアムな40数分のセットリスト。次世代バンドらしく圧のある低音ビートが気持ちいい。“これぞライブだ!”と心の中でテンションあがりまくりのワンマン公演となった。

 18時の開演前、ステージ後方スクリーンには黒字に赤で時刻が表示されていた。流れるBGMは、SerphなどエレクトロなインストチューンがSF感あるステージを雰囲気作る。定刻を少し過ぎてフェードアウトし、メンバー登場。tricotのドラマー・吉田雄介をゲストに迎え、生演奏が映えるエモーショナルなバンドサウンドによって本編スタート。

●1曲目. DEARM EATER

 白い出で立ちにピンクに染めたの髪が印象的なボーカリストSiN。黒い上着を引っ掛けるギターのteppeとベースのtaichi。ファッショナブルな3人だ。イントロを鳴らす淡いギター・アルペジオにのせてストーリーテリングするボーカリゼーションの妙。緊迫感を打ち破り加速するビート。背景のスクリーンにはリリックビデオや動画が映し出されながら、圧巻のサウンドを決めまくる。WWは“ライブバンドだ!”と、確信したオープニングだ。



●2曲目. 蛍

 未発表曲のプレイ。ドラムの後方から照らされる赤い照明、SiNを上から照らすスポットライトの輝きが印象的なステージ。プログレ風ダイナミックなドラム・アプローチに、内なる心境を吐き出すメッセージ性がオルタナティブなロック・スピリットを刺激する。

●3曲目. 黒点

 SEとなる、ロケットが空へ飛び立つシーンの映像とともに、SiNによる「WEAKEND WALKERです。今日はよろしくお願いします!」と、MC第一声が発せられた。きらびやかな音のうねりは「黒点」のイントロダクションへと繋がり、一気に宇宙空間へ僕らは投げ出された。揺蕩うように歌われる儚さと切なさ。teppe、taichiによるコーラスワーク。徐々に沸点が四つ打ちビートで高まっていく熱さ、ギタープレイのエモーショナルな高まり。<燃える体に誰も近づけない>という焦燥感あるパワーフレーズが炸裂する人気チューンだ。



●4曲目. Polar Bear

 SiNによるMC、「今日は、WEAKEND WALKER 1周年記念ライブ、ご来場ありがとうございます。次の曲は『Polar Bear』。楽しんでいきましょう!」をきっかけに、メロディアスかつダンサブルなサウンドが一気に緊迫した雰囲気をほぐしてくれる。スタンドからハンドマイクに持ち替え、左手、マイク位置高めに歌うSiNのステージアクションに目を奪われる。華のあるシンガーだ。なお、歌詞で描かれるストーリーは“シロクマ実験”という心理学者による皮肉過程理論での人間の思考過程からインスパイアされたという。

●5曲目. 盤上のカランコエ

 一気に駆け抜けるように人気チューンが続く。“正義とは何か?”をテーマに、盤上で白と黒で織り成すオセロになぞらえながら没入していくナンバー。二律背反、様々な事象を問いかけながら、もがきながらも解放へと向かっていく、ライブに似合うナンバーだ。エモーショナルな歌声と、跳ねるビート、軽やかに優しさを奏でるギターリフが高揚感を高めていく。



●6曲目. Orange

 踏切の音や街の雑踏のシーンを挟み、バンドにとって大事な最初期のナンバー「Orange」。ピアノが牽引する繊細なるポップバラードだ。オレンジから赤へとグラデーションする照明が美しい。teppeによる、どこかしら90年代センスを感じる人懐っこさが琴線を刺激するのだ。そして、宇宙を突き抜けるかのようなSiNによるサビの高音ボイス、泣くように歌うギターソロにも着目したい。一気に没入感深いせつなき感情へ、淡い気持ちが二重螺旋の渦に巻き込まれていくかのように吹き飛ばされていく。



●7曲目. CHECKMATE

 ここでSiNによる新曲の解説へ。「あらためまして、本日はWEAKEND WALKER 1周年記念、ANNIVERSARY LIVEにご来場いただいてありがとうございます! ……皆様、新曲聴いてくれましたか? どうでしょうか? WEAKEND WALKERとしてはじめてのフィーチャリング曲。そして、ありがたいことにアクションRPG『ドラガリアロスト™(配信元:任天堂)』のイベント・テーマソングにも起用された楽曲ですが、今日ははじめて皆さんとライブで共有できるということですごく楽しみに、そしてたまらなく嬉しく思います。あと残り3曲と、短いですが最後まで楽しんで付き合ってもらえたらなと思います、『CHECKMATE』。」

 taichiによる、うねる5弦ベース。ライブ・アレンジとしてよりロッキンに、すべてのパートをSiNが歌うWWオンリー・バージョンとなる「CHECKMATE」(配信バージョンでは、2人組ユニットDUSTCELLのボーカルEMAをゲストボーカルに迎えている)。ギターで刻んでいくワイルドな展開が沸点寸前、teppe、taichiのシャウトもハードに2020年という時代をあらわす、ナイフのように尖った決意表明ともいえる未来派ストリート・ミュージックが繰り広げられていく。



●8曲目. Liar

 続け様に、ギター・カッティングが鳴り響き、ボーカロイド、初音ミク楽曲としてWWで制作した「Liar」のWWバージョンの披露だ。畳みかけるラップ風ボーカル。重なり合うコーラスワークで展開し、サビでダンスパートに一気に変化。踊れるキャッチーなキラーチューンとなる甘い響きに思わず鳥肌がたった。スクリーンには、嘘の仮面を被った少女の顔が。そんな相反する感情を、音楽で救い解き放つかのように感情をアップリフトしていく展開が熱い。時がときなら、フロアとステージでコール&レスポンスが鳴り響く大盛り上がりのナンバーだ(コロナ禍では、心の中で歌うしかない制限が……)。ラスト、SiNによる「ありがとう!」の声にも熱が入る。



●9曲目. Nights Out

 「あらためましてWEAKEND WALKER 1周年記念ライブ、本日はご来場いただいてありがとうございます。あっという間ですが、次の曲で最後の曲になってしまいます。……こうやって、みんながフェイスシールドを付けて観てくれて。こう、ワイワイガヤガヤできないのは、ちょっとアレですけど。やっとこうやって電波越しじゃなくて、生で音楽を共有できてたまらないです。ありがとうございます。……ほんと、死にたくなるようなことがたくさんあって。理想と現実のギャップに時には涙する夜もあるんですけど。でも、そんな夜を抜け出して、俺ら叶えたい事があって。そのためにどこまでも走っているっていう気持ちと決意と。同じ悩みを抱えている人にちょっとでも届くように筆をとって作った曲です。『Nights Out』。ありがとうございました!」

 跳ねるビートが感情高まる、初披露となる新曲ポップチューン「Nights Out」。これはまたいい曲だ。<どうしても見たい景色がある!>、という歌詞が胸に突き刺さる。メロディメーカーteppeによる、宝物のようなサビのギターリフがとてもキャッチーな響きを奏でていく。この曲を演奏している風景、それこそ武道館やアリーナなど、大きな会場が似合うナンバー。野外ロックフェスでも聴きたいナンバーだ。

「ありがとう!」、頭を深々と下げるメンバー。SiNが話す。「WEAKEND WALKER、1周年記念ライブに来てくれてありがとうございます。1周年という、こんなめでたい日に。……コロナで大変だけど、……そんな時代に集まってくれて嬉しい限りです。また会える日を楽しみにしています。ありがとうございました!!!」。
 アンコールは無し。メンバーがステージを去っても、オーディエンスは誰一人帰ることなく余韻に浸り続けていた……。

 全9曲、WWによる“これまで”と“これから”の歴史が交差する貴重なるプレミアム・ライブ。ボカロ文化圏 ~ YouTube文化圏 ~ TikTok文化圏出身アーティストが躍進する2020年のエンタテインメント領域。WWも、ネットシーンを出自としながらも、彼ら3人はライブというコミュニケーションをとても大事にしている事が、今日のステージでこれでもかというほどに伝わった夜だった。“大嫌いな人を思い浮かべながら闘争心を高めるためのおクスリ”をテーマに生み出された超絶アグレッシブな最新曲「CHECKMATE feat. EMA」を聴きながら、次なるアクションを心待ちにしたい思う。それにしても、コロナの馬鹿~!!!

【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】
【撮影:Ryuichi Taniura】

tag一覧 ライブ 男性ボーカル WEAKEND WALKER

リリース情報

CHECKMATE feat. EMA

CHECKMATE feat. EMA

2020年08月31日

Cymusic

01.CHECKMATE feat. EMA

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セットリスト

1st ANNIVERSARY LIVE
2020.09.19@Veats Shibuya

  1. 01.DREAM EATER
  2. 02.蛍
  3. 03.黒点
  4. 04.Polar Bear
  5. 05.盤上のカランコエ
  6. 06.Orange
  7. 07.CHECKMATE
  8. 08.Liar
  9. 09.Nights Out

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