コブクロ、自身初となる無観客配信ライブ「KOBUKURO STREAMING LIVE」
コブクロ | 2020.10.14
10月3日(土)、コブクロが自身初となる無観客配信ライブ「KOBUKURO STREAMING LIVE」を開催した。
開演時間の19時30分になると、バンドメンバーが勢揃いしたステージへ拳を掲げた小渕健太郎と黒田俊介が現れた。こういった本格的なライブは、昨年のツアーファイナル以来1年2ヵ月ぶり。コブクロの音楽を愛するすべての人が、待ちに待っていた瞬間だ。
「「KOBUKURO STREAMING LIVE」へようこそ!コブクロです!久しぶりのライブ、今日は画面を通してみんなと一緒に楽しい時間を過ごせるのを、めちゃめちゃ楽しみにしていました。黒田と僕と、バンドメンバーと愛すべきスタッフと一緒に、最高のライブを届けます!」と、幕開けを告げる小渕の声にも気合いが入っている。1曲目に歌われたのは、「君という名の翼」。ここまで溜め込んでいた何かを一気に解き放つような、力強くて晴れやかなオープニングだ。黒田のボーカルも、小渕のギターも、どんどん熱を帯びていく。ツアーグッズのLEDライトを手に、いつも通り手拍子を促しながら盛り上げる黒田。バンマスでもある福原将宜のギターソロでは「ソーシャルディスタンス(笑)」と距離を取りながら笑い合うなど、リラックスしてライブを楽しむメンバーの様子もしっかりと伝わってきた。
2曲目の「Million Films」を歌い終え、ふたりはこの日最初のMCを開始。黒田は「今日は俺の得意なお客さんイジリが全く出来ない」とボヤきながら、「万が一、俺のトークがスベった時用に」と仕込んでおいた笑い声の効果音ボタンを連打(笑)。いつも通りの掛け合いで場を盛り上げつつ、小渕は「無観客のライブは初めてだけど、ストリートの時はお客さんもいなかったし、ライブハウスがいっぱいにならない時期もあった。でも今回は、こんな時代になっても画面を通して待っててくれる人がいる、そんな中での無観客。僕はこの無観客の”無”を”夢”と書きたいね!」と熱く語っていたが、もちろん黒田からのツッコミが(笑)。テンポ良くトークを展開していき、残念ながら延期になった東京五輪とアスリートたちへの思いを込めて歌われた「今、咲き誇る花たちよ」や、名曲「桜」を丁寧に届ける。またこの日は、ステイホーム期間中に多くの人が感じたであろう憂鬱や不安に触れ、今日はとにかくゆっくり休もう、そんな気持ちを込めて作ったという新曲「Lullaby」が初めて披露された。その後ステージを降り、フロアで歌ったニューシングル「灯ル祈リ」もこれがライブ初披露。「押し寄せる不条理に負けていたら、今頑張っている人たちの瞳に晴れやかな空を映せなくなる。僕らには出来ないことがたくさんあるけど、歌でなら何か届けられるという思いで作った曲。皆さんの中にもある小さな灯火が、誰かにとっての大きな光になるように」(小渕)との思いを込め、小渕と黒田が自粛期間中にリモートで作り上げたというこの曲。スモークと照明が作り出す荒波のような光の中で、ふたりの力強い歌が浮かび上がっていた。
歌い終えてメインステージに戻ろうとする小渕と、「ええやん、こんなに広いんやから(笑)」とその場に座り込む黒田。お互いの衣装の話や自粛期間中に家で何をしていたかというトークが始まったのだが、リモートワークの良し悪しなどこのご時世ならではのネタで大いに盛り上がっていた。ようやくメインステージに戻った2人は、「潮騒ドライブ」から後半戦へ突入。アッパーなナンバーが続く中、ソーシャルディスタンスを保ちながらのパフォーマンスでカメラの向こうにいるオーディエンスを盛り上げる。恒例となっている「轍-わだち-」の合唱部分では、バンドの音が消え、ガイドする黒田の声も小渕のアコギの音も消え、画面の向こうにいるオーディエンスの歌声だけを信じる無音のパフォーマンスが繰り広げられた。この日も冒頭のメンバー紹介の最後に小渕が「今日の日を待ってくれていた最高のメンバー、お客さんです!」とカメラに向かって呼びかけていたが、コブクロのライブは決して一方通行ではないのだ。どんな楽しみ方でもいい。そこにいるひとりひとりの存在をちゃんと感じてくれているーーそんな気持ちが伝わってきた印象的なシーンだった。
エネルギッシュな「神風」で本編を終えると、ふたりを呼ぶいつもの“アンコール”が聞こえてきた。これもまた、配信ライブであってもみんながコブクロの音楽で繋がっていることを伝えてくれる粋な演出だ。いつも通りも、いつも以上もしっかり盛り込んで楽しませてくれた今回のライブ。「晴々」を高らかに歌い終えると小渕は「たくさんの皆さんが今日のライブを作ってくれました!久しぶりにバンドにも会えました!愛すべきスタッフにも会えました!そして遠くのみんなとも一緒に歌えました!本当にありがとう!」と心からの感謝を伝える。最後はステージ中央に集まってきたメンバー全員で「またライブで会いましょう!」と呼びかけていたが、いつもライブの最後に聞いていたこの言葉に改めてグッときた人も多かったはず。初の無観客配信ライブをやり切った2人は、清々しい笑顔を輝かせながらステージを後にしていた。
リリース情報
灯ル祈リ
2020年10月14日
ワーナーミュージックジャパン
02.Lullaby
03.灯ル祈リ(Instrumental)
04.Lullaby(Instrumental)
セットリスト
KOBUKURO STREAMING LIVE
2020.10.03
- 01.君という名の翼
- 02.Million Films
- 03.今、咲き誇る花たちよ
- 04.流星
- 05.桜
- 06.Lullaby
- 07.陽だまりの道
- 08.灯ル祈リ
- 09.潮騒ドライブ
- 10.轍-わだち-
- 11.神風
- EN1.晴々
お知らせ
宮沢和史・デビュー30周年記念コンサート
~あれから~
10/18(金)Bunkamura オーチャードホール
ゲスト:コブクロ、ハナレグミ、藤巻亮太
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。