須田景凪、初のオンラインライブ「須田景凪 ONLINE LIVE 2020 “催花”」
須田景凪 | 2020.10.31
須田景凪が、10月23日に初のオンラインライブ「須田景凪 ONLINE LIVE 2020 "催花"」を行った。
本公演は、全国ツアーとして予定されていた「須田景凪 TOUR 2020 はるどなり」が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を踏まえ、緊急事態宣言発令を受け全公演中止となった結果、オンラインライブへと至った経緯を持つ。
そもそも、須田景凪としても今年はまだ2回目のステージ。1月25日、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行なった5G技術を演出に活用した完全招待制のライブ「uP!!!NEXT 須田景凪~晩翠~ powered by au 5G」以来、実に9ヵ月ぶりのコンサートとなった。
オープニング映像を挟んで、1曲目はEP「porte」に収録された人気曲「couch」からスタート。“生まれてきたから疑わずに歩いてきた”と宣誓する、グルーヴがうねるロックチューンだ。続いて、妖しげなギターリフが狂おしくもポップなバルーン名義作品を、自ら歌唱するキラーチューン「メーベル」をプレイ。
注目すべきは、ステージ前方に歌詞がAR(Augmented Reality -拡張現実)で浮かびあがり、ミュージックビデオでおなじみのアボガド6によるアニメーションが重なっていくオンラインライブならではの演出だ。勢いそのままに、ハイテンポかつ情報量の多いビートチューン「パレイドリア」では、ダイナミックなカメラワークで魅せてくれる。オンラインライブならではの楽しさを追求する演出展開だ。
途中、暗転しセットチェンジが行われるとステージにはソファが。「MUG」では、メロウに跳ねるビートにたゆたうように歌いながらも、ミュージックビデオ作品同様に大谷たらふによるアニメーション映像がARで展開されていく。圧巻のワンシーンだ。
続いて、NHKみんなのうたでおなじみとなった「Carol」では、ラップトップパソコンを前に歌唱。聴く者に寄り添うかのように、目をつむりながら祈るように歌い上げてくれた。
早くも、ここからは後半戦だ。
バンドスタイルに戻り、オンラインライブならではのベスト選曲が続いていく。まずは、新境地となったR&Bセンスが郷愁を誘いながらも軽快なビートが中毒性高い映画『二ノ国』主題歌「MOIL」を披露。
勢いそのままにバルーン名義で発表され大ヒットとなったネット発音楽シーンを牽引する「シャルル」。
そして、TVアニメ「炎炎ノ消防隊」エンディング主題歌「veil」というアッパーチューンが続き、途中、「はるどなり」をモチーフとしたインストによるインタールードを経て、青いスモークに浮かぶCG映像が幻想的な中ダンサブルな「Alba」を歌い紡いでいく。
サポートメンバーはおなじみのモリシー(Gt / Awesome City Club)、雲丹亀卓人(Ba)、堀正輝(Dr)という、タイトなビートが魅力の、鉄壁のバンドアンサンブルを誇る3名。安定感あるステージを堪能させてくれた。
ラストにMCで「今日はありがとうございました。2月に新しいアルバムを出します。そこから1曲、新曲をやらせてください!」と、オーディエンスに声をかけながら、2021年2月3日にリリース予定のメジャー1stフル・アルバム『Billow』より新曲「飛花」を歌い上げる。
ボカロ文化から新たなカルチャーは芽吹き、自身で歌唱することで唯一無二となるアーティスト性の獲得を証明した須田景凪。疾走するビートセンスに絡み合う歌えるメロディー。片時も心を離すことない、中毒性の高い研ぎ澄まされたサウンド・プロダクション。2021年、さらなる活躍に期待したい。
【取材・文:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)】
【撮影:Takeshi Yao】
リリース情報
Billow
2021年02月03日
ワーナーミュージック・ジャパン
01.Vanilla
02.飛花
03.刹那の渦
04.Alba
05.veil
06.Carol
07.メメント
08.MUG
09.迷鳥
10.風の姿
11.MOIL
12.はるどなり
13.welp
14.色に出ず
15.ゆるる
02.飛花
03.刹那の渦
04.Alba
05.veil
06.Carol
07.メメント
08.MUG
09.迷鳥
10.風の姿
11.MOIL
12.はるどなり
13.welp
14.色に出ず
15.ゆるる
セットリスト
須田景凪 ONLINE LIVE 2020
“催花”
2020.10.23
- 01. couch
- 02. メーベル
- 03. パレイドリア
- 04. MUG
- 05. Carol
- 06. MOIL
- 07. シャルル
- 08. veil
- 09. Alba
- 10. 飛花