5つの新曲含めて全15曲を届けた再会の一夜――モン吉、初の生配信ライブ「猿の宴」を徹底レポート!
モン吉 | 2020.11.27
室内なのにまるで野外キャンプ場のように、テントやチェア、ランタンなどが置かれた心地よい空間がそこにあった。11月23日午後7時、モン吉、初のオンラインライブ「猿の宴」。コロナ禍で外出もままならない時期だからこそ、音楽の力で心を解放したい。そんな願いが込められているような、素敵なステージセットとともに、我ら音楽を愛する猿たちの宴が始まる。準備はいいか?
1曲目はいきなりの新曲「RUNNIN’」。いかにもモン吉好みのスタイリッシュなEDMチューンで、<走り出せ それぞれ自分のペースで>と歌う歌詞も、自由人・モン吉らしいメッセージ。背後で踊る赤タンクトップに半パンの男は、おなじみのDJ兵頭だ。森の木陰でドンジャラホイ、野外だって室内だって、モン吉が歌えばそこがパーティー会場だ。
「モン吉です。観てくれてますか? 途中で飽きて観るのやめんなよ!(笑)」
久々の生歌、慣れない環境にもかかわらず、マイクを握れば自然に言葉が湧き出て体が動く。懐かしいファンモンの「告白」から、オールドスクールなヒップホップトラックと滑らかなライミングがかっこいい「ONE DAY」へ、快調なペースでビートは続く。新曲「WONDER DAY」は、切れ味鋭いギターとエレクトリックピアノをサンプリングした、明るくファンキーなヒップホップチューンだ。キャッチーなメロディメイカー、親しみあるリリシスト、柔らかく人を巻き込むパフォーマー。ほかの誰でもない、モン吉ならではのセンスがキラリと光る。
「コロナ禍で、みんな殺伐としているから、あったかい歌を――」
原曲では前川真悟(かりゆし58)をフィーチャーしていた「愛の花」を、今日はモン吉ひとりでゆったりと伸び伸びと。カチャーシーの掛け声と三線の音色、沖縄の香りをたっぷりと含ませた、人懐っこいサウンドに心なごむ。そこから急転直下、ケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)が手掛けたスペイシーなEDMトラックに乗せ、ラーメンへの偏愛を歌う「なると」へ。背後でDJ兵頭は皿を回し、ではなく丼をかかえてラーメンを喰っている。八王子市民のソウルフードと言われる「みんみんラーメン」、見事完食。意味はよくわからないが、とにかく楽しい。
「オンライン初ゲスト、来てくれました。八王子の愉快な仲間達です!」
呼び込まれた地元の盟友、マサとナリナリのふたりを加え、しばしご歓談のゆるトーク。からの、ふたりをフィーチャーした「夢の足跡」「ハレルヤ」の2曲は、以前もステージで共演経験のある曲だが、今日はよりパーソナルにリラックスムードでお届け。ダンスホール風の軽快なビートがはずむ「夢の足跡」では、3人揃ってのロールダンスを披露し、ラストはそれぞれ『鬼滅の刃』のキャラに見立てた決めポーズ。いい歳をした3人が子供のようにはしゃいでる、それを見るだけでなんだかうれしい。
「新曲良かった!」「我が家は大盛り上がり!」「楽しいです!」「元気です!」。DJ兵頭がiPadの画面を見ながら読み上げる、リアルタイムのコメントはどれも大好評だ。そのまま勢いに乗り新曲2連発、「久々にド直球のラブソング」という「君が好き」は、ファンモン時代を思わせるピュアでストレートな恋愛詞が、初めて聴くのになぜか懐かしい。そして「久々にド直球の応援ソング」という「夢のつづき」は、とことんエモいサビのメロディ、気迫の熱唱でぐいぐい迫る。夢のつづきを追い続けている。諦めたくはない。今日の自分を超えろ。初めて聴いた曲なのに、言葉が突き刺さって離れない。
会えないけれど、大事な人を思い浮かべて聴いてください――。今こそ沁みるメッセージを持つ「遥か」は、コロナ禍に揺れる時代の中で、あの頃よりもさらに力強く意味深い曲になった。そしてこの日5曲目の新曲は、コロナ以前に作られていたにもかかわらず、未来の自分へ希望を託す歌詞が絶妙に現在とシンクロする。タイトルは「未来の手紙」。<拝啓、未来の君は元気でいますか?>と歌い出す歌詞が印象的な、モン吉らしい優しさあふれるメロディアスなバラードだ。
「ここまでしんみりした曲が続いたので、ここからアゲていこうかな。みんなも乗ってくれ、鬱憤晴らしてくれ!」
さあ、ライブはいよいよ最終章。ラストスパートの合図代わりに放たれた1曲「メロディーライン」は、言わずと知れた、ファンモン時代からの鉄板盛り上げライブチューン。精密なドラムンベース系のビートに乗り、“NO MUSIC NO LIFE!”と叫ぶ熱い気持ちは、ホールでもアリーナでも、今これを聴いているそれぞれの場所でも違いはない。たたみかけるように「ちっぽけな勇気」へ、もはや歌うというより叫びに近い、喉もちぎれよとばかりの熱唱がすごい。すべてを出し尽くさずには終われない、ライブはいよいよフィナーレだ。
1月27日、3rdアルバムのリリース決定! 2月6日から全国ツアー決定! ここでふたつのビッグニュース。コロナ禍による混乱と停滞の1年の終わりに、新しい年に向けた発表が本人の口から聞けて本当にうれしい。「アルバムとツアーをよろしく!」と叫ぶ笑顔、多幸感いっぱいのビートに乗せ、高らかに鳴り響いた「サヨナラREMEMBER」は、また次に会うための約束の歌だ。「ありがとう!」と手を振る、モン吉の目はすでに2021年を見据えているのだろう。マイペース、真っすぐ、自由、幸福、抱擁感、ユーモア。画面越しに久々に会えたモン吉は、やはりモン吉のままだった。
アンコールはなし。なのだが、その代わりに終演後、ファンクラブ会員限定で視聴可能な「アフタートーク」が用意されていた。いい汗かいたあとの、リラックスした姿勢がいい。会場を飾った「9割9分私物」という、キャンプグッズの数々を紹介する笑顔がいい。久々のライブを振り返りつつ、来るべきアルバムとツアーに思いをはせる、ワクワク気分が伝わる言葉がいい。2021年は丑年だが、きっと申(猿)が活躍するだろう。新たな目標に向かって走り始めたモン吉の決意が伝わる、初のオンラインライブ「猿の宴」。アーカイブ視聴は、11月30日(月)23:59までだ。見逃した方はぜひチェックしてほしい。
【撮影:久保永隆二】
<アーカイブはこちらから>
https://tixplus.jp/feature/monkichi_201123/
[視聴期間]
11月30日(月)23:59まで
リリース情報
モン吉3
2021年01月27日
ドリーミュージック
02.WONDER DAY
03.君が好き
04.夢のつづき
05.TAKE
06.未来の手紙
07.ONENESS
08.チャイルドキッド
09.ROLLIN
10.LOOP MAGIC feat.NillNico
11.WEDDING SONG
12.君の面影 feat.ラブリーサマーちゃん
13.メロディ
セットリスト
猿の宴
2020.11.23
- 01.RUNNIN’(新曲)
- 02.告白
- 03.ONEDAY
- 04.WONDER DAY(新曲)
- 05.愛の花
- 06.なると
- 07.夢の足跡
- 08.ハレルヤ
- 09.君が好き(新曲)
- 10.夢のつづき(新曲)
- 11.遥か
- 12.未来の手紙(新曲)
- 13.メロディーライン
- 14.ちっぽけな勇気
- 15.サヨナラREMEMBER
お知らせ
SARUTABI2021~MEGURU~
2021/02/06(土)福岡 DRUM SON
2021/02/13(土)大阪 アメリカ村 FANJ twice
2021/02/21(日)宮城 仙台MACANA
2021/03/06(土)香川 高松DIME
2021/03/19(金)愛知 ell.FITS ALL
2021/03/26(金)東京 Shibuya WWW
※その他のライブ情報・詳細はオフィシャルサイトをご覧ください。